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階級別ボクシング日本王座平均防衛回数と王座返上数・平均在位期間との相関関係

torajiro

ボクシングファン歴27年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。Xも投稿していますのでフォローいただけると嬉しいです。

こんにちはボクシングブロガーのtorajiroです。

以前ボクシングの歴史を振り返っている時に興味が湧き、

各階級の日本王座の平均防衛回数を調べました。

加えて今回は王座の返上数平均在位日数といった情報も調べてみました。

torajiro

この結果を見れば井上尚弥選手がスーパーバンタム級で圧倒的な実力を示していることがどれだけ凄いことか分かると思います。

日本王座平均防衛回数と王座返上数の関係

以前日本王座の平均防衛回数を調べた時に、階級が上がるにつれて平均防衛回数が増える傾向にあることがわかりました。

以下のグラフですね。

ウィキペディアボクシング日本王者一覧(2022年2月時点)を元に作成(暫定王座は除く)

この結果を見た時に、軽い階級ほど世界挑戦のチャンスが多くて途中で返上するからだろうと予測し、

実際の数字を調べてみた結果が以下のグラフになります。

ウィキペディアボクシング日本王者一覧(2022年2月時点)を元に作成(ヘビー級、暫定王座は除く)

事前の予想通りやはり軽量級の方が返上数が高くなる傾向にあることがわかりました。

torajiro

ただ、スーパーバンタム級だけは傾向に反してなぜか返上数が少ないです。

平均防衛回数を調べた際にも、

全体の傾向に反してスーパーバンタム級は軽量級ながら平均防衛回数が高い数値となりましたが、

返上数もやはり少ないことが分かりました。

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スーパーバンタム級は世界戦自体はそこそこやれているはずでは?

何でかなぁと思いましたが、日本タイトルの防衛戦に敗れ、その後に世界戦に挑戦というケースも多々あり、満を持しての世界挑戦というよりはアンダードッグの立場での世界挑戦も多かったのかもしれません。

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スーパーバンタム級は国内の選手数も多く激戦階級ですが、世界的に見ても層が厚くなってくる階級なのでしょう。

過去の日本人世界チャンピオンを振り返ってみても、井上尚弥選手以前にスーパーバンタム級で防衛に成功したのは西岡利晃選手と岩佐亮佑選手の2人のみ。

この激戦階級でバンタム級に続き4団体を統一した井上尚弥選手は異次元なのです。

日本王座平均防衛回数と在位日数との関係

続いて日本王座の各階級の平均在位日数を調べてグラフにしました。

ウィキペディアボクシング日本王者一覧(2022年2月時点)を元に作成(ヘビー級は除く)

このデータ作成における前提↓

  • 暫定王座から正規王座になったケースは暫定王座を獲得した時点を起点としています。
  • 現在防衛中のものは2022年2月5日までの日付で計算しています。
  • また、王座返上日が不明なケースは次の防衛戦が行われた月の頭の日付にし、返上年までは分かっているケースについてはその年の年末の日付で計算しています。

このデータを作成する際、事前の予想としてはミドル級は選手層が薄く、試合間隔が空いてしまうので防衛回数の割に在位日数が長くなっているだろうと予測しました。

が、結果的にはそんなこともなかったです。

チャンピオンの入れ替わりが激しいという側面もありますが、それに加えて昔はミドル級でも昔は普通に試合が組めていたという側面も大きいと思います。

torajiro

重量級は迫力あるのでミドルもまたかつてのように選手が増えて賑わって欲しい(切実)。

平均防衛回数・返上数・在位日数から見た傾向

それぞれ比較すると平均防衛回数と王座返上数と在位日数とは相関関係にあることが見て取れました。

平均防衛回数の多い順、王座返上数の少ない順、平均在位期間の長い順で順位を当てはめてみると以下のような結果になりました。

階級平均防衛回数順位王座返上数(少ない順)平均在位期間
ミドル756
スーパーウエルター141
ウエルター413
スーパーライト234
ライト5108
スーパーフェザー657
フェザー9119
スーパーバンタム312
バンタム121212
スーパーフライ13713
フライ885
ライトフライ101311
ミニマム11810

たった1.8kgしか変わらないのにバンタムとスーパーバンタムでここまで顕著に差が出ると面白いですね。

スーパーバンタム級は世界的にも激戦区で、わずか1.8kgの差ながらここには大きなハードルがあるようです。

まとめ

こうしてデータを集めてみると想像通りの結果が出る階級もあれば意外な結果が出る階級もあり、なかなか面白い。

スーパーバンタム級は有名選手も多くて、てっきり王座の入れ替わりも激しく、更に王座を返上して世界挑戦する選手も多い階級だと思っていましたが全然違いました。

軽量級ほど世界を狙いやすく、王座の返上数が多くなるというところはイメージ通りではありましたが。

選手数が少ないと言われるミドル級も平均王座在位期間から考えると、全期間を通して見れば試合間隔は他の階級とそれほどの差がない事がわかりました。

日本人ボクサーにとってはスーパーバンタム級を境に一気に世界に行くハードルが上がります。

これまでのこの傾向を無視して無双状態の井上尚弥選手は長い日本のボクシング史でみても唯一無二の存在。

井上尚弥選手がいる時代に生きていられることはボクシングファンとしては幸せなことですね。

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