こんにちはボクシングブロガーのtorajiroです。
ABEMAの企画で井岡一翔選手の気心知れた相手であるTKO木下さん、ラッパーのAK69さんが井上尚弥選手について、そして中谷潤人選手との対戦について言及しました。
何故そんな野暮な質問を!?
そんなの聞くまでもないだろうと思いつつ、大晦日興行の配信方法について考えると「なるほどな」と納得する面もありました。
何故ABEMAは井岡一翔選手に井上尚弥選手、中谷潤人選手について語らせたのか?
その意図について今回は触れたいと思います。
動画で井岡一翔選手のアンサーを聞き、何故エストラーダ選手との対戦に固執しているのかも深く納得したので、その点についても紹介します。
井岡一翔選手が井上尚弥、中谷潤人に関する質問に答えた理由
理由その1:配信方法の違い
まず、1番の理由として考えられるのは大晦日の試合がABEMAの無料配信である点。
前戦のジョシュアフランコ戦はお値段なんと6,200円というべらぼうに高いPPV配信でした。
故に視聴数はかなり少なかったはずですが、今回は無料配信。
無料配信は視聴者にとっては有り難いですが、ABEMAにとってはたくさんの方に視聴してもらい、広告収入を稼ぐ必要があります。
多くの視聴者を得るためには、大衆の関心度が高い井上尚弥選手や中谷潤人選手にも言及することで、ライト層の関心を井岡一翔選手に寄せていく必要があります。
井岡選手にとってはやや失礼になるかも知れない企画であるが故に、気心の知れたTKOの木下さんやAK69さんを通して井岡選手の胸の内を引き出す形を取ったのでしょう。
今回珍しくKO宣言をしていることも視聴層を意識しての広報戦略と思われます。
理由その2:視聴するファン層の違い
ジョシュアフランコ戦は6,200円のPPVだったため、相当コアな井岡一翔選手を愛するファンが視聴者の大半だったはずです。
かく言う私torajiroもそのファンの1人。
井岡一翔のことを何だかんだと言いたい人は言えばいい!
と言いつつアンチにちょっと腹を立ててしまうファンの1人です。
そんなファン中心に視聴された前戦と違い、大晦日の試合は色んな人が視聴するが故に試合に対しても井岡選手に対しても心無いコメントが多数寄せられる可能性があります。
- 井上尚弥と比較すると云々。
- 中谷潤人から逃げた。
井岡一翔選手が直接自分の言葉で井上尚弥選手と中谷潤人選手について語った事で、こうしたアンチの声を抑える効果はあったと感じます。
理由その3:勝手な憶測が広がらないため
井岡一翔選手に対しては随分と前から強敵との対戦を逃げているという批判の声がありました。
- Lフライ級時代にはローマンゴンザレスから逃げていると言われ。
- 井上尚弥との対戦を避けていると言われ(そもそも階級違う)。
- 中谷潤人から逃げて王座を返上したと言われ。
遡ることLフライ級時代にローマンゴンザレス選手との試合を回避した頃から逃げキャラのように言われる事が増えました。
井岡一翔選手がLフライ級の世界王者だった当時、無双の強さを誇っていたローマンゴンザレス選手との指名試合が、井岡陣営の意向で流れたという話がありました。
当時も井岡が逃げたという声は多く聞こえましたが、この試合に関してはっきり言えることは、
「マッチメイクは選手が決めるものではない。」
ということ。
試合は所属ジムであったりプロモーターが交渉して決めるものです。
いくら本人が試合をしたいと主張しても、陣営がOKし、交渉に乗り出し、開催地やファイトマネー、開催時期等々の交渉が進まないと試合は決まりません。
選手自身が直接交渉するわけではありません。
この点が無視されて選手が逃げた逃げたと揶揄されることがありますが、選手個人ではどうにもならない問題。
希望は言えたとしても、大金が動く世界。自分の希望だけで全てを決められる程簡単な話ではありません。
井岡選手はローマンゴンザレス選手との対戦が実現しなかった後、フライ級のタイトルも獲得して防衛を続けました。
しかし2017年4月のフライ王座防衛後、唐突に引退を表明し、ジムを離れ、少しの期間を挟んで海外に戦場を移しました。
井岡選手個人の想いとしては、環境を変えてでも強敵との対戦を望んでいたのだと僕は思います。
井上尚弥選手から逃げたという意見についてはそもそも階級が違うので論外。
中谷潤人選手との試合に関してもジョシュアフランコ選手との再戦の話が進んでいた中、勝てばエストラーダ選手との試合に繋がる時期でした。
- 敢えてそこで話を止めて中谷選手との対戦を選ぶのか??
