2025年10月21日(火)後楽園ホールにてネクストモンスターの1人として確かな実績と評価を得ていた荒竹一真選手がまさかのKO負け。
荒竹選手を撃破したのは当ブログでは以前から再三取り上げてきた坂田一颯選手。
荒竹選手の過信による敗北との声もありますが、1R目から番狂せが起こる兆候はありました。
タイミングが1Rから合っていた右フック
1R開始早々から荒竹選手はジャブを飛ばして先制。
このジャブが間近で見るとモーションがなくて実際のスピード以上の速さを感じさせる。

日常生活を送るようなジャブとでも言えば良いのか、自然体で予備動作なく飛んでくるので反応するのが難しい。
このジャブで立ち上がりはやや後手に回った坂田選手ですが、ハーフタイムに差し掛かる頃には荒竹選手の左ストレートにリターンの右フックを合わせていた。
坂田一颯選手のリターンの右のタイミングが合っている。
1R残り1分にも荒竹選手のワンツーからのフックに右フックをタイミング良く合わせる坂田選手。
ジャブもインサイドに外して右ボディを叩き込む。
この流れるような右ボディも非常に効果的でした。
荒竹選手のワンツーに右フックを被せるシーンも見せて1R目が終了。
ハイテンポで攻める荒竹選手にポイントは付いたかもしれないが、クリーンヒットは坂田選手。

これ普通にイケるんじゃない??
フィジカルもパンチのパワーも勝っているし、坂田選手サイドで観戦していた自分は1R終了後「これは勝てる!!」という気持ちになっていました。
2Rは荒竹選手ペースで更にテンポもアップ。
ポイントは荒竹選手でしたがジャブに対する反応がこのラウンド良くなっていました。
目が慣れたのか荒竹選手のジャブをバックステップで外す場面が増える。
3R荒竹選手はなぜ唐突に勝負を賭けたのか?
1Rは割れたかもしれないが若干荒竹選手。
2Rもポイントは荒竹選手。
しかし3Rは目が慣れてきた坂田選手がペースアップするだろう。
と思った矢先、唐突に荒竹選手が攻勢を強めラッシュを仕掛けてきた。
「坂田選手の右のタイミングが合っているのになぜ?」
「ポイントリードしているはずなのになぜ?」
坂田一颯サイドからしたらチャンス到来ですが、荒竹選手側に何かアクシデントが発生したのかという考えが頭をよぎりました。
後でLeminoを視聴したら解説の八重樫さんの右のタイミングが合っている点を指摘しており、セコンド陣が気付いていなかったとは考えられない。
荒竹選手は頭の良い選手で自惚れや過信を犯すようにも見えない。
思ったような展開に持っていけない事と周囲の期待値の高さから焦りが生まれたのでしょうか。
唐突なラッシュに坂田選手は3発ほど右を合わせており、その後に右フックをドンピシャで決めてダウンを先取。

ラッシュの中で右を合わされていたのになぜそこからまた攻めたのか?
またまた疑問が残るシーンでした。
ダウンの前にもらっていた右フックで既に効いていたのかもしれない。
このダウンで勝負有り。
クリンチで凌ごうとする荒竹選手を振りほどき3度倒した坂田選手が圧巻の勝利。
仮にあそこで倒せなくてもラッシュで体力を使いスピードが落ちた荒竹選手に4R以降坂田選手が優勢に試合を運んでいたのではないだろうか。

荒竹一真選手の今後はどうなる?
2戦目でまさかの黒星を喫した荒竹選手。
しかしその実力は本物。
倒すボクシングは捨ててポイント勝負に徹すれば速射砲のようなパンチにバックステップで対戦相手を完封出来る力はあります。
あの予備動作なく唐突に飛んでくるジャブを回避するのは至難の業。
ランカー勢でも歯が立たないと思います。

井上尚弥の完コピという記事も過去目にしましたが、荒竹選手には荒竹選手の持ち味で羽ばたいていただきたい。
そして今後の課題は対戦相手を見つけること。
ランカー勢にとっては2戦目で黒星がついた荒竹選手と戦うメリットは少なく、ノーランカーは実力差がありすぎて戦わせるのは危険。
当面は海外から選手を呼んでくるしかないのかも。
ランカー勢で協栄の杉浦義選手や松田の宮澤蓮斗選手が名乗りをあげてくれたら面白い試合になりそうですが。
アマチュアキャリア豊富なボクサーの駆け出し期のマッチメイクの難しさを考えると所属が大手ジムに集中するのも納得です。
まとめ:非凡な才能を見せた坂田一颯・荒竹一真の今後に注目
ネクストモンスターの一角を破るという快挙を成し遂げた坂田一颯選手。
デビュー戦の頃から注目していた自分としては坂田選手の注目度が一気に上がる嬉しい勝利でした。
豊富なアマチュアキャリアにパンチの切れの良さ、フィジカルの強さは大きな魅力です。
地方ジムでチャンスは少ないですが世界を狙える逸材ですので活躍の機会が増えることを願っています。
一方の荒竹一真選手もこの日は黒星がつきましたが、自分の強みを活かす戦いをすれば無双できるはずです。
試合後の坂田選手に「1Rと終わって行けると思いました?」
と質問したところ「いや、ヤバいと思いました。。」と即答でした。

荒竹選手のあのジャブとフットワークの速さは見た目のスピード以上。熟練のなせる業です。
コンビネーションの速さも超一級品。
倒そうと思わず持ち味を活かして圧倒していれば中盤以降にデビュー戦のような形で自然と倒せるようになるでしょう。
更に熱くなった国内ミニマム級ウォーズに注目です!!