観戦記

早稲田卒ボクサー共演藤田炎村防衛戦!ダイヤモンドグローブ観戦記

torajiro

ボクシングファン歴25年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。

こんにちはボクシングブロガーのtorajiroです。

2023年12月12日(火)ダイヤモンドグローブの観戦記です。

メインは”この男の試合にハズレなし”藤田炎村選手のSライト級タイトル防衛戦。

アンダーカードには藤田選手と早稲田大学ボクシング部同期の井上稜介選手も出場する小粋な興行となりました。

ライト級4回戦 エクセルジェームス ジュニア(DANGAN越谷) VS 伊藤祐太(マナベ)

接近戦を信条とする伊藤選手が開始から距離を詰めて左右フックで先制攻撃。背中まわりがデカい。

スピードで勝るエクセルジェームス選手はすぐに立て直して右を打ち下ろし反撃、このまま流れは傾くだろうと思ったが、ここから伊藤選手がギアを上げて連打で攻勢。エクセルジェームス選手はパンチをまとめられてTKO負け。良いもの持っていると思うのだが。

伊藤選手はコテコテのファイターで毎回面白い試合をする。

バンタム級4回戦 柳 修平(三迫) VS 佐藤誠市(角海老宝石)

この日大当たりだったデビュー戦同士の好ファイト。

両者共にスピードがあって良い選手。相打ちでどちらが先に当てるかというハラハラドキドキの試合でした。

柳選手は回転力を活かしてワンツーフック、佐藤選手はストレートからの左でどちらのパンチが先に当たるか。

先にストレートからのフックをヒットさせたのは柳選手でしたが、佐藤選手は左を合わせてダウンをゲット。

ダウンを奪われた柳選手は怯むことなく前に出る。

2Rは左ボディを効果的に決めながらワンツーフックを打ち込む柳選手がやや攻勢。

佐藤選手は右からの左フックをカウンターで狙っていたが、3R終盤にジャブから右ストレート左フックと振り抜いたパンチが柳選手をとらえる。

全体的には柳選手がやや上回った印象でしたが、佐藤選手の3Rのクリーンヒットでポイントがどちらに流れるかという試合でした。

判定は38対37で2者が柳選手を支持し、1者が38対37で佐藤選手。

スピーディーでハイレベルな神興行を予感させる素晴らしいファイトでした。

佐藤選手は背も高くて足もあり、本来はこういう闘い方をするタイプではないのかもしれない。

58.0kg契約4回戦 北本慶伍(三迫) VS 西澤翔太(M.T)

北本選手はガードはやや低いが距離で外すタイプのボクサー。サウスポーの西澤選手に遠い間合いからワンツーでダウンを奪う。

2Rになると西澤選手もノーモーションの左を上下に散らして反撃に出る。

しかし最後は左ストレートを外され体が流れたところに右カウンターをもらいダウン。

立ち上がったが足元がふらついており10カウント。

西澤選手2Rの入りは悪くなかったと思います。

Sフライ級4回戦 井上稜介(ONETWO) VS 齋藤 瞭(KG大和)

藤田炎村選手と早稲田大学同期の井上稜介選手が登場。早稲田大学ボクシング部では主将を務めた井上選手はボディから右アッパーで先制。

対する齋藤選手はパンチのパワーが強い。倒すパンチを持った選手。

2Rには井上選手が右カウンターをヒット。ロープ際で齋藤選手が大きくバランスを崩す。ロープがなければダウンだったかもしれない。

3Rは齋藤選手が井上選手の入り際に左フックや右を合わせ、接近戦でも良いボディをヒットさせて優勢でしたが、終盤に齋藤選手が大振りになったところに井上選手も右を合わせる。

最終ラウンドは井上選手が齋藤選手の打ち終わりにコンパクトなパンチを合わせてポイントリード。

試合は一者がドローの二者が39対37で井上選手が勝利。

井上選手は冷静で相手が強振したところに合わせる上手さがあった。

リングアナが赤コーナーと青コーナーを呼び間違えて一瞬ヒヤッとしましたが、必要以上に喋ろうとして間違えたわけではないので致し方ないこと。

ちょっとビックリの井上選手も笑顔でリングアナをチラリ。

ウェルター級6回戦 濵野秀平(E&Jカシアス) VS 磯谷 大心(輪島S)

磯谷選手が丁寧にジャブを突いて立ち上がりは慎重ながらボディへのジャブが特に良かった。

濱野選手は2Rに入ると頭を振りながら距離を詰めてフックを振る。磯谷選手もやや攻めあぐねてパンチの振りが大きくなる。

3Rには磯谷選手が少しバランスを崩したところで濱野選手が一気に攻勢をかけたが、ここで磯谷選手がフックからストレートでダウンを奪う。

立ち上がった濱野選手が前に出たところにタイミング良く左フックを合わせて磯谷選手は追加のダウンをゲットし、3RTKOにて磯谷選手の勝利。

52.6kg契約8回戦 山口 仁也(三迫) VS リカルド スエノ(比)

