選手紹介 那須川天心

キックボクシングから転向したボクサー達の戦績実績一覧

kick

torajiro

ボクシングファン歴28年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴3年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。Xも投稿していますのでフォローいただけると嬉しいです。

2022年の一大イベントとなったTHE MATCH2022を経て2023年4月8日、那須川天心選手が遂にボクシングに転向初戦を行いました。

那須川天心はボクシングに転向してどこまでやれるのか!?

ボクシングへの転向表明後、散々議論されたこの問いへの答えも天心選手がボクシングデビューしたことで見えてきました。

この記事では那須川天心選手らボクシングに転向した元キックボクサー達の現在の戦績情報を一覧にしています。

更に既に引退したキックから転向した選手達の実績も紹介します。

ボクシングとキックボクシング、似ているようで結構違うこの2つの競技。

最近の転向組は順応する速度が早くなってきておりますが、やはり異なる競技、結果を出すのは簡単ではない。

キック42戦無敗の神童 那須川天心選手(帝拳ジム)

那須川天心選手の2025年11月時点の戦績は8戦7勝(2KO)1敗

まずデビュー戦が驚きで、高校アマを制した実績もある与那覇選手にまさかの完勝。

>>天心デビュー戦はリスキー!?イケメンボクサー与那覇勇気の危険な魅力

ボクサー那須川天心は想像以上でした。

デビュー戦ではスピードのある与那覇選手を相手にスピードで差をつけて寄せ付けず。

与那覇選手が打ちに行こうとするタイミングに次々とカウンターを合わせ、与那覇選手は手数を出したくても出せない状況に。

『パンチの軽さを』指摘する声もありましたが、そもそも与那覇選手は簡単に倒せる選手ではなかった。

その後もパンチの軽さは指摘されつつ、圧倒的スピードとセンスで無敗のまま世界挑戦へ。

しかし初挑戦は井上拓真選手相手にボクサーとしての長いラウンドの中での引き出しの差を見せつけられて完敗。

この先世界を獲得するには長いラウンドの中での組み立てや攻撃のバリエーションを増やすことが求められてくるでしょう。

元K-1 WORLD GPスーパーバンタム級王者 武居由樹選手(大橋ジム)

元K-1 WORLD GPスーパーバンタム級王者の武居選手はボクシングでも同じスーパーバンタム級のB級でデビュー。

2025年11月時点の戦績は12戦11勝(9KO)1敗

7戦目で階級を落とした事で「小さくなったな!」と感じましたが試合は悶絶必死の左ボディで10カウント。

2024年は早くも9戦目で世界初挑戦でジェイソン モロニー選手に勝利してWBOバンタム級王座を獲得。

2度の防衛に成功しましたが、3度目の防衛戦でクリスチャン メディナ ヒメネス選手に完敗。

武居選手の強打に怯まずパンチを合わせるヒメネス選手のパワーファイトに屈しました。

パンチを振るった際のガードの低さを狙われたを修正して行くのか、更に強みを伸ばして行くのか。

今後の進化に期待しましょう。

ボクシング転向後KO連発の石井武志選手(大橋ジム)

石井武志選手の2025年11月時点の戦績は12戦11勝(8KO)1敗

キックボクサーとして4戦無敗も適正階級がないことからボクシングに転向した石井武志選手。

ボクシングに転向後はKO連発の快進撃で2022年の全日本新人王に。

新人王決勝は1試合目のミニマム級から順に階級が上がっていきますが、ミニマム級の石井武志選手が放つパンチ音を上回ったのはSフェザー級辺りからだったように記憶しております。

それくらいにミニマム級の中でパンチ力は桁違い。

その後に当時世界ランカーだったリト・ダンテ選手へのチャレンジマッチに2対1の判定で敗れますが、この敗戦を糧にボクサーとしての引き出しを増やし、2024年9月25日に東洋太平洋の王座を獲得しました。

