新人王 観戦記

中日本VS西部日本新人王対抗戦2025|SAKANAチャンネル観戦記

torajiro

ボクシングファン歴28年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴3年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。Xも投稿していますのでフォローいただけると嬉しいです。

2025年の中日本VS西部日本新人王対抗戦は引き分け優勢や棄権も含め西部日本が6勝5敗と勝ち越す結果に。

西部日本新人王達の身体能力の高さが光りました。

Travel TVが一瞬で配信から離脱し、復活したSAKANAチャンネルの配信にて視聴した観戦記をお届けします。

この中から西軍代表を勝ち取り全日本を獲る選手は現れるでしょうか!?

ミニマム級5回戦 細川弦汰 VS 玉城野里斗

試合は駿河ジムの細川選手が2対1の判定でWINNERジムの玉城選手を撃破。

戦前の予想は玉城選手の判定勝利と見ていました。

細川選手の無尽蔵のスタミナからのラッシュは魅力的ですが、6回戦以上の実力者になってくると有効打を合わせてくるので細川選手タイプは壁にぶち当たる時が来る。

この試合もその壁にぶち当たる1戦になるのでは。

という目線で見ていたからか、自分の採点では1,2Rと5Rは玉城選手で58対57で玉城選手の勝利でした。

ただ、2Rと5Rは微妙ではあったので逆の結果も十分あるし、手数、アグレッシブ重視のジャッジは49対47だろうとは思いました。

なので判定結果は妥当。

的確にパンチを当てていたのは玉城選手でしたが、顎が上がることなく打ち返し続けた細川選手が僅かに勝った。

Lフライ級4回戦 倉坪惇希 VS 金城寿幸

沖縄ボクサーらしいバネのある強打者金城寿幸選手が1RTKOで勝利。

倉坪選手は両ガード固めて頭を振りながら気持ちで戦う。

足で外しながら左アッパーで飛び込んでヒットを奪った金城選手はそこからラッシュ。

懸命に耐えてボディから左右フックを返す倉坪選手。

しかしストレートをもらい倉坪選手も後退。

この距離が生まれ出した場面で右を決めてダウンを先取し、パンチをまとめてストップに持ち込んだ金城選手。

野生味のある沖縄感満載のボクシングは華がある。

西軍代表決定戦では石田ジムの長島明澄選手と対戦予定。

基本に忠実で対照的な長島選手をまたまたド派手に倒すことが出来るか!?

これで19歳は末恐ろしい。

フライ級4回戦 高橋昭麿 VS 工藤晃大

4戦して勝ち星のない高橋昭麿選手は初勝利を目指したが工藤晃大選手に4RTKOで敗北。

1R目はお互い中間距離で探り合いながら互角の展開でしたが、徐々に全身のパワーの差が出て2R以降は工藤選手が有効打を重ねていきました。

高橋選手は体の前面の筋肉で戦っていて後ろ側を使えていないのがやや勿体無い。

もっと体の後ろ側を使うこと意識して練習したら一気に強くなると思います。

今の戦い方だとスタミナも消耗しやすい。

逆に工藤選手はリラックスして全身を上手く使えていました。

Sフライ級4回戦 中村勇翔 VS 鶴丸潤知

試合は鶴丸選手が2対0の負傷判定で勝利。

試合前に両者のセコンド同士がやや歪み合う珍しい場面も。

中村選手は開始早々から明らかにサウスポーを苦手としたボクシング。

足の位置取りで負けた状態から真っ直ぐジャブを突いてワンツーという単調な攻めに。

鶴丸選手は前の手を散らしながら外を取り優位な立ち位置で試合を進めて行きました。

戦い慣れの差が結果に現れた試合でした。

中村選手はサウスポー相手にジャブから入るだけでなくもっと右のショートから逆ワンツーがあっても良かったし、前の手ももっと散らすか、左ガードをしっかり上げてジャブを高い位置から打っていった方が相手にとっては嫌かなと感じました。

やや気になったのがガードを上げて、下げて、上げて、下げて、のリズム。

そこから下げた時にジャブが飛んでくるので相手にとっては動きが読みやすくならないかなと引っかかった。

良い選手なので勿体無いなと。

バンタム級5回戦 藤本翔大 VS 手島和樹

圧巻の内容で勝ち上がってきた手島和樹選手がこの日も2RTKO勝利。

これで5戦5勝5KOのパーフェクトレコード。

このまま全日本も制してしまいそうな勢いです。

が、しかし、この日の 藤本翔大選手はとっても良かった!

