雑記

栗原豊さんの経歴と潮騒ジョブトレーニングセンターで依存症者支援を続ける理由【プロフェッショナル】

こんにちはTorajiroです。

10月19日(火)のNHKプロフェッショナルに出演予定の依存症回復施設潮騒ジョブトレーニングセンター長 栗原豊さんについて紹介します。

出典:https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/philanthropy/2011/bigissue_03.html

78歳の今も潮騒ジョブトレーニングセンターの代表として、アルコール、薬物、ギャンブル等の依存症者と向き合う理由を、自身も薬物依存症者で、かつては暴力団の組員だったというその壮絶な経歴から紐解いていきます。

栗原豊さんの生い立ち

1943年生まれ。出身は埼玉県。

栗原さんが1歳か2歳の時にお父さんが戦死。当然ながらお父さんの事は覚えていません。

戦後の食糧難で里子に出されて育ち、家族で食卓を囲んだ記憶は一切ないそうです。

13歳の時に里親から「高校進学は諦めろ」と告げられます。

それは道を踏み外すきっかけとなり、10代のうちから酒に頼るようになり、20代の半ばには覚醒剤にも手を出すようになりました。

そして30歳から60歳までの30年間に7度も通算20年間も刑務所で暮らすこととなりました。

大人になってからの人生の半分以上を刑務所で過ごした栗原さんは当時を振り返りこう語りました。

「相手をしてくれるのは警察と刑務所だけ」

出典:[ETV特集] HUMAN『ひとりぼっちで死なせない』依存症の高齢者 最後の願いを叶えたい | NHK

栗原さんと同じ状況に追い込まれ、果たしてその中で前を向いて生きていこうと思えるでしょうか。

薬物は使ったことがないので想像できないけれど、自分だったらお酒を拠り所にするでしょう。

誰も自分を知らない、誰からも必要とされない、広い広い世界の中の完全な孤独。

考えれば考えるほど不安、孤独、恐怖が我が身を襲います。

依存症回復施設のセンター長となったきっかけ

栗原豊さんは7回目の出所後に路上で泥酔。

職務質問を受けた際に刃物を所有していたために再び逮捕されてしまいました。

その時の検事に「処分保留で釈放するから、回復施設にいけ。回復して他の依存者を助けてやれ※」

※出典:https://www.asahi.com/articles/ASP2K4HG4P25UJHB008.html

と言われた事が依存症回復施設に入所するきっかけとなりました。

それから3年間、依存症回復施設で支援を受けて依存症から立ち直りました。

その後に、依存症の高齢者を受け入れる施設がないことを知り、それなら作っちゃおうと66歳の時に「潮騒ジョブトレーニングセンター」を設立。

「作ってみたらこんなに大変だったとは」と後のインタビューで語っておりましたが、66歳という年齢での決断には驚かされます。

栗原さんの行動力は87歳で日本最高齢のフィットネストレーナーとなったタキミカさんこと瀧島未香さんを彷彿とさせます。

(タキミカさんについての記事はこちらを参照)

栗原豊さんの現在の取り組み

66歳で依存症回復施設を設立した栗原豊さんは現在78歳。

78歳となった現在も潮騒トレーニングセンターの施設長として精力的に活動しております。

施設の運営の傍ら、70歳を過ぎてから定時制高校に通い昨年卒業。

現在は早稲田大学人間科学部の通信課程で学業を継続中。

他にも「しおさい寺子屋食堂たんぽぽ」という子ども食堂も運営しています。

コロナ禍が続き、現在は人が集まりにくい状況にはあるようですが、「皆で集まり暖かな食卓を、子ども食堂の開設で共生出来る地域社会を目指したい」という栗原さんの思いが込められています。

栗原豊さんが依存症者支援を続ける理由

78歳となった今も栗原さんが依存症者の支援を続ける理由は何なのでしょうか。

アルコール依存、薬物依存、そして元暴力団員と、あらゆる経験をしており、依存者達の気持ちを誰よりも理解できる先輩として周囲から必要とされている。

相手をしてくれるのは警察と刑務所だけ。という究極の孤独と向き合った自身の辛い経験から、同じ思いをして欲しくない、ひとりぼっちで死なせたくないという想いがある。

そうした経験を活かして自分と同じ依存症に苦しむ人々を救いたいという側面もあれば、歩み続けなければ自分自身がまた依存症になってしまうかもしれないという不安と戦い続けている側面もあるのかもしれません。

プロフェッショナルでは栗原さんの依存症者と向き合う3ヶ月の記録が放送されます。この番組の中で語られる栗原さんの言葉の一つ一つから、その想いを感じ取っていきたいです。

まとめ

以上、潮騒ジョブトレーニングセンター長、栗原豊さんの紹介でした。

如何だったでしょうか。

アルコール、薬物、ギャンブル等の依存症者が生まれる原因の一つとしての「社会的孤立」について、私は非常に考えさせられました。

人間は誰しも拠り所がないと生きていけません。

自分の人生も妻、子供、両親、地域の仲間達、職場の人々等、多くの人達に支えられ、共生している事に改めて気付かされました。

栗原さんが78歳となった今もなお、共生社会の実現に向けて学び、歩みを進めている姿に刺激を受け、自分も諦めずに前を向いて進んでいこうという気持ちになりました。

最後に栗原豊さんの以下のメッセージを引用して締めさせていただきます。

私は生涯にわたる挑戦者を自認する「夢追い人」です。たとえドン・キホーテと馬鹿にされ、笑われようとも、自分が信じる夢=理想郷づくりに向かって命ある限り走り続けます。私には楽隠居や好々爺(こうこうや)の人生は似つかわしくありません。走り続けるのをやめたら、その時点で私の人生はジ・エンドです。どうか今後も潮騒JTCを温かく見守りください。

出典:潮騒通信「どっこい生きてます!」
  • この記事を書いた人

torajiro

ボクシングファン歴25年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。ボクシングニュース、3150FIGHTネタ、各種ボクシングデータ、新人王トーナメント、選手紹介等のボクシングブログを書いています。

-雑記