こんにちはボクシングブロガーのtorajiroです。
3150FIGHT vol.6はメインで予定されていた重岡銀次朗選手の世界戦が銀次朗選手の怪我で中止になるというピンチに。
「東京を殴りに行こうか!」と銘打った3150FIGHT vol.5のハーフタイムショーでアスカさんが亀田興毅ファウンダーに「世界を殴りに行こうかだろ!?」と呼びかけ、3150FIGHT vol.6のサブタイトルは「世界を殴りに行こうか!」にランクアップ。
しかし発表されているカードでは世界戦は0。
銀次朗選手の世界戦に続いて世界ランカー対決のアルアル・アンダレスVSウィルフレッド・メンデス戦も延期に。
世界を殴りにいけそうな位置にいる選手は西田凌佑選手のみ。
果たして「世界を殴りに行こうか!」に相応しい興行となるかどうか!?
毎回アッと驚くサブライズを用意してきた亀田興毅氏に大逆転の秘策があるのかと期待しましたが、最終的に実験的な取り組みやサプライズ発表で次に繋げていくような興行になりました。
そんな3150FIGHT vol.6の見どころ・観戦記です。
ウェルター級8回戦 ファン・カルロス・トーレス(プエルトリコ) VS 長濱陸(石田)
試合の見どころ:集まれ長濱拳法が観たいボクシングファン!
ファン・カルロス・トーレス選手の戦績は21戦20勝(16KO)1敗。
勝率もKO率も驚異的な危険なボクサーを迎え撃つのは復帰2戦目を迎える長濱陸選手。
長濱選手と言えばボクシングファンにはお馴染みの理論派ボクサー。
>>激レアさん。キャラ立ち個性派現役ボクサー10選(vol.1)
YouTubeやブログで発信している体の使い方に関する解説はマニアックなネタながら再生数も多く勉強になる内容となっております。
ファン・カルロス・トーレス選手との試合では長濱拳法を自らの体で体現したボクシングで勝利を手にすることが出来るでしょうか。
心理戦も含めた長濱選手の戦い方に注目!!
長濱選手の教えで成長を遂げた長岡嶺選手は2023年度の新人王トーナメントで勝ち上がっております。
観戦記:トーレスと長濱陸勝敗を分けたものは何か?
世界戦がなくなり危機的状況の3150FIGHT vol.6は何とオープニングファイトで8回戦のトーレスVS長濱陸選手をチョイス。
西田選手の世界前哨戦に続いてレベルの高い両者の一戦をオープニングファイトに。
ここまで思い切った試合順変更はボクシング興行において前例がないのでは。
- 注目の試合を分散させて配置することで視聴数にどういった影響があるか?
- 観戦疲れのない第一試合にハイレベルな試合を持っていく事で会場の盛り上がりはどうなるか?
ピンチをピンチのままで終わらせず、こうした実験的試みをしてくる点はさすがの3150FIGHT。
さて、試合については元世界ランカーでハードパンチャーのトーレス選手が2Rと3Rにダウンを奪い3対0の判定勝利。
たらればを言ってしまうと、ダウンがなければ長濱選手が先手を取って有効打でも上回って判定勝利していたであろう内容でした。
1R目を終えて、「良し!長濱選手がポイントを取っている。相手のフィジカルの強さは感じるけれど対応出来ないレベルではない。」という手応えがあった一方、「どこかで捕まるのではないか?」という一抹の不安も感じる立ち上がりでした。
そして2R目に長濱選手がハンドスピードを活かした攻撃で優勢に見えた中でトーレス選手の右をもらいダウン。
3Rにもらった右アッパーは最初スリップかと勘違いしましたが、2Rのダウンのダメージがまだ残っていたのでしょう。
4R以降は長濱選手が盛り返し、7Rにはトーレス選手が長濱選手の右をもらって明らかに効いているように見える場面も。
序盤のダウンが勝敗を分ける結果になりましたが、両者の実力的には五分でした。
トーレス選手の圧力・パンチ力は脅威でしたが、中盤以降は長濱選手もそのパワーに十分対応出来ていました。
