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世界が近い!新人王が多数参戦!9/25オールミニマム級祭り観戦記

torajiro

ボクシングファン歴27年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。Xも投稿していますのでフォローいただけると嬉しいです。

2024年9月25日(水)後楽園ホールにて開催された全試合ミニマム級の『Lemino BOXING フェニックスバトル122』観戦記です。

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人間は最初から最後までミニマム級のみの興行を見続けたらどうなってしまうのか!?

我が身を実験体とすべく、この興行を現地にて観戦した観戦記です。

  • メイン以外全ての試合が判定決着。
  • 試合が終わったのは22:30。

と聞くと失敗の部類に入る興行と思われるかも知れません。

だがしかし!!

オールミニマム級興行めっちゃ良かったです。

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同じ階級のライバル達が集結してマンガみたいだった。

八王子中屋ジムVS角海老宝石ジムのミニマム級若手対決2連戦

最初の2試合は八王子中屋ジムと角海老宝石ボクシングジムに所属する若手ミニマム級ボクサー同士の対決。

1試合目は2024年6月3日にデビュー戦をKO勝利で飾った八王子中屋ジムの大久保るきあ選手が登場。

ミニマム級ながら長身168cmという長身を活かしたリーチとキレのあるパンチが売りです。

対するはこの試合でデビューを迎える角海老宝石ボクシングジムの関優多選手。

アマチュアで18戦9勝(4KO・RSC)9敗の実績を持つ選手です。

関選手はYouTubeをやっており、自己紹介とこの試合に向けた意気込みを語っております↓

この動画での関優多選手のしゃべりにはおじさん感動。

若干二十歳にしてここまで自分の言葉でハキハキとしっかりと喋れるって凄いです!

私torajiroの二十歳の頃を振り返ると、大学はエリートと言われるようなところに通ってはおりましたが、単なる頭でっかちでこんな風に理路整然と喋れる実践力なんて皆無でした。

「いかに自分の頭で考えて生きてきたか。」それがこの動画から伝わってきました。

脱線しましたが八王子中屋VS角海老の2戦目は本田優貴VS森川幸輝。

八王子中屋の本田選手はデビュー戦は判定負け。

学生時代は陸上選手だった本田選手。

一方の角海老宝石ジム森川選手はNARIAGARIの電話ボックスファイトに出ていた選手(おそらく)。

施設で育ち父が捕まり祖母に育てられたという壮絶人生を経てプロへという選手。

角海老宝石ジムは昔から複雑な生い立ちの選手も多いジムです。

森川選手には居場所を見つけて羽ばたいて欲しいと願います。

角海老VS八王子中屋対決は1勝1敗

1試合目の関優多VS大久保るきあの試合は2者がフルマークで関選手の勝利。

リーチのある大久保選手にフットワークと反応で勝る関選手が先にジャブを当てる。

大久保選手がジャブを出そうとするとバックステップで回避、もしくは打とうとしたところにジャブ。

積極的に攻めたいが先に当てられ後手に回ってしまった大久保選手。

ラウンドが進む毎に右ストレートも良く当たるようになり結果は関選手の完勝。

アマチュアキャリアの差もあるし、何より大久保選手はまだ17歳。これからこれから。

2試合目の本田優貴VS森川幸輝の試合は39対37で本田選手が勝利。

サウスポーの森川選手に的確に右をヒットさせて本田選手が先制。

このままフルマークもあり得そうな1R目でしたが、2Rに森川選手が反撃!!

ワンツーでクリーンヒットを奪い本田選手の腰が少し落ちる。

このチャンスに仕留めることが出来ず3R,4Rと有効打の差で僅かに上回った本田選手が勝利。

森川選手は独特の空気をまとったボクサーでした。

「リングの上で人生を変えてやる。」

表情は淡々としていますがそんな内に秘めた闘志を感じた選手でした。

この選手なんか気になる。。

第3試合に全日本新人王坂田一颯が登場

ミニマム級祭りの3戦目には2023年の全日本新人王坂田一颯選手が登場します。

出入り良く踏み込んでのワンツーのキレが抜群のボクサーです。

全日本新人王獲得後初の試合で試合間隔が気になるところ。

対戦相手はまたまた角海老宝石ジムの鈴木義人選手。

戦績は1戦1敗ですがB級デビューでアマチュアで44戦23勝(4RSC)21敗の実績を残しているサウスポー。

アマチュア出身のサウスポーというイメージとは違いやや変則で機動力のある選手。

一気に巻き込んでいく強さを持った選手なので侮れません。

1戦経験してプロのリングの感覚も掴んだでしょうし、かなり手強い相手。

坂田一颯推しの自分としてはもう少し安全な対戦相手が良かったというのが正直なところです。

坂田一颯2度ダウンを奪う完勝も1Rの鈴木は怖かった

坂田一颯選手久々の試合は立ち上がり鈴木義人選手の好戦的でパワーのあるパンチにドキッとした。

(こりゃ強いぞ、、)

とドキドキするも、2Rに相打ちの左クロスで坂田選手の左が鈴木選手をとらえてダウンをゲット!!

