こんにちはtorajiroです。
新人王トーナメントの各階級の注目選手や優勝予想をしていますが、今回はスピードあり、パワーあり、将来世界を狙える可能性もありなSフェザー級の新人王トーナメントの注目選手、優勝予想です。
宮崎裕也選手との好ファイトに勝ち上がった中日本の山部蓮選手に注目!!
視聴、会場観戦したSフェザー級新人王トーナメントの中で一番面白かった試合をまずは紹介。
中日本新人王決勝の宮崎裕也選手と山辺蓮選手の試合は1R目からハラハラの好ファイトでした。
見せ場が非常に多くてとても良かったです。
アマチュアで26戦の経験がありプロでも3勝3KO1敗という戦績の山辺選手に対し宮崎選手は3勝3敗2分。
順当に行けば山辺選手がすんなり勝つだろうと予想されたこの試合で宮崎選手が大善戦。
1R目も2R目も山辺選手の腰を落とす場面を演出。
ただ見せ場を作るだけでなく、宮崎選手のサウスポー対策が上手で、戦い方を見ているのが面白い試合でした。
サウスポー対策のセオリーはジャブを突きながら左回りですが、それだけだとサウスポーからしたらとってもやりやすい相手。
宮崎選手はジャブを突いて左回りをしながら軽い右から入ったり、山辺選手が打ってくるところに同時に打ちに行ったり、距離が近くなったら右から返しの左を叩きつけたり。また不用意に自分からは行かず、スッと中に入ってスッと引いて誘い、山辺選手がジャブを打ちに行こうとした瞬間にすかさず左アッパーから右ストレート。
2R目にもバックステップで距離を作り、一瞬山辺選手の気が緩んだところにジャブジャブストレートで山辺選手をダウン寸前まで追い込みました。
最後は宮崎選手、疲労と上下のダメージの蓄積で動きの落ちたところを山辺選手にまとめられて敗れましたが、サウスポー対策のお手本になる好ファイトでした。
山辺選手はこの苦しい試合に勝ち上がりMVPを獲得した勢いで西軍代表を勝ち取るか!?
勝った試合は4勝4KOというKO率100%は魅力的なボクサーです。
次戦は西部代表の藤澤孟則選手。
藤澤選手もアマチュア経験のあるサウスポーで技術レベルが非常に高いです。
プロでまだ1戦しか経験していないのでその差で山辺選手が有利だと思いますが、藤澤選手が勝ち上がっても不思議ではないです。
東日本は練習の虫?JBスポーツの岩本星弥選手が有望
東日本新人王トーナメントではJBスポーツジムの岩本星弥選手のテンポ良く4R全く運動量が落ちない上に力強さを感じるボクシングが目を惹きました。
既にA級ボクサーの風格を感じますが、まだ18歳なんですね。
才能がずば抜けているとかではなく、普段から物凄くハードな練習をしているのではないでしょうか?
自分がボクサーをしていた頃にスパーリングで一番しんどかったのが、岩本選手のようなこちらに休む間を与えてくれない淡々と速いテンポで戦いペースダウンしないタイプの選手でした。
試合を見ていて自分まで心が折れそうになりました。
岩本選手強いと思います。
西日本は無敗対決 U15チャンプ小松直人選手 VS 強打者大谷新星選手
西日本新人王は小松直人選手と大谷新星選手で決勝が争われます。
どちらも無敗で小松選手は元U15チャンピオン。
そんなに半身になるの!?ってくらい半身になるサウスポースタイルが特徴的です。
対戦相手からしたら懐が深くてモーションのない左ストレートが飛んでくるので非常にやりづらい。
対する大谷選手は2戦2勝2KOの強打者。ちょっとヤンチャそうな印象の体の強いボクサーです。
大谷選手が所属する真正ジムは強いサウスポーのボクサーがたくさんいるのでサウスポー対策は万全でしょう。
どっちが勝つか予想のつかない一戦ですが、大谷選手はまだやや荒いところもあるので小松選手が捌いてポイントアウトしそうかな。
全日本新人王優勝は誰だ!?
