こんにちはtorajiroです。
2022年新人王トーナメントSライト級は東日本と西日本で対照的な構図となっています。
東日本はトカちゃんねるでデビュー前から注目されていた、渡嘉敷ジムの秘蔵っ子石井竜虎選手を筆頭に、竹原テレビで売り出し中の杉山雄基選手や、元REBELS60kg王者鈴木宙樹選手の参戦(鈴木選手はトーナメント棄権)と、トーナメント開始時には個人的には一番盛り上がりそうな階級と期待していました。
一方の西日本は出場わずか1名で自動的に優勝。
この極端な構図も面白い新人王トーナメントSライト級の見どころを紹介します。
トカちゃんVS竹原＆畑山の代理戦争に勝利した石井竜虎の課題
トカちゃんねるでデビュー前から様々な格闘家とスパーリングを行い、時にはRISE王者の白鳥大珠選手からダウンを奪う等の好スパーを披露していた石井竜虎選手。
渡嘉敷勝男&竹原慎二&畑山隆則 公式チャンネル「Vol.204 RISE王者・白鳥大珠にスパー挑んだら、驚きの展開に！渡嘉敷ジム期待の新人が、キック王者とガチスパー 果たしてどんな結果に？」より
期待されて迎えたデビュー戦はドロー。
引き分け優勢扱いで新人王トーナメントの次戦には進みましたが、ワンパンチに頼りすぎる傾向があり、課題の残るデビュー戦でした。
そして迎えたデビュー2戦目。
相手はT&Hジム期待の新人杉山雄基選手でした。
杉山選手は石井選手との対戦時点で2戦2勝2KO。竹原テレビで木村"フィリップ"ミノル選手や3150ファイトのヒロキングらとのスパーリング動画が公開されており、かなり良い動きを見せていました。
この注目の両者の一戦。
序盤は杉山選手が出入りのボクシングを見せ、要所要所でパンチをヒットさせて攻勢でしたが、2R目に良いパンチが当たった所で攻め急ぎ過ぎて逆に倒されてしまいました。
あそこで攻め急がず2R途中までの動きを継続出来ていれば石井選手を完封出来たかもしれない惜しい敗戦でした。
逆に石井選手は足を使われ細かいパンチを当てられると弱いという弱点が更に浮き彫りになってしまった一戦でした。
強い一発に頼り過ぎずに戦えるかが次戦に向けた課題と言えるでしょう。
東日本の優勝候補筆頭はスコーピオン金太郎
Sライト級の注目選手は石井竜虎選手に上述の杉山選手ですが、僕が実力的に優勝候補の筆頭に上げるのは三谷大和ジム所属のスコーピオン金太郎選手。
変なリングネームの選手ですが、金太郎っぽい風貌でサウスポースタイルからスコーピオンのように左を突き刺す技巧派ボクサーです。
アマチュア経験は不明ですが、キックボクシングのキャリアがあるようです。
よく動いて細かな打ち分けも得意とするスコーピオン金太郎選手と石井竜虎選手が対戦した場合、現時点で見るとややスコーピオン金太郎選手に分があるでしょうか。
▶︎MVPは宮本しょうぐん ワタナベ&DANGANオール4回戦2022/6/10 観戦記
西日本の一強野口海音の実力は？
西日本はエントリーした途端対戦相手が全員上下の階級に散らばったと言われる野口海音選手。
デビュー戦の映像は見ていませんが、アマチュア時代の試合映像や竹原テレビでのプロ志望ボクサーマッハたいせい君とのスパーを見る限り、かなり強いです。
実力差があるとは言え、相手の右ストレートをいともたやすく交わし左カウンターを合わせていました。
長身のサウスポースタイルから、相手が来なければ自分から切れ味鋭いパンチを打ち込み、相手が出て来ればカウンターを合わせる穴のないボクサーです。
野口選手は西日本の新人王トーナメントでは対戦相手がいないため、8月14日（日）の3150FIGHT vol.3で韓国人選手と拳を交えます。
▶︎3150ファイトVol.3対戦カード・結果まとめ〜最高のマッチメイクで再興へ
この試合を問題なくクリアし、西軍代表決定戦も制して全日本に確実にコマを進めてくるでしょう。
と思いきやこの試合でまさかの不覚を取った野口選手。
心理面が新人王トーナメンに影響しない事を祈ります。
まとめ
KO率も高くスピードもあり、世界的にも激戦区のSライト級ですが、今年の新人王トーナメントSライト級決勝は好試合が期待できます。
僕の予想では東からスコーピオン金太郎選手が上がり、西からは野口海音選手が西軍代表決定戦を制し、この両者での決勝ですが、石井竜虎選手も一発があるのでどうなるか分かりません。
