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【亀田路線の否定?】TBプロモーションの本物のボクシングが目指す路線と勝算は?

torajiro

ボクシングファン歴25年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。

こんにちはtorajiroです。

元WBO世界スーパーフェザー級王者伊藤雅雪氏がTBプロモーション(TREASURE BOXING PROMOTION)を設立し、第一弾興行(メインはカシメロVS赤穂)が韓国で開催されることが発表されました。

会見の場で伊藤氏は「本物のボクシング」という言葉を何度も使っていました。

果たしてこの「本物のボクシング」とは一体何を意味するのか、どういう路線を目指しているのか、伊藤氏の発言をもとに考察してみたいと思います。

本物のボクシングではないものとは何か?

まず、会見の中で伊藤氏が本物のボクシングを目指す上でTBプロモーションの方針に沿わないものとして挙げられたものは以下。

「色物。」

「エンタメで魅せる。」

「エンタメで集客する。」

例えばドラゴンボールのキャラクターに扮したボクサー(1人しかいないか、、)が入場で話題を集め集客し、ド派手なKOで倒される(ごめんなさい)。

これは完全にTBプロモーションが目指す路線には反します。

エンタメファイトやエキシビジョンはTBプロモーションには組み込まない要素。

入場や試合前の煽り、ボクシング以外のエンタメ要素に投資して集客する手法は取らないのがTBプロモーションのスタンスです。

本物のボクシングとは何か?

前述の本物ではないもの、TBプロモーションがやらないものを踏まえた上での本物のボクシングとは何か。

「本物のボクシングを追い求めて行きたい。」

「色物ではなく本物のプロ。」

「エンタメで魅せる事は出来るが本物で。」

と何度も本物という言葉を使っていましたが、では一体何が本物のボクシングなのか?

この問いに対して「これが本物のボクシングだ!」という言葉は少なくとも会見動画では聞かれなかったように思います。

会見の中で「これが本物のボクシングだ!」という明確な定義付けはなかったですが、

競技性の中で注目度を高めていきたい。」

「格みたいなものを見せていきたい。」

という発言がありました。

面白いキャラクターで人気を集めたり、試合前の煽りや入場で盛り上げるのではなく、あくまでボクシングそのもので注目度を高めたい。

それが伊藤氏の考える「本物のボクシング」という言葉に込めた想いと考えられます。

「実力があり、ボクシングそのもので観客を沸かせられるような選手をプロモートし、そうした選手にスポットが当たるような興行を作っていくこと」がTBプロモーションの目指すところではないでしょうか。

TBプロモーションはいかにマネタイズしていくのか?

「キャラ、話題性で客を呼べる選手ではなく、実力と試合内容で客を呼べる選手を揃え、結果を出す選手を評価していきたい。」

これが出来れば苦労はないですし、エンタメ路線と時に揶揄される亀田興毅ファウンダーの3150FIGHTが目指す最終地点もそこです。

でもそれでは新規のボクシングファンが開拓出来ないからエンタメ要素を取り入れているのが3150FIGHT。

TBプロモーションは新規のボクシングファン開拓の道を捨ててどうやってマネタイズしていくのでしょうか?

その答えは第一弾の興行が韓国開催であるという点にあると思います。

第一弾の興行は韓国最大のカジノを持つパラダイスシティーというホテルと提携し、ここからの協賛金をファイトマネーに充てているようです。

海外資本と手を組んで、海外で興行を行い、海外での評価を高めていく。

TBプロモーションのマネタイズ手法はここにあると見ています。

円安に経済停滞で日本国内の予算は限られますが、海外資本と手を組めば使えるお金も変わってくるし、海外には日本の何十倍、何百倍のボクシングファンがいます。

エンタメ要素で新規のボクシングファンを開拓せずとも、海外に目を向ければ高いレベルの良い試合を見せればそこを評価して視聴するファンがたくさんいるのです。

国内の市場を狙うか、海外市場を狙うか、どちらから攻めていくかの違いが3150FIGHTの路線とTBプロモーションの路線の違いでしょう。

決して3150FIGHTの路線を否定しているのではなく、最初に狙う市場が違うというだけの話です。

いかにして海外市場で評価を勝ち取るか

海外市場は日本と比べれば遥かに大きいですが、海外で存在を認知されることは容易ではありません。

グローバル化した、日本語の要素を排除した興行を提供し、その中に日本人選手が含まれているという状況にしていかないと海外では中々振り向いてもらえないと思います。

日本人のYouTuberでJunya.じゅんやという方がおりますが、この方のYouTubeチャンネルは言葉は最小限の英語に限り、日本語要素は一切排除したお馬鹿なショート動画が海外でウケ、ヒカキンの遥か上をゆく1,800万人以上のチャンネル登録者を有しています。

同じ手法でSagawa/さがわさんもチャンネル登録者数でヒカキンさんを抜き、最近ではISSEI/いっせいさんもチャンネル登録者を大幅に増やしています。

ジャンルは違えどTBプロモーションもこうした思い切った舵取りをしないと世界の中で埋もれてしまうでしょう。

まとめ

世界に目を向ければ日本とは比べものにならない規模の資本もあるし、ボクシングファンもいます。

ですがその分競争も激しく、日本国内では通用した成功法則も通用しません。

「海外資本と提携し、海外で行った興行が日本人目線で現地で全然集客出来ず、視聴数も伸びませんでした。」

となる可能性はとても高いリスキーな勝負だと思っています。

「本物のボクシング」という概念自体が海外で受け入れられるのかどうかすら未知数です。

ある程度勝ち方の分かった国内市場拡大から始め、軸足は日本に置きながら徐々に海外市場の開拓に動き出している3150FIGHTの堅実な歩みと比較すると、TBプロモーションの路線は非常にリスキーで、一歩間違えれば国内のコアなボクシングファンだけに受け入れられる興行に終わってしまう可能性もあります。

理想とするところは本当に素晴らしいですが、今のところ自分には勝算が見えません。

と書くと否定的に見えてしまうかも知れませんが、だからこそ今後が楽しみです。

勝つのが分かっている試合を見ても楽しくないですし、伊藤氏は非常にクレバーな方。

この先きっと予想もしなかった仕掛けが待っていると思います。

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