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群雄割拠ミニマム級のトップ戦線と注目新鋭ボクサーランキング

torajiro

ボクシングファン歴27年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。Xも投稿していますのでフォローいただけると嬉しいです。

2025年の日本ボクシング界はミニマム級が熱い!!

2022年の全日本新人王を圧倒的破壊力で制した大橋ジムの石井武志選手が2024年9月にOPBF東洋太平洋のタイトルを獲得。

2023年、2024年の新人王トーナメントでも次々と将来有望な新鋭が現れ、群雄割拠の様相を呈してきたミニマム級。

世界的にも選手が少なく世界が近いと言われるこの階級ですが、今日本国内がとても熱くなってきている。

この記事では2025年現在の日本ミニマム級トップ戦線の状況をおさらいした上で、次代を担う新鋭ボクサー達を紹介します。

重岡兄弟が先頭を走るミニマム級トップ戦線

ではまずはサラッと現在の日本ミニマム級トップ戦線を牽引する選手を紹介します。

重岡兄弟は兄弟で王座返り咲きを目指すが、、

現在ミニマム級を代表するボクサーで真っ先に名前が挙がるのは重岡優大・銀次朗の重岡兄弟。

2024年は兄弟揃って世界王者から陥落する厳しい年になりましたが、敗北を経て更に強くなり2025年の間には再び世界王座に返り咲く可能性は十分。

3150×LUSHBOMUが必ず世界再挑戦のチャンスを作るでしょう。

メルビン ジェルサエム選手へのリベンジに失敗した優大選手は再びミニマムでトップを目指すか階級を上げるか??

銀次朗選手は2025年5月24日の3150×LUSHBOMUでペドロ タドゥラン選手へのリベンジマッチへ挑むがスプリットデシジョンで惜しくもリベンジならず。

試合後に緊急開頭手術を行った銀次朗選手。

今はまだ何も申し上げることが出来ません。とにかく無事を祈ります。

小林豪己VS高田勇仁の頂上決戦は高田に軍配

この二人の後を追随するのが真正ジムの剛腕小林豪己選手とライオンズジムの高田勇仁選手。

2025年1月24日(金)の井上尚弥VSキムのアンダーカードで小林選手は高田勇仁選手の挑戦を受け、2対1の判定で敗北。

高田選手は日本ミニマム級の王座を4度防衛し、満を辞しての小林選手へのアタックでした。

まだまだ秘めた能力を感じる高田選手はこれで一気に世界に近づきました。

重岡兄弟に続き世界のチャンスが近いのは高田勇仁選手か。

これぞ芸術!帝拳ジムのサウスポー松本流星

もしかしたら小林選手、高田選手を差し置いて世界へと駆け上がる予感のするボクサーが帝拳ジムの松本流星選手。

プロでは僅か5戦もアマチュアで92戦77勝15敗の実績を持つサウスポー。

構えただけで強さが分かる芸術作品のようなボクシングで全てにおいて穴がない。

ロマチェンコのような芸術感あるボクシング。

そして手足も長く理想的なボクサー体型。

4戦目で日本ミニマム級タイトルを獲得し、初防衛戦でJBスポーツジムの岡田真虎選手の挑戦を圧巻のパフォーマンスで退けました。

(最強のチャンピオンが君臨するタイミングで挑戦するところがまた岡田選手らしいところ。)

実力的には既に世界王者クラスの松本選手なのであと2,3戦くらいで世界挑戦のチャンスを得るのではないでしょうか。

プロ6戦目もフィリピンのフィジカルモンスター、ジョン ケビン ヒメネス選手をまさかの4RにKOしてしまいました。

100%KO決着はないと予想していた試合でした。

重岡兄弟の3150と松本選手のTEIKENでプロモーター同士の勢力争いも注目のミニマム級トップ戦線です。

日本ミニマム級の次代を担う新鋭ボクサーランキング

ここからは次世代のチャンピオン、ランカー候補となる新鋭ボクサー達を紹介していきます。

ちょっとでも関心を持ってもらえたらとランキング形式にしていますが、これは完全な個人の主観によるものです。

ここで紹介する選手達がこれから潰し合い、勝ち上がった選手が世界への扉を開いていくことになるでしょう。

(※2025年の新人王トーナメントに出場中の選手はここでは紹介しておりません。)

