新人王

【観戦記】2025東日本新人王トーナメント準決勝|全日本を制するするのは誰だ!?

torajiro

ボクシングファン歴28年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴3年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。Xも投稿していますのでフォローいただけると嬉しいです。

2025年9月18日、19日に開催された東日本新人王トーナメント準決勝の観戦記です。

18日は現地観戦、19日は配信で視聴しました。

予想通りの試合もあれば想定外の選手が伸びてきた試合もありました。

今回のtorajiro的MVPは帰ってきた石井竜虎!!

決勝は11月3日、U-NEXTで配信あり。

2025年9月18日(木)準決勝

ミニマム級 暴君京屋勇気が関純輝のハイレベルなボクシングを凌駕

暴力とボクシングのミックスファイター京屋勇気選手がアマチュアキャリアもある関兄弟の兄、純輝選手に4RTKO勝利。

立ち上がりは純輝選手の出入りの速さに感嘆。

これは京屋危うしと思ったが、京屋選手はボディ攻撃から2回には左フックで純輝選手の膝を落とす。

純輝選手も果敢に打ち合い右ストレートからのノンストップの8連打等回転力のある攻撃を披露。

4回戦とは思えないハイレベルで気持ちのこもった攻防で後楽園ホールを沸かせる。

最後は京屋選手のパワーと連打に動きが止まりレフェリーストップ。

関兄弟は先にデビューした弟、優多選手が注目されていますが自力は兄、純輝選手の方が上かな?そんな印象を持ちました。

京屋選手はデビュー戦の2分半ガード固めて30秒殴りまくるインパクトある試合内容が目を惹きましたが、そこからボクサーとして大きく成長。

Lフライ級 加藤准也が引き分け優勢で決勝へ

三谷大和ジムのサウスポー加藤准也選手が引き分けながら優勢点を勝ち取り決勝へ。

長いリーチからの打ち下ろしの左ストレートにジャブが冴えた。

デビュー戦同様に揉み合いになる場面はやや多く、まだプロの距離感にもう一つ順応出来ていない感じがある中でこのボクシング。

末恐ろしいボクサーです。

伴流ジムのサウスポー平山力斗選手も左ボディから返しの右フックを決めて反撃。

しかし全体を通してみると優勢に試合を進めていたのは加藤選手でした。

フライ級 噛み合わない展開も優勝候補の鈴木丈太朗が判定勝利

アマチュア実績もある圧倒的優勝候補、帝拳ジムの鈴木丈太朗選手がこの日は苦戦。

長身サウスポー柳田優希選手のリーチとフットワークを活かしたディフェンシブなスタイルに突破口を開けず。

距離が遠く1Rは柳田選手がジャブで主導権を握る。

鈴木選手は中に入ろうとするが、柳田選手の前の手に阻まれ左を合わされる。

2Rからは鈴木選手が圧力を強め、右ボディで攻勢をアピール。

柳田選手は手数が少なく、お互いクリーンヒットは少ないもののポイントは鈴木選手という展開。

右ボディや右ストレート、積極性で僅かに勝った鈴木丈太朗選手が3者共に39-37の判定で勝利。

バンタム級 菅谷翔太伸びのあるパンチをまとめて1RTKO勝利

FLARE山上ジムの飯塚晴紀選手がハンドスピードの速いジャブで先手を取ったが、菅谷翔太選手はワンツーを決めると連打でレフェリーストップ。

伸びのあるパンチでこれで6勝のうち5勝がノックアウト。

安定感も増してきた。

Sバンタム級 佐藤誠市この日もジャブが冴えた

本多ジムのミルザド マハディ選手が右ボディからの左フックで積極的にアタック。

ガードの上だがパンチ音がよく響き客席には印象の良い攻撃。

しかし佐藤選手はこの日もジャブが冴え渡り、そこからの右ショートでラウンドが進むに連れてマハディ選手の被弾が増える。

ジャブでペースを掴んだ佐藤選手は3Rに右アッパー(だったかな?)からの左フックでダウンを先制。

ダメージの残るマハディ選手は4R佐藤選手のジャブに右を合わせるが、佐藤選手が左フックで再度マハディ選手の膝を揺らすと連打をまとめてTKO。

佐藤選手は階級を上げて力強さが増した。

フェザー級 亀田昇吾がタフな山鹿あたるを沈める

アマチュアで26戦18勝8敗のキャリアのあるワタナベジムの亀田昇吾選手が3RTKOでセレスジムの山鹿あたる選手に勝利。

亀田選手はふてぶてしい表情がどこか懐かしい。

ちょっと悪そうで自分に絶対の自信を持ったこうしたボクサーは最近あまり見ない。

1Rのフェイントとバックステップだけで強者感は十分。

サウスポーの山鹿選手に絶妙な右アッパーのカウンターを決めるものだから驚いていたら、2Rにこのアッパーでダウンを奪う。

3R開始時に後楽園ホールの名物おじさん次郎さんが「このラウンドで終わらせろ!!」と客席から檄を飛ばすと、その声が聞こえたのかどうか、ボディから一気にまとめてレフェリーストップ。

