2024年8月24日(土)開催の3150×LUSHBOMU vol.1に出場する選手情報や試合の見どころ、その他3150LUSHBOMUを楽しむための周辺情報を紹介します。
選手情報・試合の見どころ
何よりまずは対戦カード毎の選手情報と試合の見どころです。
デビュー当初から観てきた選手が多数出てくるため熱量高め、情報量多めでお届けします。
重岡優大選手の対戦相手を始めとして外国人ボクサーも危険な選手が揃っています。
58.0kg契約4回戦 佐藤陽太(LUSH緑) VS 阿部樹(changes)
佐藤陽太選手はLUSH緑ジム所属の19歳サウスポー。
戦績は2戦2勝(1KO)で今のところ無敗。
サウスポースタイルで構えた姿はどことなくジム先輩の力石政法選手を彷彿とさせる。
LUSHBOMUには西田VSエマロド戦が行われたvol.3に登場し、3R TKOにて勝利。
キリッとした大きな目をしたイケメンボクサーです。
阿部樹選手は北海道のボクシング&フィットネスchangesジム所属の29歳。
ここまでの戦績は5戦2勝(1KO)1敗2分。
北海道出身の阿部選手は5戦目までは東京のシュウジムに所属していました。
6戦目のこの試合がchangesジム移籍初戦となります。
changesジムは戸高ジム、角海老宝石ボクシングジムで活躍したA級ボクサーの神崎宜紀氏がオープンしたまだ新しいジム。
選手は多くないのでサウスポーのスパーリングパートナー探しには苦労したかも知れません。
試合予想としては地方ジムの阿部選手はやや不利という見方になりますが、
阿部選手は自覚があるかどうかは分かりませんがサウスポーが得意。
デビュー戦で変則サウスポーの橋場大樹選手と対戦した際は177cmという長身からのノーモーションの右を駆使してやりづらい橋場選手を攻略しにかかっていました。
長身サウスポーの佐藤選手より更に大きい177cmの阿部選手。
しかも普段は佐藤選手より1階級上のSフェザー級を主戦場としています。
そしてサウスポーが得意。
阿部選手は侮れないです!!
Sライト級6回戦 宮川竜成(尼崎亀谷) VS シュアイ ウー(中国)
シュアイ ウー選手については7戦3勝(2KO)2敗2分という情報しかないので宮川選手の紹介中心に。
2023年Sライト級の西日本新人王で西軍代表の宮川竜成選手は3戦3勝(1KO)のサウスポー。
アマチュアでも23戦15勝6敗のキャリアを持っています。
全日本新人王決定戦は怪我で残念ながら棄権。
アマチュアでしっかり鍛えたバランスの取れたサウスポースタイルが宮川選手の特徴です。
3150 FIGHT SURVIVALvol.4でデビューした宮川選手はスピード感溢れるボクシングで圧倒。
デビュー2戦目はKWORLD3ジムのサモアこと檜皮田知也選手と対戦し、ダウン応酬の大激闘。
この試合は思わず腰が浮く熱い試合でした。
過去3戦全ての試合で対戦相手からダウンを奪っている宮川選手の切れ味鋭いパンチとフットワークに注目です。
サラリーマンボクサーという情報もあり、二足の草鞋で頑張っているようです。
リングの上での生き生きとした表情にも注目してください。
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60.0kg契約8回戦 伊集院 嵐(KWORLD3) VS ペン ファン(中国)
SFマキジムに所属していた頃からの3150FIGHT常連である伊集院嵐選手。
戦績は12戦7勝(3KO)3敗(1KO)2分で2022年の新人王西軍代表です。