以上、各地区の注目選手の紹介でした。
最後に優勝予想。
東軍は岩本選手の優勝を予想していますが西軍は予想がとても難しい。
キャリア、スピード、KO率の高さで山辺選手を推していますが、宮崎戦で耐久力の面での課題も見せました。
倒される可能性もありますが、厳しい試合を勝ち抜いた山辺選手が西軍代表になると予想しています。
仮に全日本決勝が岩本選手と山辺選手になった場合、序盤で決着がつくなら山辺選手。
終盤までもつれるならスタミナ、耐久力の差で岩本選手がリードすると予想します。
ただ、サウスポーの山辺選手に対しては岩本選手も普段の試合のようなテンポ良いボクシングが出来ない可能性もあります。
予想は難しいですが、山辺選手のスピードあるサウスポースタイルは簡単には崩せないと思うので、山辺選手が序盤でリズムに乗れない岩本選手をKOすると予想してみます。
そもそもどっちも決勝まで行かない可能性もありますが、こんな予想でこの先の新人王トーナメントの展開を楽しみたいと思います。
追記:西日本新人王決勝観戦記
大谷選手の荒々しさよりも小松選手の上手さが勝ると予想したこの試合。
予想は見事に外れて大谷選手が荒々しさだけでなくディフェンス面の上手さも見せて小松選手を3RにTKO。
大谷選手は強引に攻める時にもガードがしっかりしていて被弾を回避していました。
パワーに明確な差があり、そこにディフェンス面の上手さも上乗せされて、小松選手は最後まで突破口を見出すことが出来ませんでした。
小松選手もキレ良くゴチンと固そうなパンチを打っていたのですが、大谷選手の固いガードを崩すことが出来ませんでした。
大谷選手はやんちゃそうなキャラでイケイケに見えてガードもしっかりしています。
意外と穴のない良いボクサーでした。人気出ると思うなぁ。
追記:東日本新人王準決勝観戦記(9/26,9/27)
9月26日(月)は池上選手が1R目にダウンを奪い、3R目にも右で倒してTKO勝利。
古川選手のジャブもモーションがなくて良かったのですが、池上選手の少し荒めなボクシングが勝りました。
9月27日(火)は岩本選手が2RTKO勝利。
スタートは谷原選手に打ち終わりを狙われ接近戦に持ち込まれ、いつものように足と手が動いていないように見えましたが、徐々にペースを掌握。
中間距離でフットワークを使いながらテンポ良く出入り良くパンチを打つボクシングを見せ、2Rには相手の土俵の接近戦でボディでダウンをゲット。
立ち上がった谷原選手にパンチをまとめて追加のダウンを奪いTKO。
圧巻だったのはこの後。
岩本選手最後は結構手数出したはずが息が上がっていない。
試合前のような表情でリング上で反省会。
山田トレーナーに何かを言われ、頷きながら「こうですかね?」的にシャドーをする岩本選手。
このお二人は生きている世界、見ている世界が全然違うんだなと思いました。
JBスポーツはイケイケなイメージがあるけれどセコンドの指示が勝ちに徹してとても的確な気がします。
追記:西部・中日本新人王対抗戦観戦記
注目の山辺蓮選手がまたKO勝利。
藤澤選手とのサウスポー同士の一戦はスタートから左ストレートボディを多用。
サウスポーはレバーが前に出ているのでこれは効きます。
ボディのダメージで体力も消耗するしジャブが出せなくなる。
藤澤選手は2R途中からガードが下がり消耗しているように見えたが、このボディがじわじわと効いていたのではなかろうか。
3Rになると完全に山辺選手ペース。
グイッと前に出て左でロープまで吹っ飛ばすとパンチをまとめて左ストレートで藤澤選手ダウン。
藤澤選手は蓄積したダメージのある倒れ方でTKO。
山辺選手は攻めるところ一気で倒しどころが分かっている選手。
耐久力に不安はありますが、西軍代表決定戦は大谷選手とKO決着間違いなしの目が離せない一戦になりそうです。
追記:東日本新人王決勝観戦記
岩本星弥選手と池上いつ己選手による決勝戦。
序盤のジャブの差し合いを制した岩本選手がそのままペースを引き寄せる。
ジャブで池上選手の顔を弾き、右ストレートをクリーンヒットさせはっきりとリードする。
この展開のままでもフルマークでシャットアウト出来そうでしたが好戦的な岩本選手は守りに入らず攻める。打ち合いになった事で池上選手のショートのパンチも岩本選手をとらえるが、岩本選手は接近戦の中から突き放すジャブがとても良かった。
3Rも激しく打ち合い、岩本選手が打ち勝ち優勢に進め、右アッパーからの返しの左でダウンをゲット。池上選手は立ち上がるが再び接近戦の中で押し込むような右でダウン。
4R目にダメージの残る池上選手を一気に攻めて岩本選手がTKO勝利。
リーチもあり、足を使いジャブで組み立てるボクシングも出来、打ち合いも出来、スタミナもあり打たれ強い。岩本選手はバトルサイボーグのようなボクサー。
全日本の決勝で山辺蓮選手と対戦する事になったらかなり盛り上がる試合になるでしょう。
追記:西軍代表決定戦結果
中日本のMVP山辺蓮選手と、西日本のMVP大谷新星選手による注目の一戦は3対0で大谷選手の勝利。
フィジカルの強さで山辺選手を僅かに上回った大谷選手。
全日本決定戦はフットワークあり手数あり、リーチあり、フィジカルも強い岩本星弥選手が相手。
テンポの速さと手数で勝る岩本選手がやや有利と見ていますが、大谷選手もパワーがあるので一発当てればどうなるかわからない注目の一戦です。