2024年7月20日(土)に開催されるアマゾンプライム『LIVE BOXING9』の見どころを紹介します。
今回はどっちが勝つか分からないというハラハラのマッチメイクは少ないですが、
主役の1人、那須川天心選手はプロ4戦目にして世界上位ランカーの危険な相手と対戦します。

Sミドル級6回戦 荒本一成(帝拳) VS モンゴンスー ナンディナーデネ(蒙)
オリンピックの夢が絶たれたためプロ転向を決意したアマチュアエリート荒本一成選手のデビュー戦。
アマチュア12冠の超逸材です。
この試合はアマゾンでの配信はなさそうですが、荒本選手は2年以内には国内タイトルを獲って世界へと飛躍する選手になるでしょう。
→田中恒成選手の世界戦中止に伴い配信ありに変更!!
これから大きな舞台で何度も目にする選手になるはずです。
世界的な層の厚いミドル級においてどこまで登り詰めることが出来るか。
村田諒太選手は世界でも通用するフィジカルを持っていましたが、荒本選手もフィジカルは強く、ミドル級離れしたスピードを持っています。
村田さんとはまた一味違う魅力で世界への扉を開くボクサーとなるでしょう。
試合結果:荒本一成最終ラウンド左フック一閃!!
荒本選手は6R1分9秒TKO勝利でデビュー。
序盤のラウンドは左ボディでダメージを与え、
中盤以降はナンディナーデネ選手の右ストレートに左フックをあわせてグラつかせる。
ナンディナーデネ選手は頭を当てたりダーティさもあり、上手さもあり、倒し切るのは難しい相手。
このまま判定かと思った最終ラウンド、何度も当てていた右ストレートにあわせた左フックがジャストミート!!
このワンパンチでナンディナーデネ選手は前のめりにダウン。
試合後はしきりに反省の弁を述べた荒本選手。
ナンディナーデネ選手の右をもらう場面、ジャブに対して右を合わされる場面もありましたが最後倒し切ったのは素晴らしい。
マイクを持ってもしっかり喋れ、ユニークさもあわせ持つ荒本選手は重量級の中心人物となること間違いなし。
WBO世界フライ級王座決定戦 加納陸(大成) VS アンソニー オラスクアガ(米)
ミニマム級時代に高山勝成選手に挑んで以来8年ぶりの世界戦の切符を手にした加納陸選手。
対するはチャーミングな笑顔と拳四朗戦での大健闘で日本のファンのハートをガッチリ掴んだアンソニー オラスクアガ選手。
日本で開催される世界戦ですが、加納選手よりオラスクアガ選手の応援の方が多いということもあり得る。
ボクシングモバイルの勝ち予想も80%以上がオラスクアガ選手の勝利を予想。

- 拳四朗選手をピンチに陥れたオラスクアガ選手。
- 国内レベルで接戦続きの加納選手。
これまでの実績で比べればオラスクアガ選手の優位は揺るぎないでしょう。

ただ、ボクシングには相性がある。
加納選手はサウスポースタイルで決して大振りはせずコンパクトなパンチを打つ選手。
派手さはあるが大振りになるオラスクアガ選手に対して、
加納選手がサウスポーの利点を活かしながらコツコツと左を当てて途中までポイントでリードする可能性もある。
勝敗を予想すると最後は自力の差でオラスクアガ選手が倒し切るかなとは予想しますが。
試合結果:加納陸善戦もオラスクアガ技ありのアッパー!!
試合は3Rにオラスクアガ選手の左アッパーが決まり加納陸選手立ち上がれず。
1R目から加納陸選手は左ボディからの右フック、コンパクトな左ストレートを決めて善戦。
オラスクアガ選手の打ち終わりにも左を返して負けていない。
しかしポイントを付けるなら要所要所で派手なパンチのコンビネーションを叩きつけるオラスクアガ選手。
3R目は加納陸選手の攻撃も更に良くなり、オラスクアガ選手のパンチにも下がらず逆にワンツーで押し返す場面も。
このラウンドは加納陸選手にポイントを付けても良いと思ったラウンド終盤、オラスクアガ選手は右フックで加納陸選手の右ガードを弾き飛ばし、技ありの左アッパー。
見事な一撃。予測不能な一撃に加納陸選手のダメージも甚大で立ち上がれず。
五分の戦いを見せていた加納陸選手。
もう少し長いラウンド観たかったが、あの左アッパーは恐るべき。。
「はじめの一歩に出てきそうな必殺パンチ、、」そんな感想を抱きました。
王者となったオラスクアガ選手は防衛を重ねて拳四朗選手とフライ級王座の統一戦となれば盛り上がるでしょう。
WBO世界Sフライ級タイトルマッチ 田中恒成(畑中) VS ジョナタン ロドリゲス(メ)
- 日本最速5戦目での世界王者。
- 世界最速の4階級制覇。
輝かしい実績を持ちながら知名度が肩書きに追いついてこない田中恒成選手。
- 木村翔選手との年間最高試合級の激闘もあった。
- 敗れはしたが井岡一翔選手との名勝負もあった。
なのに知名度が追いついてこない。
試合も面白いし異次元のスピードもある。
そして実績も文句なし。
勿論高い評価は得ていますが、僕の中では田中恒成選手はもっと評価されて人気が出て良い選手だと感じています。
私的にシャドーボクシングが日本一カッコいいボクサです。
田中恒成選手に挑戦する ジョナタン ロドリゲス選手は27戦24勝(16KO)2敗1分の世界ランクは中位のボクサー。
ロドリゲス選手は「ザ!メキシカン!」と言いたくなるワンテンポ遅れで飛んでくるパンチを打ってくるボクサー。
スピード勝負の田中恒成選手とは対照的なスタイルであり、この両者が交わった場合はどうなるのかという点は興味深い。
これぞ田中恒成という比類なきスピードで圧倒するボクシングで完勝してくれることを期待します。
田中恒成選手の世界戦は対戦相手の計量失敗により中止!!
ジョナタン ロドリゲス選手は前日計量で2.9kgの超過により計量失敗。
2階級も離れた状態で試合を行うことは危険と判断し、試合は中止に。
懸命な判断ですがこの日のために仕上げてきた田中恒成選手の気持ちを思うと無念でならない。
田中恒成選手の試合もあるからとチケットを購入したファンもたくさんいたはず。
この試合がないならこの金額は出したくない。
もし自分がチケット買っていたらこう思ったでしょう。
ジョナタン ロドリゲス選手はかつてのネリ選手のように日本のリングからは永久追放となるのでしょうか。
どちらにしても日本で試合をすることは今後ないとは思いますが、、
10回戦 那須川天心(帝拳) VS ジョナサン ロドリゲス(米)
那須川天心プロボクシング4戦目の相手は元チャンピオンカリド ヤファイ選手にも勝利したWBA4位のジョナサン ロドリゲス選手。
文句なしの世界上位ランカー。
今度という今度こそは美味しい相手を連れてきたというアンチの声は完全に的外れ。
那須川天心選手が世界に通用するボクサーであることを証明する上で重要な一戦になります。
天心選手のデビュー前、帝拳の本田会長は「10戦目はでは世界戦はない。」と公言していました。
しかし4戦目でもう世界上位ランカーが相手。

