2025年9月14日(日)井上VSアフマダリエフのビッグマッチと同日に2025年の西日本新人王が決定しました。
決勝戦の様子から各階級優勝者の特徴を紹介します。
果たしてこの中から西軍代表を勝ち取り全日本を獲る選手は何名出てくるでしょうか!?
試合はBOXING RAISEで視聴しました。
ミニマム級 辻永久がピンチを乗り越え優勝
K-WORLD3ジムの辻永久選手はJM加古川ジムの小原徳武選手に39-37が3者の判定で勝利。
1Rはジャブで丁寧に組み立てリーチを活かしたボクシングでポイントを取った辻選手。
このまま進むかと思った2Rに小原選手が左右フックで猛攻。
動きが止まりあと一歩でダウンもしくは最悪ストップもあり得た状況を乗り切る。
3Rは逆に左フックで再び流れを引き寄せるが、4Rも激しい打ち合いでどっちが勝ってもおかしくない内容でした。
辻選手は真っ直ぐ伸びる綺麗なジャブとワンツーが特徴的。
ただ距離を詰められると脆さもある。
Lフライ級 長島明澄の穴のないボクシング
Lフライ級は石田ジムの長島明澄選手がフルマークに近い内容で優勝。
基本に忠実で淡々としたボクシングを披露した長島選手はこれで5戦5勝。
派手さはないがガードも良くバランスもしっかり。
基本練習をしっかり練習してきたのでしょう。
石田ジムは叩き上げでこうした良い選手を輩出します。
どこかで壁には当たるにしても、この選手は着実に強くなっていくでしょう。
フライ級 橋本陸がチャンスを逃さず仕留める

グリーンツダジムの橋本陸選手が2R TKO勝利で優勝。
1R目は黒潮ジムの柳生義宗選手のリーチの長いジャブが好印象。
キレでKOを量産していきそうな好選手。
しかし2Rに橋本選手が攻勢を強めて右ストレートでダウンを奪いTKO勝利。
橋本選手は既にA級ボクサーのような戦い方で自信を持ってリングに上がっていた。
6Rや8Rといった長丁場でも戦えるボクシングを身につけているように見えました。
Sフライ級 松尾タンク拓海がフルマーク
Sフライ級は真正ジムの松尾タンク拓海選手がグリーンツダジムの浦崎優選手をフルマークで破り優勝。
結果はフルマークですが各ラウンド大きな差はなかった。
浦崎選手もフットワークのある好選手。
松尾選手はタンクのリングネーム通りにフィジカルが強く、同じ真正ジムの大谷新星選手のミニ版といった印象。
お尻にしっかり体重の乗った理想的な体の使い方をしており、新人王後もこの選手は伸びてくるでしょう。
良い素材です。
バンタム級 光富元が技術で優勝も久高秀悟の圧力も光った
バンタム級は甲乙つけ難い好勝負の結果、六島ジムの光富元選手が技術で僅かに勝り優勝。
判定は2対1。
しかし仲里ジムの久高秀悟選手の圧力の強いオフェンスも光りました。
個人的な採点では1ポイント差で久高選手の勝利でした。
久高選手はデビュー当時と比べると下半身がどっしり。攻撃力が格段に上がっていました。
その久高選手のオフェンスを回避した光富選手のディフェンスワークもレベルが高く、とても良い試合でした。
Sバンタム級 黒潮タイフーン市原涼がまたも1Rで倒す