今回の敗戦を長濱選手がどう分析して次に活かしてくるか、そこに注目しております。
Sフライ級6回戦 政所椋(KWORLD3) VS ウィーラナット・クイウォンターン(タイ)
試合の見どころ:なるか3150エリート政所の秒殺KO
アマチュアで国体を制して1RKOでデビューした政所選手の早くも2戦目。
対戦相手のウィーラナット・クイウォンターン選手はまだ2戦2勝のキャリア。
この試合も政所選手がスタートから仕掛けて1Rで終わる展開になるでしょう。
政所選手の特徴は好戦的で回転力がある所。
対戦相手のレベルが上がった時にどういうボクシングになるか気になりますが、この試合は圧倒するでしょう。
観戦記:デビュー戦に続き政所選手1Rで勝利
好戦的な政所選手は1Rからグイグイと前に出てスピードとパワーのあるパンチを打ち込む。
ウィーラナット選手の動きはバタバタしていて、早期決着が予想される立ち上がりに。
実力差は明白で、戦前の予想通り1Rで2度倒してTKO勝利。
最初のダウンはワンツーでロープ際に追い詰めてからの左フックでダウン。
立ち上がったウィーラナット選手は下がりながら手を出すも最後は飛び込んでの左フックで吹っ飛びTKO。
相手のレベルが低いので圧勝ではありますが、強引に攻めている中でタイミング的には危ないパンチももらっているように見えました。
リーチがあって足を使うボクサーとの対戦が見てみたい。
キャリア的にまだ早いかもしれませんが、2022年度の全日本新人王佐野遥歩選手辺りと対戦したらどうなるだろう??
フェザー級6回戦 藤崎美樹(KWORLD3) VS 岡本恭佑(HKスポーツ)
試合の見どころ:天心と戦った男と北九州期待の全日本新人王
アマチュアで全日本4位の実績を持ち、那須川天心に勝ったら1,000万企画にも出場していた藤崎美樹選手と、2022年度のフェザー級全日本新人王岡本恭佑選手の1戦。
藤崎選手はブランクが懸念材料でしたがここまでの2戦は対戦相手を圧倒中。
北九州のジムから2022年度に全日本新人王となった岡本選手は前回6月の試合で藤崎選手と同じKWORLD3ジムのマジスカ小坂選手に4RTKO勝利。
SNSで流れていた動画を見ましたが最後はえげつないボディ。
マジスカ選手良く頑張りました。
岡本選手は中間距離での戦いが上手く年齢も19歳と伸び盛りのボクサー。
藤崎選手にとってはこれまでの対戦相手から一気にレベルが上がりますが果たしてどんな技術戦になるでしょうか。
(岡本選手の活躍は嬉しいですが、同じHKスポーツジムの進心輝選手はもう試合しないのだろうか、、また試合が観たい。)
>>2022新人王Sバンタム級は西部の進心輝が全国区となるか?東西は横一線。
観戦記:岡本恭佑が気持ちの強さで逆転!!
技術戦の中で藤崎選手が上回ったとしても、岡本選手が若さと勢いで打ち合いに持ち込んで勝利すると予想していた試合。
試合が始まってみたら思った以上に藤崎選手の上手さが光る。
中間距離で戦おうとする岡本選手にワンツーを打ち込み、岡本選手のやや振りの大きくなった左フックの打ち終わりに右を合わせて序盤は完全に藤崎選手ペース。
スピード、パワー面でも藤崎選手が見劣りする点はなく、「こりゃ岡本選手駄目かな。」そう思った4R、岡本選手がスタートと同時にワンツーをヒットさせ、中間距離での戦いから一歩前で打ち合う展開に。
ただ、岡本選手が攻勢を強めるも要所要所でワンツーをヒットさせたり、左ボディをブロックして内側から右アッパーを合わせたりと、有効打はまだ藤崎選手か。
そして迎えた5R目、ここでも岡本選手が下がらず更に前進。
藤崎選手のパンチをもらいながら打ち返し、リング中央で激しい攻防。
ここで打ち勝った岡本選手が藤崎選手をロープまでさがらせ、右ストレートで起死回生のダウンをゲット。
立ち上がった藤崎選手はダメージに加え疲労が激しい。