伊集院選手は無観客で行われた3150ファイト vol.0からの参戦組で3150FIGHTを良く知る男。
伊集院選手の目には3150LUSHBOMUとなって趣向が変わる今回の興行はどの様に見えているのでしょうか。
元々下半身の力が強い上にフットワークもしっかり使うボクサーファイターですが、KWORLD3ジムに移籍して全体のレベルもアップ。
特にパンチの精度が上がっているように感じます。
伊集院選手はこの試合の後には11月10日のBENKEI FIGHT vol.3にて山名生竜選手との再戦が決定しており、負けられない1戦です。
中国からやってくるペン ファン選手は21戦10勝(5KO)8敗3分のキャリアを持つ選手で少々厄介な相手。
足はなく、パンチも手打ちで伸びてこないのですがハンドスピードは速くてスタミナ豊富。
足を使って中間距離で戦えば問題ないとは思いますが、8Rフルで打ち合ってくるので相手の土俵で打ち合ってしまったら面倒なことになるかも知れない。
伊集院選手にとっては噛み合う相手だが、普段通りに足もしっかり使いながら打ち合って完勝して欲しいところです。
ミドル級6回戦 佐々木る玖(KWORLD3) VS 大島光容 (尼崎亀谷)
今回で3度目の対戦となるアディオスこと佐々木る玖 VS 大島光容。
佐々木る玖選手の戦績は10戦7勝(3KO)1敗2分で現在日本Sウェルター級ユース王者のランキング7位。
大島光容選手の戦績は12戦6勝(3KO)5敗(3KO)1分でミドル級ランキング9位。
両者は2022年の西日本新人王トーナメントミドル級決勝で初めて対戦。
この時はパンチの力で大島選手が勝り、結果は引き分けも勝者扱いとなったのは大島選手でした。
実質敗北だったこの試合後、翌年の新人王トーナメントも予選敗退と低迷したアディオスはしかし、大島選手との再戦に2R TKOで勝利するとそこから一気にブレイク。
続くLUSH緑ジムの上村健太選手との1戦も下馬評圧倒的不利予想の中、2R TKOにて勝利。
更には日本Sウェルター級9位で元高校2冠の仲野 玲選手と争った日本ユースタイトルマッチにも2対0の判定で勝利。
大島選手との再戦以降一気に覚醒したアディオス。
一方の大島選手は3連敗と苦しんでいた中、2023年ミドル級全日本新人王の冨永一希選手に逆転KOで勝利してランキングをゲット。
こうしてアディオス VS 大島光容のラバーマッチが組まれることとなりました。
ここ数戦のアディオスの充実ぶりを見るとアディオス優位は揺るがないでしょう。
Sフライ級8回戦 ダンリック スマボン(比) VS 野上 翔(RK蒲田)
RK蒲田ジムの野上翔選手は3150エリートとして3150FIGHTでデビュー。
現在の戦績は3戦3勝(2KO)。
デビュー戦は鮮烈のKOで勝利し、3戦目で日本ユースのベルトを獲得しています。
オシャレで自信満々なオーラを出してどこかナルシスト。
それがまた自然体で上品さも漂うところが野上翔。
ボクシング界には中々いない貴重なキャラクターです。
3戦目で評価の高い富岡浩介選手に勝利してユースのベルトを獲得したことで実力も証明されました。
しかし今回対戦するダンリック スマボン選手はかなりの強敵。
スマボン選手の戦績は18戦13勝(9KO)4敗1分のオーソドックススタイル。
ランキングはOPBF Sフライ級12位。
現日本Sフライ級1位の重里侃太朗選手とも引き分けた経験のある実力者で、侮れない相手。
というか相当危険、、
あの健文トーレスが一大アップセットから再び日本のリングへ!!