黒潮ジムから突如現れた倒し屋、市原涼選手が決勝もディアマンテジムの福本圭太選手を1Rで倒し優勝。
これで6戦6勝6KO。そのうち5試合が1RKOという化け物っぷりを発揮しています。
攻撃力に絶対の自信を持って攻めているので危ないかな?と思う場面もなきにしもあらずですが、強打を振るっても下半身が流れない。
最初にダウンを奪った右アッパーは「これで倒せるの??」と思うようなちょこんと当てたショートアッパーでした。
この選手は東西全階級を通して見ても今大会1番の注目選手です。
パンチだけでなくボディワークもしなやかで底が知れない逸材。
フェザー級 豊永太我が激戦を制す
ウォズジムの豊永太我選手が2対1の判定でクラトキジムの村山浩選手に勝利。
スタートから飛ばして先手を取ったのは村山選手でしたが、一定のリズムをキープして戦い後半にかけてテンポアップしていった豊永選手が僅かに上回りました。
村山選手は前半から飛ばして終盤はややクリンチが目立った。5Rハイテンポで良く動き切ったとは思います。
豊永選手は長身からどっしりと重たいパンチを1発1発しっかりと打っていくタイプ。
5勝1KOとKO率は低いですが1発1発のパンチは重たい。
Sフェザー級 ラーメン高橋がクセの強いボクシングで優勝
Sフェザー級はKWORLD3ジムのラーメン高橋選手がダウンも奪い倉敷森安ジムの田井玲次選手にフルマークで勝利。
サウスポースタイルのラーメン高橋選手は前の手を頻繁に動かすクセのあるボクシングをしますが、あの独特の動きがやりづらさにつながっているのかもしれない。
この先長いラウンドを戦うようになっていくことを考えると運動量が多くてやや疲れやすそうなボクシングスタイルではあります。
思い切り良く踏み込んで行くのでこの先倒すか倒されるか、という派手なボクサーになっていくかもしれません。
ちょっと雑かなぁと思っていたのですが、西日本トーナメントでは実力者阪下大地選手にも勝利しており、見た目の印象以上にこの選手は強いのかも。
ライト級 あっと驚く逆転劇で守屋龍之介が優勝

ライト級もKWORLD3ジムの選手が優勝。
守屋龍之介選手は初回にダウンを奪われる劣勢から猛攻撃を続け4Rに勝輝ジムの曽田翔貴選手からダウンを奪い返して逆転TKO勝利。
今大会一派手な大激闘でした。
アマチュアでは23戦9勝14敗と負け越しながら全日本ウェルター級の5位に入った実績を持つ守屋選手。
力みのないボクシングで回復力が高い印象を持ちました。
ダウンポイント挽回のために手数が止まらない守屋選手に対し曽田選手も一歩も譲らぬ激しい試合となりましたが、最後は右の相打ちで守屋選手の右が先に当たり曽田選手が腰を落とし、追撃の右で力尽きました。
守屋選手はこの試合のダメージが心配です。
Sライト級 負傷ドローで須藤心太が優勝
Sライト級はMRジムの清水翔太選手が手数でやや優勢。
しかし2Rが始まると何やらレフェリーがチェック。
映像では何をやっているのか分かりませんでしたが、バッティングによる負傷でマウスピースが噛めなくなり試合続行不可能に。
試合はドローですが負傷のない須藤選手が優勝。
ウェルター級 福本永遠が3Rに仕留める
勝輝ジムの速水聖輝選手は頭を振ってグイグイ前に出てはもらいながらも手を出し続けるど根性ボクシング。
真正ジムの福本永遠選手はこの攻撃をしっかりブロックしてクリーンヒットで優勢に。
3Rには福本選手の優勢がはっきり。ボディブローで動きが止まり、ワンツーに右ストレートとクリーンヒットを重ねたところでレフェリーが試合をストップ。
敗れはしたものの速水選手のど根性ファイトは応援したくなる。
とはいえ体のことを考えるとやや心配。しっかりと休んでください。
福本選手は流石の真正ジム。ガードが良くてペースは最後まで落ちませんでした。
ミドル級 藤原勇生が曲者中井田真人を撃破
真正ジムの藤原勇生選手がベテランボクサー中井田真人選手に39-37が3者の判定で勝利。
藤原選手はミドル級の中ではスピードで頭一つ抜き出た存在。
中井田選手のガチャガチャに巻き込まれる場面はあったものの危なげないボクシングでした。
ミドル級でパワーに頼らないガードを上げて出入りを使ったボクシングは新鮮。
重量級のレベルアップを感じさせる選手です。
まとめ:次は中日本VS西部日本新人王対抗戦の勝者と対戦

西日本新人王となった各選手は中日本VS西部日本新人王対抗戦の勝者と対戦して西軍代表の座を争います。
中日本VS西部日本新人王対抗戦は10月5日(日)に開催。
試合はsakanaチャンネルさんでライブ配信の予定です。

(あれ??Travel TVはどこ行った??)