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井上尚弥は何位?日本人歴代世界王者通算防衛回数TOP10

torajiro

ボクシングファン歴28年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴3年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。Xも投稿していますのでフォローいただけると嬉しいです。

ボクシングの世界王者にとって、チャンピオンになること以上に難しいと言われる「王座の防衛」。

本記事では日本人歴代世界王者達が「世界戦で何度防衛に成功したか」に注目。

通算のタイトル防衛回数の多いトップ10選手をランキング形式で紹介します。

連続防衛記録ではなく通算の防衛回数になりますのでご注意ください。

今をときめくモンスター・井上尚弥は何位にランクインしているのか

データで振り返る、日本ボクシング界のレジェンドたちの姿をご覧ください。

日本ジム所属世界王者・防衛回数ランキングTOP10

第10位(9度防衛):亀田興毅・徳山昌守・(勇利アルバチャコフ)

10位は合計9度の防衛に成功した亀田興毅と徳山昌守。

日本人ボクサーではないですが日本ジム所属ボクサーとしては勇利アルバチャコフも9度の防衛に成功しています。

テレビ時代の恩恵を受けたマッチメイクで防衛を続けた亀田興毅氏ですが、フライ級に留まって王座を奪還し、防衛を続けていればまた違う評価をされていたかもしれません。

フライ級時代までの亀田興毅は間違いなく強かった。

徳山昌守氏は強すぎるが故のモチベーションの低下により引退。

今のように統一戦が行われ易い環境にいればもっと防衛回数を増やした可能性もあったでしょう。

時代が違えば今でいうところの寺地拳四朗選手のような立ち位置に君臨していたのでは。

今回は日本人ボクサーとしたのでランキング対象外ですが勇利アルバチャコフ氏も伝説の王者の1人。

「勇利アルバチャコフ」の名前はボクシングファンになる前の小学生だった頃のtorajiro少年も聞いたことがありました。

テレビでチラッと映った感情の全く読めない表情に恐怖を感じた思い出があります。

それくらいに時代を象徴する選手の一人でした。

当時は協栄ジムが旧ソ連圏からボクサーをスカウトして世界チャンピオンにする流れがありました。

キルギス人世界王者のオルズベック・ナザロフが活躍したのもこの時代。

時代を超えて再びキルギスに目が向いた3150×LUSHBOMU in キルギス興行は果たしてうまく行くでしょうか。

昨今の日本ボクシングにおけるプロモーターそれぞれの路線も中々面白くなっております。

第8位(10度防衛):長谷川穂積・渡辺二郎

同率第8位には10度の防衛で長谷川穂積と渡辺二郎がランクイン。

渡辺二郎氏はWBAとWBCの王座統一戦(統一後すぐWBA王座はく奪)のWBA王座を防衛とカウントすれば11度の通算防衛数になります。

リアルタイムで見ていた選手ではありませんがクレバーなボクシングで時代を一歩先行くボクサーでした。

1980年代に王座の統一戦を行っていることも時代の先を行く記録。

自分が知っている渡辺二郎氏は現役引退後のタレントとしてでしたが、その後は暴力団の世界へ。

島田紳助氏の芸能界引退のキーマンといった報道もありました。

長谷川穂積氏はバンタム級の王座を10度防衛し、迎えた11度目の防衛戦でWBO王者モンティエルとの統一戦に敗退。

優勢に試合を進めていただけに個人的ショックも大きく、この時は少々無気力状態が続きました。

あそこで我慢しないで一度ダウンしておけば、レフェリーがいきなりストップじゃなくてスタンディングダウンにしていれば。

そんなたらればを引きずった試合でしたが、あの試合があったからこそSバンタム級でのウーゴ・ルイス戦の劇的TKO勝利の感動があったものと思います。

バンタム級王者時代にリング上で抱き上げていた息子さんに最後リング上で抱っこされる姿にわが子の成長が重なって涙が止まりませんでした。

ボクシングの試合でこんなに泣くことはもうないだろうな。

第6位(11度防衛):ノックアウト・ダイナマイト内山高志

第6位はSフェザー級という日本人ボクサーにとって鬼門とされる階級において連続11度の防衛に成功した内山高志がランクイン。

現在はKODラボの会長に解説者としても活躍している内山氏。

細川バレンタイン氏との元ボクサーコンビ(俗称細川たかし)の掛け合いとツッコミの左ボディはボクシングファンを楽しませ、解説席では内藤大助氏の天然のボケに鋭いツッコミを入れて内藤さんを10倍輝かせている内山氏。