私torajiroが現役バリバリでボクシングをやっていた当時、元世界王者ヘルマン・トーレス氏の息子で世界を嘱望されていたボクサーが健文トーレス選手でした。
しかし健文トーレス選手は2006年にバンタム級の日本タイトルマッチで三谷将之選手に敗れ、その後数戦した後リングから遠ざかりました。
健文トーレス選手はまだ10代でした。
そして健文トーレス選手は2009年にタクシー運転手を脅した強盗容疑で逮捕(この時21歳)。
当時は逮捕されるくらいならその才能を分けてくれと健文トーレス選手に嫉妬したものでした。
健文トーレス選手は年月を経て2016年に復帰するも2018年に再び職務質問しようとしたパトカーにワゴン車をぶつけて逮捕。
このままキャリアを終えたものと思っていましたが2023年にメキシコで再起。
そして2024年5月になんとWBOバンタム級ランキング1位のレイマート ガバリョ選手を1R TKOで下すという大アップセットをやってのけました。
この1戦によって一気に世界ランカーに復帰した健文トーレス選手が挑む相手はWBO Sフライ級1位のKJ カタラジャ選手。
1階級下の世界ランカーのためチャンスはあるかも知れませんが、カタラジャ選手の戦績は17戦17勝(13KO)の無敗。
この試合に勝利した先には田中恒成選手が持つWBOのベルトに挑戦するであろうカタラジャ選手にとっては絶対に落とせない一戦。
人間はそう簡単には変われない。
予想をすればカタラジャ選手が圧倒的に有利です。
ただ健文トーレス選手の才能は本当に輝いていました。
(あの輝きのまま世界に行って欲しかったなぁ。。)
48.6kg契約10回戦 重岡優大(ワタナベ) VS サミュエル サルバ(比)
今回3150LUSHBOMUに出場する選手の中で一番LUSHBOMUのノリに合わないのではないかと懸念するのがこの重岡優大選手。
硬派だし、ちょっと怖いし、純粋に強さのみを追求する男という印象の強い重岡優大選手がLUSHBOMUのミュージックにフィットするのか??
試合とは異なる点でも気になっているのが重岡優大選手です。
優大選手は前回の試合でメルビン ジェルサレム選手に敗れてWBCの王座から陥落。
優大選手は今回が再起戦になりますが、9戦8勝(5KO)1敗の戦績を持ち、階級離れした攻撃力を持っています。
攻撃力はめちゃくちゃ高い一方、ガードは低いので一発もらってしまうリスクもある。
再起戦の相手であるフィリピンのサミュエル サルバ選手の戦績は21戦20勝(13KO)1敗。
唯一の黒星は先日重岡銀次朗選手に勝利しIBF王者となったペドロ タデュラン選手に喫したもの。
オーソドックススタイルでスピードがあり、パンチを打つ際の力みもないのでパンチの繋ぎが良い。
回転力あるパンチで一気にまとめてこられたら危ない相手です。
再起戦でこの相手は大丈夫なのだろうか。
ランキング自体はWBO12位で格下ですが、相当苦戦すると予想しています。
IBF世界フェザー級挑戦者決定戦 レラト ドラミニ(南ア) VS 亀田和毅(TMK)
3150×LUSHBOMU vol.1のメインを飾るのはレラト ドラミニ選手と亀田和毅選手によるIBF王座挑戦者決定戦。
ドラミニ選手とは前回IBF2位決定戦という形で対戦し、僅差の判定で敗れています。
亀田和毅選手にとっては重要なリベンジマッチとなります。
IBFフェザー級はチャンピオンのルイス アルベルト ロペス選手がアンジェロ レオ選手に敗れて王座が交代したばかり。
相性的にロペス選手よりもレオ選手の方が亀田和毅選手にとっては与し易いという見方もあります。
僕もロペス選手の破天荒なスタイルはディフェンシブになりがちな亀田和毅選手にとっては相性は悪いと思っていました。
良い流れが来ている。
が、その前に肝心のドラミニ選手に勝たなければ行けません。
亀田史郎さんの指導を受けて攻撃型のスタイルに変化している聞きますが、果たして本番でその姿を見せることが出来るのか!?
前回の試合は仕掛けるのが異様に遅く敗れましたが、正直実力的には亀田和毅選手が上回っているように見えました。
スピードは五分かそれ以上に亀田和毅選手。
体のパワーははっきりと亀田和毅選手が上回っていました。
だから次は大丈夫。
という見方もあれば、
染み付いたスタイルは変えられない
という厳しい見方もあります。
以下の記事ではあえて厳しい見方に立って不安要素を指摘しておきましたが、なんとかこの試合をものにして世界挑戦につなげて欲しいと願っております。
3150×LUSHBOMU vol.1チケットは即日完売
3150FIGHT時代、東京開催の際はチケット販売面で苦戦していた3150FIGHT。
演出も派手で出場選手だって悪くなかったのですが、そもそもボクシング興行のチケットは売れないもの。
お客さんが埋まった会場でこの演出を堪能したかったなぁと、会場観戦の際は毎回そこが心残りでした。
しかし今回からチケットが売れまくる興行LUSHBOMUと合体。
その結果は、、、
チケット販売開始と同時に即日完売!!
