こんにちはtorajiroです。
ちょっと前の試合になりますが、亀田京之介選手と英洸貴選手の試合動画がアップされていたので各ラウンド採点をつけてみました。
視聴したのは以下のYouTube動画になります。
この試合で亀田京之介選手は反則行為への減点と試合後のレフェリーへの暴言(こいつのせいで負けにされた的な発言)で6ヶ月のライセンス停止処分が下りました。
反則行為が減点する程のものだったのか、判定は妥当だったのか、この点に興味があって動画を見たのですが、亀田京之介選手に2つの大きな弱点、課題があると感じたのでその点に触れさせていただきます。
もくじ
亀田京之介VS英洸貴の各ラウンドの採点
それでは早速各ラウンドの自分なりの採点を紹介します。
1ラウンド 亀田選手
ファーストラウンドはやや亀田京之介選手かな。
有効打で亀田選手が勝っていた。大きな差はなくどっこいどっこいではあるが、英選手の打ち終わりに良い右ストレートやアッパーが入っていた。
英選手の積極性を取って英選手につけるジャッジもいたかもしれない。
2ラウンド 亀田選手
亀田選手がはっきりとポイントを取ったラウンド。ちょんちょん当てるジャブが良く、右も綺麗に入っていた。
英選手も手数を出すが、パンチはガードの上で有効打は少ない。
3ラウンド 英選手
開始早々に英選手の綺麗な右ストレートが入る。その後に右ボディストレートもクリーンヒット、ジャブも、終盤にも右ストレートとから返しの左も綺麗に入った。
4ラウンド 英選手
英選手が亀田選手の動きに慣れた様子。
亀田選手はジャブに右をあわされやりづらそう。
展開が悪くなり、観客の野次に反応したり集中力が切れ始めている。
パンチも単発でポイントにならない。
手数も有効打もどちらの面でも英選手のラウンド。
5ラウンド 英選手
競ったラウンドだがコーナーに詰める場面の多かった英選手がやや優勢。
序盤から亀田選手のジャブの引き際に合わせる右が良く当たる。
亀田も中盤から終盤にかけて盛り返してボディや良い右を当てたが、全体を通したら英選手。
終盤の見栄えで亀田選手にポイントをつけたジャッジもいるかもしれない。
6ラウンド 英選手
プッシングで亀田選手の減点があったが、なくても英選手のラウンド。
亀田選手は手数が出ない。
得意のジャブに何度も右を合わされて攻めるきっかけを失っているのか。
7ラウンド 亀田選手
減点で発奮したのかこのラウンドは亀田選手が積極的。
やや浅いがワンツーがヒット。
久々に亀田選手がポイントを取ったラウンド。
8ラウンド 英選手
最終ラウンドも亀田選手のジャブの引き際に合わせる英選手の右が良く当たっていた。
ワンツーも当たり英選手優勢のまま試合終了。
採点の結果
減点なしでも亀田選手がポイントを取ったラウンドは1、2、7ラウンドなので、
この試合は僕の採点では77対75で英選手の勝利!!

