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那須川天心VS井上拓真|Prime Video Boxing 14“黄金の95年組それぞれの分岐点”

torajiro

ボクシングファン歴28年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴3年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。Xも投稿していますのでフォローいただけると嬉しいです。

那須川天心VS井上拓真のWBCバンタム級王者決定戦がいよいよ目前に迫ってきました。

決戦は2025年11月24日(月)TOYOTA ARENA TOKYO。

アンダーカードでは井上拓真選手と同じ黄金の95年組ボクサー、中野幹士選手と坪井智也選手も世界挑戦の分岐点となる試合を控えています。

試合前後には大きな話題を生むであろうPrime Video Boxing 14対戦カードの注目ポイントを紹介します。

チケットはローチケで55,000円の指定席Bと33,000円の指定席Cがまだ販売中。

試合は2025年11月24日(月)17:00からPrime Videoで配信。

那須川天心VS井上拓真|鍵を握るのは拓真選手の戦う理由

神童那須川天心選手はボクシング転向後、懐疑的な意見に対し、世界ランカー達を撃破するという結果で実力を証明し、世界挑戦の切符を手にしました。

ランキング1位として堂々と世界のベルトに挑みます。

その相手は日本ボクシング界を代表するボクサーである井上拓真選手。

この試合に勝てば那須川天心選手のボクサーとしての実力は完全に証明されるでしょう。

ただ、勝敗予想としては自分は井上拓真選手が中差の判定で勝利すると予想しています。

  • キャリアの差
  • プロで戦ってきた選手の差
  • 拓真選手のディフェンス能力の高さ
  • 状況に応じた引き出しの豊富さ

これらを考慮すると天心選手はまだ拓真選手のレベルには(これまでの試合を見る限りは)達していないように見える。

更に天心選手はアシロ戦、モロニー戦と、オーソドックスの右ショートをもらい易い傾向があり、拓真選手は逆にサウスポーに対してコンパクトな右をヒットさせるのが抜群に上手い。

これらの点を総合すると実力的には拓真選手が優位と予想しますが、1戦毎の天心選手の成長も目を見張るものがあります。

また、拓真選手にも不安材料がない訳ではありません。

  • 前回の堤聖也戦に敗れて1年振りという試合間隔
  • 敗れて引退に気持ちがグッと傾いた瞬間もあったメンタル面
  • 危機察知能力が高く見過ぎてしまう傾向

試合間隔があいた事で1Rは慎重に見ていこうと様子見している間に天心選手がハイテンポでペースを掌握し、そのままズルズル行ってしまい焦って出たところに合わされていくという展開も予想されます。

また、前回の敗戦を経てどういう気持ちでこのリングに上がるのか、拓真選手が戦う理由はとても気になります。

「引退が頭をよぎったが、あの試合でやり切ったとは言えない。」

そういう気持ちがあってリングに戻ってくるのでしょうが、一度引退を考えた選手は精神面で脆さが出ることも時としてあるものです。

まだまだ終着駅は遠く、ボクサーとしてのキャリアは始まったばかりの天心選手のパッションを飲み込むには、田中恒成さんがドキュメンタリー動画で語っていたように「この1戦をリング上で楽しめるか」そこが鍵になると見ています。

拓真選手はウバーリ戦でフィジカルの差を見せつけられプロ発黒星を喫した後、フィジカル面で大きく成長し、1段上の選手へと成長しました。

堤聖也選手には精神力の差を見せつけられて敗北した拓真選手。

この敗北を経て精神面でどういった変化を拓真選手が見せるのか!?

那須川天心選手のファンではありますが、今回の試合はストーリー的にも井上拓真選手を主役に、拓真目線で試合の展望を見ている自分であります。

中野幹士は井上尚弥の対戦候補だったライース アリームを圧倒するか!?

