選手紹介

トンパチ伝説アンディ・アツシ|ラストファイトで華麗に散る!!

torajiro

ボクシングファン歴28年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴3年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。Xも投稿していますのでフォローいただけると嬉しいです。

このブログでも度々取り上げさせていただいた宮田ジムの相打ち上等ボクサーアンディ・アツシ選手が、2025年11月26日にラストファイトを行いました。

最終戦績は13戦4勝(3KO)8敗(5KO)1分

戦績としては大きく負け越したこのボクサーに、インターバル中では読み上げ切れない程の激励賞が読み上げられ、会場では大歓声が。

アンディ選手の門出を祝い、ボクシングファンの心に刺さった戦歴を振り返ります。

デビューからのアンディ・アツシの軌跡

デビュー戦は後のランキング1位岡田真虎からの3連敗

アンディ・アツシ選手のデビュー戦は2016年11月15日。

お相手は後のランキング1位ボクサー(後のチャンピオンに変わるかも)の岡田真虎選手でした。

開始早々からお互いハイテンポで回転力のあるパンチを繰り出すレベルの高いデビュー戦。

有効打で勝ったのは岡田選手でしたが、自慢の右をぶち込みダウンを奪ったのはアンディ・アツシ。

結果は38対37が3者で敗退したものの、上々のデビュー戦でした。

しかしその後の2戦も勝てずデビュー3連敗となり、一度リングから遠ざかりました。

当時もパンチはあるし動きのキレもある。

ガードは多少低くて被弾は多いが3連敗は意外な選手でした。

デビューから3年半越しの初勝利は後のアフロ長谷川優太

デビュー3連敗し、リングから遠ざかったアンディ・アツシ選手は約2年半の時を経て2020年2月3日に復帰。

その相手は現在アフロボクサーとしてA級で活躍している長谷川優太選手のデビュー戦。

連敗していても1戦2戦とキャリアを積んでいることで、対戦相手も同じ試合数戦っているか、自信のあるデビュー戦の選手が相手になるもの。

長谷川優太選手もデビュー戦からフットワークも軽快で出入り良く、光るものがある選手でした。

しかしこの長谷川選手相手に劣勢から起死回生の右フックでダウンを奪い判定で初勝利を手にしたアンディ選手。

自分もプロボクサー時代デビュー戦黒星から仕事の都合もありブランクを作った身なので、勝てない時期の辛さは分かります。

初勝利を手にするまでの数年間はずっと心に何かが引っかかる日々だったことと思います。

なのでこの時の勝利は自分のことのようにホッとしました。

新人王トーナメントは2年連続優勝者と当たり準決勝で敗北

さて、こうして初勝利を手にしたアンディ・アツシ選手は相打ち上等の観客が喜ぶファイトスタイルで連勝するも、2021年の新人王トーナメントは全日本を制した墨田大祐選手に敗れ、2022年の新人王トーナメントも同じく全日本を制した石井武志選手に敗れました。

石井選手のパンチ音はとにかくヤバく、えげつないボディを食らって後退するアンディ選手の苦しそうな表情が記憶に残っています。

西軍代表池田雅史との感動の大激闘

個人的にアンディ・アツシ選手の真骨頂と推す試合は関西に乗り込んで2022年の西軍代表池田雅史選手と対戦した試合。

スタミナお化けの池田選手に後半持っていかれると予想していましたが、後半も失速せずドロー。

5Rに右を決めて池田選手の腰を落とした場面は配信からも興奮が伝わる好試合でした。

恐怖のノーランカーテンプル神原戦で令和のトンパチ伝説誕生

6回戦に上がってからは1勝することが出来なかったアンディ・アツシ選手ですが、恐怖のノーランカーテンプル神原選手と3150FIGHTのリングで対戦し、スプリットまで持ち込む善戦をしました。

この試合でついた異名が「令和のトンパチ伝説」

「トンパチ伝説」だけでもおかしいのに更に頭に「令和」の2文字。

この異名には笑いが止まらず。

この先「令和のトンパチ伝説」を超えるキャッチフレーズをお目にかかることはないでしょう。

煽りVでもう一度笑ってください↓

引退試合は3Rにドラマが!!

相打ち上等のファイトスタイルは観客を盛り上げるが、代償として体に大きなダメージを残します。

篠塚将希戦でTKO負けしたアンディ選手は大きなダメージを負い入院。

2025年11月26日の清木場哲生戦をラストファイトとし、リングを去ることを決断しました

ラストファイトのリングに上がるアンディ・アツシ選手にはインターバル中に読み上げきれない程の激励賞が届き、会場もアンディ選手への多くの声援で包まれていました。

試合は4RTKOで清木場選手の勝利。

しかし3Rには自慢の右がドンピシャで入り清木場選手の膝が揺れる大きな見せ場も作りました。

4Rもまだまだ戦える状態ではありましたが、宮田ジム陣営がアンディ選手の未来を考慮して棄権の申し入れ。

たくさんの愛を感じた引退試合となりました。

ボクサーアンディ・アツシが見せたボクシングの魅力

戦績だけ見れば負け越した平凡なキャリアで、私的に接点もないアンディ・アツシ選手。

なぜ彼のボクシングに自分は魅了されたのかを考えてみました。

  • デビュー3連敗という逆境からの這い上がり
  • 相打ち上等のハラハラファイト
  • 右の強打
  • そして時に見せる精神的弱さ

こうした点に自分は惹かれたのかなと思います。

失礼な言い方になるかも知れませんが、アンディ・アツシ選手のボクシングには相打ち上等に加え、「効いたかな、疲れたかな」という場面で苦しい表情を見せて後退する脆さも見え隠れしました。

自分としてはここが堪らなく好きで、「頑張れ!!あともうちょっと!!」と気が付けば応援する選手に。

チャンピオンになるだけがボクシングではない。

生き様、自分の弱さも見せながらそこに抗い夢を追う。

僕はそうした姿に勇気をもらい、明日を頑張る活力にしております。

令和の時代にトンパチなボクサー人生を駆け抜けたアンディ・アツシ選手。

感情のこもった熱いファイトをありがとうございました!!

次のステージではトンパチせず平和な道を歩んでいただきたいと願っております。

(お気に入りのこのパフォーマンスともお別れ。寂しい。)
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