亀田昇吾、いい味出している。

山鹿選手も最後までガードを固めて勝機を見出そうと頑張っていた。

ライト級 出畑力太郎KOならずも安定感のある強さを証明

ライト級の再注目株、マナベジムの出畑力太郎選手がReason押上ジムの小原健人選手に判定勝利。

期待されたKOはならなかったが、ガードも良くフィジカルの強い小原選手を倒せないのは仕方がない。

リラックスした状態からジャブを次々ヒットさせ、右から返しの左、左ボディで攻勢。

小原選手もジャブに対して右を合わせようとするがディフェンス能力も高く、被弾を回避。

右アッパーからの左ボディもしなやかで非常に良かった。

本人は納得いかない表情をしていたが、笑顔が羽生結弦な出畑力太郎選手が期待通りのパフォーマンスで決勝へ。

敗れた小原選手も良い選手でした。

Sライト級 やや荒れた試合も落合昭斗がポイントアウト

一力ジムの落合昭斗選手が単発ながらサウスポーの五百久大選手にワンツーと右の強打を決めてポイントアウト。

落合選手の単発の右強打は良く響いたが、五百久選手の右フックにヒヤッとする場面も。

単発なのでKOには繋がっていないが体はマッチョでパンチもありました。

ウェルター級 帰ってきた石井竜虎がこの日も魅せた!!