これで流れを掴んだ坂田選手はキレとパワーで鈴木選手を上回り4Rに左フックで2度目のダウンを奪う。

このパンチで拳を痛めた坂田選手は無理にKOは狙わずフルラウンド戦い完勝。

もっと上の世界で見たい選手ですが、その前にまずは試合の機会が欲しいです。

鈴木選手はこれでデビュー2連敗ですが相手が強かっただけで自力はあります。

4戦目はミニマム級ランカー岡田真虎VS佐宗緋月!!

ミニマム級祭り4戦目は日本ランカー同士による8回戦。

興行全体の流れとしてはこの試合がキーになる一戦。

8回戦の試合でどっちが勝ってるのか分からない展開が続くと中だるみが生じるもの。

しかしこの両者の試合は噛み合うはず。

岡田選手はJBスポーツの厳しいトレーニングで培ったテンポの速いボクシングで攻め立てて行くでしょう。

一方の佐宗選手はテンポはやや遅いながら頭を振って中に入り強烈なパンチを振るってきます。

過去にはミニマム級王座決定戦で後の世界王者谷口将隆選手に強烈な右フックを食らわせていました。

機動力が勝つかパワーを溜めた一発が勝つか、退屈しない一戦になるでしょう。

岡田真虎選手が想像以上の出来で完封

獰猛な調教師が虎を従えて入場(笑)。

ランカー同士の一戦はシーソーゲームになると予想していました。

しかし蓋を開けてみたら岡田真虎選手がスパーリングのようなリラックスしたボクシングでテンポ良く佐宗選手を攻め立てて完封。

岡田選手は瞬間の動きが速く更に無駄な動きがない。

右を伸ばして距離をキープする時も余計なフットワークは使わず歩く(これが好き)。

この試合に勝利した岡田選手はタイトルマッチに進むのでしょうか。

どこかのタイミングで日本タイトルは獲りそうな気がします。

試合とは全然関係ありませんが、インターバル中、山田武士トレーナーの左足ふくらはぎの血管が浮きまくっていたのが気になりました。。

中日本新人王宮澤蓮斗VS東日本新人王北野武郎によるユースタイトルマッチ

5戦目は日本ミニマム級ユースタイトルマッチ。

王者は2022年の中日本新人王宮澤蓮斗選手。

2022年には僕がダークホースとして注目していた坂田一颯選手との中日本・西部日本対抗戦に勝利。

1Rに身体能力の高い動きから右ストレートでダウンを奪った宮澤選手。

前戦のユースタイトル決定戦でも国体3位の実績を持つ強打の佐伯侑馬選手から右でダウンを奪い勝利。

試合を会場で観戦していましたが、宮澤選手は高い身体能力はアマチュア上がりの選手にとっても未体験の脅威と感じました。

この宮澤選手が保持する王座に挑むのは2023年の東日本新人王北野武郎選手。

北野選手の武器はフワッとした華麗なフットワークからのコンビネーション。

サウスポー同士の試合はやや苦手にしている印象ですが、オーソドックス相手には強い。

宮澤選手の高い身体能力も北野選手のフットワークを捕まえるのは難しいのではないか。

長いラウンドは未知数ではあるが、北野選手のフットワークが勝るのではないかと個人的には予想します。

武郎坊ちゃんから世界の北野へ!!北野武郎が競り勝つ

身体能力の高い両者による一戦。

試合は宮澤選手が変則的な右フックをヒットさせて先制。

2Rも宮澤選手がボディ攻撃を見せてポイントでリード。

いきなり最初の2Rを失った北野選手ですが、徐々にフットワークとジャブが機能する。

距離をキープしながらジャブをヒットさせ、徐々にポイントを引き寄せて6R終了時点で僕の採点はイーブン。

そして迎えた7Rに宮澤選手が右をヒットさせて先制。

そのまま宮澤選手優勢のまま時間が過ぎ、北野選手の勝ちはないかな、最悪でも引き分けでユース防衛かな。

と思ったラウンド終盤、北野選手が前に出てワンツーで宮澤選手の腰を落とす、このチャンスに下がらず猛攻を仕掛ける北野選手。

以前の北野選手だったら良いパンチを当てた後で見てしまう癖があったが、そんな武郎坊ちゃんはこの日はいなかった。

