観戦記

DANGAN日中対抗戦観戦記〜中国ボクサー脅威のタフネスとパワー

torajiro

ボクシングファン歴25年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。

こんにちはボクシングブロガーのtorajiroです。

2023年8月17日(木)のDANGAN日中対抗戦を後楽園ホールで観戦したので観戦記をお届けします。

Lフライ級6回戦 服部凌河(横浜光) VS シュ・ギンガ(中国)

服部選手は2022年度全日本新人王決定戦で敗れて以来の再起戦。

1R目、シュ選手はどっしりじわじわと距離を詰めて服部選手の隙をつくジャブからのワンツー。

服部選手はやや被弾が多い。

2R目、服部選手は足を使い動きは良くなるが、相打ちで先にもらっている。

しかしコーナー付近で放った服部選手の右がクリーンヒット。

最後もまとめてポイント的には微妙だが取ったか??

3R目、前のラウンドに続いて服部選手の右が当たり出すが、シュ選手がここでスイッチ。

服部選手はサウスポースタイルに攻めあぐね、シュ選手は思いっきり右のフックを振り見栄えの良い攻め。

4R目、服部選手も積極的に手を出すが、シュ選手が的確。パンチのパワーも落ちない。

5R目、このラウンドもコンビネーションでシュ選手が上回る。

ここに来てL字ガードを見せる。

服部選手は単発か2発まででコンビネーションがでない。

6R目、最終ラウンドもシュ選手の強打が目立つ。

更にこのラウンドも途中からスイッチを見せ、服部選手は最後攻めきれず。

僕の採点は59対55でシュ選手の勝利。

ジャッジも三者共に59対55。

シュ選手はパンチもあるし強弱コンビネーションも軽いワンツー見せてスリーフォーは強く振ったり、スイッチするしL字ガードもするし器用なボクサーだった。

推しの服部選手がいきなり敗れてショッキングなスタートとなりました。

フェザー級6回戦 眞下公翔(横浜光) VS リー・カイメイ(中国)

1R目は互角の立ち上がり。

眞下選手がジャブから左をヒットさせるが、リー選手も眞下選手の左に右を合わせて対抗。

ポイント的にはやや眞下選手。

2R目、眞下選手は立ち位置が良い。

そこから左をヒット。

ワンツーから返しのフックも綺麗にリー選手の顔面をとらえる。

眞下選手のペースで終盤も足の止まったリー選手を攻める。

3R目、眞下選手はリー選手のパンチを見切ってきた。

リー選手は手数が落ちる。

眞下選手はボディワークでパンチを外して左を当てる。

4R目、眞下選手はジャブで自分の距離を保ち左をヒット。

リー選手もワンツーボディで対抗するが、終盤にパンチをもらいダメージを感じた。

5R目、眞下選手の左が深く入り、リー選手の汗が飛び散る。当たりは良くなって来ているが倒すまでは至らない。

6R目、最後はやや攻めあぐねるがポイントは文句なし。

全体通して入って来るところ右フックで引っ掛けるのが良かった。

ポイントはフルマークで眞下選手。

欲を言えば倒したかったですが、タフな選手でした。

51.2kg契約8回戦 山内寛太(DANGAN越谷) VS ソウ・ショウコウ(中国)

1R目、山内選手の動きには非凡なものを感じる。

流れるようなコンビネーションに強烈なボディ。

鋭い踏み込みからの右で早くもコーナーに追い詰める。

フットワークも軽やか。

パンチもあるし、身体能力が高い!!

2R目、ソウ選手が奮闘。激しくパンチを交換する場面も。

しかし山内選手のボディは際立つ。

3R目、山内選手の攻撃でソウ選手が腰落としたところを逃さず一気にまとめてレフェリーストップに持ち込む。

注目されている理由が良くわかる一戦でした。

バンタム級8回戦 内構拳斗(横浜光) VS シュウ・ジュンキ(中国)

1R目、 内構選手はジャブの差し合いを制して強烈な左ボディ。

ボディで下を見せておいて右ストレートをクリーンヒット。

スタートから終始内構選手が圧倒。

2R目、内構選手はこのまま倒せると仕留めにかかったか右はやや強振。

ジャブが非常に良くそこから左ボディ、右フックと繋げる。

3R目、内構選手が接近戦で強烈なボディに右ストレートを叩きつける。


終盤に左ボディが効いたか、シュウ選手の動きが止まる。

4R目、一方的な展開もシュウ選手は倒れない。

内構選手の良いパンチが当たっているのだが。

5,6Rはシュウ選手が粘り、接近戦に。

シュウ選手は驚きのタフネスでコツコツ手を出すが一発一発の差では内構選手。

7R目もシュウ選手の手数が止まらない。

内構選手はやや疲れて来たか。

このラウンドは初めてシュウ選手がはっきり取ったか。

8R目、最後も激しい打ち合いも内構選手が打ち勝つ。

僕の判定は79対73で内構選手。

ジャッジは二者が78対74、一者が79-73で内構選手の勝利。

Sバンタム級8回戦 高橋利之(KG大和) VS 田村亮一(JBS)

日中対抗戦の中、唯一の日本人ボクサー対決。

中国側の青コーナーはJBスポーツジムのゾンビボクサー田村亮一選手。

JBスポーツジムの一貫したこの立ち位置が堪らないですね。

1R目、高橋選手のパンチにキレがある。

右アッパーから左フックは怖い。

田村はいつものゾンビペースでジワジワボディから。

スピード、キレは高橋選手だが、序盤から思った程の差はない。

後半になれば田村選手が盛り返すか??

