こんにちはボクシングブロガーのtorajiroです。
ボクシングファンにはお馴染みのボクシング誌ボクビーこと「BOXING BEAT(ボクシング・ビート)」。
この雑誌で2023年11月号から4回戦ボクサーにスポットを当てた加茂佳子氏の連載が始まりました。
その名も『四回戦物語』。
毎回読んでいる最中から涙が込み上げてくるリアルな自分に刺さってくる物語の数々です。
若者達を取り巻く環境は年々複雑になっています。
「不登校、発達障害による社会への適応困難、うつ、いじめ、同年代の中での劣等感」等々
生きることに苦しむ子は増え続け、寄り添う親も不安を抱えています。
何か一つの正解がある問題ではありませんが、加茂佳子氏の連載『四回戦物語』で綴られるストーリーはこうした現代社会で悩み苦しむ一人一人の心に寄り添い、支えとなるようなメッセージが込められています。
読めばきっと救われる人もいるはずです。
本記事ではこの『四回戦物語』の、
- コンセプト
- 概要
- 登場するボクサー情報
- 『四回戦物語』を読む方法
といったところを紹介します。
『四回戦物語』のコンセプト
『四回戦物語』はその名のとおり、ボクシングの世界ではスタートラインである四回戦ボクサーにスポットを当てた連載です。
プロボクサーはアマチュアでの一定のキャリアがある選手等を除き、全てのボクサーがC級ボクサーからスタート。
C級ボクサーの1試合のラウンド数は4ラウンドで行われるため、このC級ボクサーのことを四回戦ボクサーと称しております。
C級ボクサーからB級ボクサーに上がるためには4勝(引き分け2つで1勝扱い)する必要があり、これが多くのボクサーにとっては中々高いハードルとなっております。
井上尚弥選手のように世間で注目されているボクサーは世界レベルの極々一握りであり、大半のプロボクサーがこの四回戦で消えていきます。
(かく言う私torajiroもこの四回戦で消えた元ボクサーであります、、)
『四回戦物語』ではこの世間からは知られることのない四回戦ボクサー達にスポットを当て、一人一人の選手が抱えてきた悩み、劣等感、挫折、葛藤を乗り越えてプロボクサーとなり、自分の人生を切り開いていく人間ドラマが綴られています。
若者目線で刺さる、親目線で心打たれる『四回戦物語』
人間誰しも生きていく中で様々な壁にぶつかるもの。
自分の人生を振り返っても特に若い頃は多くの困難に直面しました。
- 勉強についていけない
- 運動音痴で体育の時間が苦痛
- 字が下手で怒られてばかり
- 絵は下手だし歌は音痴
- 転校先でのいじめ
- 何をやっても駄目だろうという諦めの気持ち
- やりたいことが見つからない
こんな感じでどんどんと落ちていった時代が自分にもありました。
学校は同年齢の人達との集団生活で、僕のように同年齢の人達との比較で出来ないことが多い人間は、大なり小なりコンプレックスを抱えながら生活をすることになると思います。
他にも両親の離婚や親との不仲、経済的困窮といった家庭の問題を抱えている若者も少なくないでしょう。
『四回戦物語』にはこうした問題に直面しつつ、ボクシングを通じて乗り越えてきた選手達が登場します。
「なんだ、この人自分と同じじゃないか。」
読んでいるとそんな共感が生まれ、明日を生きる希望が湧いてきます。
自分が若い時にこんな連載があったらな。
と思いましたし、親目線で見ても若者が困難を乗り越えて成長していく過程を読んでいると、我が子の成長と重なり涙が込み上げてきます。
これまで『四回戦物語』に登場したボクサー達
続いてこれまでの連載で登場した四回戦ボクサー達を紹介します。
どんな選手が登場するのかを知ることで『四回戦物語』を読んでみるきっかけになれば嬉しいです。
第1回 ライオンズジム所属 吉成亮人選手
ライオンズジム所属の吉成亮人選手の2023年12月時点での戦績は6戦5勝(2KO)1敗の23歳。
20歳でボクシングを始めてこのキャリアは大したもの。
2023年には新人王トーナメントにSフライ級でエントリーし、優勝候補と前評判の高かった大橋ジムの阿部一力選手を撃破する大金星を上げました。
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東日本新人王決勝は惜しくも敗れましたが、ガードが堅くフィジカルが強く、スタミナもあって接近戦が強い将来有望な選手です。
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両親の離婚や遊び歩いた日々を経て辿り着いたボクサーの道。
不良からボクサーへという典型的なストーリーのようにも見えますが、ボクシングに辿り着くまでの心の変化や両親との関係は読み進めていくうちに涙が溢れてきます。
第2回 RE:BOOTボクシングジム所属 佐藤賢治選手
RE:BOOTボクシングジム所属佐藤賢治選手の2023年12月時点の戦績は13戦3勝(3KO)9敗(7KO)1分。
あと引き分け1つでもB級ボクサーに上がれますが、ブランク期間も含めるとプロデビューから10年間四回戦でもがいています。