最終ラウンドも自分から頭をつけて接近戦を仕掛けて打ち勝った北野選手。

ポイントは割れるかもしれないが最悪でもドローかなと思った判定は2対0で北野選手を支持。

宮澤選手側の応援団から結構なブーイングが起こっていましたが、判定は妥当かなと思いました。

2022年全日本新人王石井武志がOPBF決定戦へ

2022年の新人王トーナメントを無双状態で制した石井武志選手が早くもOPBF王者の決定戦に登場。

8勝のうち7KOというKO率が示す通り、石井選手の魅力は圧倒的な強打。

全日本新人王決定戦でも会場に響き渡るパンチ音はミニマム級をはるかに超えるものでした。

対戦相手のジョン ケビン ヒメネス選手は8戦無敗のフィリピン人ボクサーですが、石井選手ならやってくれるでしょう。

早くタイトルを獲って世界まで駆け上がって欲しいし引き出しを増やせば十分世界を狙える逸材です。

石井武志が強打の攻防をフルラウンド戦い抜く

石井選手のOPBF王座決定戦は強打で早いラウンドに倒すと予想していました。

試合が始まると早速石井選手は強打の左ボディを打ち込む。

しかし驚いたことにヒメネス選手は石井選手の打ち終わりに石井選手に負けないくらいの強打を打ち返す。

更に驚いたことに1Rにこのヒメネス選手の左ボディが効いたのか、石井選手が少し苦笑いをして後退。

その後のラウンドも石井選手が先に仕掛け、ヒメネス選手が打ち終わりを狙う展開。

ポイント的には少しずつ石井選手がリードしていたが、打ち終わりに強打を打ち込みヒメネス選手がポイントを取るラウンドもある。

予想外のクロスゲームはフルラウンド戦い抜き、石井選手が2〜4ポイント差をつけて勝利しました。

世界は広い。石井選手の強打でも簡単には倒せないのか。

プロの根性を見せつけられた試合でした。

メインは松本流星VS森且貴の日本タイトルマッチ

オールミニマム級興行のメインを飾るのは日本ミニマム級王座決定戦!!

帝拳ジムの松本流星選手VS大橋ジムの森且貴選手。

松本選手は初挑戦で森選手は3度目のタイトル挑戦。

森選手は石澤開選手は高田勇仁選手との試合ではフィジカルやパンチ力における差を感じました。

ただこの2選手はパワー面で突出した力を持っていた選手。

松本流星選手はアマチュアで全日本を制している実力者ですが、特別パワーを感じる選手ではありません。

直近の試合も会場で観戦しましたが、隙なく淡々とポイントアウトしていく印象でした。

森選手も松本選手相手ならパワー負けすることもないでしょう。

しかし松本選手の子供の頃から培ってきたテクニックは超一級品。

果たして勝利の女神はどちらに微笑むでしょうか!?

ごめん、松本流星凄すぎたよ

メインのミニマム級日本王座決定戦は松本流星選手が7R TKOで森且貴選手に勝利して新チャンピオンに。

この試合に関してはもう何も言えません。

松本選手が凄すぎた。

構えの時点で芸術。

構えだけでご飯3杯おかわり出来るレベルで美しい。

武術マスターのような佇まいで体もまだ若い。

技で完封しようと思えば出来るけど倒しにくる。

この選手はこれからどこまで行くのだろうか。

森且貴選手の打ち合いを挑んだ作戦もハートも良かったですが、松本選手がちょっと凄すぎた。

世界レベルは間違いないので早く上の舞台でそのパフォーマンスを見せてくださいね。

まとめ:今ミニマム級ウォーズが熱い!!

オールミニマム級興行は同一階級ということもあり、出場選手同士過去の対戦経験があったり、将来の対戦可能性があったり、マンガチックな楽しみがあって非常に良かったです。

スピードもあり技術もあり、駆け引きにもハラハラしました。

ミニマム級ボクサーはスピードもあるし最近はKO率も高い、そしてルックスの良い選手が多いのも特徴。

この事実を多くの女性にも知っていただきたい!!

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