こんにちはボクシングブロガーのtorajiroです。
2023年はアマチュアボクシングの名門東京農業大学ボクシング部から大麻所持で3名の逮捕者が出る(その後4人目の逮捕者も)というショッキングな事件が起こってしまいました。
日大アメフト部騒動の影に隠れた感のある農大ボクシング部ですが、部員4名の関与は相当深刻な事態。
- 一体何故??
- 部の処分解除はいつ??
- 逮捕された選手はどうなる??
そんな疑問が頭をよぎりましたので、過去の処分事案がその後どうなったのかを調べてみました。
※3名逮捕の時点で書いた記事ですが、4人目の逮捕者が出たことで一部リライトしました。
体育会部員の大麻所持による処分事例
では早速最近の処分事例と活動再開までにかかった時間を見ていきたいと思います。
2007年:関東学院大学ラグビー部員2名が大麻栽培、12名が吸引
ラグビーの名門関東学院大学で部員2名が寮内で大麻を栽培し、12名が吸引していたというショッキングな事件があったのは2007年11月。
大学により無期限活動停止処分が下され、部としては2008年4月に練習を再開しましたが、関東大学連盟が6月末までチーム練習禁止、対外試合禁止という措置を取りました。
寮内で大麻を栽培していた2名は有罪判決も出て処分退学。
吸引した12名は無期限謹慎処分となり、部の処分が解除されるのと同じ2008年4月に処分が解かれたようです。
それまでリーグ戦で連続優勝していた関東学院大学ラグビー部ですが、この事件以後は一度も優勝しておらず、徐々に成績を落として2部に降格することも。
不祥事で築き上げてきたものが崩れてしまった典型と言えるでしょう。
2009年:日本体育大学陸上部員が大麻を栽培吸引
陸上競技の名門日本体育大学で2009年3月に大麻を購入、栽培、吸引していた部員がいた事が発覚。
この部員は大学を処分退学となり、同じ棒高跳び・幅・三段跳びグループに所属していた46名の学生が無期限の活動停止処分となりました。
部が活動再開したのは2009年6月。
関東学生陸上連盟は箱根駅伝のシード権はく奪という処分を下しました。
陸上部全体として処分されてしまったのは関係のない大半の選手からしたら大変ショッキングな出来事だったはずです。
2016年:日本体育大学ボクシング部員が大麻所持で逮捕・起訴
2016年には当時日本体育大学のボクシング部員であり、現在駿河男児ジムで活躍している湯川成美選手が大麻取締法違反容疑で現行犯逮捕されました。
湯川選手は保釈後に退学届を提出。
こうした犯罪に関わるケースですと、大学側も退学届を受理せず処分退学とするのが通例ではありますが、逮捕された事に気付かず受理してしまったのか、それとも寛大な措置を取ったのか。
どちらにしても大学を退学することには変わりありませんが。
この時日本体育大学ボクシング部はリーグ戦の出場を辞退し、その結果3部に降格。
しかし翌年には3部で優勝し、入れ替え戦にも勝利して2018年には再び2部に復活しました。
湯川選手も時間はかかりましたが、逮捕から5年後の2021年に駿河男児ジムでプロボクサーとして復活。
現在日本ランカーとして活躍している湯川選手。
人生はやり直せるという事を今後も体現していって欲しいと願っております。
2020年:野球の名門東海大野球部員が大麻使用で逮捕
コロナ禍の2020年には活動自粛の中で複数の大学で大麻所持が発覚してしまいました。
おそらく見つかっていないだけでこのコロナ禍に使用や販売目的で大麻に手を付けてしまった学生は多いのでしょう。
2020年10月、東海大学野球部の部員2名が大麻を使用したことが発覚。
このことを受け、野球部は無期限の活動停止。
2021年2月に処分は解除されました。
この時大麻を使用した2名の学生は退学処分ではなく無期停学処分となった模様。
他大学と比べ処分が軽いようにも見えますが、この時はあくまで大麻の使用であって2人とも不起訴処分となっています。
不起訴ですので処分の内容も妥当なものと思われます。
2020年:近畿大学サッカー部で複数人の大麻使用が発覚
2020年10月、これまた名門の近畿大学サッカー部でSNSを通して大麻を購入していた学生の他、7名の学生が大麻を吸引していた事案が発覚。
大麻を購入した学生は退学処分となり、使用していた学生は停学処分となりました。
この時は大麻を購入していたのが2019年からだった事もあり、活動再開出来たのは2021年8月。
この間に2部降格となった近畿大学サッカー部。
処分期間も長かったので再建の道のりは簡単ではないかもしれません。
農大ボクシング部の活動再開はいつか?
大麻の3名の逮捕者が出てしまった東京農業大学ボクシング部の活動再開は果たしていつになるでしょうか?