5位 宮川晟 − 横浜光に移籍しフィジカルアップで進化の予感

升田ジムから横浜光ジムに移籍した2023年の西日本新人王ファイナリスト宮川晟選手。

スイッチヒッターで右に左にと攻防の中で目まぐるしくスイッチする姿が特徴的で観ていて楽しい選手です。

線の細さと攻撃特化型でディフェンス面の課題はありますが、現ランカーの宮澤蓮斗選手とも引き分けた過去があります。

注目の若手対決では2024年度の全日本新人王杉浦義選手に力負けするも、手数、運動量では負けず。

まだ19歳の宮川選手は横浜光ジムに移籍し、弱点となっていたディフェンス面の課題は克服しつつあります。

フィジカル面を強化すれば大化けする可能性を秘めています。

横浜光ジムはどういうトレーニングをしているのか不明ですが、キャリアの中で所属選手達のフィジカルが目立って強くなっている印象のあるジムなので将来性に期待。

4位 杉浦義 − 2024年の全日本新人王はイカれた壁人間

2024年の新人王トーナメントで全階級を通してもっとも印象に残ったボクサーがミニマム級を制した杉浦義選手。

眠たそうな風貌からは想像もつかないアグレッシブファイトで距離を詰めて接近戦を仕掛け、ノンストップで打ちまくる。

ラウンドが進んでも手数は衰えない所が勢いを増す一方。

笑顔で咆哮を上げながら打ちまくる完全にイカれたボクシングで全日本を制してしまいました。

トーナメントの過程ではアマチュアキャリアのあるボクサー達を打ち合いに巻き込んで退けていきました。

クリーンヒットをもらう場面もあるのだが、もらっても全く首が跳ね上がらず、ブロッキングしたかのようにすぐにリターンを返す。

有効打のはずが有効打にならないものだから対戦相手は心を折られます。

もらってもビクともしないその姿はまるで壁。

陸猿のニックネームもありますが、僕の中では壁でしかない。陸猿壁男。

杉浦選手は2023年の東日本新人王トーナメント決勝で敗れた北野武郎選手へのリベンジを目指しているが、8Rの戦いは北野選手からしたら嫌で嫌で仕方がないのではないか。

日本タイトルの10R、世界戦の12Rとラウンドが長くなればなるほど力を発揮するスタイルでしょう。

課題はディフェンス?パンチをもらっていないわけではないので、今のままクリーンヒットをもらっていたらこの先どこかでガクッと打たれ脆くなることがないとも言い切れない。

3位 北野武郎 − ユース王座そして世界ランカーも撃破!

2023年の全日本新人王ファイナリストで現日本ミニマム級ユース王者の北野武郎選手。

北野選手はフワッと優しいタッチのフットワークで華麗に動く姿が印象的。

綺麗なボクシングが魅力ですが1発当てた後で詰めきれない印象も特にデビュー当初は強かった。

大橋ジム所属というジムの力もあり、新人王後もコンスタントに試合が決ま流。

2024年9月に宮澤蓮斗選手が保持するユース王座に挑み僅差で勝利しました。

綺麗すぎるが故の詰めきれなさとフック系のパンチをややもらい気味なところはあるも、チャンスをものにして着実に成長中。

そして2025年3月31日に世界ランカーのジェイク アンパロ選手にアタックし、2度のダウンを奪うまさかの完勝。

新人王ボクサー達の出世頭となりつつある武郎ちゃんの今後に注目です。

2位 坂田一颯 − 2023年全日本新人王の抜群の切れ味

石井武志選手に続き2023年に全日本新人王となったS&Kジムの坂田一颯選手。

瞬間の動きが非常に速くディフェンス能力も高いところが坂田一颯選手の魅力。

坂田選手は地方ジム故に対戦相手がいないことが悩みの種。

2023年の新人王トーナメントでも対戦相手が立て続けに棄権する不遇に見舞われ、全日本新人王となった後もまだ1戦しか試合がない状態。

日本ミニマム級ランキングには名を連ねているがプロでは2025年5月時点で5戦のキャリアのみ。

2025年2月13日(木) に2024年の東日本新人王ファイナリスト遠藤龍匠選手と対戦予定も遠藤選手の体重超過により試合は中止。

過去にも何度も対戦相手の都合で試合が直前でキャンセルになっている坂田選手。

とにかく運がないのですが誰か坂田一颯選手にチャンスをください!!

