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2025年全日本新人王決定戦|各階級の見どころ・勝敗予想

torajiro

ボクシングファン歴28年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴3年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。Xも投稿していますのでフォローいただけると嬉しいです。

2025年の新人王トーナメントも残すところ全日本決定戦のみ。

毎年のことながら今年も豊作で未来のチャンピオン候補たちが東軍と西軍に分かれて頂点を争います。

全日本決定戦をより一層楽しめるよう、各階級の見どころと勝敗予想をまとめました。

これまでのトーナメントの動向については新人王カテゴリの記事をご参照ください。

試合はU-NEXTで2025年12月20日(土)14:00から配信されます↓

全日本新人王決定戦各階級の見どころ・勝敗予想

ミニマム級決定5回戦 京屋勇気(ワタナベ) VS辻 永久(KWORLD3)

東の暴君京屋勇気選手は2025年のトーナメントを2戦2勝2KOと圧倒的な強さを見せて勝ち上がる。

デビュー当初のガードを固めて強打を振り回すボクシングから驚異的なペースでボクシング技術を習得。

恵まれたフィジカルがスポンジのようにボクシングを吸収し、2回目の挑戦で全日本まで進出しました。

西軍代表の辻永久選手はアマチュア経験を経てプロ入りし、デビューから4戦4勝負けなし。

西軍代表決定戦は中日本のノンストップボクサー細川弦汰に2対1の判定でしたが、映像を見た自分の採点は49対46で辻選手。

細川選手は気負い過ぎたか距離が近くなりすぎて自慢の手数を活かせず、辻選手がスタミナ切れせず空間を作り的確にパンチを打ち込んでいました。

予想は非常に難しいカードですが、辻選手は西日本の決勝でやや脆さも見せたのでこの試合は京屋選手の勝利を予想します。

フィジカルが強くパンチもある京屋選手が中に入り込めるか、辻選手が距離を作って中間距離で戦えるか。

Lフライ級決定5回戦 加藤准也(三谷大和) VS 長島明澄(石田)

東軍代表の加藤准也選手はアマチュアキャリアのある長身サウスポー。

デビューからの3戦はややプロの距離感にアジャストしていなかったが、4戦目でその実力が開花。

長くそして切れ味の良い左を次々決めてフルマークに近い完勝で全日本の舞台に進出。

(この左に注目)

石田ジムの長島明澄選手はアマチュアキャリアはないものの、基本に忠実でバランスが良く、どんなボクサーにも対応できる万能型。

見た目の派手さはないが反応も非常に良くて穴がない。

ただ、加藤選手の遠い間合いに入り込むことが出来るかどうか。

東の決勝での加藤選手のパフォーマンスを生で見てしまった身としてはこの勝負は加藤選手の勝利と予想します。

長島選手のポテンシャルは今大会出場選手の中でも1,2を争う。

今からチェックしておいて損はない選手です。

フライ級決定5回戦 鈴木丈太朗(帝拳) VS 橋本 陸(Gツダ)

このブログでも圧倒的優勝候補と紹介してきた東軍代表の鈴木丈太朗選手。

東日本の決勝では芸術的なボクシングで國田虎之朗選手を圧倒。

あまりの強さに3賞は逃しましたが、3賞に匹敵するかそれ以上のパフォーマンスでした。

西軍代表の橋本陸選手は安定感がありA級ボクサーのような風格が漂う選手。

一定のペースを保ってミスは侵さず戦う選手だが、鈴木丈太朗選手と比較するとややスピード、フットワークで劣るか。

ペース争いで鈴木丈太朗選手が上回りポイントを掌握すると予想します。

Sフライ級決定5回戦 布袋聖侑(大橋) VS 松尾タンク拓海(真正)

大橋ジムの激闘ボクサー布袋聖侑選手はキャリア初期は打ち気にはやる傾向があったものの、試合を重ね課題を克服。

フィジカル面でも成長しており、練習量の多さを感じさせる。

強いハートとハードな練習で成長を続ける布袋選手。

だがしかし、西軍代表の松尾タンク選手は強い。

腰がしっかりと入った理想的な体の使い方が出来る逸材です。

布袋選手の熱いボクシングに心打たれる想いはありますが、タンク松尾のボディワークが上回ると予想します。

激闘王布袋が乱打戦に持ち込んで手数で勝る展開も予想されます。

バンタム級決定5回戦 菅谷翔太(KG大和) VS 光富 元(六島)

