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坂間叶夢が見せた叩き上げプロエリートボクサーの可能性

torajiro

ボクシングファン歴27年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。Xも投稿していますのでフォローいただけると嬉しいです。

近い将来の世界チャンピオン候補として期待されていたボクサー坂間叶夢選手が2024年3月16日に急逝されました。

坂間選手は生きていれば間違いなく世界を獲ったであろう逸材でした。

本記事では大きな可能性を感じさせてくれた坂間選手に感謝の意を込め、

僕が坂間選手に感じていた魅力・可能性を紹介させていただきます。

高校アマを経験せずプロになった坂間叶夢選手

坂間選手のボクシングキャリアは長く、小学生でボクシングを始め、U15での優勝経験もあるようです。

幼い頃からのボクシング経験がある選手の場合、

  • 高校はアマチュアでキャリアを積み、
  • 高卒でプロになる、
  • もしくは大学を経てプロになる、

というルートが基本。

ただ、坂間選手はプロが好きだからと高校アマを経験せずにプロになり、新人王トーナメントでボクサーとしてのキャリアを積み上げていきました。

世界を期待させる全日本新人王だった坂間叶夢選手

現役高校生プロボクサーとなった坂間選手はデビュー戦をKO勝利で飾ると、新人王トーナメントも連続KOで勝ち上がっていきます。

プロ3戦目では、現在ボクシング関係者からの評価も高いDANGAN越谷ジムの山内寛太選手にもKO勝利。

山内選手との試合はお互いテンポの速い打ち合いを展開している中でも、坂間選手のディフェンス力が光りました。

素早い出入りの中で強打を打ち込みつつ、相手の攻撃はしっかりブロックしてリターンを返す。

打ち合いの中でもバックステップで空間を作り右を決め、高い攻撃力を持ちつつも攻撃一辺倒でない総合力の高さを見せました。

山内 寛太 VS 坂間 叶夢 BOXING RAISEより

坂間選手はこのまま新人王トーナメントを勝ち上がり、全日本新人王を獲得。

アマチュアエリートという言葉がありますが、子供の頃からプロのジムで鍛え、

アマチュアを経ずにプロになった坂間選手は”プロ叩き上げのエリートボクサー”とでも表現したら良いでしょうか。

高校アマを経てプロになる選手とはまた一味違う、相手を倒し切るボクシングスタイルが魅力的でした。

体が強く身体能力が高いので、技術を上乗せしていけば世界も夢じゃない、そんな可能性を感じさせた新人王トーナメントでの活躍でした。

高校チャンプ堀川龍選手との一戦で見せた大きな可能性

僕の中で坂間選手の評価が一気に上がったのは高校アマ王者の堀川龍選手との一戦。

アマチュアで45戦37勝8敗のキャリアを持ち、インターハイ優勝の実績を持つ堀川龍選手。

戦前、この両者の一戦は個人的には堀川選手が優勢だと予想していました。

アマチュア仕込みの綺麗なボクシングをする堀川選手の方が僕の中では評価が高かったです。

一方の坂間選手はスピードもパンチもあるしガードも固いけど、どこかぎこちなさも感じていて、

torajiro

堀川選手を相手にしたら技術の差が出るのではないか??

と予想していました。

新人王トーナメントで活躍していた選手が一歩上の舞台に上がると壁にぶつかり勝てなくなる、

というシーンを何度も観てきたので、この試合もそういう結果になると予想していました。

が、いざ試合になると坂間選手は左の差し合いも互角以上、

堀川選手を下がらせながら強打をヒット、ダメージを蓄積させ、8RTKOで堀川選手に勝利。

この試合を観て「この選手は世界を獲る!!」

と感じがボクシングファンは僕だけではなかったでしょう。

身長の割にかなり長いリーチを攻撃面でも防御面でも有効に使っている。

ジャブは長いし左ボディも右クロスも鞭のよう。

長い両手を折り畳まれると打つところがない。

生まれ持った体格的なアドバンテージもこの選手にはあると強く感じました。

ボクシングモバイルより

少年期からのキャリアを持ちつつアマチュアには行かずプロのジム一本。

キッズの頃にJBスポーツジムにいたからか、足の使い方がどことなくJBスポーツっぽく、

殺傷能力の高さとフィジカルの強さはワールドスポーツジムの選手らしく、

そんな生粋のプロジム育ちの選手が世界を獲ることで新たなキャリアの道が広がっていく未来を感じていました。

物語の続きをもう少し見ていたかった。

これからの新たなボクサーの道を切り開く第一人者になると思っていました。

坂間叶夢選手の死に心を痛めている方へ

坂間叶夢選手の訃報に多くの方々が心を痛めているはずです。

ご家族や友人、一緒に汗を流したジムの仲間は言うまでもなく、応援していたファンの方々にとってもつらい出来事。

準備段階から死と隣り合わせなボクシングの危険性を今回の訃報で痛感した方もいるかもしれません。

  • 自分にはそこまでの覚悟はない。
  • 死と隣り合わせのスポーツファンで良いのだろうか。
  • ボクシングを観戦する気になれない。

そうした感情を抱いてボクシングから離れたいという気持ちになった選手やファンもいるでしょう。

これらは自分の心が発するSOSでもあるので、無理にそうした気持ちを抑え込んでボクシングを続けなくても、観戦しなくても良いと思います。

人生の選択肢は多様です。

一旦つらいと思うものから距離を置いて他の人生を歩んでみて、また心がボクシングを欲するようになったら戻ってきたら良いと思います。

「こんな弱い自分じゃ駄目だ」

という発想はこう言う時には捨てて、

無理に無理を重ねず、神様に与えられた命を大事に、自分に優しく生きてください。

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