1位 石井武志 − 新鋭達の先頭を走る剛腕

2022年の全日本新人王獲得後、2年でOPBF東洋太平洋のベルトを手にした石井武志選手。

新人王獲得から2年での王座獲得はスピード出世も、この間に持ち前のパワーに頼らぬ丁寧なボクシングに磨きをかけ、東洋太平洋のベルトはフルラウンド戦い抜いての獲得。

新人王獲得後は日本人ボクサーとの対戦機会なくここまで来ましたが、ベルトを獲得したことで日本人ボクサーの挑戦を受けるようになるでしょう。

新鋭ボクサー達の先頭を走り、自力をつけて世界ランクを上げて2年以内には世界挑戦のチャンスを手にするはず。

全日本新人王決定戦ではミニマム級ながらバンタム級やSバンタム級の選手と同等かそれ以上に破壊力のあるパンチ音を響かせていた。

次点その1 宮澤蓮斗 − 驚異の身体能力

松田ジム所属の宮澤蓮斗選手はアマチュアでのキャリアはないプロ叩き上げのボクサー。

アマチュアキャリア豊富なボクサー達のような綺麗さではなく、抜群の身体能力の高さが宮澤選手の魅力の一つ。

2022年の新人王トーナメントでは坂田一颯選手からダウンを奪って勝利を手にしています。

一気に距離を詰めて飛んでくる左右のフックは対戦相手にとっては驚異。

そして観戦している観客からしたら派手さがあって非常に面白い。

北野武郎戦では序盤にリードしていたものの後半に追い上げられて惜しくも敗れましたが勝ちでもおかしくない内容でした。

変則的な動きと身体能力の高さを感じるスピーディーな動きは観客の心を掴みます。

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大麻所持の疑いで逮捕されてしまったのが実に痛い(涙)。

リングに帰って来れるでしょうか。。

この大麻所持疑いに関しては嫌疑不十分で不起訴に。

よってJBCからの処分もなく2025年8月16日に世界ランク8位の選手とWBCユースのベルトを争います。

彼の身体能力なら勝ってくれるでしょう。

次点その2 遠藤龍匠 − 本領を発揮せず体重超過で終わってしまうのか??

2023年は北野武郎選手に、2024年は杉浦義選手に一歩及ばず新人王を逃した遠藤龍匠選手。

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エキシビジョンで同門の日本上位ランカー伊佐選手とスパーをした際は太い体幹と重たいパンチに驚きました。

ミニマム級が適正階級なのだろうかという懸念はあります。

高校アマでも活躍していた選手でパンチの繋ぎが良くコンビネーションが多彩。

耐久力の面が課題でもらった時の見栄えがやや悪い。

しかしこれは減量苦によるところもあるのではないかと伊佐選手とのスパーを見てからは感じています。

世界とかそういう舞台で輝く存在になるはずと注目している選手です。

次戦では上述の坂田一颯選手にアタック。

の予定が計量失敗で戦線離脱。

階級に無理があって蓄積した精神面の疲労もあったと思います。

しばらくボクシングから離れてまたやりたくなったら戻ってきたら良し。

別な人生を歩むも勿論良し!!自分を大事に生きて欲しい。

次点その3 火を吹けアッパー丸山勇人

2024年の全日本新人王決定戦に西軍代表として登場した丸山勇人選手。

機敏な動きからの回転力が魅力的でその中でも特に左右のアッパー、特に特に右アッパーが素晴らしい選手。

全日本新人王決定戦は杉浦義選手に押し切られて敗れましたが、綺麗にアッパーを決めている場面も多々あり、クリーンヒットで採点したら丸山選手の勝利でもおかしくない試合内容でした。

欲をいえば一発にもっと決定力があれば良いのかもしれませんが、それによってあのキビキビとした動きが損なわれるのもいけない。

今の方向性のまま全体の底上げをはかっていけば長いラウンドの戦いになればなるほど持ち味が活かされていくのではないでしょうか。

まとめ:選手層が一気に厚くなったミニマム級に注目

ミニマム級は選手層の薄い階級ではありますが、今回紹介したように将来性のある新鋭ボクサー達が次々に出てきています。

今回紹介した選手の他にも杉浦義選手をトーナメントで最も苦しめた京屋勇気選手、キックから転向した浅井麗斗選手も風格があって一気に伸びている選手達。

アマを制した荒竹一真選手も大橋ジムからデビューを予定しています(一気に世界へ駆け上がっていくでしょう)。

こうした新鋭ボクサー達の活躍でミニマム級の選手層は今後一気に厚くなっていく予感がします。

ミニマム級は世界を狙いやすい階級な一方でKOも少なくインパクトに欠けて人気が上がりづらい面もあります。

世界を獲っても上の階級のような話題性が生まれにくい階級です。

しかしここで取り上げたような新鋭ボクサー達がサバイバルマッチの中で生き残って次々と上位陣を脅かす存在になっていけば、ライバル関係も出来上がって世界の舞台も盛り上がっていくこと間違いなし。

torajiro

新井田豊、イーグル京和、高山勝成、八重樫東、井岡一翔といった日本所属のボクサー達にロマゴン襲来でミニマム級が盛り上がっていた時代がありました。

あの頃を超えるようなミニマム級ウォーズが幕を開ける予感がします。

大橋会長の力でミニマム級フェニックストーナメントが開催されることを願います!!

今回取り上げた選手に気になる方がいたら合わせてボクシングチケットドットコム様もチェックしてみてください。

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