東軍代表のソリッドパンチャー菅谷翔太選手は切れのあるダイナミックなパンチが魅力的。

その魅力は8戦6勝(5KO)1敗1分というKO率の高さにも現れています。

西軍代表の光富選手は西軍代表決定戦でパーフェクトレコードの手島和樹選手を鮮やかに倒してこの舞台へ。

手島選手が相打ち覚悟のラフなボクシングで攻めたところにカウンターを決めたのかと思っていましたが、試合映像を見ると手島選手も丁寧に攻めており、その丁寧に攻める手島選手に光富選手は技ありの一撃を決めておりました。

ボディで下を意識させての右ショートは見事でした。

ダイナミックな一方で隙も生まれる菅谷選手に対し、正確なパンチを持つ光富選手。

この試合は光富選手の勝利を予想します。

Sバンタム級決定5回戦 八谷洋平(RK蒲田) VS 市原 涼(黒潮)

東軍代表の倒し屋オールドルーキー八谷洋平選手は御年36歳の最長老。

しかしそのパンチを侮るなかれ、10戦7勝(5KO)2敗1分と高いKO率を誇り、判定になった試合や敗れた試合でもダウンシーンを演出していました。

パンチに加え足も良く動く奇跡の36歳です。

しかし今回は相手が悪い。

黒潮タイフーン市原涼選手は高知から突如として現れた突然変異。

7戦7勝(7KO)のパーフェクトレコードから、パンチ力に目が向きがちですが、総合力がとっても高い。

攻撃もディフェンスもフットワークも全ての点数が高い。

「八谷選手が勝機を見出すとしたらここ!!」というポイントはあるものの、市原選手の優位はゆるぎない。

相性面で、もしかしたら八谷選手のボクシングが市原選手にはハマるのではという予感もあります。

フェザー級決定5回戦 謝花海光(M.T) VS 豊永太我(Woz)

東軍代表謝花海光選手は東日本の決勝で亀田昇吾選手とのハイレベルな攻防を制して全日本の舞台へ。

前戦はヤンチャな亀田選手の猛攻に終盤大ピンチはあったものの乗り越えた。

西軍代表の豊永太我選手は体が柔らかく良く伸びるパンチと緩急が相手からしたらやりづらそう。

ピンチを迎える場面も多かったが、大事なところで踏ん張り勝ち切る強さがある。

自力でみると技術もスピードも謝花選手が上回ると予想します。

攻撃のテンポはやや謝花選手の方が速いので、その差が出るのではないだろうか。

Sフェザー級決定5回戦 保谷勇次(三迫) VS ラーメン高橋(KWORLD3)

予想が非常に難しい対戦カード。

東軍代表の保谷勇次選手は一発一発どっしりとしたパンチにディフェンスも良く、サウスポーとの対戦経験も多い。

KO率は低いがパンチは重たく、パンチ力がないわけではない。

西軍代表のラーメン高橋選手は超独特なサウスポー。

変則的な前の手の使い方から、一気に踏み込んでの左ストレートで対戦相手を倒してきました。

両者の試合映像を見る限りだと、ボクサーとしてのレベルが高いのは保谷勇次選手だと思うのだが、この試合はどこか相性の悪さを感じる。

保谷勇次選手唯一の黒星は”背水のアグレッシブガイ”こと宮田ジムの橋場大樹選手。

橋場選手のアグレッシブで独特な間合いからの踏み込みとラーメン高橋選手のボクシングはどこか被るものがある。

動きにややどっしり感のある保谷選手にラーメン高橋選手が一歩早く距離を詰めて左をねじ込むかも。

ということでこの試合はラーメン高橋選手の勝利と予想します。

(うーん、、総合力では保谷選手な気はするが。)

ライト級決定5回戦 出畑力太郎(マナベ) VS 守屋龍之介(KWORLD3)