2R目、高橋選手がワンツーを上下に打ち分け、田村選手も力強いボディを叩き込む。

3R目、ゾンビワールドに突入。

田村選手が左ボディ10連打?からの左フック。

更にコミカルな動きも見せて会場をわかせる。

4R目、高橋選手がバッティングで目尻をカット。

負傷判定になる事を想定してか、ここから高橋選手が一気に攻めて出る。

終盤に高橋選手の右の強打が田村選手をとらえる。

5R目、接近戦はやや田村選手ペースかと思ったが、高橋選手が右アッパーからの左フック?でダメージ与える。

6R目、いい加減落ちてくるだろうと思ったが高橋選手のペースは落ちず、ゾンビワールドの中で果敢に打ち合う。

このラウンドも有効打で高橋選手が勝ったかも。割れたかな。

7R目、激しい打ち合いは田村がやや打ち勝つが、ここで傷口が深くなり負傷判定に。

僕の判定は68対65で高橋選手の勝利。

ジャッジは68対65が一者、67対66が二者で高橋選手を支持。

10Rのタイトルマッチだったら田村選手が勝ったかな(笑)

48.5kg契約8回戦 山本智哉(横浜光) VS シュ・テンシン(中国)

シュ・テンシン選手はまさかの内藤大助氏の現役時代の入場曲「ロマンティックが止まらない」で入場。

1R目、くっついてフックを振るシュ選手に対し、足を使ってシュ選手の入り際にパンチを合わせる山本選手。

2R目も同様の展開。ポイントは割れそうだが、徐々にシュ選手の圧力が強くなっている。

3R目、シュ選手にやや押し込まれて来てスタミナを消耗する苦しい展開。

4R目、シュ選手の執拗で力強い左右ボディで山本選手の動きが止まる。

このチャンスを逃さず、シュ選手は一気にまとめてレフェリーストップを呼び込む。

山本選手の立場に立つと、「しんどい試合だった!」

ライト級8回戦 三代大訓(横浜光) VS セイ・ヨウチョウ(中国)

三代選手は前回の韓国でのまさかの敗戦からの再起戦。

1R目、三代選手はジャブで早々に距離を掌握。

しかしセイ選手も三代選手のジャブに右を合わせる。

2R目、三代選手ががジャブでペースを取る。

セイ選手が来たらジャブを合わせ、来なければ自分から。

しかしどうもワンツーや右のオーバーハンドをもらい気味。

三代選手のジャブかセイ選手の右か、という展開のため、セイ選手にポイントが流れる可能性も。

3R目、三代選手の手数が少ない。

拳でも痛めている??

これではポイントが取れていない可能性もある。

4R目、三代選手のジャブは良いが他がない。

セイ選手が勢い良く出て右を当てると三代選手も打ち返すが、自分から攻めに行かない。

このラウンドもポイントが取れていない可能性がある。

5R目、セイ選手がいきなりワンツー。

積極的なのはセイ選手。

ただ三代選手の右がセイ選手をとらえるようになってきた。

三代選手はジャブにワンツー合わされ、終盤に三代選手も右を返す。

ポイント的には三代選手だが、アウェイだったら分からない。

6R目、三代選手のジャブが冴え渡る。

このラウンドは集中してセイ選手の右のオーバーハンドも上体を捻り回避。

右にもつなげてはっきりとポイントを取る。

7Rも集中した三代選手が被弾を回避しながらポイントを稼いでいく。

8R目も終盤にセイ選手が猛攻を仕掛ける場面はあるもここは迎えうち、ポイント的には三代選手。

僕の採点は77対75で三代選手の勝利。

ジャッジは77対75,78対74,79対73で三代選手を支持。

恋愛に例えるなら最終的には相手に告白させるタイプのボクシングでした。

三代選手らしいと言えばらしいけど、もっと圧倒するところが観たかった気持ちも。

まとめ

日中対抗戦の結果は4勝2敗で日本の勝利。

という結果になりましたが、中国側の奮闘が光る内容でした。

タフでディフェンスも良くてダウンはゼロ。

敗れた服部凌河選手と山本智哉選手の対戦相手は日本ランカーが相手でも五分の試合をする実力を持っていたと思います。

特に山本選手と戦ったシュ・テンシン選手は日本チャンピオンと戦ってもあのパワーは十分通用するでしょう。

横浜光ジムは有望な若手選手に対してハードなマッチメイクをしますね(笑)

ただ、今回の試合で負けた2選手は各自の持ち味と一皮剥ける上での課題がはっきりとしました。

服部凌河選手の持ち味と課題

  • フィジカルは強くパンチはある
  • パンチが単発か二発まで
  • コンビネーションが出ない
  • パンチの繋ぎが悪い
  • 不用意な被弾が多い

山本智哉選手の持ち味と課題

  • 柔らかいフットワーク
  • 当て感の良さ
  • 膝が柔らかくダッキングが上手い
  • 当て感は良いがパンチが軽い
  • フットワークを活かすもっとサイドの動きを
  • フィジカルの強化

服部選手、山本選手は更に上を目指す上で通用する部分と課題が明確になったので、この試合を契機に更に化ける予感がします。

他の出場した日本人選手の感想

  • 眞下公翔選手はまだ二十歳で将来性十分。
  • 山内寛太選手は評判の高さが良く分かった。
  • 内構拳斗選手は上位ランカークラスの実力を示す。
  • 負けたけど一番会場を盛り上げたのはゾンビ田村亮一選手。
  • 高橋利之選手は抜群の切れ味にスタミナ、根性もあることを証明。
  • 三代大訓選手は勝ったんだけれど、、

とまぁこんな具合の日中対抗戦でした。

これが中国での開催だったら三代選手の結果は下手したら逆になっていた可能性もあると思います。

それとやはり出場する選手の半分が外国人選手ですと集客は苦戦しますね。

レベルの高い試合が続いた割に客席はガラガラで静かなものでした。

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