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無観客で拍手も禁止。井岡VSロドリゲス戦を興行全体として振り返る。

こんにちはTorajiroです。

井岡選手の防衛戦、無事防衛に成功しましたが対戦相手のロドリゲスJr.選手はパワーもスタミナもあって技術もあり、ガードも固くて強敵でした。

あのレベルの選手相手に危ない場面なく勝てるのは流石の井岡一翔でした。

今回の試合は緊急事態宣言を受けての無観客試合

前座だけ有料オンライン配信

だけど主催の志成ジムの選手は前座にはいないというちょっと変わった興行となりました。

井岡選手の試合も含め興行全体を振り返りたいと思います。

試合会場のルールについて

試合は無観客で行われましたが、声援も拍手も全くなく、とても静かだったと思いませんか?

私は前座の有料オンライン配信を視聴していたのですが、そこで会場内関係者に対し、声援の禁止に加え、拍手の禁止もアナウンスされていました。

セコンドだけは例外で声出し拍手OKでしたが。

理由の説明もありましたが、無観客開催なので、オンラインやテレビで視聴している方が、観客が入っていると勘違いすることがないように、という案内でした。

「めっちゃかたい!!」驚きましたけど、流石の日本の徹底ぶりだなと感心もしました。

これまでもボクシングの興行って意外と(失礼?)感染対策徹底されていてカチコチの運用でしたけど、今回も本当に徹底されていました。

ボクシングがしっかり徹底してやっているから、オリンピックを見ていた時は緩いなぁって感じたんでしょうね。

前座2試合の有料オンライン配信について

前座の2試合が有料オンライン配信されていた事を知っていた方は殆どいないかもしれませんが、500円で視聴する事ができました。

試合内容について

試合内容自体は1戦目デビュー戦同士らしい激しい打ち合いで吉川英人選手の勝利、尾川裕二郎選手は残念な敗戦でしたがお互い死力を尽くして戦いました。

2戦目の8階戦は、角海老宝石ジムの粕谷雄一郎選手がやや優勢に試合を進めているように見えましたが、5ラウンドに寝屋川石田ジムの石脇麻生選手のパンチが入りTKO負け。

若干唐突に終わったように見えました。声援がないからでしょうか。

石脇選手は連敗脱出。相当ダメージを受けていたと思いますが、しっかり練習しているのか回復が早い印象でした。

粕谷選手は残念な敗戦。運もありますが、フィジカル強化し過ぎて体が重くなっているようにも見えました。マッチョなボクサーにありがちなパワーはあるけど後半いきなり失速する感じ。初めてのKO負けだったようですし、トレーニング内容を見直した方が良い気が個人的にはしました。

オンライン配信について

2試合とも面白かったですが、それぞれ視聴者数は50名ちょっと。

なんとも悲しい数字です(涙)。

仮に視聴者が1戦目と2戦目で総入れ替えしていたとしてもトータル100名。

わずか5万円の収入にしかなりません。配信にかかった諸費用を考えたらマイナスかもしれません。

ちなみに画質はあまり良くなく、度々画面が途切れたりフリーズしていました。

ただ、悪い点ばかりかというと私はそうは思いませんでした。

今回のオンライン視聴をするためには、志成ジムのファンサイトに登録するという一手間があったのですが、この一手間ってちょっとした事ですけど意外とデカく、「登録しないといけないなら面倒だからやめよ」となりがちです。

こうした小さな所からでも、地道にファンサイトの登録へ持っていければ、いつか志成ジムの選手の試合がオンライン配信になった時に購入者を増やせるかもしれません。

今回の有料オンライン配信単体で考えれば、「わざわざやらなくても」と思うかもしれませんが、後々への布石と考えればやって良かったと私は思っています。

有料オンライン配信を準備してくださった方々に感謝申し上げます。

井岡選手の防衛戦の内容

さて、井岡選手の防衛戦ですが、私の判定は各ラウンドの振り分けも含め解説者の内藤大助さんと全く同じでした。

1R
井岡選手様子見のため、イーブンだけどややロドリゲス選手

2R
振り分けは難しいが井岡選手のボディにポイント。

3R
ロドリゲス選手の積極性を指示。

4R
井岡選手の有効打を支持。

5R
互角の展開でやや井岡選手と思っていたが、終盤でロドリゲス選手がまとめたのでロドリゲス選手を支持。

6R
井岡選手が足を使ってジャブ主体でペースを取る。こうやって途中で戦い方を変えてくるところが井岡選手のいやらしい所。

7R
井岡選手が足を使ってペースを取る。みぞおち辺りへの左ボディから同じ軌道で顔面への右ストレートは凄いなぁと感心。なんていやらしいんだ。テクニックが半端ない。

8R
井岡選手ペース。ロドリゲス選手疲れたのか、入り際に左ボディを合わされるからか、中に入れなくなってきた。

9R
このままの流れで井岡選手が残りのラウンドを支配するだろうと思った矢先、ロドリゲス選手が再び前に出て攻勢。有効打も度々ヒット。

10R
ロドリゲス選手も前に出るが、そこに井岡選手の的確なパンチがヒット

11R
ロドリゲス選手疲れたか?終始井岡選手のペースで所々的確なパンチがヒット。

12R
ロドリゲス選手、最終ラウンドの割りには出られない。このラウンドも井岡選手の的確なパンチがヒット。

という事で私の採点では4ポイント差で井岡選手の勝利でした。

ロドリゲス選手の入り際に井岡選手が放つボディカウンターと接近戦での左ボディはロドリゲス選手にとっては本当に嫌だったと思います。

今日も井岡は強かった。

まとめ

今回は無観客開催となったので、興行収入は大幅な赤字が予想されます。

最初から無観客前提で準備していれば小ぶりな会場でやれたかもしれませんが、それはあくまで結果論で、試合を組んだ時点でこうなる事は予想出来ませんでした。

オンライン配信の視聴者数の少なさからも、ボクシング人気の危機的な状況をひしひしと感じました。

どうやったら興行を成立させることが出来るのか、本当に悩ましい状況ですが、一度試合会場はどこかのボクシングジムを使い、無観客で有料オンライン配信という興行をやってみてはどうかなと考えてみました。

選手のファイトマネーは有料オンライン配信のチケットを売ったうちの70%くらいが入るようにすれば、各選手が頑張ってチケットを売ってくれるのではないでしょうか。

自分がボクシングをやっていた時の事を振り返って、3,000円のチケットを40人に売るのはめちゃくちゃ大変でしたが、500円だったら買ってくれた人結構いたんじゃないかなぁと。

これなら場所代もかからないから支出を最低限まで抑える事が出来ないでしょうか。

とは言ってもこれじゃあ莫大な収入を得ることは出来ませんし、苦しい台所事情であることに変わりはありません。

エキシビジョンマッチを入れたりしてエンタメ性を高めたりして、ボクシングに興味がない層にも振り向いてもらう努力をしないと立ち行かない状況に陥ってきていると感じます。

熱狂的なボクシングファンの方には排他的な方もいるかもしれませんが、大好きなボクシングを守るためにも、エンタメ性にも重点をおいた興行を容認し、一緒に応援していてたらなと感じました。

  • この記事を書いた人

torajiro

ボクシングファン歴25年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。ボクシングニュース、3150FIGHTネタ、各種ボクシングデータ、新人王トーナメント、選手紹介等のボクシングブログを書いています。

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