試合再開後、岡本選手のワンツーで藤崎選手がふらついたところでレフェリーが止めに入りました。
結果的には戦前に予想していた展開になりましたが、3Rまでの状況的に岡本選手の逆転は難しいと思っていたところでした。
藤崎選手がスタミナ切れで失速したのではなく、自ら打ち合いを選択してもらいながらも押し返して相手を消耗させた岡本選手。
新人王トーナメントで見せた上手さに加え、気持ちの強さも見せてくれました。
岡本選手はまだまだ19歳。
3150FIGHTの九州興行が今後開催されるのでしたら是非登場してもらいたいですね。
65.0kg契約6回戦 福重浩輝(KWORLD3) VS 加藤亜礼史(折尾)
試合の見どころ:ベジータ石川の刺客ギリギリのアレジ
ヒロキングにとっては日高飛佑佳、ベジータ石川に続く実に3度目の折尾ジムボクサーとの対戦(中止となった薮吹選手も入れたら4度目)。
過去2戦は勝利しているヒロキングですが、今回の加藤亜礼史は強い。
そしてヤンチャ。
(折尾ジムの前はYANAGIHARAジムに所属していたようですが、会長とどう折り合いをつけていたのだろう。)
亜礼史選手はブランクはあるもののA級ボクサーで12戦9勝のキャリアを持っています。
ヒロキングはサウスポーの亜礼史選手の打ち終わりに左フックを合わせて来るでしょうが、亜礼史選手はリーチもあるので中に入れず苦戦すると予想しています。
観戦記:ヒロキングが根性見せるも亜礼史の左が勝る
1,2Rに距離を詰めようとするヒロキングに加藤亜礼史選手の左カウンターが何発もヒット。
2R亜礼史選手の左ストレートでヒロキングの顔が大きく腫れる。
リーチの差があり過ぎてヒロキングは距離を詰められない。
右で距離を取って相手が入ってきたところに左ストレートを打ち込む、サウスポーからしたら一番楽な展開で亜礼史選手がポイントでリード。
しかし3R途中からヒロキングが物凄い気迫とど根性で前進し、亜礼史選手もカウンターを打ち込めない。
4R以降はヒロキングの前進に手を焼いて亜礼史選手も決定打を奪えず。
判定は一者がドロー、一者が58対56、一者が60対54のフルマークで亜礼史選手の勝利。
ドローのジャッジとフルマークのジャッジがいる批判の声が上がりそうな判定結果に。
ただボクシングの判定はリングジェネラルシップ重視のジャッジと、有効打重視のジャッジと、その中間なジャッジに役割分担をして採点している(おそらく)のでこういう採点結果をあり得る試合内容でした。
決して3150FIGHTに忖度したジャッジがいた訳ではないです。
ヒロキングのボクシングスタイルはサウスポーからしたらやり易いかも。
Sバンタム級8回戦 福永宇宙(黒潮) VS 村井貴裕(名古屋大橋)
試合の見どころ:黒潮のプリンスか!?闘う政治家か!?
3150FIGHTと専属契約を結んでいる福永選手が1年振りに3150FIGHTのリングに登場。
前回は山下賢哉選手と極上のどつき合いを見せた福永選手。
>>3150ファイトVol.3対戦カード・結果まとめ〜最高のマッチメイクで再興へ
福永選手は現在12戦12勝のパーフェクトレコードを維持。
対する闘う政治家ボクサー村井貴裕選手は一風変わったボクサー。
村井貴裕選手の経歴
- 西日本新人王
- 日本ランカー
- 一度引退
- サラリーマン時代
- 3150ファイトクラブに出演
- ボクサー復帰
- ランカー復帰
- 参政党愛知県 国政改革委員
詳しくは以下のリンク先も↓
亀田史郎さんの3150ファイトクラブで1期生の対戦相手候補として引退中だった村井選手も出演した事がありましたが、流石に強すぎで選考落ち(そりゃそうだ)。
あの頃の3150ファイトクラブがあって、そこからこうしてプロとして3150FIGHTのリングに上がるのも素敵な縁だなと思います。
観戦記:福永宇宙のジャブが光る!