王座決定戦で対戦したジョン ケビン ヒメネス選手もまたパンチャーで1Rからどっちが倒れてもおかしくないような強打を交換する激しい試合でした。

厳しい試合を乗り越えて王座を獲得した石井武志選手。

プロデビューから僅か3年半で世界を十分狙える実力を蓄えてきました。

規格外のハードパンチでミニマム級の世界戦線を盛り上げる選手になること間違いなし。

元RISEスーパーライト級王座 左右田泰臣選手(EBISU K's BOX)

RISEで優勝経験もある左右田選手は2022年、34歳とやや高齢ながらボクシングに転向。

2025年11月現在の戦績は11戦8勝(5KO)2敗1分

日本Sウェルター級の上位ランクをキープし続けています。

ミドル級の新人王予選でデビューし、ダウン応酬の逆転KO勝利で初陣を飾りました。

出典:ボクシングモバイルより

この試合は会場で見ていましたが、動きはやや重たく。

対戦相手のインド人ボクサー、アンジュザブル選手がアマチュア経験者でスピードもあって強敵だったという点はありますが、左右田選手のデビュー戦からは特筆したものを感じることはありませんでした。

>>ワタナベ&DANGANオール4回戦2022/6/10 観戦記

しかしその後は順調に勝ち星を重ねて最強挑戦者決定戦へ。

同じくキックから転向組でボクサーとして先に結果を出していた豊嶋亮太選手に初黒星。

その後再起するも東洋太平洋Sウェルター級王座決定戦もワチュク ナアツ選手に敗れ、ベルトまであと一歩が遠い。

元キックウェルター級王者 RISEで活躍した緑川創選手(EBISU K's BOX)

左右田泰臣選手の後に続いて同じくRISE王者からEBISU K's BOXでプロボクサーとなった緑川選手。

キック時代は海人選手や"ブラックパンサー"ベイノア選手ら錚々たる面子と試合をしてきました(というか緑川選手自身が錚々たる面子の一人か)。

キック時代からどっしりと重たいパンチを打っていたのでボクサー向きではありました。

ボクサーとしては71キロ契約でいきなり6回戦デビュー。

プロキャリア豊富な中国のワン ダソン選手相手に1者がフルマークの内容で判定勝利しました。

ボクサーとしての順応度はデビューした時の左右田選手よりも高い。

緑川選手はデビューから1年で一気に5戦し、5戦目で左右田選手が敗れたワチュク ナアツ選手の持つ東洋太平洋Sウェルター級のベルトに挑み2対1の判定で勝利。

プロデビューから僅か1年でチャンピオンに!!

K-1からボクシングへ!シャオリン孝司選手(協栄ジム)

K-1時代は5戦5勝(2KO) 9敗 1分と負け越していたシャオリン孝司選手。

パンチを教わっていた協栄ジムでボクサーとして再出発すると2戦2勝で2024年の東日本Sライト級新人王に。

とはいえまだまだボクサーとしては腰高でパンチに体重が乗っておらず課題はあります。

接近戦でのボディは良いが、腰高の点を改善出来れば。

俺がNo1!オーラ全開 K-1から転向の浅井レイト選手(一力ジム)

K-1からプロボクシングに転向しミニマム級を盛り上げるボクサー浅井レイト選手。

2025年11月時点の戦績は7戦5勝(2KO)2敗

自分がNo.1だというオーラ全開のリング上での立ち振る舞いは控え目な選手が多いボクシングのリングにおいては一際目を惹く。

4回戦からガウンを着て、選手コール時のパフォーマンスでも魅せる。

人に見られるをしっかり意識したプロ根性は客席にも伝わってくる。

スピード、フィジカル面はトップ選手達に引けを取らないので、ボクサーとして経験を積んで駆け引きを身につけていけばすぐにランカー勢に食い込んでいく選手になるでしょう。

まだまだ24歳と若いのも魅力の一つ。

チケットが売れる選手になると思っています。

引退したキック出身選手達はどうだった?

