ボクシングデータ 井上尚弥

データで見る井上尚弥が4団体統一した世界Sバンタム級の厚い壁

torajiro

ボクシングファン歴25年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。

こんにちはボクシングブロガーのtorajiroです。

2022年12月13日に井上尚弥選手が遂に前人未到のボクシングバンタム級世界4団体統一王者に!

そしてなんとその1年後、2023年12月26日にSバンタム級も4団体統一!!

いとも簡単にSバンタム級を制覇してしまいましたがこれは本当に本当に信じられないこと。

バンタム級とSバンタム級の体重差は1.8kg。

わずか1.8kgの差ながら、

Sバンタム級では多くの日本人ボクサーがその高い壁にぶつかり、この階級での活躍を阻まれてきました。

そこで今回はバンタム級と比較しつつ、Sバンタム級がいかに日本人ボクサーにとってハードルの高い階級であるかを紹介していきたいと思います。

バンタム級と比べ世界挑戦が難しいSバンタム級

以前ボクシング日本王者の各階級の、

  • 平均防衛回数
  • チャンピオンが王座を返上した数
  • 王座の平均在位期間

を算出して順位付けしたことがありました。

この調査をした時に最も驚いたのが、

バンタムとSバンタムで1階級しか変わらないのに順位が全く異なった点でした。

ボクシング日本王座階級別の平均防衛回数と王座返上数、平均在位期間との相関関係

日本バンタム級は
チャンピオンが防衛する回数が少なく、
王座を返上する数が多く、
王座の在位期間も短い。

日本王座を返上するという事は次のステップがあるという事。

つまりバンタム級は世界を目指すチャンスが比較的多い階級とも考えられます。

一方のSバンタム級は日本王座を返上せず防衛を続けるチャンピオンが多い傾向にありました。

バンタム級とは異なり、防衛を重ねながらチャンスを待つケースが多いという事は、

それだけSバンタム級は世界ランクを上げてチャンスを掴む事が難しい階級と考えられます。

バンタム級とSバンタム級の歴代日本人世界王者数比較

続いてバンタム級とSバンタム級とで、

歴代の日本人世界王者の数

を比較してみました。

暫定王者は除いて正規王者の数だけで比較しました。

すると意外な事に、

バンタム級もSバンタム級もどちらも歴代の世界王者の数は10名でした。

(※調査時点ではSバンタム級に井上尚弥選手は入っていません。バンタム級に井上拓真選手も入っていません。)

ここだけみると一見差はないようにも見えますね。

バンタム級とSバンタム級の歴代日本人世界王者防衛回数比較

では更に掘り下げて歴代日本人世界王者の防衛回数を比較してみると、以下の結果となりました。

バンタム級Sバンタム級
ファイティング原田(4)
新垣諭(1)
六車卓也(0)
辰吉丈一郎(2)
薬師寺保栄(4)
長谷川穂積(10)
亀田興毅(8)
山中慎介(12)
亀田和毅(3)
井上尚弥(6)
ロイヤル小林(0)
畑中清詞(0)
佐藤修(0)
西岡利晃(7)
李冽理(0)
下田昭文(0)
長谷川穂積(0)
小國以載(0)
久保隼(0)
岩佐亮佑(1)
暫定王者は除き、複数回チャンピオンになった選手は一番防衛回数が多かった時でカウント

この通り防衛回数で比較すると、

  • バンタム級は計50回の防衛
  • Sバンタム級は計8回の防衛

という圧倒的な差がつきました。

バンタム級では、

  • 長谷川穂積選手
  • 亀田興毅選手
  • 山中慎介選手
  • 井上尚弥選手

といった長期政権で防衛を続けた選手が複数いる一方、

Sバンタム級で防衛に成功したボクサーは、

  • 西岡利晃選手
  • 岩佐亮佑選手

のわずか2名。

更に複数回防衛を重ねた選手は西岡利晃選手のみという結果になりました。

わずか1.8kgの体重差ながら、バンタム級とSバンタム級とではこれほどまでに大きな差があります。

井上尚弥選手は驚くほどあっさりとSバンタム級の4団体を統一してしまいましたが、

歴代の日本人世界Sバンタム級の選手達は初防衛の大きな壁に阻まれ続けてきました。

世界ランカーは誰と戦っても強敵なSバンタム級。

その中でも2団体を統一している無敗の王者スティーブ・フルトン選手といきなり対戦。

という選択をした井上尚弥選手と陣営の決断は歴史から見れば大変な事だったんです。

結論:井上尚弥選手のSバンタム級4団体統一は異次元過ぎる

本記事ではボクシングの世界においてSバンタム級がいかに日本人ボクサーにとって高い壁だったかを紹介しました。

  • バンタム級の歴代世界王者は計50回の防衛
  • Sバンタム級の歴代世界王者は計8回の防衛

この二つを比べるだけでも、井上尚弥選手のSバンタム級4団体統一がいかに異次元な事象かがお分かりいただけたかと思います。

Sバンタム級は、バンタム級から僅か1階級の違いとは言え、日本人ボクサーがチャンスを掴むのが難しい階級

更にチャンスを手にし、世界を獲ったとしても初防衛に失敗するケースが大半という厳しい階級でした。

Sバンタム級で井上尚弥選手が圧倒的なパフォーマンスを見せつけてくれたことは長年のボクシングファンとしてはとても嬉しいこと。

簡単にやってのけているように見えてしまいますが、階級を上げるためには日々の栄養管理も含め1日1日を大事に生きてきた結果でしょう。

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今後も当面はSバンタム級のベルトを防衛していくと発表した井上尚弥選手。

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