東軍MVP驚異の18歳出畑力太郎選手の最も怖いところはその冷静さ。

表情を変えず冷静に相手の動きを見極めながら5戦5勝(4KO)で決定戦の舞台へ。

東の決勝では怒涛のラッシュで無尽蔵のスタミナを証明し、準決勝ではディフェンス能力の高さも証明。

何をやっても強い18歳に隙は無い。

西軍代表の守屋龍之介選手は下半身が柔らかく、被弾もするが打ち合いに強いボクサーファイター。

良いパンチをもらってもダメージを吸収し、激しい打ち合いでスタミナをロスしてもインターバルで回復してくるゾンビ的要素あり。

守屋選手がどこまで食い下がれるか楽しみですが勝利予想は出畑力太郎選手。

Sライト級決定5回戦 落合昭斗(一力) VS 島田ネン(とよはし)

マッチョな強いフィジカルで相手が嫌がるラフさも見せる東軍代表の落合昭斗選手。

ガードが低い故にトーナメント前は優勝は難しいと見ていましたが、想像以上のやりづらさで相手のボクシングを封じてきました。

西軍代表の島田ネン選手は高い身体能力を持つ中日本の逸材。

順調に育てばタイトル戦線に絡む選手になってくると思います。

5Rのペース配分は気になるが、島田選手が爆発力を活かして落合選手を仕留めると予想します。

が、落合選手は遠い間合いから右を刺したりごりごりフィジカルで押して相手のスタミナを消耗させたり、そういうボクシングで島田選手を削っていく可能性も。

ウェルター級決定5回戦 石井竜虎(渡嘉敷) VS 福本永遠(真正)

3年振りに帰ってきた東軍代表石井竜虎選手は再起後3戦全て1R決着。

一撃のパンチ力は日本ボクシング界屈指。

西軍代表の福本永遠選手はジャブから冷静に上下に打ち分け着実にダメージを与えていくタイプ。

勝敗予想は石井竜虎選手ですが、もしも石井竜虎選手が強引に倒しにかかったら危ない予感も。

石井選手が強引に倒しに来た場合、福本選手が振り回さずインサイドを突いてカウンターを決める展開もあり得ます。

ディフェンスの良さと冷静さを持つ福本選手なので石井竜虎サイドとしては決して攻め急がず。

ミドル級決定5回戦 佐々木 革(八王子中屋) VS テイラー 海(本田F)

東軍代表の佐々木革選手は6戦6勝(3KO)で次戦が7戦目。

国内でしか試合をしていないのにポーランド、フランス、米国と外国人選手との対戦が多く次はイギリス出身のテイラー海選手。

この多国籍感はミドル級ならでは。

兄の佐々木尽選手とは違い一戦超えちゃったイカれた感じはなく、攻撃的ながら冷静でリスクは侵さない。

無鉄砲なお兄ちゃんを見て育った弟あるある。

デビュー当初はミドル級にしては小さいと感じたが、数々のミドル級ファイター達の強打もしっかりと受け止めるフィジカルの強さをプロ6戦で証明しました。体幹がとっても強い。

西軍代表のテイラー海選手は西日本の藤原勇生選手を破って決定戦の舞台へ。

総合力が高くミドル級の中では足も使えて個人的に評価の高かった藤原選手相手にダウンを奪われるも、それ以外のラウンドは全て取って3対0の判定勝利。

ジャブがとっても上手いのがテイラー選手の特徴ですが、藤原選手との試合は各ラウンド僅かな差で、どちらが勝っていてもおかしくない内容でした。

予想は安定感に加えて攻撃力も上がってきた佐々木革選手のKO勝利。

まとめ:全日本新人王決定戦は当日券あり+U-NEXTで生配信!!

以上、2025年ボクシング全日本新人王決定戦の見どころ・勝敗予想でした。

中谷潤人選手や矢吹正道選手、ユーリ阿久井選手といった今をときめくチャンピオン達もこの新人王トーナメントでキャリアを積み上げた選手達です。

亡くなられてしまいましたが坂間叶夢選手のようなスーパーホープが次々とこのトーナメントから登場しています。

新人王トーナメントを見ておけばこれからのボクシングをより一層楽しむことが出来ます。

全日本決定戦は2025年12月20日(土)14:00試合開始。

後楽園ホールでも当日券販売はあります。

ホールに行けない方もU-NEXTで生配信されますので是非この東軍と西軍がぶつかるホープたちの頂上決戦を堪能してください。

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