スタンスを広げ、課題だった左足の内向きが改善されて以前よりもパンチに体重が乗っていた。

元々パンチはありましたが、更に打ち抜けるようになってレベルアップ。

結果的に倒されましたがかなり危険な左フックカウンターを決めていて、決して一方的な内容ではなかった。

まだ22歳。一つ壁を超えたと思われるので、ここから勝ち星を重ねていくのではないでしょうか。

所属ジムが協会脱退という話なので今後活動の場がどうなるのかではありますが。

Sバンタム級4回戦 鈴木蒼平 VS 川添仁

試合は引き分け勝者扱いで川添仁選手が西軍代表決定戦へ。

相手が誰であろうと果敢に打ち合い技術で勝る相手にも勝ってきた鈴木蒼平選手。

この日も1Rから果敢にアタック。

しかしMMAファイターのような体の川添仁選手は小柄ながら遠い間合いから飛び込んできて非常にやりづらい。

一気に距離を詰めて下からパンチをまとめる川添選手に鈴木選手もいつものような手数ファイトを仕掛けることが出来ずに試合は終わってしまいました。

それにしても川添選手は凄い体をしていた。

ボクシング以前は一体何をやっていたのでしょう。

フェザー級5回戦 植松風河 VS 佐藤成貴

試合は植松風河選手が3対0の判定で勝利。

しかしジャッジ2者は1ポイント差の大苦戦。

アマチュアでも26戦19勝7敗のキャリアを誇る植松選手は全日本新人王候補の1人と予想していましたが、佐藤成貴選手の健闘が光った試合となりました。

スピードもパワーも手数も互角で、僅かにクリーンヒットの差で植松選手がリード。

戦前予想はもっと大差で植松選手が勝つものと思っていました。

佐藤選手の方がボクシングはやや雑に見えていたもので。

しかし実際手を合わせると佐藤選手はパンチへの反応が非常に良かった。

Sフェザー級5回戦 加藤陸 VS 仲里健太

試合は49対46が3者で仲里健太選手が勝利。

この試合も西部日本ボクサーの身体能力が勝ったような試合でした。

仲里選手が積極的に良く飛び込み手数と攻勢点でポイントリード。

仲里選手は右を打ってそのまま足が流れるタイプなのでそこはやや気になりましたが手数も旺盛で積極的でした。

加藤選手も綺麗なボクシングをしており、やや後手になったことでポイントは取られましたが伸びてくる選手だと思います。

5Rあったのでどこかで加藤選手のペースになりそうだなという感覚で観ておりましたが仲里選手の勢いが勝りました。

Sライト級4回戦 島田ネン VS 野上一馬

試合は2対1の判定で島田選手が勝利。

2者が39対36で1者が37対38。

島田選手はSライト級ながら軽量級ボクサーのような軽快なフットワークに柔らかな身のこなし。

加えて回転力もある。

これは逸材。

最近は重たい階級でも島田選手のように軽量級ボクサー並みに動ける選手が増えてきた印象です。

野上選手も1発1発しっかり打ち込むパンチは力強かったし、ジャブも良く伸びていた。

しかし試合は島田選手の左フックカウンターは冴えて右も決めてポイントリード。

島田選手は後半やや疲れていたかな。

ウェルター級4回戦 山中圭市 VS 知念雄飛

SNSで人気者の山中圭市選手が最終回に大大逆転TKO勝利。

山中選手はジャブから先手を取ろうとするが、知念選手に左ガード下げたジャブの打ち終わりを狙われ内側からワンツーも打ち込まれる。

正直1R終わった時点でこの試合は知念選手だろうと思いました。

2Rも同様に山中選手は打ち終わりにもらい印象は悪く、3Rに知念選手の右ストレートで痛恨のダウン。

これで勝負ありと思われた4R。山中選手が細かいパンチで攻める攻める攻めまくる。

細かいが威力のある山中選手の連打にスタミナを使い切った知念選手は防戦状態が続き、最終的にレフェリーが試合をストップ。

防戦時間が長かったのでこのストップは仕方ない。

山中選手は腰がガッツリ入って膝も立ったスタイル。

全身の力を拳に伝えやすい+もらった時のダメージも逃せない構え。

倒し易く倒され易いボクシングスタイル通りに2試合連続で倒されてからの逆転KOで西部日本決定戦へ進出。

敗れた知念選手はほぼフルマークで勝っていただけに勿体無い敗北でした。

勝者は西日本新人王と西軍代表決定戦へ!!

今回の対抗戦に勝利した選手は2025年11月9日の西軍代表決定戦で西日本新人王のボクサー達と激突します。

実力的には西日本の方がやや上を行くと思われ、今回の対抗戦勝者で西日本新人王に勝てるのは4人か上手く行って5人と予想します。

身体能力では負けていませんが、ボクシングレベルで見るとやや西日本新人王の方が優勢です。

この予想を覆す活躍を中日本・西部日本対抗戦の勝者には期待しております。

西日本新人王との西軍代表決定戦は2025年11月9日(日) 11:30開始。

昨年はU-NEXTでも配信がありましたので今年もおそらく配信されるでしょう。

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