本田会長の予想を遥かに超える速度で天心選手が進化していることは間違いない。
過去3戦の那須川天心選手の成長は目を見張るものがあります。
毎試合基本の確認や新しいことを試しながら着実に進化を遂げ、下半身の使い方もボクサー仕様に。
現在の天心選手のスタイルをやや否定的に見る動画も目にしますが、個人的には全く心配していません。
彼のボクシングは近いうちに間違いなく芸術の域へと昇華していくでしょう。
プライムビデオの新番組『ボクシングナビ』の第一回ゲストは那須川天心選手。
香川さんだからこと踏み込める領域、痒い所に手が届く最高の番組です↓
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試合結果:天心TKO勝利!!もう止められない!!
那須川天心選手は正真正銘の世界上位ランカーを脅威のスピードで全く寄せ付けず。
世界4位というランキングだけでなく実力も本物のジョナサン ロドリゲス選手を1R目からスピードで圧倒。
素早い踏み込みからの左ボディストレート。
この左ボディストレートに左フックをあわせてくると分かったら次は頭を右にずらして左フックもかわしてしまう。
常人ではこんなこと出来ないです。
ましてやお互い世界レベルの選手同士の試合で。
ロドリゲス選手は天心のスピード、踏み込みの速さに突破口を掴めずにズルズルと。
2Rの終盤にワンツーをもらい腰を落とし、
3Rにはまたも素早い踏み込みのワンツーで腰を落とし、
左アッパーで顔面を跳ね上げられ、右フックからストレートをもらいダウン。
ダメージの深さを考慮してレフェリーが試合をストップ。
あまりの進化にもう何も言えませんが、こうなる未来は見えていた。
デビュー時からボクサーとしても絶対に凄い選手になると言い続けて来た形が思ったよりも早く訪れたことは嬉しい限り。
すぐにでも世界のベルトを狙える実力はありますが、焦らずとも来年にはどこかで大きなチャンスが来るでしょう。
WBC世界バンタム級タイトルマッチ 中谷潤人(M.T) VS ビンセント アストロラビオ(比)
メインの中谷潤人選手はランキング1位の最強の挑戦者相手に鬼門と言われる初防衛戦。
、、、のはずなのですが圧勝する姿しか思い浮かばず。
普通だったら不安要素だらけの初防衛戦にノンタイトル戦のような安心感が漂っています。
アストラビオ選手は好戦的で攻めてくるスタイルなので早いラウンドにカウンターが炸裂しそう。
フィリピンボクサー特有の腰が入って全身の体重が乗ったパンチを打つ選手ですが、追い足がなく強引に距離を詰めてくるタイプでもない。
中谷選手からしたら非常に相性の良い相手でKO勝利が期待されます。
試合結果:圧巻の1R左ボディストレートKO
圧勝する姿しか思い浮かばなかったこの一戦。
試合は1Rであっという間に終わってしまいました。
中谷選手の遠い間合いに入ることが出来ないアストラビオ選手。
中谷選手は前の手で距離をキープし、左をヒットさせていく。
そして踏み込んでワンツーボディストレートを打つとこのパンチがアストラビオ選手のボディに突き刺さる。
このワンパンチでアストラビオ選手は立ち上がれず10カウント。
圧勝でもうこの次は他団体王者との統一戦しか見えて来ません。
まとめ
7月20日の『LIVE BOXING9』最注目の1戦は那須川天心選手ですが、他の試合も今後のストーリーを含めて見ていくと魅力的です。
- 今後の日本ミドル級の顔となるボクサー荒本一成のデビュー
- 加納陸VSアンソニー オラスクアガの勝者はユーリ阿久井政悟の対抗王者となる
- 井岡一翔が敗れたSフライ級で田中恒成が存在感を発揮出来るか
- 那須川天心は世界レベルの実力を証明し来年は世界へ
- 中谷潤人は圧勝で日本人同士の世界バンタム級王座統一戦へ
先々の展開を考えて見ていくと面白い試合ばかりです。
『LIVE BOXING』ならアマゾンプライムに入っていれば無料で視聴出来るので非常に有難い。
殆どの方が加入済みだとは思いますが、30日間の無料体験もありますのでまだ加入していない方はまずはお試しからでも。
