2025年9月22日(月)に開催されたファイティング ビー36の観戦記です。
私的MVPは豪快KOで再起した藤田炎村選手。
そして横浜光ジムの選手達が躍進した興行となりました。
53.0kg契約4回戦 長谷川耀大(小熊) VS 佐藤竜冴(横浜光)

佐藤竜冴選手が2R TKOで2勝目(2KO)。
佐藤選手は1発1発いい音を響かせながら強打を打ち込んだ。
長谷川選手はコツコツとジャブを突いたが1発1発のパンチの差は歴然。
力強いパンチとヒットさせていた佐藤選手だが、ダウンを奪ったパンチはテンプルをかすめた1発。
強い衝撃には耐えられても掠めた1発は耐えられない人間の体の不思議なところです。

立ち上がるがその後にパンチをまとめられてTKOとなりました。
横浜光ジムの選手はフィジカルが強い。パンチが強い。どんなトレーニングをしているのか気になります。
58.3kg契約4回戦 鈴木晴人(大翔) VS 中村龍斗(湘南山神)

スキー、レスリング、ボクシングとマルチな才能を発揮し、デビュー戦の評価も非常に高かった逸材鈴木晴人選手が登場。
試合は4R TKOで鈴木選手が勝利したがクセのある中村選手のボクシングにやや手を焼いた印象。
長身から変則的に動く中村選手に距離が噛み合わず単発のヒットは奪えるが後続打に繋げられず。
これは判定かなと思いましたが、最終ラウンドは圧力を強めて倒しにかかり、フックでダメージを与えて倒し切りました。

中村選手は物怖じしないメンタルの強さを感じました。
53.0㎏契約4回戦 永瀬大揮(T&H) VS 今治項太(新日本大宮)

激闘王今治項太選手が2対0の判定で勝利。
序盤は永瀬選手の上手さが光り、ワンツーを決めて優勢に試合を進めているように見えたが、今治選手がどんどんとペースを上げて打ち合いに発展。
2Rはクリーンヒットを奪い打ち合いに持ち込んだ今治選手。
3Rは互角、4Rは今治選手が押し切ったかな。
そんな展開ではっきり取ったラウンドのあった今治選手が勝利。
毎試合激しい打ち合いでそんなに体も強そうに見えないのだけど後半になっても動きの落ちない今治選手。
体のダメージは心配ですが気持ちが強く勢いのあるボクサーです。
永瀬選手はこれで7戦2勝2敗3分。
良いボクシングをするがどこか勝ちきれないところがある。
Lフライ級6回戦 岩井祥來(小熊) VS 服部凌河(横浜光)

服部凌河選手が5R TKOで勝利。
2022年の東日本新人王決勝で勝利してから2年以上白星から遠ざかった時代もあった服部選手。
パンチ力はあるしスピードもあるが、パンチを打つ際の若干の力み、タメがある印象を持っていたが、この日は成長を感じさせるボクシングを披露。
試合開始から脱力した回転力のある連打でペースを掌握。
軽いパンチと強打を使い分けながら手数、有効打でポイントリードを広げていきました。
岩井選手はフットワークのある選手でしたがパワーの差もあり最後まで突破口を開けず。

服部選手は回転力のある阿部大翼選手との試合で引き分け、その後再戦で勝利した2試合が課題の克服に活きたのではないか。
横浜光ジムは選手を強くするためのマッチメイクも良く考えられていると感じました。
ライト級8回戦 大場翔(一力) VS 栁堀隆吾(花形)

元ランカーの栁堀選手が6R TKOで勝利。
実力差のある1戦だと思いましたが立ち上がりの大場選手は非常に良かった。
移籍してボクシングの幅が広がった。
しかし2Rに相手を投げてしまい反則で減点1。
ここから徐々に流れが栁堀選手へ傾く。
栁堀選手が強烈な左ボディを叩き込むと大場選手の動きが落ちていく。
栁堀選手はボディを軸に攻め、ヒッティングで大場選手の顔を切り裂き、6Rにパンチをまとめて大場選手の顔が跳ね上がるとレフェリーが試合をストップ。
パンチのない印象があった栁堀選手ですが、左ボディは大場選手にかなりのダメージを与えていたように見えました。
結果は予想通りと言えば予想通りでしたが、想像以上に大場選手の健闘が光った試合でした。
ライト級8回戦 西畑直哉(T&H) VS 佐藤諄幸(厚木ワタナベ)

ジャッジが最大6ポイント差をつける大差で西畑選手が判定勝利。
しかし判定差程の力の差はなく、一進一退の攻防で佐藤選手が接近戦でのボディにコンパクトなパンチでクリーンヒットを奪う場面も少なくなかった。
西畑選手は手数で勝っており、特に右フックは威力もあって見栄えが良かった。
打ち合い一辺倒にもならず、時折距離を作って中間距離からワンツーを決める等、引き出しの差もポイント差につながったか。
Sライト級8回戦 小林孝彦(一力) VS 藤田炎村(横浜光)

藤田炎村選手が1R2分51秒でTKO勝利。
2連敗で後のない藤田炎村選手は前戦よりは気持ちスタンス広め、やや重心低くクラウチング気味ながら足も良く動く。
ジャブからストレートを狙う小林選手に小刻みに体を振りながらプレッシャーをかけて距離を詰める。
そして小林選手が右アッパーから左フックを放った打ち終わりに右フックを被せていきなりダウンを奪う。
このダウンでヒートアップした小林選手はここから左フックで飛び込み激しい打撃戦へ。
小林選手のキレのある左フックや左アッパーでやや炎村選手のバランスが崩れる場面もあるスリリングな展開のフィニッシュは接近戦での再び右フック。
この一発で小林選手の意識が飛びロープにもたれかかる状態になったところを見てレフェリーが試合をストップ!!
濃厚過ぎる1Rの決着劇でした。
またもや藤田炎村の試合にハズレなしを証明した一戦。
会場はこの日1番の盛り上がりを見せました。

Sライト級8回戦 池田竜司(一力) VS 星大翔(DANGAN)

池田竜司選手が偶然のバッティングにより5R負傷判定で勝利。
ややスロースターター気味な星選手に対して池田選手は試合開始早々から積極的に攻めまくる。
テンポの差があり、ゆったりとした状態の星選手は池田選手の波状攻撃にストレートのクリーンヒットをもらう場面が。
スロースターターとは言え、このままの流れで行くとポイント挽回は難しいと思った4R、星選手はどっしりとしたジャブを決めつつワンツーで池田選手の顔を跳ね上げる。
しかしこのラウンドに偶然のバッティングが起こり5R途中に負傷判定へ。
流れに乗り始めたところで試合が終わってしまった星選手は不運ではありました。
スロースターターの星選手相手にスタートから飛ばしまくった池田選手の戦略勝ちでした。