現役ボクサーでキックから転向してきた選手達はまだ実績がそこまでないので、かつてキックボクシングでからボクシングに転向した選手達も見ていきたいと思います。

9個のチャンピオンベルトを持つ男 土屋ジョー

出典:JTクラブジムウェブサイトより

キックボクシング9冠の男、土屋ジョー氏も一時期プロボクサーをしていたことがありましたが、戦績は2勝2敗でその後またキックに復帰しました。

確か2戦目の試合を観た記憶があるのですが、6回戦の選手相手にかなり押され気味でKO負けをしていました。パンチがやや軽そうで、フィジカルの差を感じました。

サングラスにバラをくわえた姿が印象的でした。

キックとボクシングは似て非なるものなんだという事を初めて知ったのがこの試合でした。

元RISEバンタム級王者 久保賢司

出典:【OFFICIAL】王者・武居由樹 vs 挑戦者・久保賢司【K-1 WORLD GP スーパー・バンタム級タイトルマッチ】2018.3.21 K'FESTA.1

K-1で武居選手とも戦っていた久保賢司氏も一時期プロボクサーに転向していた時代がありました。

所属は角海老宝石ボクシングジムでした。

久保氏はB級デビューでしたが、ボクサーとしてはパンチが後ろ重心で伸びず、パワー負けするシーンがやや目立っていました。

ボクサーとしての最終戦績は5勝4敗1分。

活動期間は3年弱でしたが、最後までボクシングに適応しきれずに終わってしまった印象でした。

もう少し長く続けていれば、、と思いましたが、本人の中でもある程度活動期間を決めていたのでしょうね。

ファンへの対応が非常に礼儀正しく、華があって他のボクサー達の見本になるような選手でした。

新日本キック元ランカー 土屋修平

新日本キックでウエルター級4位にランクされていた土屋修平氏は比較的早くにボクシングに転向し、角海老宝石ジムでデビューし、12連続KO勝利と破竹の勢いで勝ち上がっていきました。

当時の勢いは本当に凄かったので、初めてボクシング観戦をする友人を土屋氏が出場する興行に連れて行った記憶があります。

その時も豪快に相手を倒していましたっけ。

torajiro

とにかく華があってKO率が高く、分かり易い試合をする魅力的な選手でした。

ランカークラスの相手に星を落とす事もありましたが、最終的には日本ライト級のチャンピオンベルトも手にし、キックからボクサーに転向した選手の中では出世頭と言えるかもしれません。

最近はだれバト(だれもが参加できるボクシングバトルイベント)というボクシングイベントを開催しているので注目しています。

大会情報等はだれバト公式サイトで発信されています。

センスのある方なのでどんどん面白いイベントになっていきそうな予感がします。

>>超エンタメ型ボクシングイベントだれバトとおやじファイトの比較

元K-1ヘビー級王者 京太郎選手

出典:ボクシングモバイルより

つい最近までプロボクサーとして活躍し、コロナ禍で試合が決まらない中で再びK-1に戻った京太郎選手。

京太郎選手も所属ジムは角海老宝石ボクシングジムでした。

京太郎選手も久保賢司氏同様に、右ストレートを打つ時に前に打ち込めない癖はありましたが、プロボクサーとして9年程キャリアを続ける中でボクシングに適応し、日本人としては初の東洋太平洋のヘビー級王者に上り詰めました。

もう少しボクシングを続けていれば但馬ミツロ選手との対戦もあったのではと思うと少し残念です。

もう一回ボクシングに復帰して但馬選手と戦ったら盛り上がると思うのですが。

まとめ

以上、現役選手と既に引退したキックからボクシングに転向した選手を紹介しましたが、過去にキックからボクシングに転向した選手達は皆ボクシングの壁にぶち当たる場面がありました。

結果を出した土屋修平氏や、京太郎選手も長くボクサーとしての競技生活を続けた結果の賜物でした。

アマチュアボクシングの経験がある武居選手は早くにボクシングに順応しましたが、それでも世界が近づくにつれて苦戦する様子も見せました。

那須川天心選手も世界のトップまで駆け上がっていく実力は証明しましたが、ベルトを獲るためにあと少し攻撃のバリエーションが欲しいところ。

とはいえキックからの転向組が世界のベルトを手にする時代がやってきました。

今後も続々とキックを経てボクシングに転向して活躍する選手が出てくると予想されます。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

torajiro

ボクシングファン歴28年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴3年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。Xも投稿していますのでフォローいただけると嬉しいです。

-選手紹介, 那須川天心