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プロボクサー数の減少に占める人口減の影響から見た15年後の選手数予測

torajiro

ボクシングファン歴25年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。

こんにちはtorajiroです。

長期に渡り減少傾向にあるプロボクサー。

その原因は競技離れによるものと、人口減少によるものとの二つの側面があります。

15年前と現在、そして15年後の競技可能人口に占めるプロボクサーの割合を比較し、人口減少による競技者の減少と競技離れによる減少と、それぞれがどの程度の影響を与えているのかを調べてみました。

毎年の出生数を元に競技可能人口を算出

今回の調査では厚生労働省「人口動態統計」の毎年の出生数を基に、2007年、2021年、2035年と15年刻みで17〜36歳プロボクサーとして活動可能な年齢の男性人口を算出しました。

出生数をベースに算出しているため、実際の人口とは差異がある点は予めご了承ください。

なお、女子ボクサーはまだ調べられる程の十分な情報がないため今回は男性ボクサーに限定しております。

2007年、2021年、2035年の競技可能人口と2007年、2021年のプロボクサー数は以下の結果となりました。

競技可能人口(男子)プロボクサー数(男子)
200716,756,6352,883
202112,591,7881,596
203510,967,628
厚生労働省「人口動態統計」とJBC事業報告書を基に作成

こうして17〜36歳という若年層の出生数合計で比較すると人口減がいかに深刻な問題かが分かりますね。

出生数ベースで見た17〜36歳人口の減少率

出生数ベースで算出した競技可能人口を比較すると、

2007年から2021年にかけてプロボクサーとして競技可能な17〜36歳人口は25%減っている事がわかりました。

更に2007年と2036年で比較すると30年で35%も減る事が分かります。

大量に移民を受け入れない限りこの減少は確実に訪れる未来になります。

こうした将来確実にやってくる未来への策を今のうちから検討しておく必要があります。

プロボクサーの減少率と競技可能人口に占めるボクサー数の割合

競技可能人口は2007年からの15年で25%減った事が分かりましたが、プロボクサーの減少率はこれを大幅に上回る45%の減少率になっています。

人口の減少よりも更に急速な勢いでボクシング離れが進んでいる事がこの比較によって分かります。

競技可能人口に占めるプロボクサー数の割合を比較すると、

・2007年は0.017%
・2021年は0.013%

この通り競技可能人口に占めるプロボクサーの割合は0.004%減ってしまいました。

この競技可能人口に占めるプロボクサーの割合が2007年と同じ水準であれば、2021年もおよそ2,220人のプロボクサーがいたという計算になります。

15年後のプロボクサー数はどうなる?

ではこれまでの数字を基に2035年のプロボクサー数を予測してみます。

今と同じプロボクサー割合を維持できていたとすると、2035年のプロボクサー数はおよそ1,390人となります。

ボクシング人気が復活し2007年と同じプロボクサー割合まで上がっていたら、このプロボクサー数はおよそ1,890人まで増えます。

逆にこのままボクシング人気が落ちていき、過去15年と同様の水準で競技可能人口に占めるプロボクサー数の割合が減ったとすると、15年後のプロボクサー数は1,000人を切っていることになります。

A級ボクサーはプロボクサー全体の2割程度なので200人もいない計算になります。

これを各階級に割り振ったらA級ボクサーのほぼ全員が日本ランカーという状態になります。

実際は空位だらけにはなるのでしょうが、1,000人切りはとても寂しいですね。

まとめ

今回の記事のまとめです。

プロボクサーの人数は人口減に伴う競技可能人口の減少とボクシング人気の低迷の両方の側面で減少傾向にある事がデータで示されました。

2007年のボクサー数と比べると、2035年には人口減の影響だけでも35%は確実に減りますし、それと同時にボクシング人気も低迷している状況を考慮すると、ボクシング人気が現状の水準を維持できていたとしても15年後のボクサー数は1,300人程度には減っています。

JBC、日本プロボクシング協会はこの減少を不可避のものと受け止めて市場の縮小に合わせて業態を見直していくか、ボクシング人気を上げていく事で市場の維持、拡大を目指すかどちらかの方向に舵取りをしていく必要があるでしょう。

ボクシング市場を広い目で見た時、プロボクサーは減り続けていますが、競技人口は決して減ってはいません。

ボクササイズやエアボクシング、キッズボクシング等の普及によってボクシングに触れる層はむしろ昔より増えています。

>>「プロボクサーは減ったがボクシング人口は増加」を裏付ける統計データ

この層をうまく取り込んでいければまだまだボクシング市場は拡大していける可能性を秘めていると思います。

15年先を見据え、JBCだけでなく日本プロボクシング協会も、どうすれば日本のボクシングを存続していけるか、そこに全振りしてもっと本気で改革に向けて取り組んでいただきたいと一ボクシングファンとして願っております。

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