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吉野修一郎 VS 中谷正義の勝敗予想・結果〜共通の対戦相手から実力比較

torajiro

ボクシングファン歴25年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。

こんにちは torajiroです。

ボクシングファン注目の日本人ライト級頂上決戦吉野修一郎 VS 中谷正義の一戦を両者の特徴や過去の共通の対戦相手との試合内容から勝敗予想。

試合後に観戦記を追記します。

吉野修一郎選手の戦績・特徴

吉野選手の戦績は15戦15勝(11KO)のパーフェクトレコード。

B級デビューのプロ3戦目から日本ランカー戦というハードなマッチメイクの中でこの戦績を残しています。

アマチュアでの戦績は124戦104勝(55RSC)20敗。

特に注目なのはアマチュアでの55RSC(プロで言うところのTKO)。

アマチュアの大きなグローブ、しかも3分3Rで勝ち星の半分以上がRSCは驚異的。

吉野選手はややスロースターターな傾向はありますが、骨からして太そうな頑丈な体、硬質なハードパンチに加えてアマチュア仕込みのテクニックもあり、国内では無敵の強さを誇っています。

かねてから海外で挑戦したいという希望は持ちつつも、コロナ禍で海外進出の道も途絶え、一歩先に飛び出す機会のなかった吉野選手にとって、中谷選手との一戦はモチベーションの面でもかなり高いと思われます。

中谷正義選手の戦績・特徴

中谷選手の戦績は22戦20勝(14KO)2敗(1KO)。

2敗はしていますが、この2敗はワシル・ロマチェンコ、テオフィモ・ロペスの世界的なトップ選手に喫したもの。

更に中谷選手の1KO勝利には世界上位ランカーのフェリックス・ベルデホ選手に土をつけた勝利もあります。

世界レベルの強豪との対戦経験という面では中谷選手が一歩上を行きます。

さすが帝拳プロモーション。

アマチュアでの戦績は60戦45勝(30RSC)15敗。

こちらもRSC率で言えば吉野選手を上回っています。

中谷選手は長いリーチを活かした遠心力のあるパンチとやや荒々しさを感じさせる攻撃に怖さがあります。まだ駆け出しの頃ですが、土屋修平選手をKOした時の左ボディには戦慄が走りました。

攻撃重視のスタイルなので右をもらってアゴが跳ね上がる場面も度々ありますが、圧倒的な攻撃力でディフェンスの穴をカバーしています。

両者の共通の対戦相手

吉野選手、中谷選手両者に共通する対戦相手としてまず思い浮かぶのが元日本・OPBFライト級チャンピオンの加藤善孝選手。

中谷選手は加藤選手に勝利してOPBFチャンピオンとなり、吉野選手はプロ4戦目で加藤選手に勝利して評価を大きく上げました。

中谷選手が加藤選手と対戦したのは2014年。

判定は2対0でしたが2者が4ポイント差をつけた明確な判定勝利でした。加藤選手は中谷選手のリーチとスピード、手数に後手に回ってしまう場面が多く、持ち味を出せなかったものの、右をヒットさせて中谷選手の腰を落とす場面も作っていました。

吉野選手が加藤選手と対戦したのは2017年。

判定は3対0で吉野選手が2〜8ポイント差をつけての勝利。

この試合は加藤選手も後手に回らず持ち味を発揮しましたが、総合力で上回られた結果となりました。

加藤善孝選手を軸に見ると、両者の実力は五分五分。

続いて吉野選手、中谷選手双方共に序盤に劣勢を強いられた冨岡樹選手。

中谷選手が対戦したのは2018年。

4Rまでの途中採点は2対1で冨岡選手がリードしていましたが、中盤以降は中谷選手のペースで危なげない展開のまま11RにTKO勝利。序盤は冨岡選手のスピードに手を焼きましたが中盤以降は盤石。

吉野選手が冨岡選手と対戦したのは2020年。

こちらは序盤に吉野選手が冨岡選手の打ち下ろしの右でダウンを喫する場面も。5Rの途中採点は三者三様のイーブンでしたが、ダメージは吉野選手の方が与えていました。

そして中盤以降は危なげない内容で8RTKO勝利。

ということで冨岡樹選手を軸に見ても両者の実力は五分五分。

加藤選手のようなどっしりしたファイター相手でも冨岡選手のような足を使う選手相手でも、どっちで比較しても大きな差は感じられません。

勝敗予想

戦績で見ても過去の対戦相手で比較しても五分五分の両者。

強豪との対戦経験という面で中谷選手が上回る、程度の差しかありません。

中谷選手は右をもらって顎が跳ね上がる場面があるので、その点を考慮すると吉野選手が勝ちそうにも見えますが、吉野選手も冨岡選手の打ち下ろしの右をもらってダウンした経験があります。

どの切り口で見ても差のない両者。

本当に予想が難しいですが、自分は最終的に吉野選手が後半にかけて追い上げての判定勝利を予想します。

吉野選手にとって中谷選手のスタイルは決して得意なタイプではないと思いますし、序盤は遠い間合いから先手を取られてしまうとは思います。

が、中谷選手は右を思いっきりもらうところがあるので、吉野選手の硬質な右をモロにもらったら終盤に失速するか、失速せずとも見栄えでポイントが流れていくのではないかと予想しています。

穴の少なさで吉野選手が勝利する確率がやや高いと最終的に予想しました。

ちなみにボクシンモバイルの勝敗予想は中谷選手の勝利予想が64%で吉野選手を上回っていましたが、果たして結果はどうなるか!?

試合結果

吉野選手と向かい合うと中谷選手が想像以上に大きい。

1R目は予想通り中谷選手がジャブから先制。右もストレートとアッパーと上手く使い分けて上々の立ち上がり。吉野選手も手数は少ないが距離の詰め方が上手い。

ハッキリ言ってどちらの立ち上がり想像以上。

2,3R目もポイントとしては中谷選手につけました。

中谷選手は日本で試合していた頃より体が強くなっていて、後半吉野選手が追い上げると思っていましたが、このパンチを受けていたら追い上げる前に吉野選手失速するのではないかと思うパンチの威力でした。

4R目になると吉野選手が距離をアジャストさせていき、飛び込む左で中谷選手の顔を跳ね上げる場面が見えて来ました。

戦前予想していたパンチのもらい方の差が徐々に出て来たように思うラウンドでした。

そして運命の5R目、ラウンド終盤にラッシュを見せる吉野選手。

まだ勝負を急ぐのは早いのではと思いましたが、このラッシュの中でロープ側で右を打ち抜きダウンを先取。

ダウンを取られた中谷選手は6R目、下がらずに一気に勝負に出て激しい打ち合いに。

ここで吉野選手も下がらず迎え討ち、最終的に吉野選手が打ち勝ち2度目のダウンを奪い、帝拳陣営が棄権の意思表示により吉野選手のTKO勝利。

試合後の感想

結果的に吉野選手の勝利という予想は当たりましたが、中谷選手のパンチ力は想像以上でした。

そして吉野選手の距離の詰め方も想像以上。

両者共に自分の予想を超える仕上がりでしたが、最後はガードの差が勝敗を分ける結果となりました。

あくまで結果論ですが。

吉野選手はガードも硬く頑丈。そしてパンチも強い。

世界の上位ランカー達と戦ってもフィジカルで負けない事は証明出来たと思います。

何とか時間を空けずに世界の強豪と戦うところが見てみたいです。

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