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ボクシング日本王者階級別平均防衛回数調査!全体の傾向と意外なあの階級

torajiro

ボクシングファン歴25年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。

こんにちはボクシングブロガーのtorajiroです。

日本チャンピオンの平均防衛回数は階級によってどれくらい差があるのだろうか?

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という疑問が湧いたので、今回はボクシング日本歴代王者の階級別の平均防衛回数を調べてみました(女子ボクシングはまだ歴史が浅いので除いています)。

事前の印象としては重たい階級程防衛回数は多く、軽い階級は短い。

各階級の平均防衛回数から見えた全体の傾向や意外だった点をご紹介します。

※今回の調査は2022年2月時点までのデータを元に作成しております。

一番防衛回数の多かった階級は!?

では早速統計を取った結果を見ていきます。

ウィキペディアボクシング日本王者一覧(2022年2月時点)を元に作成(暫定王座は除く)

2022年2月5日時点のウィキペディア日本王者一覧をベースに各階級の歴代チャンピオンの平均防衛回数をグラフにすると上記の結果となりました。

対象数の少ないヘビー級はあまり参考になりませんが、

全体平均は2.02。

個人的な感覚でも平均したらそれくらいかなというところだったのでイメージ通りの結果となりました。

日本王座防衛回数の全体的な傾向

全体的な傾向で見ると、事前の予想通り軽量級の方が平均防衛回数が少なく、重量級になるほど平均防衛回数が多くなるという傾向にあります。

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軽量級の方が世界や東洋太平洋といったベルトに挑戦する機会が多いので、防衛途中で返上する選手が多いのでしょう。

世界挑戦のチャンスが少ない重量級は日本タイトルの防衛を繰り返しながらチャンスを待つのでその結果、防衛回数が多くなっているものと予想されます。

傾向から外れた意外な階級

調査の結果、軽量級の方が平均防衛回数が少なく、重量級になるほど平均防衛回数が多くなるという全体の傾向が見られましたが、この傾向から外れた結果となった階級が2つありました。

ミドル級の防衛回数は短い

重量級の方が防衛回数が多くなる傾向にあるという点で、ミドル級の平均防衛回数は全体平均を下回る1.97。全体で見ても真ん中の7番目の位置でした。

この理由は2つあると考えられます。

ミドル級の防衛回数が少ない理由

  • 実力が拮抗していて目まぐるしくチャンピオンが入れ替わっている。
  • ミドルまで階級が上がると選手数が少なく、対戦相手不足で試合の頻度が減る。

歴代王者の一覧を見ると在位期間の割に防衛回数が他の階級と比べると少ないことが見て取れました。

ウィキペディアボクシング日本王者一覧より

特に2012年頃からの防衛回数の減少が顕著。

キックや総合等の他の格闘技への人材流出の影響もあるかと推察されます。

スーパーバンタム級の防衛回数は長い

軽量級の方が平均防衛回数が少なくなるという全体の傾向に反して平均防衛回数が長かったのがスーパーバンタム級。

階級的に東洋や世界へのチャンスもまだ多い方で、平均防衛回数はもっと減ってくるかと思いましたが平均防衛回数は2.34。

「スーパーバンタム級の平均防衛回数の多さは全体3位」という結果になっていました。

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一回階級下のバンタム級は平均防衛回数1.59なのになぜスーパーバンタム級の平均防衛回数はこんなには高いのでしょうか??

スーパーバンタム級は歴代の日本人世界チャンピオンもバンタムと比べると多くはありません。

スーパーバンタムは日本人ボクサーにとって世界の壁がグッと厚くなってくる階級と言えるのかもしれません。

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井上尚弥選手はやはり別格!!

スーパーバンタム級は国内の選手層が厚く、日本タイトルマッチも昔から名勝負が多い印象があります。

もしかしたらチャンピオンがベルトを返上せずに強い挑戦者と戦ってきた歴史が代々と受け継がれてきたから名勝負が多いのかもしれません。

僕がボクシングファンになりたての頃に印象に残ったスーパーバンタムのタイトルマッチは宮田ジムの真部豊選手 VS JBスポーツの福島学選手

福島選手がサウスポーにスイッチして奇襲をかけたのに沸きました。

その後のタイトルマッチも数々の名勝負が。

6度防衛していた渡辺純一選手を角海老宝石ジムの中島吉謙選手が破ったアップセットも興奮しました。

盤石王者だった伴流ジム芹江匡晋選手の身体能力抜群のボクシングも魅力的でした(背筋のデカさは漫画みたいに凄かった)。

最近は田村亮一選手、引退された古橋岳也選手、久我勇作選手の激闘も印象深いです。

この尺の中では語り尽くせないたくさんの思い出がスーパーバンタム級のタイトルマッチにはあります。

その辺りはまた機会があれば。

追加で分析が必要なポイント

今回は平均防衛回数しか調べなかったので、分析が足りていない部分がいくつか残りました。

  • 王座の返上割合
  • 防衛戦の試合感覚

この辺りの情報はまた追加で調べておく必要性を感じましたので別記事で紹介しています。

>>ボクシング日本王座階級別の平均防衛回数と王座返上数、平均在位期間との相関関係

王座の返上割合が高ければそれだけ世界へのチャンスが多い階級とも言えますし、防衛戦の試合間隔が長い階級は試合枯れが懸念される階級で、選手数が減っている昨今においては特にテコ入れが必要な階級とも考えられます。

まとめ

ボクシング日本王者階級別平均防衛回数を調べた結果をまとめます。

  • 全体の平均防衛回数は2.02
  • 全体傾向としては軽量級の方が平均防衛回数が少なく、重量級になるほど平均防衛回数が多くなる傾向
  • ミドル級は全体の傾向に反して平均防衛回数が少ない
  • ミドル級は選手同士の実力が拮抗しており、かつ選手層が薄いため試合間隔が開く傾向
  • スーパーバンタム級は全体の傾向に反して平均防衛回数が長い
  • スーパーバンタム級は世界挑戦へのハードルが上がる階級?国内の選手層も厚い

以前ボクサー数減少の記事を書いた際に、キックボクシング等の他の格闘技と違ってボクシングは現状分析するだけの材料がある点を評価されている方がおりました。

僕も確かにその通りだと思いましたので、こうして色んなデータを集めて分析を続けた上で、ボクシング再興に向けた何らかのヒントが得られないかと模索しております。

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