こんにちはTorajiroです。
もうすぐボクシングファンが関心を寄せる注目の一戦が行われます。
10月19日(火)日本スーパーライト級王座決定戦。WBOアジアパシフィックの王座もかかっていますがそれはオマケで。
ベルトを賭けて戦う一人は子供の頃にさんまのからくりテレビで注目もされたアンディ君こと平岡アンディ選手。今やすっかり大人になり、無敗のままIBFスーパーライト級6位まで上り詰め、トップランクというアメリカの有名なプロモーション会社とも契約する一流選手となりました。
そしてもう一人の選手が、Torajiro一押しの若手ボクサー佐々木尽選手。パワーもスピードもあり、ディフェンスもしっかりしているけど、頭はかなりいかれてます。
この二人の一戦。戦前予想は圧倒的に平岡アンディ選手有利ですが、佐々木尽選手の立場になって攻略法を練ってみました。
もくじ
佐々木尽選手の魅力
佐々木尽選手の魅力をまずは紹介。

戦績は11戦11勝(10KO)無敗。
左フックを最大の武器とする右ボクサーファイターです。
無敗という戦績と圧倒的なKO率が目立ちますね。
ゴリゴリのファイタースタイルでガードを固めて前に出て、打ち終わりにフックを合わせて豪快に倒す時もあれば、フットワークと切れ味鋭いジャブで相手を翻弄することも出来る中々器用なボクサーでもあります。
ただ強いだけなら他にもそうした選手はたくさんいますが、佐々木尽選手はリングに上がるとアドレナリンがでまくっちゃうのか、時々変な動きをしたりとリング上でのパフォーマンスも魅力の一つです。
オリンピックにも出場した岡澤セオン選手とのエキシビジョンマッチでは終盤ゾンビみたいな動きをして会場を盛り上げていました。

いくらエキシビジョンとは言え、あんなのリング上で出来るの現役ボクサーでは佐々木尽選手くらいでしょう。岡沢選手もドン引きの様子。
かつて日本フェザー級チャンピオンになり、その後K1でも暴れた渡邉一久選手を彷彿させるイカれっぷりが最高です。
こういう選手が出てくるのをずっと待っていました。
平岡アンディ選手の特徴(特に右足)
一方の平岡アンディ選手の戦績は、

17戦17勝(12KO)無敗。こちらも無敗で高いKO率を誇っている左ボクサーファイターです。
佐々木選手と同じ無敗でも、アンディ選手は元日本チャンピオンの近藤明広選手にも勝っているし、アメリカのリングにも2度上がっており、キャリアではアンディ選手が一枚も二枚も上手です。
アンディ選手は絶妙なフットワークと多彩なジャブで相手の外を取り、相手が入ってきたところにカウンターの左を合わせる典型的なサウスポーのテクニシャンです。
アンディ選手のスタイルの一つ大きな特徴を挙げると、右足がかなり内側を向いています。通常構えた時の前足先は対戦相手の方を向かっていることが多いですが、アンディ選手の前足は相手と平行方向を向いています。

足が平行だと横移動がスムーズになり、相手の外を取りやすくなるので、オーソドックススタイルの選手がアンディ選手の外を取るのは至難の技です。
ただ、このスタイルだと右足が壁になって左ストレートを打ち抜くことが出来ないので、思い切り飛び込んで左ストレートで倒すよりも、どちらかと言うと相手が入ってくるところに左ストレートを合わせたり、左アッパーで相手を倒すことの方が多い印象です。
昔、子供の頃のアンディ選手の練習を練習を見たことがありますが、あの頃から右足は相当内側を向いていました。アンディ君を指導するお父さんのジャスティスさんも右足が内側を向いていたので、そういうスタイルでずっと教えられてきたのでしょうね。
ジャブで相手を翻弄し、入ってきたところをストレートやアッパーで迎え打つ時のアンディ選手は無双です。
両者の特徴を比べると、佐々木尽選手がガードを固めてグイグイ前に出てくるところに左を合わせてアンディ選手のKO勝利が順当な予想でしょう。
湯場海樹戦で魅せた佐々木尽のサウスポー対策
佐々木尽選手は前戦で長身サウスポーの湯場海樹選手と試合し、序盤に2度左で倒された後、左フックで逆転のKO勝ちをおさめました。
ニュース記事を読んでいると、湯場選手が序盤から翻弄し、佐々木選手のフックが空を切っていたような書かれ方をしているものがいくつかありましたが、実際のところは序盤から左フックのタイミングは結構合っていたし、浅いけどヒットしていました。
この一戦での佐々木選手の動きを良く見ると、フックを当てるために2つの特徴的な動きを見せていました。
右ストレートを打った後、そのまま右足を前に出して歩くように距離を詰めて左フックを当てる
長身サウスポー相手に距離を詰めて左フックを当てるのは想像以上に難しいです。距離を詰める途中で左を合わされる可能性が非常に高いし、距離が遠いのでバックステップでかわされ易いので、フック狙いのファイターはサウスポーからしたら非常にやり易い相手です。
が、フットワークではなく歩いて距離を詰めてくるファイターはとってもやりづらいです。