アマチュア時代からそのハードパンチにはファンも多く、ライト級の内山高志とウェルター級の平田直己のカリスマは凄かった。

自分もナマ高志の二の腕に興奮した人の一人。

就職を経て25歳でプロ入りした内山氏は連続KOで日本人ボクサーにとって挑戦することも困難なSフェザー級で世界王者になりました。

「ノックアウト・ダイナマイト」の異名通りのKOに次ぐKO、Sフェザー級で11度の防衛は突出した記録です。

井上尚弥選手を除けば歴代日本王者のパウンドフォーパウンドは内山高志氏だと思っています。

それくらいにこの階級での11度の防衛は凄いこと。

もっとこの記録は強調されて良いと思う。

第5位(12度防衛):ゴッドレフト山中慎介

「神の左」で知られるKOパンチャー山中慎介が12度の防衛で5位にランク。

防衛記録もさることながら、岩佐亮佑戦の歴史に残る日本バンタム級タイトルマッチは多くのファンの心に残っているでしょう。

あの1戦の試合展開はラウンド数の多いボクシングだからこそ描き出せるものでありました。

世界戦においてもトマス・ロハス戦の戦慄ノックアウトに”ゴースト”アンセルモ・モレノとの緊張感ある頂上決戦で一時代を築く。

山中氏とスパーリングをしたことのある友人も、どの王者よりも山中さんのパンチが断トツだったという話をしておりました。

キャリアの最後はドーピング騒動に体重超過のルイス・ネリに連敗して現役引退。

ファンの心に残った黒い塊を時を経て井上尚弥選手が払拭してくれました。

第4位(13度防衛):カンムリワシ具志堅用高

昭和のレジェンド、13度連続防衛は今も破られることのない輝かしい記録。

この記録があったからこそ、歴代の王者達もこの記録を超えようと気持ちを切らさずにトレーニングを続けられたのではないでしょうか。

当時の具志堅さんの試合を観ていると、この時代のボクシングファンは幸せ者だと思います。

ここまでやらすの?という恐怖もありますが、当時のボクシングに熱狂していたファンからしたら今のボクシングは少し刺激が足りないかも?

ストップの遅かった時代にLフライ級で23勝のうち15のノックアウトはパンチがあった証。

引退後も人気タレントとしてライト層の目をボクシングに向ける功労者として活躍を続けてきた具志堅さん。

おとぼけキャラで愛されていますが現役時代は震え上がるほど怖い存在だったようです。

第3位(16度防衛):寺地拳四朗

WBC世界Lフライ級の連続8度の防衛にLフライ級とフライ級の2階級で2団体の統一王者になったハイテンポボクサー寺地拳四朗。

具志堅氏の13連続防衛記録超えを期待されましたが、9度目の防衛戦で矢吹正道選手に敗北。

記録は途切れましたが矢吹戦の敗戦とその後のリベンジによって拳四朗選手の知名度と人気は飛躍的にアップしました。

余裕の笑顔で防衛を重ねる拳四朗選手に感情移入出来なかったり、不祥事騒動があったりで人気が地に落ちていた時もありました。

ここからの急カーブでビッグマッチの看板選手へと成長し、京口戦の圧巻のパフォーマンスにカニサレス戦の激闘、そしてユーリ阿久井戦での大逆転と試合内容でもファンを魅了し続けています。

次なる目標はSフライ級のベルトになるか!?