山口選手が1R目から終始圧倒するも倒しきれなかった試合。

サウスポーの山口選手がジャブから相手が入ってくれば左を合わせ、来なければ自分から左ボディ右ボディを効果的に使いながら左ストレートをヒットさせる。

リカルドスエノ選手は頭から突っ込む右と、時折笑顔を見せて攻めて出る場面はあるも、下がりながらディフェンスで逃げ切ろうとする時間がラウンドが進むに連れて増える。

キャリアのある相手がこういうボクシングをしてきたら倒し切るのはなかなか難しく、フルマークの展開のまま判定へ。

フライ級8回戦 ルオチェンハオ(中国) VS 永田丈晶(協栄)

2023年10月28日に日中友好戦でインパクトを残したのは鉄壁のディフェンスからガードの隙をつく攻撃で強打の苗村選手を仕留めたフーロンイー選手。

このフーロンイー選手に勝っているボクサーとしてこの日リングに上がったルオチェンハオ選手。

危険な選手を相手に再起戦を迎えた永田選手ですが、開始早々からルオチェンハオ選手のショートの左で腰を落とし、1R終盤には右アッパーからまとめられてダウン寸前の大ピンチに。

ゴングの音が良く聞こえず、コーナーでまとめられてレフェリーが入り、一瞬TKOかと思いました。

2R以降、永田選手は積極的に前に出て手数を出すが、ルオチェンハオ選手が鉄壁のガードから永田選手の打ち終わりにパンチを合わせる。

このパンチに威力があり、手数で永田選手が前に出るもクリーンヒットはルオチェンハオ選手という展開に。

永田選手も打ち終わりにバックステップや頭を振って対応しようとするが、ジャブにも左を合わされ突破口を開けず。

会場観戦でしたのでパンチのパワー、有効打の差は配信よりも顕著に感じたと思います。

判定は割れましたが、ルオチェンハオ選手の強さが光った試合でした。

個人的には3,4,6Rは永田選手が取ったかなぁ、という感じでした。

今回は敗れましたが、永田選手も戦いながら徐々に適応している面もあったので再戦すればどちらが勝つかは分かりません。

それにしても中国からまた手強い選手が出てきました。

日本Sライト級タイトルマッチ10回戦 藤田炎村(三迫) VS 関根翔馬(ワタナベ)

試合は3Rに一度、4Rに二度ダウンを奪った藤田選手のTKO勝利。

そこまでのポイントもおそらく全て藤田選手が取っていたでしょう。

結果だけみれば藤田選手の圧勝ですが、関根選手も結果には見えない部分で見せ場は作りました。

ガードを固めて前に出るファイターの印象が強い藤田選手ですが、この日の立ち上がりはジャブを突いて中間距離での戦いを選択。

その藤田選手に対し関根選手もガードを固めて中に入りボディから左右フックをヒットさせる場面もありました。

もしかしたらどこかでパンチが当たるんじゃないか??

関根サイドからしたらそうした期待感が。

逆に藤田サイドからしたら大振りしたところにもらうんじゃないか??

という不安もあった立ち上がりでした。

中間距離で戦った3Rまでは一瞬ヒヤッとする場面もありつつポイントは藤田選手。更に左フックでグラつかせてからの右でダウンもゲット。

ダウンを取って迎えた4Rは接近戦を仕掛けると藤田選手の独壇場。

接近戦の中でスイッチしての右フックがガツンと入り関根選手はダウン。立ち上がるも豪快にまとめられレフェリーストップ。

試合後は引退を表明したジムの先輩である小原佳太選手に感謝の気持ちを述べ、神戸でタイトルに挑戦する川満俊輝選手にエールを送り、最後にリクルートからの卒業を宣言。

更に上を目指すための勇気ある決断にリクルートの方々からも「やっぱりなぁ」等様々な声が。

この階級で世界を狙うとなるとサラリーマンとの両立は確かに厳しいか。海外遠征もサラリーマンではなかなか難しい。

藤田選手には誰も歩んだことのない道を歩んでもらいたい。現役引退後も含めてこれからが楽しみな選手です。

まとめ

藤田炎村選手が出場する試合は神興行となる確率が非常に高い。

この日も第1試合が1RKOで、続く柳修平 VS 佐藤誠市戦もテンポの良い好ファイト。

良い流れが続いてセミには危険な中国人ボクサールオチェンハオ選手が現れ、メインで爆発。

全体を通して満足度の高い興行となりました。

さて、藤田炎村選手はこれで次戦は最強挑戦者李健太選手。李選手はここまでプロ無敗で苦戦する場面もない選手。

どちらが勝つのか予想の難しい試合になるでしょう。

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