ジリジリと距離を詰めてジャブからオーバーハンドの右を振るスタイルで、勝利した試合は全てKOだが動きを読まれてしまうと厳しいタイプ。
発達障害を持ち、
学校でいじめにあった経験、
その当時の周囲の描写、
親子のやり取り、
それらが自分の子供の頃とも重なり佐藤選手の回は心に深く刺さりました(刺さりすぎて号泣)。
教育に携わる方々にも是非読んでもらいたい回です。
第3回 アキバボクシング&フィットネスジム所属 堀江和也選手
第3回に登場したのはアキバボクシング&フィットネスジム所属の堀江和也選手。
デビュー戦を引退試合と決めてリングに上がった37歳。
堀江選手は定年制度があった2022年までだったら実現しなかった37歳でのデビュー戦を行い、リングの上で練習してきた作戦を完璧に遂行して勝利しました。
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ボクシングをやるようには決して見えない堀江選手が決意したプロ挑戦。
この回は我々中年親父の青春ストーリー。
コンプレックスのあった自分を認められ、挑戦する決心をし、周囲に応援されてリングへ。
漫画みたいな出来すぎたストーリーをリアルにやってのけた堀江和也選手の体験が見事な文章にまとめられています。
堀江選手の回はとても良かったので家族にも読んでもらいましたが、妻と我が子も感動していました。
映画化出来ますね、この堀江和也編は。
第4回 角海老宝石ジム所属 ガレット・ジョナタン選手
第4回目はアルゼンチン人ボクサーガレット・ジョナタン選手。
アルゼンチンから日本にやってきてプロボクサーになった異色のポールダンサーボクサー。
32歳と遅咲きのプロボクサー。
プロボクサーはやりたい気持ちがあっても様々な要因で諦める人が大半。
- 周囲の反対。
- 経済的理由。
- 結婚。
- 子供が出来た。
社会に出たら自力で稼いで食べていかなければいけません。
最低限これが出来ないことには夢に挑戦することも叶いません。
30を過ぎてようやく挑戦出来る状況になったジョナタン選手の歩みは、夢を諦め働いている人達に読んでもらいたい。
諦めずにいたらいつか挑戦できる機会を得られるかも!
BOXING BEAT(ボクシング・ビート)『四回戦物語』を読む方法
以上、『四回戦物語』のコンセプトや登場する選手の紹介をしました。
毎回涙なしには読めないストーリーをBOXING BEAT(ボクシング・ビート)で是非読んでいただきたいです。
書店やAmazonで単品購入するのもありですが、雑誌は1,100円とやや高額で、熱狂的ボクシングファンでないと中々手が出ないかもしれません。
が、「U-NEXT」に加入していれば最新号は無料で読むことができます。
「U-NEXT」は月々2,189円ですが、1,200円分のポイントが毎月付与され、このポイントでPPVの購入や映画館のチケットも割安で手に入るので案外とお得です。
僕はこのポイントを貯めて子供と映画館に行くのを楽しみの一つにしています。映画館での飲食にもこのポイントが使えるのでポイントを貯めて優雅なひと時を楽しんでいます(笑)。
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BOXING BEAT(ボクシング・ビート)最新号はこのとおりU-NEXTで読めるのですが、
バックナンバーは残念ながら読むことが出来ません。
僕はこの『四回戦物語』を自分の家族にも読んでもらいたいと思ったので、解約していた「Kindle Unlimited」に再入会しました。
「Kindle Unlimited」であればもBOXING BEAT(ボクシング・ビート)はバックナンバーも含め読み放題です。
「Kindle Unlimited」も30日間は無料。
雑誌で「BOXING BEAT(ボクシング・ビート)」を購入するのはハードルがやや高いかもしれませんが、U-NEXTやKindleでも読めますので、是非手に取ってみていただきたいです。
まとめ
BOXING BEAT(ボクシング・ビート)で連載されている加茂佳子氏の『四回戦物語』はボクシングファンに限らず、多くの悩み苦しみながら生きる人達の心に刺さり、背中を押してくれる感動の連載作品です。
登場する選手一人一人の歩みや心の葛藤を読んでいると「この人自分と同じじゃないか」という気持ちになるなると思います。
BOXING BEAT(ボクシング・ビート)は雑誌で購入すると1,100円と高く、相当ボクシングが好きでないと手は出ません。
しかしU-NEXTに加入している方でしたら最新号は無料で読むことができます。
更に「Kindle Unlimited」であればバックナンバーも含めて読めますので、今回紹介した選手全員の回を読むことができます。
僕は『四回戦物語』に感動し、ボクシングに全く興味のない家族にも読んでもらいましたが、家族もとても感動していました。
本当に素晴らしい連載ですので、いずれは書籍化、何ならドラマ化してこのストーリーが多くの人に届いて欲しいなぁと願っております。