新人王トーナメントでの敗戦から長期ブランクを経て復帰した石井竜虎選手が1R僅か25秒で秒殺。

試合開始後2発目の左がムラタ選手を捕らえ、追撃の左で倒す。

協栄ジムのケイスケ ムラタ選手も基本のしっかりした良い選手なのだがこの日はなす術なし。

後楽園ホールに衝撃が走りました。

石井竜虎は早く新人王を制してランカーとなってウェルター級をかき回して欲しい。

ゆくゆくはSライト級から階級を上げるかもしれない藤田炎村選手との超強打者対決なんて実現したら後楽園ホールが揺れるでしょう。

ミドル級 佐々木革が兄弟対決を制する

  • 佐々木尽を兄に持つ佐々木革選手
  • 元世界王者の谷口将隆を兄に持つ谷口裕紀選手

キャラの180度異なる兄を持つ両者の対決は佐々木革選手がポイント上はフルマークに近い内容で勝利。

しかし谷口裕紀選手のジャブを突きつつ歩きながら距離を詰めての右オーバーハンドは迫力満点。

2Rにはこの右オーバーハンドで佐々木革選手がグラつく場面もあった。

佐々木尽選手が喜びそうなボクシングで攻める谷口裕紀選手に、佐々木革選手は技術力の差を活かしてジャブからコンビネーション、左フックでポイントアウト。

谷口裕紀選手はボクシング続ければ人気が出そう。

伊吹遼平選手とのファイター対決なんて見てみたい。

2025年9月19日(金)準決勝

ミニマム級 関優多が的確な右でポイントアウト

一力ジム浅井レイト選手のスピードに乗った積極的な攻撃を取るか、角海老宝石ジムの関優多選手の迎え撃つ右ストレートの的確性を取るかという試合。

ドローも有り得るかな?という内容でしたが関選手の右の有効打が勝り3者共に39-37。

戦っている両者共に自分が勝ったと思ったであろう試合内容でした。

関選手はこの試合後に拳の骨折が判明して決勝は棄権。

ブランクを作ることとなりそうですが、その間におそらく今後の課題であろうフィジカルを強化して戻ってきて欲しい。

浅井レイト選手は身体能力は申し分なし。華のあるボクサーにはあまりいないキャラも良し。

Lフライ級 片渕龍太が大ピンチをサバイブ

激しい打ち合いから2Rに片渕選手が右カウンターでダウンを奪うがその後に失速。

ダウンを奪われた木更津GBジム杉本愛弥選手の猛攻は止まらず、ラウンド終盤に片渕選手をぐらつかせる。

3R,4Rも杉本選手が攻め続け、片渕選手は右からの左で攻めが単調になり、攻撃を凌ぐのに精一杯。

なんとか4R闘い抜き、序盤のダウンポイントで逃げ切ったがどちらが勝者か分からない一戦でした。

杉本選手はあと一歩でストップまで持って行けたので惜しかった。

片渕選手は攻撃力は申し分ないがガードが低いという課題が露呈した試合でもあった。

フライ級 國田虎之朗がダウンポイントを守り抜く

前戦から階級をフライ級に下げたセレスジムの國田虎之朗選手がダウンポイントを守り抜いて2対1の判定ながら大橋ジムの髙森悠叶選手に勝利。

アマチュアで22戦15勝7敗の実績を持ってプロ入りした國田選手はしかし、プロではフィジカルの壁に悩まされ2連敗でした。

前戦で初勝利し、この日も序盤にダウンを先取し、2R途中までは中間距離で順調に戦っているように見えたが、徐々に押し込まれる場面が増える。

3R,4Rは押し込まれてコーナーに詰まる場面も多く、髙森選手の積極性が光った。

技術レベルは明らかに國田選手ながら結果はこの判定。

階級を落としたことで勝てるようにはなってきたが、フィジカルの弱さはまだまだ課題か。

Sフライ級 矢野貫丸が金田翔悟の強打を封印

Sフライ級は2対0の判定でワタナベジムの金田翔悟選手が勝利。

矢野選手は金田選手の強打が届かないところから飛び込んで金田選手の強打を封印。

金田選手は強引に入ろうとしたところに右を合わされてポイントを失う。

クリンチの多い試合展開になったが、内側からワンツーを決めては金田選手の強打を空転させて矢野選手の作戦勝ち。

金田選手にとってはやりたいボクシングが出来ず悔しい敗戦。

Sバンタム級 八谷洋平が負傷ドローで決勝へ

1,2Rと優勢に試合を進めたのは角海老宝石ジムの布元寿弥選手。

距離を掴んだ布元選手に対し、状況を打開しようと飛び込む八谷選手。

ここで不運にも頭が当たってしまい布元選手が出血。

新人王トーナメントルールで怪我のない八谷選手が決勝へ。

Sフェザー級 保谷勇次がダウンを奪いポイントアウト

ゴングと同時に普段通りグイグイと前に出て接近戦を仕掛けるワタナベジムの日向和輝選手。

いつものように押し切るかと思ったが、保谷選手は押し負けず、飛び込んできたところに右カウンターを合わせてダウンをゲット。

その後も前に出ながら右を振る日向選手に右を合わせる等、接近戦に持ち込まれる前にバックステップして距離を作って有効打を重ねた保谷選手が3対0の判定勝利。

保谷選手は距離が詰まっても右アッパーを効果的に使っていた。

日向選手の突進力なら優勝は固いと予想していましたが、距離を詰めるまでの過程でパンチをもらい初黒星。

保谷選手は懐が深く空間の作り方が上手かった。

ライト級 リューチャーウェイがTKO勝利

昨年のSフェザー級からライト級に階級を上げた渡嘉敷ジムのリュー選手は肩回りが一段とパワーアップ。

自慢の強打に力強さが増す。

右を強振するリュー選手に対し、神奈川渥美ジムの中野凌太選手は大振りせずコンパクトなパンチを打っては動いてマトを絞らせず。

2Rに入りサイドの動きを更に増やした中野選手。

しかしリュー選手は一発当てるとチャンスに猛ラッシュしてレフェリーストップに持ち込んだ。

中野選手からしたらワンチャンスをものにされた悔しい敗戦。

Sライト級 磯谷広太が判定勝利で決勝へ

輪島スポーツジムの磯谷広太選手が姿勢良くサウスポースタイルからジャブを突き左をヒットさせポイントアウト。

3者が39-37の判定で磯谷選手を支持。

Reason押上ジムの松村直樹選手はスイッチしながら乱戦に持ち込む場面もあったが、有効打で磯谷選手がリードした。

ウェルター級 カドカ ダルシャンが波状攻撃でTKO勝利

小刻みに跳ねながらテンポ良く攻めるRK蒲田ジムのカドカ ダルシャン選手。

シュウジムの鴇田龍平選手はガードを固めてリターンを狙い、左フックや右ストレートを決める場面もあるがダルシャン選手が止まらない。

多少の被弾はものともせずコンビネーションで波状攻撃を仕掛けるダルシャン選手が3Rにロープ側でパンチをまとめてTKO勝利。

ミドル級 ジュディ クレッグがハーンズスタイルでTKO

トーマス ハーンズのような70年代風のトランクスで登場したジュディ クレッグ選手。

ジャブがハーンズのように伸びる。

このストレートのようなジャブに手を焼いた一力ジムの山田悠貴選手でしたが、クレッグ選手の左ガードが下がったところにワンツーを決めてダウンを先取。

しかしダメージからすぐに回復したクレッグ選手はラウンド終盤に強烈なジャブで倒し返す。

2Rもこのジャブで山田選手の膝がグラグラと揺れたところでレフェリーが試合をストップ。

憧れのボクサーにトーマス・ハーンズの名を挙げる山田悠貴選手は目の前にハーンズのような黒人ボクサーが現れて何を思ったか。

まとめ:決勝は11月3日(月祝)U-NEXTで配信あり

以上、長くなりましたが2日間の新人王トーナメント準決勝の観戦記でした。

決勝は11月3日(月祝)U-NEXTで配信されます。

トーナメント決勝の後楽園ホールの盛り上がりはタイトルマッチ以上。

決勝でも石井竜虎が派手に暴れるか!?

後楽園ホールでの観戦を検討している方はボクシングチケットドットコムを利用しての選手からのチケット購入をお勧めします。

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