2022 新人王

2022新人王Sバンタム級は西部の進心輝が全国区となるか?東西は横一線。

torajiro

ボクシングファン歴25年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。

こんにちはtorajiroです。

今回は2022新人王トーナメントSバンタム級の注目選手紹介です。

Sバンタム級は東日本も西日本も横一線で誰が勝ち上がってもおかしくない状態。

その中で西部を制したHKスポーツボクシングジムの進心輝選手が一気ブレイクする予感を感じさせます。

西部の進心輝選手はJCL3年連続優勝の期待のホープ

西部日本を制した進心輝選手は2019年、高一の15歳の時にジュニアチャンピオンズリーグ(JCL)のU18を制して大会3連覇を達成した天才少年ボクサーでした。

出典:HKスポーツボクシングジム公式サイトより

あれから3年、コロナ禍もあって大きな大会での活躍はなかったようですが、2022年3月にプロデビューするとデビュー戦はわずか24秒でKO勝利。

次戦もKOで勝利し、西部日本代表として駒を進めました。

進心輝選手が所属するHKスポーツボクシングジムはジュニアの育成に非常に力を入れており、先日行われた第4回JCLでは4人もの全国チャンピオンが誕生しました。

中武亮翔君らの活躍にも今後注目です。勿論まだ若いので将来は別の道に進む可能性も十分ありますが。

しばらくはHKスポーツボクシングジムから若い未来のチャンピオン候補生達が新人王トーナメントに送り込まれてきそうですね。

僕も母方の実家が北九州なので九州のボクシングを盛り上げて欲しい気持ちがあります。

ダークホースは中日本の”闘う陶芸家”川合絢也選手

天才ボクサー進心輝選手に対するは中日本の”闘う陶芸家”川合絢也選手。

陶芸にハマっており、作品展に出典するほどの腕前だそうです。

年齢は31歳と新人王トーナメントに出場している選手の中では若くないですが、デビュー戦は2015年。ONETWOスポーツに所属していた馬庭大樹選手相手に判定勝利。

この馬庭選手は後にユースタイトルにも挑戦する実力者でした。

川合選手はこのデビュー戦勝利後、就職してボクシングからしばらく遠ざかります。

そして6年振りの復帰戦が3150ファイトクラブからプロデビューした文能駿祐選手でした。

この試合は2対0の判定で敗れましたが、その後は2連勝して中日本代表としてこの度西部の進心輝選手と戦います。

ブランクを乗り越えた今の川合選手は文能選手と試合をした時より大分強くなっているように見えます。

sakanaチャンネルより

進選手もまだ若く線は細いので、川合選手に体の強さで押し込まれたらどうなるか分かりません。

西日本は技巧派同士の決勝戦

西日本の決勝に進出している2選手はどちらも技巧派。

出典:ボクシングモバイルより

アマチュア経験豊富で長身な安村綺麗選手は中間距離でテンポ良く攻めるスタイルで相手が右でも左でも自分のボクシングを崩さない強さがあります。ボクサーはスタイルによって苦手な選手がいるものですが、安村選手は相手がどんなスタイルであれ自分のボクシングが出来る強さがあるように思います。

西日本のもう1人はまたまたJCLの2冠王者、森岡ジムの田甫吉駿(たほようしゅん)選手。

田甫選手の魅力は何と言ってもそのスピード。

踏み込みが早く深いです。そして膝が柔くてひょいひょいダッキングで相手のパンチを避けてフックを振るスタイルには華があります。

2人とも戦績は現在3戦3勝。

個人の予想としてはスピードで勝る田甫選手がポイントで若干リードするのではないかと見ています。

東日本は激闘ファイター4戦士

最後東日本はファイタータイプの4選手が横一線という印象です。

出典:ボクシングモバイルより

JBスポーツジムの星野凌選手の魅力は漫画「はじめの一歩」の幕之内一歩のようなダッキング。

前戦では宮田ジムの丸田涼介選手にダッキングしながら接近し、右の打ち終わりに左フックを振り抜いてダウンを奪っていました。

自分だったら生涯の宝物にしたくなるような見事なダウンシーンでした。

星野選手と準決勝でぶつかる相手はワタナベジムの細川兼伸選手。

細川選手は4勝3KOとKO率が高いですが、映像を見ると一発一発のパンチが重たそう。

スピードはそれほど感じませんが、ストレートのような重たいジャブを打ってくる選手です。

ガードも非常に固く、穴のない選手。打ち合いの土俵で細川選手を崩すのは難しいと見ています。

東日本の逆ブロックを勝ち上がっているのはワタナベジムの中林稜太郎選手と松本ACEの二葉恒輝選手。どちらもアマチュアキャリアがありますが、中林選手は距離を詰めて接近戦に持ち込むタイプ。この距離の詰め方、出口の塞ぎ方がとても上手な選手です。

