2026年3月21日(土)のDANGAN興行で元日本バンタム級王者齊藤裕太氏の引退試合が行われました。
気が付けば2019年の引退から6年以上の月日が流れていました。
この記事では齊藤裕太氏のキャリアと引退式、そして呪われたバンタム級と言われた時代から堤聖也選手が日本バンタム級王者になるまでの歴史を振り返ってみました。
齊藤裕太氏のボクシングキャリア
齊藤裕太氏のプロキャリアは25戦12勝(9KO)10敗(1KO)3分。
キャリアの序盤は2勝3敗と負け越していた時代もあったが、そこから連勝。
田之岡条戦を引き分け勝者扱いで乗り越えて東日本の決勝はMVP。
更に全日本新人王決定戦もMVPを獲得。
しかし全日本新人王後はなかなか勝てず、引き分け挟んで3連敗。
その間に北澤ジムから花形ジムに移籍。
勝ち負けを繰り返しながらチャンスを手にした日本バンタム級タイトルマッチの相手は全盛期の赤鬼、赤穂亮でした。
この試合は9RTKOで敗れましたが、序盤にダウンを奪い中盤まで優勢に試合を進めるも終盤に逆転された壮絶な1戦でした。
齊藤裕太選手の体の大きさと圧で赤穂選手が小さく見えた試合でした。
この試合後、再起戦に失敗するものの、後に紹介する呪われたバンタム級のゴタゴタでバンタム級王座決定戦のチャンスが舞い降りる。
2度目のチャンスをしっかりとものにした齊藤裕太選手は自身の病気で暫定王座が設けられるも、暫定王者との統一戦にも勝利。
2度目の防衛戦は鈴木悠介選手に敗れましたが、猛者達と勝ち負けを繰り返しながら日本の頂点まで辿り着いて現役生活を終えました。
個人的には負けた試合ではありましたが最も印象に残った試合は赤穂亮戦でした。特にあの試合は強さを感じた。
舞台裏はバタバタの引退式

引退から6年以上が経過しているにも関わらず、齊藤裕太氏には引退記念スパーの舞台が用意されていました。
しかもその相手は現役バリバリスラッガーの栗原慶太選手。
会場観戦していた私ですが、入場前にトイレを済ませておこうと席を立つと、自販機前で飲み物を買う栗原選手が。
とその時、選手入場のコールが流れ、栗原選手の入場曲が流れ出す。
「あれ?入場曲流れてないか?」
「え!?こんなに慌ただしいの!?」
と大慌てで青コーナー側に走って行った栗原選手陣営でした。
一方の齊藤裕太氏もリングインしたものの、こちらは肝心のヘッドギアがない。
現役ボクサーがヘッドギアを装着する中、まさかのノーギアで引退スパー??
「控え室からギア持ってきて!!」
「マウスピース??」
「いや、ヘッドギア5こくらい持ってきて!!」
両陣営バタバタなやり取りを経て無事ヘッドギアが届きスパー開始。
スパーリング前の両陣営の余興に楽しませていただきました。
齊藤裕太氏は引退から6年以上が経過しているとは思えない重たいパンチを打ち込み、栗原選手も客席がどよめくようなパンチを返す。
齊藤裕太氏も観客の声援、煽りにもしっかりと応えながら引退スパーを無事にやり遂げました。

スパーリング後は齊藤裕太氏からの諦めなかったからここまで来れたとのメッセージの後に10カウント。
たくさんの子供達にも囲まれた幸せな引退式でした。
呪われたバンタム級と言われた時代から堤聖也まで
齊藤裕太氏が活躍した時代、バンタム級のベルトは相次ぐトラブルで呪われたバンタムと呼ばれていました。
当時の状況を時系列で振り返ります。
- 2017年8月5日、赤穂亮選手が齊藤裕太選手に逆転TKOで防衛に成功。
- 2018年1月20日の日本バンタム級タイトルマッチにおいて赤穂亮選手が体調不良で計量直前に棄権。
- 赤穂選手が棄権したことで、鈴木悠介VS村中優で王座決定戦のはずが、今度は鈴木選手が怪我で出場辞退。
- 仕切り直しで村中優VS齊藤裕太のはずが、計量日に村中選手が姿を現さず棄権。
- 2018年9月1日、再度の仕切り直しで齊藤裕太VS菊池永太で試合が組まれ、ここで齊藤裕太選手が新王者に。
- しかしその後、齊藤選手が病気により試合が出来なくなり暫定王座が設けられる。
- 2019年4月18日、暫定王座の木村隼人VS正規王者の齊藤裕太で行われた統一戦に齊藤選手が勝利。
- 2019年7月27日のタイトルマッチで鈴木悠介選手が齊藤選手に挑み、日本バンタム級タイトルを獲得。
- しかしこの後、試合間隔が空いている間にコロナ禍が。。
- 2020年4月に決まっていた試合はコロナで延期。
- 2021年1月に鈴木選手は網膜剥離が原因でそのまま引退。
- 2021 年7月26日鈴木選手に挑戦予定だった澤田京介選手と日本バンタム級2位の定常育郎選手とで決定戦が行われるが、2R負傷ドロー。
- 2021年11月12日に再戦が組まれるが定常選手が減量に失敗して計量の場に姿を見せず試合は中止。
- 2022年2月5日、澤田京介VS大嶋剣心戦で澤田選手が勝利して王座を獲得。
2018年の赤穂選手の棄権から実に4年余りもの間、立て続けにトラブルが起こる異常事態が続くこととなりました。
そして2022年6月23日、堤聖也選手が澤田選手に勝利してバンタム級のベルトを手にすると、最強の挑戦者達を相手に4度の防衛に成功し、井上拓真戦の感動まで辿りつきます。
まとめ
齊藤裕太氏の引退式でふと思い出した呪われたバンタム時代。
この時代に確かな爪痕を残し、王者となった齊藤裕太氏。
引退式の会場で配られたパンフレットの対戦表を見ていると色んな選手の姿が浮かんできました。
時が経つのはあっという間です。
リアルタイムで見ていた試合が一瞬でこんなにも過去の出来事になっていることに驚きを隠せません。
選手の現役生活は一瞬です。
また今度と思っているとその機会は永遠に訪れないかもしれません。
後悔なきよう、見たいと思った試合はどんどん会場に行って応援してみてください。