右ストレートボディからの

右足を引き寄せて

左フック!!
対戦相手からしたら当たらない距離にいると思っていたのに、これをやられると距離感が狂ってパンチをもらってしまいます。
相手の左に対して同時に右を合わせ、ストレート同士が絡まった状態からの返しのフック
そしてもう一つ、サウスポーの左に対して右を合わせ、そこから返しの左フック。

左に対して右を被せ(この時点でガードが下がっている湯場選手に対し佐々木選手の左はガッツリフック打ち込める状態)

佐々木選手が先にフックを打てる体勢に入り

先に佐々木選手の左フックがヒット!!
湯場選手をKOしたパンチもこれでした。
サウスポーの左ストレートに対して右クロスをヒットさせるのは、力量にかなりの差がないと難しいですが、右は当たらなくてもそこからの返しの左は結構当たります。
湯場戦の映像を見ても、最後湯場選手は左ストレートを打った時に右ガードが下がっており、しっかり顎の横に拳を置いていた佐々木選手の方が一足早く返しのフックを当てて逆転KO勝利をおさめました。
ただガードを固めてゴリゴリ詰めて左フックを当てたのではなく、ちゃんとサウスポーに対して有効な戦術を使ってKOしており、あれはまぐれ当たりのKOではありませんでした。
平岡アンディ攻略法(佐々木尽になったつもりで)
ここまでの情報を整理して、佐々木選手になったつもりで平岡アンディ選手の攻略法を考えてみました。
- 外の取り合いは捨てる
- 定石のジャブからの組み立てではなく、ノーモーションの右から入って崩していく
- 右から入る時は左足に重心を移動しておき、拳は顎の横に置いておき、常に最短距離でフックを打てる状態でいる
- 単発の右だけでなく、右のダブルから右足を前に移動して左フック等、バリエーションを持たせる
- ゴリゴリ前に入り続けるだけだと距離を掴まれ易いので、たまに思い切り離れたりいきなり詰めたりして距離を掴ませないようにする
- 前に詰める時は頭をちゃんと振る
と箇条書きにしてみましたが、アンディ選手相手にジャブで組み立てても勝てないと思うので、右から入っていった方が良いと踏んでいます。
注意点として、特に中に入った時は相手の左アッパーに今まで以上に気をつけた方が良いでしょう。
サウスポーの左アッパーと言えば、かつて佐々木選手はサウスポーのベジータ石川選手と試合した時に、ベジータの左アッパーを結構もらっていました。
相手はサイヤ人(の王子)なのでもらってしまうのも仕方なかったかもしれませんが、アンディ選手の左アッパーをもらったら致命的なダメージを負うので気をつけたいところです。
ちなみにベジータ戦では最終的にはベジータアッパーに左フックを合わせ、最後はパンチをまとめてKOしていました。
佐々木選手は意外とクレバーなので、どの距離に入ったら相手がアッパーを打ってくるか予測し、自分からアッパーを誘ってカウンターを合わせることも出来ます。
アンディ選手相手には難しいでしょうが、左アッパーに対して左フックカウンターでKOしたら盛り上がるでしょうね。
まとめ
現状の二人の立ち位置からすると平岡アンディ選手勝利の可能性の方が高いですが、この1年の佐々木選手の成長には目を見張るものがあります。
ベジータと戦っていた時と今の佐々木選手とでは別人レベルで強くなっています。
のびしろと左フックを当てるうまさを加味して、平岡アンディ選手得意の左アッパーに左フックを合わせてのKO勝利を予想してみます。
佐々木尽選手はアドレナリンで過ぎると頭おかしくなるので、変なことしでかすんじゃないかと期待と不安の混ざった複雑な気持ちで試合を心待ちにしています。