二葉選手はスピードがありフットワークも使いますが、が基本的に中に入って回転力のあるパンチで打ち合うスタイル。

両者共に接近戦を信条としているので根比べのような試合展開が予想されます。

二葉選手は警察官ボクサーという異色なキャリアの選手。忙しいだろうに連戦の新人王トーナメントに良くエントリーしたなと思います。

フルタイムで働きながら、しかも肉体労働を伴う勤務の中、2ヵ月スパンで試合をこなしていくのは相当大変でしょう。

まとめ

新人王トーナメントSバンタム級は横一線で優勝予想が非常に難しい階級。

そのため勝ち上がっている全選手を紹介する事になりましたが、本当に誰が優勝してもおかしくない階級です。

期待値では進心輝選手が上を行きますが、やや線は細くまだプロのリングで試されていない面もあります。

中日本の川合絢也選手は進選手の実力を測る上では格好の相手となるでしょう。

ここで進選手が勝ち上がれば西日本を勝ち上がった選手との技巧派体験が期待できます。

そして東日本は誰が勝っても激闘型なので、全日本の決勝は面白い試合になるでしょう。

とりあえず予想としては、東は細川選手、西は進選手が勝ち上がり、決勝は進選手がスピードで勝るか、細川選手が重たいパンチで進選手を仕止めるか、という展開をイメージしています。

全日本決勝はどの組み合わせになっても好試合となる事間違いなしでしょう。

星野選手と森岡選手の組み合わせなんかも見てみたいです。

追記:西日本新人王決勝観戦記

スピードで勝る田甫選手がポイントで若干リードすると予想していましたが、安村選手強かったです。

安村選手の長所として、誰が相手でも自分のボクシングを貫きそうな点を挙げましたが、その通りのボクシングスタイルでした。

安村選手は田甫選手のスピードに振り回されて体が前に突っ込むような事もなく、バランスを崩さず自分のボクシングを実践。

田甫選手もスピードと膝の柔らかさを使って素早く踏み込んで攻撃していましたが、ヒッティング率の差が違いました。

安村選手は無駄打ちが少なく、一つ一つのパンチがしっかりと田甫選手をとらえていました。

一方の田甫選手の攻撃は躍動感があって魅力的なのですが、クリーンヒットが少なかったです。

3R目途中からは田甫選手も接近戦に活路を見出そうと距離を詰めていましたが、安村選手は肩を使って押して隙間を作ってそこにパンチを打ち込む上手さを見せていました。

判定は2対0でしたが、ポイント差以上の力の差を感じた試合でした。

追記:東日本新人王準決勝観戦記(9/26,9/27)

9月26日(月)は偏差ながら優勝予想をしていた細川選手が1R目に右フックで吹っ飛ぶダウンを奪われ、このダウンポイントを挽回しきれず星野選手に判定負け。

星野選手がダウンを奪った後、JBスポーツの陣営から「行かなくていい」という声が聞こえて来ましたが、あそこで一気に攻めずに最終ラウンドまでペースを保ったことも勝利を手繰り寄せた一つのキーになったと感じました。

一気に攻めて2R目から失速して細川選手にペースを奪われていたら逆転負けしていましたので。

9月27日(火)もファイター同士の一戦ながら、スピードとパワーで二葉選手が中林選手に勝り、3回にはダウンも奪う完勝でした。

が、二葉選手は最終ラウンドに足を引きずっており、怪我が少し気になりました。

ただ足が攣ったというだけだったら良いのですが。

二葉選手に怪我の心配がなく、決勝で星野選手と二葉選手が当たれば激しい試合になるでしょうね。

お互い激しいファイターですので。

決定力は星野選手、スピードと手数は二葉選手といったところでしょうか。

追記:西部・中日本新人王対抗戦観戦記

キッズボクサーの活躍が目覚ましいHKスポーツボクシングジム期待の進心輝選手が中日本の陶芸家ボクサー川合絢也選手と対戦。

進選手は線の細さを感じましたが、ボディワークが素晴らしく、上体の動きでひらりひらりと川合選手の攻撃を回避。

攻撃面でははっきりとした有効打は少ないものの、フリッカージャブを時折見せながら来たところに合わせてポイントをピックアップ。

川合選手は6年振りに復帰した昨年と比べると全体的に動きが良くなっていることが分かりましたが、進選手のボディワークにパンチは空を切ってやりにくそうでした。

西日本から勝ち上がった安村選手と進選手では同じ階級ながら体格差を感じます。技術レベルは五分としてもフィジカル面、攻撃面で安村選手が一歩リードでしょうか。

フリッカーの進選手と"リアル幕ノ内一歩"JBスポーツの星野凌選手が対戦したら面白いカードになるのですが。

追記:東日本新人王決勝観戦記

二葉恒輝選手星野凌選手によるファイター同士の一戦。

五分の展開も二葉選手が右アッパーを効果的に使い序盤はリードする。

右アッパーで下を意識させて右フックをヒットさせ、要所で足も使い、引き出しの多さで1,2Rは二葉選手が優勢。ただ星野選手も力強いフックを当てておりまだまだわからない展開。

3R目も二葉選手のアッパーは効果的でしたが、接近戦からの離れ際、一瞬の隙を見せた二葉選手に星野選手の左フックが当たりグロッキー状態に。

ここで星野選手が一気にまとめ、二葉選手が下を向いて反撃出来なくなったところでレフェリーストップ。

星野選手は下半身が強く全くペースが落ちていなかったので、遅かれ早かれどこかで捕まえていたように見えました。

二葉選手は右アッパーを使い上手さを見せましたが、徐々に体力を削られ苦しい展開になっていきました。

追記:西軍代表決定戦結果

西日本新人王の安村綺麗選手が西部日本新人王の進心輝選手に偏差で勝利。

安村選手は突出したものはありませんが接戦になっても勝ち切る力があり、どんなスタイルの選手相手にも対応する能力が秀でています。

全日本決定戦で争う東日本の星野選手が仕掛けてくる接近戦に対し、安村選手が応戦するのか、離れた距離で戦うのか、どちらの戦法を取ってくるのか興味があります。

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