ボクシングニュース

横山選手より前にFTMをカミングアウトした日本人トップアスリートの話

プロサッカー選手横山久美さんがトランスジェンダーである事をカミングアウトした動画が世界的に話題になりましたね。日本だけじゃなく、アメリカでもこの話題がトレンド入りしていた事からも、トランスジェンダーに対する今の世の中の関心の高さが窺い知ることが出来たのではないでしょうか。

横山選手のカミングアウト動画を視聴していて、横山選手以前にFTM(Female to Maleの略で、女性の体で生まれてきたけれど、自身の性自認は男性で、男性として生きる事を望む人)を公表したトップアスリートの事を思い出したので、その方のめちゃくちゃ男前な生き様を紹介させてください。

横山選手の動画についての感想

ネット上のニュースで話題になっていましたが、こういうのって直接動画を見るとまた違った印象あるよなって思ったので動画見ました。

やっぱ直接動画を見ると受ける印象違います。より一層横山選手のキャラを感じる事が出来ましたし、どれだけ葛藤した上でのカミングアウトだったのかが伝わってきました。全然深刻なノリじゃないんですけど笑。そこはキャラですね。横山選手は一緒にいると場が明るくなるタイプの人。サバサバした感じの喋り方で男らしいし。

動画の中でチラッと彼女の映像映りますがめっちゃ綺麗な方です。まぁそうだよね。モテそうだもの。

自分より全然カッコいいと羨ましい気持ちで見ていたら、もっと以前にFTMを公表したあるスポーツ選手の事を思い出しました。その方も彼女が綺麗な方だったんです。そこで紐づきました。

横山選手以前にFTMを公表したトップアスリートとは!?

私が思い出したアスリートは、

第5代WBC世界フライ級チャンピオンの真道ゴー選手です。

出典:株式会社真道ウェブサイトより

真っ直ぐに、信じた道を突き進め!!という思いを込めたリングネームがインパクト大でしたが、始めのうちはこの選手がトランスジェンダーだという事を知りませんでした。女性だけど自分より男前かも、くらいは思っていたかもしれませんが。

世界チャンピオンになってから、何かのテレビ番組で性同一性障害だという事が紹介されていて、それですごくビックリした記憶があります。

ボクシングスタイルはオーソドックスのボクサーファイターで、表現は悪いですが、ずば抜けた何かがある選手ではありませんでした。総合的に能力が高く、その中でも特にハートの強さを感じるボクサーでした。

今回改めてYouTubeにアップされている試合の動画を見返してみましたけど、ハートの強さもそうですが、めちゃくちゃ練習してただろうなこの人。というのが良くわかりました。

負けた試合ですが、引退試合となった女子の5階級制覇チャンピオン藤岡奈穂子選手との試合のハイライト動画は面白いですよ!!これ見ちゃったらもう男子とか女子とかいう枠では括れないなって感じると思います。ちょっと脱線しますが藤岡選手はマジでヤバいです。昔、世界戦の時にアップしてる様子や試合を間近で見る機会がありましたが、男子ボクシングに見慣れた人が見ても藤岡選手のレベルの高さには見惚れてしまうものがありました。あの藤岡さんをダウン寸前まで追い込んだんだから真道ゴー恐るべしです。

真道ゴーの生き様

現役選手であるうちから、性同一性障害であることを公表してリングに上がり続けた真道選手は、真道ゴーというリングネームに恥じない生き様を貫いた方でした。

藤岡選手との試合の後、引退する際には今度は男性としてリングに上がるかもって含みを持たせていましたが、その目標は叶わなかったのかもしれません。記憶が古いので不正確かもしれませんが、テレビ番組でも男子の4回戦ボクサーとしてリングに立つという具体的な話もしていたので、もしかしたらとは思いましたが。正直4回戦なら勝てる相手もいくらでもいるとは思いますが、まー周囲のいろんな意見とかもあったのかもしれませんね。

今と違って8・9年前はまだLGBTQなんて言葉が使われる事もなかったし、今以上に稀有な存在として扱われていたと思います。

そうした中で自分のスタンスを明確に宣言し、堂々と振る舞い、男性になったらまた4回戦からリングに上がると言葉にしていた真道ゴー選手は男らしかったですね。横山選手もそうですが、喋り方とか出てくる言葉がカッコいいんですよね。そらモテるわ。彼女も綺麗だし。

引退後の真道ゴー

現役時代からの継続した取り組みではありますが、今は株式会社真道の事業に専念しているようです。

▶︎株式会社真道

活動内容の幅が広いので真道さんのブログから一部引用します。

株式会社 真道 代表取締役
放課後等デイサービス
・モンキーズスクール
・モンキーズスクールⅡ

短期入所
・モンキーハウス

B型作業所
・モンキーランド

の運営を行っています。

〜真道の理念〜
共に生き、
共に学び利用者さんや利用児さんと一緒に成長すること!

そして、なによりも一緒に笑い一緒に成長できる
空間を日々スタッフとともに作り続けております!

又、
よりよい子どもへの支援を提供する為に
海外研修に行ったり、脳科学分野を学び
独自のスタイルでの【運動支援】の確立
を目指しています。
障がいのあるお子様やそうでないお子様に
もアプローチ出来る様に、日々会社の運営
に勤めております!

アメブロプロフィールより:https://profile.ameba.jp/ameba/go0529/

自身のマイノリティーとしての経験がこうした事業に進むきっかけになったのでしょうが、子供たちにとっても真道さんの言葉は実感がこもっていて説得力のあるものだと思います。カリスマ性もあるし、こうした大人が子供の頃にいたらなって思います。

真道さんのプライベートの方では彼女と結婚し、今は3人の子持ちのようです。性同一性障害の方にとってもその親にとっても、子供は持てない、孫は諦めるしかない、そう思ってしまうかもしれませんが、真道さんはこの道も切り開いて突き進んでいます。

私も子供は持てないものと思っていたので、以下のブログ記事読んで、そういう道もあるのかと勉強になりました。

▶︎FTM父の想い

まとめ

トランスジェンダーの方って周りにそんなにいないので、分かっていないことが多かったなって真道選手の事を調べている中で痛感しました。

横山久美選手のカミングアウトがこうして調べるきっかけになったので感謝しております。

「あーそっか、現役中はホルモン注射とかしたらドーピングで引っかかっちゃうのか。」とか、子供は持てないものと思い込んでいたとか。まだまだ分かっていない事はたくさんありますが、トランスジェンダーに限らず、人はそれぞれ多様な個性を持ち合わせていると思います。そうした個性を常識という名の自分にとって都合の良い枠に落とし込んで他者を否定したり、排除して自分の優位性を保つような人間にならないようにしたいです。

そんな事を考えていたら、娘から「実は生まれてくるときにち○こ落として来ちゃったんだよね。」とカミングアウトされました笑。

そんな軽いノリでカミングアウト出来るような社会がくると良いですね。

  • この記事を書いた人

torajiro

ボクシングファン歴25年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。ボクシングニュース、3150FIGHTネタ、各種ボクシングデータ、新人王トーナメント、選手紹介等のボクシングブログを書いています。

-ボクシングニュース