これまでの前例からすると活動再開に要する期間は3ヶ月〜10ヶ月程度。
大麻の使用のみで部全体としての関与が薄い場合には処分も軽くなりますが、所持、栽培、販売によって逮捕者が出た場合には処分は重たくなっております。
農大ボクシング部の場合、逮捕者が4名も出ており、寮生活の中で起こった事案。
続々と逮捕者が増えており、まだまだ他の部員の関与も疑われます。
処分は過去の前例と比べても重くなる可能性が出てきました。
3名逮捕の時点では調査も難航するだろうし、他の部員の関与がないと結論づけるまでに時間がかかるのではと考えていましたが、4人目の逮捕者も出ており、警察も本腰入れて捜査に当たっている模様です。
3名の逮捕者で他に所持者がいたり吸引したりしていた事実が判明しなければ、2024年のリーグ戦にギリギリ間に合うのではと願っておりましたが、ボクシング部員18名のうち4名が所持で逮捕。
非常に残念ですが廃部の可能性も大きくなってきました。
仮に無期限活動停止で済んだとしても再生までの道のりは簡単ではないでしょう。
- 逮捕者は間違いなく退学。
- 4年生も引退。
- 活動停止もあるので推薦で新入部員は入って来ない。
アマチュアボクシングの名門がこんな形で姿を消すかもしれないことは残念でなりません。
農大ボクシング部に進みたいと思っていた学生やOB、全く関係のない部員達からしたら本当に気の毒な事案です。
連帯責任を課すことの是非について
体育会組織の処分で議論になるのは連帯責任の是非について。
関係のない部員達まで活動出来なくなるのは気の毒では??
確かにその通りだと思います。
個人的にも関係のない部員まで巻き込むべきではないと思います。
が、連盟や大学側に立つと「関係がないかどうかを結論づけるまでには時間がかかる」という事情もあります。
現に早急に個人の問題と結論付けてわずか5日で処分を解除した日大アメフト部はその後に他の部員も関与していた可能性が浮上しております。
寮生活という外の目が入らない特殊な空間の中で生じた問題に対し、組織的な関与が無かったと結論づけるのは容易ではありません。
再発防止のためにはどうしても時間をかけた調査であったり、体質改善に向けた取り組みであったりが必要になります。
連帯責任は取らせたくないけれど、組織に問題が無かったと結論を出すには時間が必要
といったところなのでしょう。
- 大麻
- 特殊詐欺
- 性犯罪
大勢いる部員の中の誰かがこうした問題に手を付ける度に活動出来なくなるのもたまったものではないですね。。
大麻の販売や特殊詐欺で手に入るバイト代と4年間にかかる大学学費やその後に手に入る可能性のある収入と天秤にかけ、どうか思いとどまって欲しい。
目の前の数十万を手に入れるために犯罪に手を出して退学することになり、大学に払った何百万のお金がパーになるなんて馬鹿みたいですよね。
特殊詐欺系は最初の入口は低く設定されており、ただの美味しいバイトだと思っていたら知らぬ間に気がついたら手を染めていたということになり易いです。
そうした実態については以下の書籍が参考になります。
美味しい話には必ず罠がありますので、簡単に騙されないようにしましょう。
大学を処分退学とならずとも、仮に無期停学で済んだとしても停学中も学費はかかります。
稼ぎたいのであればもっと長期的な視点で稼ぐ方法を大学生の間に勉強しましょう。
逮捕された部員はその後どうなる?
今回大麻の所持で逮捕された農大ボクシング部員3名は間違いなく大学を処分退学になるでしょう。
10代の2名の部員は名前も公表されていませんし、他大学に入ってやり直すことも十分可能です。
勉強が嫌いであれば高い学費払って無理して大学に行かずに働いた方が良いとは思いますが。
一方、名前も顔も公表された21歳の岩渕大輔選手は再出発には時間を要するかも知れません。
今年で22歳、大学に入り直すような年齢ではありません。
岩渕選手は足を使ってポイントを取る典型的なアマチュアスタイルのボクサーですが、フットワークは軽快でボクシングセンスは高い。
高校でも大学でもアマチュアランキングに入った事のある選手です。
多少の時間はかかるかも知れませんが、人生やり直すにはまだまだ十分時間はあります。
もしまだボクシングをやりたい気持ちがあれば、受け入れてくれるジムを見つけてプロボクサーとして再出発して欲しいと願います。
何年後かにそんな時がもし来れば、チケット買って応援に行こうと思います。
まとめ
過去に遡り体育会部員の大麻絡みの事案を振り返ってみたまとめです。
- 活動停止期間は3ヶ月〜10ヶ月程度
- 大麻を所持、栽培、販売していた学生は処分退学
- 大麻の使用のみであれば無期停学
- 活動再開後もチームとして以前の位置まで戻るのは簡単ではない
- 連帯責任はどうかな?と思うが、一方で関与がないと結論付けるのも困難
といったところが今回調べたことでわかってきました。
氏名と顔が公表された農大ボクシング部の岩渕選手に関しては、ネット上に経歴とか住所特定とか気持ちの悪い記事が溢れていましたが、世間はすぐに忘れます。
やってしまったことは反省した上で大事なのはこれからの人生です。
湯川成美選手のようにプロボクサーとして再出発している選手もいますし、まだ21,22歳でしたら今からスキルを身に付けてご飯を食べていける仕事もたくさんあります。
一歩ずつ、ゆっくりでも歩を進めていけば必ずどこかに辿り着くはずです。
歩き出せばきっと助けてくれる大人もたくさんいるでしょう。
絶望せず、今後の人生を切り拓いていただきたいと切に願っております。
最後に繰り返しになりますが、美味しい話には必ず罠があります。
周囲からの甘い話に乗る前に、一度書籍等で闇バイトの実態を知っておく事をお勧めします。