試合は77対75が2者、78対74が1者の3対0の判定で福永選手が勝利。
両者ジャブで距離を探り合う展開の中、徐々に福永選手のジャブが村井選手をとらえ、ジャブからのワンツーやボディストレート。ワンツーボディからの左フックでペースを取る。
お互いに決定打はないが、終始前に出てジャブを上下に散らしながらワンツーに繋げる福永選手が試合を作っていました。
インターバル中に不敵に笑う村井選手はリング上を楽しんでいるようでした。
精神の起伏はありそうですが、村井選手のようなキャラがハイな状態でリングに上がった時は途轍もない力を発揮する事があります。
この日は福永選手のガード、ボディワークが上手くて最後までペースを引き寄せる事が出来ませんでしたが、村井選手は舞台が大きくなればなるほど力を発揮する選手かもしれません。
ヘビー級8回戦 但馬ブランドン ミツロ(KWORLD3) VS ナコンチャイ パンテーン(タイ)
試合の見どころ:批判の声を乗り越えてミツロが進化するか
タイソンロードとして月1ペースで連戦が予定されている但馬選手は何と今年に入ってこれで5戦目。
直近2戦は判定決着で、特に7月の試合は8月の試合に備えた安全運転の姿勢と試合後の発言が批判されもしました。
>>あしたのジョーメモリアル×3150FIGHT〜コラボ戦略のメリット整理
6月の試合で結構パンチをもらって顔も腫れていたので、7月の安全運転に関しては個人的には致し方ないと思っていますが、会場で観戦していた方からしたら物足りなくも感じたでしょう。
7月の試合はノーダメージでリングを降りる事が出来たので今回はきっと激しい試合を見せてくれるでしょう。
相手のナコンチャイ パンテーン選手はクルーザー級の選手なので体格差もあり、おそらく序盤でKOするのではないでしょうか。
観戦記:但馬ミツロが3戦振りの1RKO勝利
ここ2戦は判定が続き、その試合内容的にも批判の声が上がっていた但馬ミツロ選手。
この日のパンテーン選手とは約20kgの体重差があり、サイズの差も活かして序盤から圧倒。
但馬ミツロ選手の圧力に下がり、パンチに対して下を向いてしまうパンテーン選手。
序盤からボディが相当効いていたのでしょう。特に左ボディ。
最初のダウンは押し込むような右、立ち上がるも今度は左ボディ、そして最後は連打をまとめられてのレフェリーストップとなりました。
体格差のある相手にはこの日のようなボクシングが出来ますが、引き続き同じサイズの相手と長いラウンド戦うスタミナが課題ですね。
5ヶ月連続試合のタイソンロードもこれで3試合を消化し、残り2試合。
ノーダメージで終えたので2023年9月3日の3150FIGHT SURVAIVAL vol.8にも出場するのでしょうか。
IBF世界バンタム級挑戦者決定12回戦 西田凌佑(六島) VS クリスチャン・メディーナ(メキシコ)
試合の見どころ:浪速の普通が普通に完封?
デビュー3戦目で世界挑戦経験のある大森将平選手に勝利し、4戦目で元世界チャンピオンの比嘉大吾選手にも勝利してその存在をボクシング界に知らしめた西田凌佑選手。
西田選手のボクシングは精密機械のようにハイレベルで危ない場面が殆どなく、淡々とポイントを取っていくもの。
レベルの高さは分かるけれども勝敗が明らかな状況の中ラウンドが進んでいくのでやや退屈に感じてしまうのも西田選手のボクシングの特徴です。
会見もナチュラルに穏やかで、亀田興毅ファウンダーがつけたネーミングは「浪速の普通」。
対戦相手からしたら何も出来ずに淡々とポイントを奪われていく西田選手のボクシングは嫌でしょう。
対戦するクリスチャン・メディーナ選手は複数団体のランキング上位に入っており、勝った方がIBFの挑戦権を手にする大事な一戦。
このレベルの相手にもこれまで通りのボクシングでリードを広げることが出来れば西田選手の世界タイトル奪取も現実味を帯びてくるでしょう。
西田選手はスピードもありカウンターは素晴らしく、決してパンチ力がない訳ではないので、どこかのタイミングから普通に相手が倒れるようなボクサーになっていくような予感も感じます。
まだプロでは7戦しかしていませんし。
観戦記:ポイントは大差も内容は接戦
いつものように西田選手が危ない場面に陥る事なく淡々とポイントを稼いで勝利。
判定は3対0(116-112,117-111,118-110)でしたが、ポイント程の差は観ていて感じませんでした。
1R目は左ストレートを当てて先制するが、2,3Rはメディーナ選手もフックを振るって五分の展開。
僕の採点では2,3Rはメディーナ選手でした。
4Rは浅く左をヒットした西田選手と見ましたが、メディーナ選手につけるジャッジもいたであろう展開。
5Rも西田選手がワンツーをヒットする場面があるものの、メディーナ選手もカウンターの左フックを叩きつけて五分。
6R以降はメディーナ選手が前進を強めたことで西田選手のストレートもより当たるようになるが、前に出るメディーナ選手にポイントを振るジャッジもいそうな展開。
そんな具合で最終ラウンドまで進んだもので、自分の中では2〜4ポイント差で西田選手かな?