- エストラーダに近づくためにはどの道がベストなのか??
こうしたことを考えた末の陣営の決断で、決して逃げたとは思いませんでした。
井岡選手は田中恒成選手とも対戦して退けていますし、必然性があれば戦ったと思います。
そもそも繰り返しになりますが試合を決めるのは選手本人ではありません。
エストラーダ戦へ込めた熱い想い
おそらく多くの方にとって腑に落ちないのは何故井岡一翔選手がファン フランシスコ エストラーダ選手との対戦に固執しているのかという点でしょう。
この点に関する井岡一翔選手の答えは明白。
- 「世界的に見て」エストラーダ選手の評価がSフライ級では最も高い。
- タイトルを超越した評価を得ている。
- 一時引退してブランクがあった時代にアメリカに行ってエストラーダを見て、自分との評価の差を思い知らされた。
- 同じ世界チャンピオンでもこんなに評価のされ方が違うのか。
- アメリカで高く評価され、人気のあるエストラーダに勝てばこの評価を得られる。
中谷潤人選手は勿論日本国内では知名度はありますし、その実力は海外でも評価されています。
ただ、海外で人気がある選手か?知名度の高い選手か?
となると話は別で、人気、知名度で比べると圧倒的にエストラーダ選手でしょう。
自分が一時引退状態でアメリカに渡った際、そのリング上で輝いていたエストラーダ選手。
そのエストラーダ選手を見て自分がちっぽけに見えた井岡一翔選手から沸き起こった感情。
これは何としてもエストラーダ戦が実現して欲しいと一ファンとしては思いました。
まとめ
最後のこの記事のまとめです。
ABEMAで井岡一翔選手に井上尚弥選手、中谷潤人選手について語った理由として考えられる点は以下。
- 前戦はPPVだったが、今回は無料配信のため、ABEMA的には多くの方に視聴してもらい広告収入を得る必要がある。
- そこで井上尚弥、中谷潤人といった関心度の高い名前を挙げることでライト層へのアプローチを仕掛けた。
- ライト層も取り込む故に、アンチの活動も活発になる。
- そこで井岡一翔選手自らが語り、批判されるであろう点についてのアンサーを出した。
井岡一翔選手のファンとしても、TKO木下さんとの動画の中で井岡選手からエストラーダへの想いが聞けて、対戦が実現して欲しいという気持ちがグッと高まりました。
そうか、あの引退していた時期に物語は繋がってくるのか。
僕が井岡一翔選手を好きになったのは海外のリングで復帰してから。
それ以前の井岡選手はどこか別世界の人間のようで中々共感が持てませんでした。
しかし海外のリングで復帰し、好戦的な戦いを見せた井岡一翔選手に覚悟を感じ。
- マカオでドニー ニエテス選手に敗れた試合で悔しさを覚え。
- アストン パリクテ選手に勝って4階級制覇を成し遂げた時は歓喜し。
- 超強敵ジェイビエール シントロン戦で中盤から巻き返しての逆転。
- リング上で父親の顔を見せて涙する井岡一翔にもらい泣き。
- 戦前不利予想もあった中で田中恒成選手に匠のボクシングで完勝。
気がつけば井岡一翔の沼にハマっていました。
もう少し井岡一翔選手のボクシングストーリーを追いかけて行きたいと思う今日この頃です。
大晦日は無料ですのでABEMAで井岡一翔選手を応援しましょう!
リアルタイムが難しい場合は追っかけ再生もあるABEMAプレミアムで。