鉄の拳で14戦14勝13KOと文句なしの結果を残してきた中野選手がIBFの挑戦者決定戦に出場します。

これに勝てば遂に、待ちに待った世界戦の舞台へ。

中野選手はコロナ禍に約3年間で2試合しか出来なかったことで遠回りを強いられましたが、本来ならとっくに世界のベルトを巻いていてもおかしくない選手だと思います。

肉を切らせて骨を断つという言葉がありますが、中野幹士選手の場合は肉も切らせず骨をも壊すイメージ。

Sバンタム級時代に井上尚弥選手の対戦候補の1人として注目されたライース アリーム選手はグッドマンに敗れその機会を失いました。

しかし敗れた試合はこの1戦のみで、元々体の大きかったのでフェザー級に階級を上げても階級の壁を感じることはないでしょう。

これぞ挑戦者決定戦という強者と戦う中野選手ですが、ライース アリーム選手は好戦的でやや体が正面を向くところがあるので、鉄の拳が突き刺さる場面に期待大。

IBFの王者はアンジェロ レオ選手ですが、中野幹士選手なら楽勝なんじゃないか。

そんな期待をしてしまいますが、まずは目の前のライース アリーム選手。

坪井智也デビュー3戦目で世界ランク1位のカルロス クアドラスに挑む

世界王者になるより難しいと言われるアマチュアで世界選手権を制した坪井智也選手が、プロ僅か3戦目でWBCランキング1位のカルロス クアドラス選手に挑みます。

坪井選手はWBCランクは17位。

元世界王者で再挑戦が近いクアドラス選手にとっては坪井選手は戦うメリットのない相手ですが、同じ帝拳プロモーションということで実現したのでしょう(ファイトマネーも良かったのかな)。

ロマゴンやエストラーダといった超一流どころとも凌ぎを削ってきたクアドラス選手相手にプロ3戦目の坪井選手がどんなボクシングを見せるのか、とてもとても注目している1戦です。

プロ転向後の2戦は千手観音のようなどこから手が出てくるのか分からない回転力で対戦相手を圧倒した坪井選手。

今回は世界ランク1位が相手になるので縦横無尽に動き回るフットワークにも注目しております。

持ち前の変幻自在ハイテンポボクシングでフルラウンド動ききれるのか!?

ゴッドレフトの継承者増田陸は具志堅さんの防衛記録を超える可能性を持つ選手

バンタム級4団体の上位にランキングを連ね、世界挑戦の機会を待つ増田陸選手。

堤聖也選手に敗れた試合以外は8勝8KOとパーフェクトレコードを誇っており、山中慎介さんのゴッドレフトの継承者としての期待も高い。

KOにどうしても目が行きますが、増田選手の優れた点はパンチだけではない総合力の高さ。

ディフェンス、距離感も良いのでパンチももらわず、バッティングによる負傷もなく、長期政権を築ける安定感があります。

総合力の高さを示す上では長いラウンド戦うところを見たいところですが、パンチがあるので今回も早いラウンドで終わってしまうかもしれません。

キャラクター的に派手さはないですが、最終的には那須川天心選手以上の実績を残すであろうと断言出来る選手です。

4回戦に出場の4選手にも注目!!

TOYOTA ARENA TOKYOのリングには4回戦ボクサー4選手も出場します。

バンタム級4回戦の佐藤竜冴(横浜光)VS梶原孝司(木更津GB)はどちらもパンチがある選手なのでKO決着の期待大。

佐藤選手は1発1発パンチが重く、いいパンチ音を響かせます。

梶原選手はデビューから2戦連続前半のラウンドでKOしているKOパンチャー。

佐藤選手はどっしり重いパンチ、梶原選手はバネがあって打ち抜くパンチ。

攻撃力だけ見ると梶原選手かもしれませんが、ディフェンス力は佐藤選手。

もう1試合は50.5㎏契約4回戦澤田翔瑠(極東)VS為我井慧惟(DANGAN越谷)。

為我井兄弟の慧惟選手はボクシングセンスが高く注目の若手ホープ。

極東ジムの澤田選手は北野武郎選手のデビュー戦の相手も務めたサウスポー。

一般販売で既に売り切れている指定席D(22,000円)席にキャンセルが出たようなので現地観戦を希望している方はチャンスです↓

速攻で1枚買い手が見つかっていたようですが。

まとめ:2026年ボクシング界は彼らを中心に回る!!

今回出場する選手達は2026年ボクシング界の中心人物となっていくこと間違いなし。

井上拓真選手はこの試合で負ければキャリアの終焉を迎えるかもしれませんが、勝てば王者として他団体との統一戦も見えてきます。

那須川天心選手は勝てば名実共にボクシング界の中心人物となります。

負けても再起戦に注目が集まるでしょうし、武居由樹選手とサバイバル戦なんて道もあるかもしれません。

中野幹士選手は勝てば世界戦、更に世界戦に勝てばフェザー級に階級を上げた井上尚弥選手を迎え撃つ立場になります。

坪井智也選手もランキング1位の相手に勝てば4戦目で世界戦も十分あり得ます。

増田陸選手は大ブレイクするのは2027年かもしれませんが、2026年はブレイクのきっかけとなる年になるでしょう。

最後になりますが、観戦チケットはローチケで55,000円の指定席Bと33,000円の指定席Cがまだ販売中。

試合は2025年11月24日(月)17:00からPrime Videoで配信です。

会場で熱気を味わうか、配信で芸術的ボクシングの数々を堪能するか、好みに合わせて楽しみましょう。

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