円熟期を迎えた拳四朗選手の今後に注目。

第2位(18度防衛):唯一無二の井岡一翔

4階級制覇に加え、18度の通算防衛は歴代2位。

ベルトを奪取した全階級において防衛に成功。

2011年に世界のベルトを巻いてから14年間世界のトップを走り続けた唯一無二の男、技巧を極めた男、井岡一翔。

飄々とした立ち振る舞いに若い頃のビッグマウス、そこに陣営の慎重なマッチメイクが重なって「ロマゴンから逃げた!」というアンチの批判にさらされる時代もあった井岡一翔選手。

試合を決めるのは選手ではないのにあらぬ批判の的に。

そこから一度引退し、海外に戦場を移してまで強敵との対戦を求めた井岡選手は、再び日本に帰ってきて4階級目のベルトを手にしました。

批判の声にさらされながらもその声を跳ね返してわが道を歩む井岡一翔選手の歩みに、元々は井岡ファンではなかった自分も気が付けば熱狂的なファンになっていました。

フェルナンド・マルティネス選手との2戦目でダウンを奪ったシーンでは絶叫してしまい、家族に怒られました。

もう一度Sフライ級で王座に返り咲いて欲しいと願います。

第1位(41度防衛):キングオブモンスター井上尚弥

圧倒的な差をつけての1位は41度防衛の井上尚弥。

試合数以上の防衛数に計算間違いとのツッコミが多々入りそうですが、

4団体統一の防衛戦は1戦で×4の防衛になるので計算するとこの結果になってしまいます。

  • WBC世界Lフライ級1度
  • WBO世界Sフライ級7度
  • WBA世界バンタム級8度
  • IBF世界バンタム級6度
  • WBC世界バンタム級1度
  • WBC世界Sバンタム級5度
  • WBO世界Sバンタム級5度
  • WBA世界Sバンタム級4度
  • IBF世界Sバンタム級4度

足し算間違っていなければ全部合わせると41度。

2026年に予定されている中谷潤人選手との東京ドームでのビッグマッチまで順調に防衛を続けた場合、この通算防衛記録は永遠に破られることのない記録になるかもしれません。

井上尚弥選手と同時代を生きられて幸せですが、この先きっとまた違った形で世界中を震撼させるボクサーは現れます。

近い未来で見ても中谷潤人がいます。

日本人ボクサーにとって鬼門とされてきたSバンタム級以上の階級。

Sバンタム級の壁は西岡利晃氏に続き、井上尚弥選手が超えてくれました。

この先きっとフェザー級でも無双してくれることでしょう。

そしてその先、Sフェザー級やライト級でも統一王者となるような日本人ボクサーがきっと現れます。

中谷潤人選手がSフェザーくらいまで上げてくるかもしれませんし、未来の話ですがアマで活躍する藤木勇我選手がプロ入りしたらライト級辺りで暴れまわってくれるかもしれません。

今後10年、おそらくその先も日本ボクシング界の春は続くでしょう。

防衛回数から見る「世界王者」の評価

複数階級制覇や統一王者と比べるとやや地味な王座の防衛回数。

しかし単にベルトを獲った回数ではなく、「何度も守った」ことは真の実力を証明する価値のある記録です。

1発勝負ではなく、様々なタイプの挑戦者に勝ち続けた証がこの防衛回数という記録。

ボクシングには相性がありますが、防衛し続ける選手は相性関係なくどんなタイプにも対応できる強さがないといけません。

そして勝っても慢心せず、モチベーションを切らすことなく、不断の努力を続ける必要があります。

世界のトップ戦線でベルトを奪うために1戦に賭けてくる挑戦者達を返り討ちし続ける日々。

想像するだけで心が疲れますね。。

まとめ:防衛記録は時代とともに塗り替えられていく

今回ランキング形式で載せた記録の中にはまだまだ現役で活躍する選手達も含まれています。

井上尚弥、井岡一翔、寺地拳四朗らはこの先も記録を更新していくでしょう。

中谷潤人選手は階級アップを続けてフェザー、Sフェザーまで上げるかもしれないので防衛記録自体はそんなに伸びないかも。

もしかしたら井上尚弥選手が階級を上げた後のSバンタム級で長期政権を築くかもしれませんが。

民放から配信サービスに移り、ビッグマッチも生まれやすくなったボクシング界。

この先もU-NEXTAmazonを中心に、LeminoABEMAも加わって大金が動くビジネスへと更に発展していくことを願ってやみません。

願わくば会場のチケットはもう少しリーズナブルにしていただきたいところですね(笑)。

この先この記録を脅かす王者は果たして現れるでしょうか??

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