こんにちはtorajiroです。
ネット上で井上尚弥選手の暗に亀田興毅氏を批判していると思われるツイートが話題になっていました。
どちらの立場も肯定している自分としては何も言うことはない(触れるのは正直恐い!!)と思ったのですが、若干井上選手の発言がミスリードされているのではないかという気がしたので「そういうもの」が何を指していると考えられるか私見を述べたいと思います。
先に申し上げておきますが僕は井上尚弥選手も亀田興毅氏もどちらも好きで応援しています。
話題になったツイートとその背景
話題になったのは井上尚弥選手が独り言として呟いた以下のツイート。
自分がそういうものにしたのによく言いますね。。(独り言)
https://twitter.com/naoyainoue_410/status/1579471355577520129
これだけ読んでもなんの事やらですが、何に対する独り言なのかは亀田興毅氏のNumber掲載の以下取材記事に対するものと考えられています。
▶︎「ファイトマネー倍額は最低ライン」「日本王者の年収を1000万円に」あの亀田興毅が本気で“ボクシング界の底上げ”に取り組む理由
▶︎「井上尚弥選手は確かにすごい。でも…」プロモーター・亀田興毅が語ったボクシング界の課題とは「他の格闘技に比べて、親切じゃない」
亀田興毅氏の取材記事の内容を受けて、「自分(亀田氏)がそういうものにしたのに」という疑問を井上選手が呟き、これが話題になったという状況です。
記事の中のどの部分に対するつぶやきなのかは定かではなく、世間の反応もどの部分に対するものと解釈したかで様々。
井上尚弥選手のツイートに対するSNS上の反応
このツイートに対するSNS上での反応を見てみると、記事中の亀田興毅氏の以下の発言部分を切り取った意見が多数を占めているように感じます。
井上選手は確かにすごい。でもそれは一部の選手であって、全体で見るとボクシングは苦しい状況にある。だからボクシングをもっと活気づけたい。
「井上尚弥選手は確かにすごい。でも…」プロモーター・亀田興毅が語ったボクシング界の課題とは「他の格闘技に比べて、親切じゃない」
夕刊フジの記事もこの発言部分を切り取った記事の書き方をしていましたし、SNS上でも「ボクシング人気低迷の原因は亀田三兄弟だ」「いやいや亀田は逆にボクシング人気の維持に貢献していたでしょう」的な意見が多数でした。
ですが個人的には井上尚弥選手の呟きはボクシング人気低迷の部分に対するものではないだろうと感じています。
「そういうもの」が何を指すか
井上尚弥選手が呟いた「そういうもの」が何を指すのか。
「ボクシング人気低迷」を指すのであれば「そういうもの」ではなく「そういう状況」と表現するでしょう。
なので僕は人気低迷の原因が亀田興毅氏だと言っている訳ではないと解釈しました。
そこではなく、おそらく記事中の以下の部分に言及したものと感じております。
僕は最初、「3150ファイトクラブ」というジムの会長という立場で『3150FIGHT』という興行を開催しました。そうすると赤コーナーに「3150ファイトクラブ」の選手がズラリと並ぶ。対する青コーナーは地方の選手とか海外の選手たちです。これね、自分も昔はなんとも思わなかったけど、外から見たら「これでホンマに中立で公正な試合になるのか?」と思われるんじゃないかと。そう思ったんです。
「ファイトマネー倍額は最低ライン」「日本王者の年収を1000万円に」あの亀田興毅が本気で“ボクシング界の底上げ”に取り組む理由
亀田興毅氏の現役時代、初めのうちはかませ犬と呼ばれる海外の選手を読んできて、当然亀田が勝つという試合が続きました。
そこから世界を取った試合もその後の防衛戦でも、どっちが勝ったか分からない試合が多くなり、微妙な試合内容から「疑惑の判定、TBS判定」等と揶揄されるようになっていきました。
ボクシングファンの中には亀田興毅氏の試合の際には以下の気持ちが常にあったと思います。
「今回もまた、フェアな判定が出る試合ではないのだろう。」
人気があって金を稼げる選手に判定は傾く、ボクシングってそういうもの。
そういうもの(ボクシングを「中立で公正な試合になるのか?」と思われるようなもの)にしたのは亀田興毅さん自身ではないのか?
それが井上尚弥選手が発した独り言だったのではないかと僕は解釈しております。
異なるアプローチでボクシングを盛り上げて欲しい
現役時代の亀田興毅氏のマッチメイクや試合内容、判定結果、煽り方等々に対してはやり過ぎ感は正直ありましたし、「もっと上手くやればいいのに、せめて試合後の対戦相手へのフォローとかもっとあっても良いのに。」という事は偉そうにも常に思っていました。
最後の最後まで対戦相手へのリスペクトがなく、共感を集める視点が圧倒的に欠けている。
そこのもどかしさがありました。
でも現在、プロモーターになった亀田興毅氏は自身の経験を反省材料にファンを呼び込むアクションは起こしつつも、選手に寄り添い、ファンの共感を集めるような姿勢を見せ続けています。
自分の事は棚に上げてという批判も当然あるでしょうが、マッチメイクは選手がするものではありません。現在の亀田興毅氏は選手時代に自分自身もどかしいと思っていた部分を反省材料にプロモーター活動をしているように僕には映ります。
そして井上尚弥選手は人気、お金は後から付いてくるというスタンスで徹底的に強さに拘り、圧倒的な強さを見せつけ続け、世界的なスターに上り詰めた選手です。
ボクシング人気向上のため、4回戦の試合でも盛り上がるように話題性を作っていこうとする亀田興毅氏と、圧倒的な強さでボクシング人気を上げていこうとする井上尚弥選手。
アプローチは違いますがどちらの軸もとても大切だと思います。
井上尚弥選手にはああやって呟いて「自分は本物を見せ続けるぞ」という決意を持って挑戦し続けてもらいたいですし、亀田興毅氏にはボクシング界の底上げをしていただきたいです。
どちらの視点、どちらの軸もボクシング界発展のためには欠かせない要素です。
まとめ
以上がtorajiro的な井上尚弥選手の独り言に対する解釈でした。
見当外れでしたら申し訳ございません。
どちらかを持ち上げてどちらかを落としたくはなく、井上尚弥選手の強さを追求する路線も、亀田興毅氏の話題性を作って集客を意識する路線も、日本ボクシング発展のためにはどちらも必要だと思っています。
様々な意見が出てボクシングネタが盛り上がることは嬉しいですが、行き過ぎて排除する動きにだけはならないで欲しいなと、そんな不安もありましてこの記事を書かせていただきました。