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プロボクサー37歳定年引退→37歳デビューの時代へ〜堀江和也がボクシング史に名を残す

torajiro

ボクシングファン歴25年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。

こんにちはボクシングブロガーのtorajiroです。

1年前の2022年、僕は37歳定年引退ボクサーのラストファイトを記事にまとめていました。

選手達の最後の輝きを追いかけていたあの頃から僅か1年後。

JBCが慎重に検討を重ねた末、2023年に遂にプロボクサーの定年制度が見直され、37歳を過ぎたボクサーもリングに上がれることになりました。

そして2023年10月28日(土)日中友好戦が行われた興行の初戦に37歳でデビューを迎えるボクサーが後楽園ホールのリングに上がりました。

その選手の名前は堀江和也(アキバジム)。

1年前には有り得なかった37歳でのプロデビュー。

ボクシング史に新たな歴史を残した堀江和也選手の功績を今回は紹介します。

プロボクサーはランカー以外37歳が定年引退だった

冒頭で触れましたが、2022年までプロボクサーは37歳になると引退が原則でした。

一部日本ランキングに残っている選手は特例で定年が延長されていたため、定年延長をかけて37歳直前のボクサーが日本ランカーに挑戦するという構図があり、中には加藤寿選手のようにそこで奇跡を手にする選手も。

>>定年37歳を控えた“崖っぷち”ボクサー、加藤寿が見せつけた番狂わせ

安全面を考慮するとどこかで線引きをするのも致し方ないとも思いつつ、時代に合わせた制度見直しの必要性も感じていました。

2023年に定年制度が廃止、引退していた選手達が帰還

2023年、定年制度に対する僕の思いが通じ(というかJBCが検討を重ねてくれた結果)遂に定年制度は廃止されることに。

細かな条件はありますがそこは割愛させていただくとして、この定年制度廃止によって引退状態だった選手が復帰し、37歳を過ぎてもリングに上がる選手の姿が見られるようになりました。

torajiro

戻ってきた。黄泉の国から戦士たちが帰ってきた!!

「もののけ姫」の名場面が思い出される光景が目の前に。

勿論定年廃止でリングに上がるもなかなか勝てない選手が殆どです。

が、勝てなかったけれど惜しい試合、感動的な試合も生まれています。

37歳目前でリングに上がった宮内義弘選手はラストラウンドラスト10秒で渾身の左フックを叩き込み、あと一歩でダウンゲットという健闘を演じてのドロー。

37歳を過ぎるボクサーも十分戦えるということを証明しました。

37歳を過ぎたボクサー堀江和也がデビュー戦

そして2023年10月28日(土)、37歳を過ぎたデビュー戦ボクサー堀江和也選手が後楽園ホールのリングに上がりました。

当日は日中友好戦で会場は大入り。

後楽園ホールはほぼ満員。

何故にあれ程の観客が入っていたのかは謎ですが、世界戦並みの会場大入りの中で堀江和也選手はデビュー。

(入場前の緊張した様子の堀江選手)

両選手応援団の大声援が飛び交うタイトルマッチ並みの盛り上がりでデビュー戦を迎えた堀江選手。

対戦相手の安齊祐太選手も2023年度で37歳を迎える年齢的にはベテラン選手だったからか、両選手の応援団は通常の4回戦ボクサーとは異次元の盛り上がりを見せていました。

37歳のデビュー戦で堀江和也が見せた輝き

定年制度の撤廃によって実現した堀江和也選手の37歳プロデビュー。

この試合に向け、堀江選手はアキバボクシング&フィットネスジムで元日本ミニマム級王者でおやじファイト参戦予定の三田村拓也選手らとスパーリングを重ねてきました。

デビュー戦に向けた作戦はとにかく接近戦。

中間距離で相手の強打をもらわないよう、常に距離を詰めて手数手数。

その中で強弱つけて強いパンチを当てていこうというのが陣営の作戦でした。

プロデビュー戦は多くの選手が緊張と初めて経験するヘッドギアなし8オンスでの殴り合いに練習でやってきたことが出せないパターンが殆ど。

しかし堀江選手はこの作戦を序盤から忠実に遂行。

試合開始と同時に距離を詰めての手数手数で安齊選手にボクシングをさせない。

そして超接近戦の折々で左アッパーからの右フックをヒットさせ、ポイントを手繰り寄せて行きました。

中盤からは安齊選手も中間距離で手数を出し、右ストレートをヒットさせて反撃。

しかし4Rに堀江選手の目がバッティングによって腫れて来たことで試合がストップ。

負傷判定となった結果は2対0で堀江和也選手が勝利しました。

日本ボクシング史上初?37歳デビュー戦で勝利した堀江和也

37歳でプロデビュー戦を行い勝利した堀江和也選手。

戦った安齊祐太選手も両手を上げて拍手し、堀江選手の勝利を祝福していました。

  • 37歳を過ぎた選手がデビューする。
  • そして勝利する。

ほんの1年前までは絶対に有り得なかった光景がそこにありました。

おそらくですが、37歳でプロデビューし、勝利をおさめたのは日本ボクシング史上において堀江和也選手が初ではないでしょうか??

ボクシング史に残る価値ある勝利を手にした堀江和也選手。

きっとこの名前はボクシング史の試験があれば出題されますので覚えておきましょう。

まとめ

1年前なら37歳定年に引っかかっていた37歳プロボクサー堀江和也選手のデビュー戦。

定年制度の廃止については反対意見も一定数聞こえてきました。

「老いた人間がリングに上がる姿を見たくない。」

という意見も目にしました。

しかしこの日の両陣営の応援団はとにかく凄かった。

  • 一発パンチが当たれば大歓声。
  • インターバル中も両陣営の応援合戦。
  • 試合後は両選手を讃える拍手。

定年制度の廃止がなければこの大声援、感動は生まれなかったことは間違いありません。

あれだけの声援が生まれたということはこの試合にニーズがあったから。

戦った両選手を応援したいと思う人がそれだけ多かったということです。

37歳を過ぎた選手が勝つことは決して簡単ではありませんが、歳を重ねた選手にはファンを惹きつける何かがあります。

ベテランボクサーがリングに上がることで会場も盛り上がり、神試合も生まれやすくなる。

勿論体の心配はありますが、JBCも早めのストップを徹底し、安全面は飛躍的に向上しています。

今後もかつての定年37歳を過ぎたボクサーの挑戦する姿を応援しております。

堀江和也選手、安齊祐太選手試合お疲れ様でした。

安齊選手は良い体していましたし、まだまだ伸び代がかなりあると感じたので初勝利を目指してみるのも良いのかなと思いました。

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