公式ジャッジは77対75が1者、76対75が2者だったので、減点がなければ2者のジャッジはドローと採点していた事になります。
亀田選手が明確にポイントと取ったと言えるラウンドは2と7ラウンドだけなので、ジャッジは若干亀田選手贔屓に感じました。
会場で見ると迫力があって微妙なラウンドは亀田選手に流れたのかも知れませんね。
映像で見るのと間近で見るのって結構違うので。
いずれにしても減点があってもなくても勝ちはないです。
レフェリーのせいにしてはいけませんね。

問題の反則行為について
減点となった問題の反則行為についてですが、1発アウトではなく、序盤からプッシング行為を繰り返しており、注意が蓄積した結果の減点と見ました。
中にはお互い絡まって結果的にプッシングになってしまったケースもあり、必ずしも亀田選手だけが悪い訳ではないものもあるのですが、倒れた相手を威嚇したり、観客席のヤジに乗っかって向かっていってしまったり、そうした行為もあっての教育的指導としての減点でしょうね。
僕も昔プロで試合していましたので何となく想像できますが、減点前にレフェリーは再三注意していると思います。
「次やったら減点だよ」と言われているはずです。
かくいう自分も「次やったらアウト」と言われた後でホールドしてしまい、めっちゃ怒られて減点された事があります。
フルマークで勝っていた試合だったので、教育的指導として受け止めました。
結果的に課題改善に繋がったので良かったですけど。
その後の試合では減点どころか注意すらされなくなりましたし、減点されるのははっきりと自分の課題が突きつけられる事でもあるので先々考えれば悪い事ではありません。
気になった2つの弱点、課題
減点も含め判定結果は妥当なものでしたが、この試合で亀田選手の精神面と技術面の弱点が浮き彫りになりました。
精神面の課題
これは言わずもがなですが、思うような展開で試合を進められなくなった時に、感情的になって自滅しています。
冷静になれば十分立て直し可能なのに、感情的になってスタミナを消耗させて自爆。
今の状態だと勝負所で勝ちきれないボクサーになってしまうし、相手の応援団もそこを突いてヤジで攻めてくるでしょう。
「今日は相撲するなよ!!」復帰戦でそんなヤジが飛んできた時に冷静でいられるか、6ヶ月のライセンス停止処分中にこのメンタルの課題を克服しないと上は狙えませんね。
ただね、こんなことを言うと語弊があるかも知れませんが、こういう一歩踏み外したらどうなるかわからない選手って見ていてハラハラして個人的には結構好きなんです。
かつて角海老宝石ボクシングジムに在籍していた渡辺一久選手なんか試合中にプッツンきて頭突きしちゃったり、スパーリング中にイラついて馬乗りになっていたり、やられた側はたまったもんじゃないでしょうが、あのハラハラドキドキ感はたまらなく好きでした。
自分の応援団から「平常心!!平常心!!」って試合中にコールされているのが爆笑ものでした。
亀田京之介選手には精神面の弱点を克服するか、それでも勝てる圧倒的な実力をつけるか、どちらかに期待します。
技術的面の課題
この試合で亀田選手はジャブに再三右ストレートを合わされたり、ジャブの引き際に追いかける右をもらいまくっていました。
もちろん英選手が上手かったというのもありますが、あれだけハンドスピードがあってリーチもあるのに合わされるのは気になりました。
過去の試合映像も含めて分析してみましたが、ハンドスピードを意識するあまり左の脇がかなり開いている点が特に気になりました。
リラックスした状態でガードの位置から真っ直ぐ飛んでくるジャブはモーションがなくて反応しづらいけれど、亀田選手のジャブみたいに脇が開いていると、ジャブが飛んでくる前に肘の角度が変わるので、予備動作で反応し易くなります。
それでも一定レベル以上のスピード差があれば反応できないでしょうが、上のレベルの選手になってくれば亀田選手のスピードにも対応してくる事は英選手が証明したので、ジャブの打ち方を修正した方が良いと思いました。
亀田選手は左拳を地面と水平に構えていますが、もっと拳を縦にパンチを入れていった方が自然と脇も締まってモーションのないパンチになるんじゃないかと見ています。
他にもコーナーポストに詰められ易い点もやや気にはなりますが、まずはジャブを修正することが上のレベルに行くためには必要になってくると見ています。
まとめ
以上、亀田京之介選手の試合動画を見ての弱点、課題分析でした。
問題行動に対するバッシングはありますが、昔のボクサーにもやんちゃな人はたくさんいました。
亀田京之介選手以上のヤンチャだったりデンジャラスだったりなボクサーもいました。
レフェリーへの暴言とか、気分は悪いし許される行為ではありませんが、こうした選手も内包しつつ、日本ボクシング全体が盛り上がっていくことを願っています。
プロ選手は激減し、ジム経営も大変、JBCは問題だらけ。
この状況を打開していくためには亀田京之介選手みたいなギラついたプロも増やしていったり、
エキシビジョンマッチも取り入れたり、
異質性を排除していくのではなく、内包していきながら発展を遂げるしか道はないと考えております。