新人王

新人王トーナメントで活躍したボクシング界のオールドルーキー達

torajiro

ボクシングファン歴27年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。Xも投稿していますのでフォローいただけると嬉しいです。

2024年のボクシング新人王トーナメントは30を過ぎてプロデビューしたオールドルーキー達の活躍が目を惹きました。

30代は自分から見ればまだまだ若いですがボクシングの世界に飛び込むには決して若くない。

この記事では30過ぎてプロのリングに上がり新人王トーナメントで活躍したボクサーを4名紹介します。

圧倒的不利予想の中で肉薄した花形ジムの宇野楓麻

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1番に紹介するのは東日本新人王トーナメント決勝で佐野篤希選手をあと一歩のところまで追い詰めた宇野楓麻選手。

宇野楓麻選手の概略

  • 2024年11月現在36歳。
  • 2022年に33歳でプロデビュー。
  • デビュー戦は黒星発進。
  • 戦績は8戦4勝(2KO)3敗(1KO)1分のオーソドックス。
  • 新人王トーナメントにフライ級でエントリーし決勝進出。

宇野選手が決勝で対戦した佐野篤希選手は4戦4勝4KOのパーフェクトレコードで勝ち上がってきた21歳の若手有望株。

トーナメント予選では全日本選手権3位の実績を持つ鈴木丈太朗選手に最終回逆転KO勝利も上げています。

ボクシングモバイルの勝敗予想でも80%が佐野選手のKO勝利を予想し、宇野選手の勝利予想は6%という圧倒的な不利予想でした。

だがしかし!

試合が始まると宇野選手は絶妙な距離感で威力はないが浅いジャブをヒットさせる。

サウスポーの佐野選手が踏み込むと同じ距離バックステップして打たせない。

更に打ち終わりを狙う。

左を外して回り込んでの右も良かった。

出入りの速さと深さに定評がある佐野選手を相手にこれはすごい。

佐野選手の速いスピードに反応しつつ、宇野選手はノーモーションの右ダブルや右ボディストレートで単発のパンチをヒットさせる。

佐野選手が踏み込んでワンツーをヒットさせる場面はあるものの、いつもの試合のような手数が出ない。

打ちに行けば距離で外され、間合いの一歩外からパンチが飛んでくる。

距離が詰まったらガッチリクリンチで攻撃を寸断される。

見ている側は普段のようにガッと行けば攻め落とせるように見えるけれどそれをさせないボクサー。

相手に持っている力を出させずに自分のワールドに引き込んでいく宇野選手のボクシングは玄人好みで痺れた。

結果は3対0の判定で敗れましたがあと1Rポイントを取れていれば宇野選手が勝利していた試合でした。

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いやー面白い試合だった。

RK蒲田ジム八谷洋平のハードパンチ

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次に紹介するのはRK蒲田ジムの八谷洋平選手。

八谷洋平選手の概略

  • 2024年11月現在35歳。
  • 2024年に35歳でプロデビュー。
  • プロ3戦で奪ったダウンは5度のハードパンチャー。
  • 戦績は3戦2勝(1KO)1敗のサウスポー。
  • 新人王トーナメントにSバンタム級でエントリー。

35歳でデビューした八谷選手の武器はサウスポースタイルから繰り出される振り抜きの良いハードパンチ。

30過ぎてデビューするプロボクサーも増えましたが、全体で見ると下半身が弱く打たれ弱い傾向を感じます。

しかしこの八谷洋平選手はフットワークも良く下半身がしっかりしている。

新人王トーナメントでは優勝候補の一角だった阿部一力選手と対戦(阿部選手は決勝で計量失敗)。

この試合も78%が阿部一力選手の勝利予想で八谷選手は圧倒的不利予想。

試合は八谷選手が遠い間合いから得意の左を当てれば、阿部選手がワンツーからロープに詰めてボディ攻撃。

やや阿部選手優勢の中、2Rに八谷選手が放った左で阿部選手がダウン!!