という印象でした。
厳し目に見ても負けはない内容ではありましたが、最大8ポイント差は意外でした。
あらゆる競技もエンタメも時短化してきている昨今において西田選手のボクシングスタイルは強いけれど大衆からの支持を得るのは難しいでしょう。
世界戦を3150FIGHTでプロモートする事が出来た場合にはメインに持っていくかどうかは悩ましいですね。
56.0kg契約8回戦 中川麦茶(一力) VS 亀田京之介(ハラダ)
試合の見どころ:一線を超えた男同士の対戦
- 赤穂亮さんとの試合で奥さんの下着で計量に現れた中川麦茶選手。
- 判定が不服でリング上でレフェリーにキレて処分された過去のある亀田京之介選手。
ヤバさの質は異なるも混ぜてはいけない一線を超えた男同士の試合は果たして成立するのかどうか。
麦茶選手はイカれている中でも実は頭は冷静。
冷静にこんな事が出来ちゃう辺りはさすが自称サイコパス(年齢の事よりもその格好、、)。
一方の亀田京之介選手がキレている時は本当にキレている時。
処分に繋がった英洸貴選手との試合後の振る舞いは中々のものでした。
嘘偽りなく正真正銘にキレてしまう姿に非難の声もあるでしょうが、個人的にはキレちゃいそうなハラハラは大好きです。
昔K-1でも暴走していた渡邉一久選手なんか最高でした。
そんなマジでキレてしまう京之介選手を大人の麦茶選手がどのラインまでいじり倒すのか。
やり過ぎたら試合どころではなくなってしまうかもしれないこの一戦が無事に成立することを願っております。
試合が無事成立すれば技術戦になるでしょうが、京之介選手のジャブは早いけれどモーションもあって合わされ易いリスクもあります。
麦茶選手は目と反射神経がとても良いので京之介選手の隙を突いてポイントを取っていくと予想します。
観戦記:京之介が大健闘!!
試合は技術戦の結果3者3様のドロー。
僕は麦茶選手が自分からジャブを当てて組み立てていた点を評価して麦茶選手の77対75という採点になりましたが、京之介選手の単発の右ストレートを評価したら逆の採点、もしくはもっと差を付けて京之介選手の勝利と見た人も結構いたのでは??
確かに京之介選手は中盤以降に単発の右をヒットさせていましたが、麦茶選手がヘッドスリップでクリーンヒットを回避しており、ダメージは殆ど無さそうでした。
右をヒットさせた後に追撃出来たラウンドは京之介選手に付けましたが、単発で終わったラウンドはそれよりも麦茶選手が前に出てジャブを当てて先手を取っていた点を評価しました。
ただ、京之介選手は課題だったジャブの打ち終わりを克服しており、最後に敗れた英戦からの成長を強く感じました。
両者が再戦するのであれば再戦では京之介選手が勝利するのではと予想します。
一点懸念するのは下がりながらのカウンター主体の戦法。
もう少し自分から組み立てていく場面も作っていかないと勝ち切る事は出来ず、また引き分けという結果になりそうに思います。
まとめ
世界を殴りに行くはずの興行で世界戦はゼロ。
観客も2,200人。
おそらく視聴数もそこまでは振るわなかったと思います。
3150FIGHTとして見れば満足の行く結果ではなかったでしょうが、ノンタイトルの興行として見れば観客1,000人集客出来れば大成功と言って良いでしょう。
タイトルマッチがない興行をメインで盛り上げた麦茶選手は大健闘。
入場も自分で歌って話題を振り撒き、試合も自分から仕掛けて作っていこうとしました。
勝ちに徹した京之介選手がそこに乗っからなかったので試合は残念ながら盛り上がりませんでしたが、我が儘を言わせていただくと、「お客さんが求めているものは何なのか?」京之介選手にもそこに対する意識もあれば試合自体ももっと盛り上がったのかなと感じました。
麦茶選手のような魂を持った第二、第三の麦茶が出てきて国内ボクシングを盛り上げてくれる日が来ることを願っています。