売り出したと同時に速攻でチケットは売り切れてしまいました。
最大4,800人収容の大和アリーナですが、リングとライブステージを用意する関係でおそらく3,000人収容くらいには止めているのではないかと思っているのですが、にしてもあり得ない売れ行きです。
何故こんなにチケットが売れるのかは実際にLUSHBOMUを現地観戦したことで良く分かりました。
LUSHBOMUはシンプルなボクシング興行と違う、食と音楽とボクシングが融合したエンタメ空間でLUSHBOMU自体のファンも非常に多い。
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Travel TVがボクシング専門チャンネルを開設
LUSHBOMUの興行はこれまでTravel TVという独自メディアで配信されてきました。
3150FIGHTと合体したことで3150LUSHBOMUの興行は今後ABEMAで配信されます。
Travel TVの方はどうなるのかと言いますと、つい先日新たにボクシング専門チャンネルを立ち上げて第一回で中日本新人王決定戦の配信を行いました。
中日本のボクシング興行はsakanaチャンネルさんで多くの試合が配信されてきましたが、ここと上手く棲み分けながら広く中日本のボクシング興行を配信していけるようになることを期待します。
加えて選手のインタビュー動画等も充実してくると良いですね。
3150FIGHTとLUSHBOMUの融合は上手く行くのか?
2024年7月29日の3150FIGHTにおいて亀田興毅氏が3150FIGHTの消滅を宣言。
8月1日の関西コレクションの場において新たに3150FIGHTとLUSHBOMUが合体して3150×LUSHBOMUとして始動することが発表されました。
異なる2つの企業の合併は果たして上手く行くのでしょうか??
今のところ3150FIGHTとLUSHBOMUそれぞれのサイトが並行して動いており、まだ一つには統一されていません。
SNSアカウントも元々3150FIGHTだったアカウントと、LUSHBOMUだったアカウントがそれぞれ3150×LUSHBOMUにアカウント名を変えて動いているという状態です。
当面は完全に一つにまとめるのではなく、並行させていく中でそれぞれの固定ファンを取りこぼさないようにという戦略だと思いますが、どこかのタイミングでは一つにまとめる必要があるでしょう。
3150FIGHTがプロモートしてきた選手達と、LUSHBOMUがプロモートしてきた選手達も今のところはまだ毛色の違いを感じる面はあります。
が、3150FIGHTとLUSHBOMUは理念も良く似ており、それぞれが足りない部分を補い合える最高のパートナーだと感じています。
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まとめ
以上、3150×LUSHBOMU vol.1に出場する選手情報、試合の見どころ、そして興行としての注目ポイントを紹介しました。
各選手の試合結果だけでなく、興行としての今後のアクションにも注意が向くところは新たなボクシング興行ならではと言えるでしょう。
新たなボクシング興行という枠組みではTBプロモーションも苦労している様子が見て取れますが、伝統が重んじられ、興行としての新たな動きはこれまで殆どなかったのが日本のボクシング界の特徴です。
新規参入に対してはコアなボクシングファンも両手を上げて歓迎というよりは手厳しい意見が出がちです。
伝統ある世界特有の排他的な側面があることは否定できません。
3150×LUSHBOMUに拒絶反応があるボクシングファンの方は無理に入っていこうとせず、配信で程々の距離感で楽しんでみれば良いと思います。
- 新しいもの好きな方
- 既存の枠組みに飽きてきた方
- 特にこだわりのない方
- これからボクシングを観てみたいと思った方
そういった方は是非3150×LUSHBOMUの会場に足を運んでみてください。