2026年4月11日(土)那須川天心がプロ格闘家として初の黒星からの再起戦でファン・フランシスコ・エストラーダに9R終了TKOで勝利。
以前ジェイソン・モロニー戦を現地観戦した際は配信では見えない致命的なパンチの軽さを感じた。
「体の芯に効かせるパンチがない。」
今後世界を目指す上でこのパンチの軽さではもしかしたら厳しいかも。
という懸念を抱いてから僅か1年ちょいでロマゴンもシーサケットも倒せなかったエストラーダからTKO勝利を挙げるまでに成長。
井上拓真戦での敗戦から5ヶ月弱の間に何があったのでしょうか。
葛西トレーナーとのミット打ち映像で感じた変化
井上拓真戦での敗戦後、新たに葛西トレーナーとコンビを組んだ那須川天心。
粟生トレーナーとの異次元スピードの芸術的なミット打ちと比べると、葛西トレーナーとのミット打ちは一見平凡に見えたかもしれない。
が、じっくり動きを見ると、以前より少しスピードを抑えて股関節を柔らかく使い、拳に体重が乗っているのが分かりました。
グッと腰を落としての左ボディは特に破壊力を感じた。
葛西トレーナーが両ガードを上げた構えからグッグッと左右に腰を落とす動きを見せていた映像を見て、体重の乗せを意識した練習をしているのではないかという見立てを持った。
「これはもしかしたら次戦で新たな那須川天心を見ることが出来るかもしれない。」
友人との間でそんな話をしながら決戦を楽しみにしていました。
キャリア2KOの天心の左ボディがエストラーダを削る

葛西トレーナーとのミット打ちで感じた変化は試合においても発揮された。
僅かな変化だが、股関節に体重が乗っている感じがあり、今までのような「速いけれど浮いている」という感じがしない。
序盤から左ボディへのアッパーを効かせたことでエストラーダがペースアップすることなく天心ペースで試合が進んで行った。
4Rまでの採点で2者がドローとつけたのはやや意外な程に天心選手が試合を作っていた。
そして5R以降はほぼフルマークに近い内容で天心がエストラーダを寄せ付けず。
普段だったら中盤以降の天心選手の試合はやや退屈になるのだが、この日は右アッパーや頭を右に傾けての左フックとボクシングにも幅を感じ、中盤以降も飽きることがなかった。
そして9R終了後にエストラーダ陣営がボディのダメージから棄権の申し出。
下の階級とはいえ、ロマゴンやシーサケットでも倒せなかったエストラーダを棄権に追い込むだけの強いパンチを打てていたということは十分評価して良い試合内容だったと思います。
那須川天心のエストラーダ戦で感じた進化

正直な話をすると、那須川天心選手優勢の試合で中盤以降も試合自体を楽しめたのは今回が初めてでした。
普段は1〜3R辺りまでは「スゲ〜!速いなぁ!!」と感動するも、4R以降は同じパターンの繰り返しに睡魔がやってくることも。
会場観戦したモロニー戦ですら、一瞬意識が遠くなることがありました。
これまでの天心選手はサイドへの回り込みも素晴らしいにもかかわらず、どこか動きが直線的で単調に見える気がした。
頭の位置をそんなに変えていなかったからそう感じたのかも??
この辺りは専門家の方々の解説を聞いてみたい。
加えて1アクション起こしたら一旦下がって仕切り直しという試合展開も退屈にさせる要因だったかもしれない。
しかしエストラーダ戦での天心選手は頭を左右に振る、というよりは左右の股関節に体重を乗せ、エストラーダが攻めてきても下がらずブロックしてリターン。
そこから更に自分から前に出て試合を作る。
相手の動きに反応した動きが見られるので中盤以降も飽きが来なかった。
これまでの一方的なダンスから対戦相手と一緒に踊るダンスへと那須川天心選手のボクシングは明らかに変わりました。
ディフェンス面でも元々天心選手は右のショートをもらいやすい傾向があり、そこがずっと気になっていたのですが、エストラーダの右ショートはしっかりブロック出来ていた。
これもかなり大きな変化の一つ。
井岡一翔・井上拓真の勝者に那須川天心は勝てるのか??

進化を見せ、無事エストラーダを攻略した那須川天心。
では次に井岡一翔・井上拓真の勝者に挑んで勝てるのかと問われればそれはまた別の話。
エストラーダ選手は下の階級から上げてきたベテラン。
骨格的にバンタム級でも遜色ない体には仕上げて来るとは予想しましたが、バンタム級では決して大きいとは言えない。
(それでも天心選手が勝つのは厳しいと思っていました。)
エストラーダに通用したものが井岡一翔、井上拓真に果たして通用するのか。
おそらく井岡一翔選手相手には体格の利を活かせるでしょうが、井上拓真選手が相手となると、、、
前回の試合内容はポイント差以上の自力の差、引き出しの差を感じたので、あの差がそんなに簡単に縮まるとも思えない。
出来れば他団体を、と言いたいところですが、IBF、WBOはランキングが低く、WBAは堤聖也。
拓真に勝っている堤聖也選手に勝つのも容易なことではありません。
スイッチヒッターの堤選手はサウスポー構えで天心選手を泥沼に引き摺り込んでいくはず。
世界の壁を超えるにはもう1段のレベルアップが必要でしょう。
しかし会場は大声援だったし、子供達の声もたくさん聞こえた。
「ボクシングには死ぬほど興味がない。」とかつて宣言した我が息子が「天心なら行ってみたい。」と人生初のボクシング観戦に来た事からも天心選手の子供達からの人気が窺い知れる。
ボクシング界は那須川天心という宝を大事に大事にするべきです。
息子とボクシング観戦なんて一生訪れることのない未来だと思っていました。
(これまで唯一見てくれたのはベジータ石川の入場シーンまで。)
以上、天心VSエストラーダ現地観戦の感想でした。
天心選手が本当に変わったのかどうか気になった方はアマゾンプライムで試合映像を確認してみてください。
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