3R序盤も八谷選手のノーモーションの左や飛び込む左、そこからの返しのフックがヒットしていましたが、徐々に阿部選手の馬力が勝りだす。

最終Rは八谷選手失速して阿部一力ペースに。

結果は阿部選手の勝利でしたが男を上げた八谷洋平選手でした。

3R序盤までの攻撃を最後まで続けていれば、あと一歩で勝てた試合でした。

アマ30戦の江田葵一からダウンを奪ったシュウジム菅田恭平

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3人目に紹介するのはシュウジムの菅田恭平選手。

菅田恭平選手の概略

  • 2024年11月現在34歳。
  • 2024年4月に33歳でプロデビュー。
  • 新人王トーナメントでデビューし2勝2KOで準決勝へ。
  • 戦績は3戦2勝(2KO)1敗のサウスポー。
  • 新人王トーナメントにフェザー級でエントリー。

菅田選手のデビュー戦はダウンを奪われてからの逆転TKO。

動きはややぎこちなく、ボクシングも雑に見えました。

しかし体にくっついたように飛んでくるパンチは伸びはないがモーションがなく相手からしたら見えづらそう。

関節がロックされて飛んでくるパンチは骨で殴られるような痛そうなパンチ。

新人王トーナメント準決勝ではKG大和ジム期待の新人江田葵一選手と対戦。

サウスポー同士の一戦は開始早々江田選手が左ストレートで飛び込むとそれを外して菅田選手が左を合わせる。

入りは浅かったがタイミングはバッチリ。

その後も菅田選手の放つモーションのない左が危険なタイミングで江田選手をとらえている。

そしてワンツーワンツーで飛び込むと最後の左がクロスで入り江田選手がダウン!!

ラッキーパンチではなくそれまで何度も危険なタイミングで入っていた左が決まってのダウン。

しかしダウンを奪われた江田選手はお返しの左クロスでダメージを与えて連打をまとめて倒し返す。

このチャンスにペースを上げて攻め立てた江田選手が再び左で倒して逆転TKO勝利。

菅田選手の左は何度も良いタイミングで入っていたので1R攻め急がなくても良かったかもしれない。

あくまで結果論ですが。

脱力した酒場のおっちゃんボクサー天熊丸木ジムバンザイリオン

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最後に紹介するのは中日本の天熊丸木ジムに所属するバンザイリオン選手。

バンザイリオン選手の概略

  • 2024年11月現在33歳。
  • 2024年6月に32歳でプロデビュー。
  • 戦績は2戦1勝(1KO)1分のサウスポー。
  • 新人王トーナメントにライト級でエントリー。

バンザイリオン選手は中日本新人王トーナメントでデビューするとデビュー戦は2RKOで勝利。

脱力した全身から放たれるパンチは伸びがあって威力十分。

風貌と脱力っぷりから酒場にいるおっちゃんのよう。

2戦目の中日本新人王決勝は1Rにくっついたところでガードの上から右フックをもらいバランスを崩してのダウンを奪われる。

ダメージは全くなく、その後はワンツーに左アッパーで反撃。

田中友介選手にダメージを蓄積させていくが、田中選手がバッティングにより負傷。

この傷が続行不可能となり負傷ドローに。

残念な結果となりましたが、このバンザイリオン選手の脱力した伸びのあるボクシングは見ていて楽しいです。

バンザイリオン、酒場のリオンの今後に注目!!

まとめ:30過ぎてもまだまだやれる!!

2022年までは37歳になるとボクサーはランカーを除き定年引退でしたが、その定年制度が廃止されました。

プロテストも34歳まで受験可能です。

更に今回紹介したボクサー達のように30過ぎてプロデビューしてもそれぞれの味を出して活躍している選手達がいます。

「もう若くないし、、」

と諦めるのはまだ早い。

以前だったら定年引退だった37歳のデビュー戦に勝利してボクシングビートの連載「四回戦物語」にも登場した堀江和也選手のような存在もいます。

危険はもちろんありますが、4回戦はレフェリーも早めのストップを徹底しています。

思い切って挑戦してみれば人生が変わる体験を味わえるかもしれませんよ。

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