スコーピオン金太郎選手も野口選手も石井選手も3者共にサウスポースタイルのため、ファイターの石井選手からしたら打ち合いに持っていきやすく、その中で左を被せるか、右フックを叩きつけてKOで勝ち上がる可能性も十分考えられます。
追記：東日本新人王準決勝観戦記(9/26,9/27)
9月26日（月）はスコーピオン金太郎選手が得意の左ではなく右フックでTKO勝利。
完勝にも見えますが、神選手の右を危ないもらい方しているようにも感じました。
神選手の当て感が良かったからかもしれませんが。
9月27日（火）は石井選手1R目は長身でパワーのある長谷川選手相手に距離が合わず被弾を続ける展開。
ただ、劣勢ながら非常に冷静で不気味さを感じました。
そして2R目に徐々に距離が合い、軽く打っているように見える右フックでダウンを先取。
その後も右フックで2度倒しTKO勝利。
この日の石井選手はあまり振り回さずコンパクトなパンチの中に強打を入れる緩急があり、成長を感じました。
優勝候補はスコーピオン金太郎選手と予想していましたが、今の石井選手が相手となると厳しいかもしれません。
サウスポー同士の場合は相打ち狙いやすいし、スコーピオン金太郎選手は決して打ち合わず出入りのボクシングを徹底した方が良いと思いました。
追記：西部・中日本新人王対抗戦観戦記
中日本の藤崎紘成選手と西部日本の野田知鷹選手のサウスポー同士の一戦。
お互い距離を取ってジャブを突く慎重な立ち上がりの中、藤崎選手が左カウンターでいきなりダウンを奪い、野田選手が立ち上がったところに一気に一気にまとめTKO勝利。
勝利した藤崎選手は西日本の野口海音選手と対戦しますが、Sライトの階級にしてはやや線の細さを感じました。
野口選手は綺麗なジャブワンツーを打つのでおそらくサウスポー同士は得意でしょう。
が、前回3150FIGHTで韓国人ボクサーのキムデフン選手に敗れており、プロのキャリアもわずか2戦。付け入る隙は十分にあるはずです。
特に野口選手はパンチ力はあるが回転力はなく、距離を詰められてガチャガチャとやられると後手に回る弱点も見えたので、そこを突いていけが勝機はあると思います。
追記：東日本新人王決勝観戦記
スコーピオン金太郎選手と石井竜虎選手による一戦。
影の優勝候補と推しているスコーピオン金太郎選手ですが、この日はサウスポー同士でいつものような華麗なフットワークが出ない。
石井選手のパンチが当たる間合いの中での攻防にハラハラ。
序盤から石井選手の左クロスのタイミングも合っており、危険な展開の中、石井選手の左クロスが炸裂してスコーピオン金太郎選手ダウン。
万事休すかと思いましたがスコーピオン金太郎選手の左クロスも当たる。
しかし威力は圧倒的に石井選手。
苦しい展開で2Rも石井選手が攻勢。しかし徐々にスコーピオン金太郎選手の持ち味であるフットワークが出始め、リズム良く打ち抜いたストレートで石井選手がダウン。
石井選手はかなりダメージがあり、形勢は一気に逆転。
ここで石井選手はクリンチに逃げず打ち合ったため傷を更に広げる事に。
3R目も石井選手はダメージが残っており動きは悪く、逆にスコーピオン金太郎選手は持ち味の華麗なフットワークからのジャブワンツーでスコーピオンペース。石井選手もまだまだ危険なパンチを持っており、ワンパンチ逆転もあり得る展開の中、最後はスコーピオン金太郎選手が右フックを突き刺しKO勝利。
知名度は完全に石井選手でしたが、ここで実力を発揮して勝ち上がったスコーピオン金太郎選手はお見事！
追記：西軍代表決定戦結果
対戦相手不在で3150FIGHTに出場したところ、韓国人選手にまさかの黒星を喫した野口海音選手。
気を取り直して臨んだ西軍代表決定戦ではサウスポーの中日本新人王藤崎紘成選手を相手に見事な1RTKO勝利。
全日本決定戦で争うスコーピオン金太郎選手は同じくサウスポーでスコーピオンのような左を打ち込む好選手。
プロでのキャリアでは野口選手を大きく上回るスコーピオン金太郎選手がどういった戦い方で来るか注目。サウスポー同士の時にも対オーソドックスの時と同じようなフットワークが使えるのかどうか、スコーピオン金太郎選手が勝てるか勝てないかはそこに掛かっていると思います。
