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REAL SPIRITS VOL.81観戦記〜ガチコ選手定年延長を賭けた1戦の結果は!?

torajiro

ボクシングファン歴25年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。

こんにちはtorajiroです。

山中竜也選手の硬膜下血腫からの復帰2戦目がメインのREAL SPIRITS VOL.81をABEMAで視聴した観戦記です。

第1試合目には定年延長を賭けたガチコ萩生田選手とアダムス ハナコ選手の一戦も対戦カードに追加されました。

女子Sフライ級4回戦 ガチコ萩生田(ワタナベ) VS アダムス ハナコ(ハッピーBOX)

両者ともに今年で37歳の定年を迎えるが、勝てばランカーとなり定年延長が適用される負けられない一戦。

両者は7月28日に行われた試合でドロー。

関係者が動き急遽ガチコ選手の誕生日前日の8/14に再戦が組まれた一戦です。

▶︎【賛成?反対?】プロボクサー定年延長のメリット・デメリット

1R目、ジャブの差し合いからガチコ選手が浅めのワンツーで先制。

前に出るのはガチコ。

ラウンド終盤に連打をまとめたガチコ選手がポイントを先取。

2R目、アダムス選手リードは良いがガチコ選手に打ち終わりを狙われる。

互角の展開でややアダムス選手が中間距離からパンチを当てているように見えたが終盤にガチコ選手がまとめる。採点は割れそうだが終盤の見栄えでガチコ選手かな。

3R目、スタートからガチコ選手が前に出る。ガチコ選手今日はガードが良く、打ち終わりすぐ返す。

このラウンドも終盤にガチコ選手がまとめる。アダムス選手も中間距離でパンチを当てる。

微妙なラウンド。

4R目、スタートからガチコ選手が前に出て打ち合いに。

一進一退だがガチコ選手の方がガードが固く自分から前に出て手数を多く出しているか。

このラウンドも終盤にガチコ選手が綺麗な右を打ち下ろした。

ポイントはガチコ選手かな。

僕の採点は39対37でガチコ選手。

判定は2対0でアダムス選手の勝利。

ガチコ選手は前回より良いボクシングをしていたように思えたが、採点は難しい。

女子52.5kg契約6回戦 前田宝樹(姫路木下) VS 近藤佐知子(駿河)

前田選手めっちゃ強そう。近藤選手はリラックスしている。

1R目、前田選手体幹が強い。近藤選手はジャブで距離を取りたいが前田選手に距離を詰められて連打をもらってしまう。

2R目、前田選手がフックで入って強引にまとめる。前田選手がガンガン入るので近藤選手はジャブから先が出ない。前田選手はインサイドに外しての左フックが効果的。

3R目、近藤選手も足を使ってジャブで回ろうとする。

前田選手の右ストレートボディからの左フックで近藤選手の足が止まる。

4R目、前田選手がスタートから荒々しく攻める。このラウンドも左フックが効果的。

5R目、前田選手の左フックが近藤選手を捉える。近藤選手は中間距離でもジャブが出なくなってきた。

6R目、入り際に前田選手の左フックが再三ヒット。

判定はフルマークで前田選手だろう。

前田選手の左は効果的でしたが、右ボディからの返しのフックももっと組み入れたら倒せたかも。

58.0kg契約4回戦 徳永竜己(石田) VS 眞木健多(真正)

1R目、眞木選手が積極的に前に出て力強いパンチを打ちにいく。徳永選手もサークリングしながらジャブを突いて徐々に自分の距離を作り右フックが眞木選手の顔面を捉える。

全体で見たら前に出続けた眞木選手だが、徳永選手の右のクリーンヒットにポイントは流れたか。

2R目、ジャブを突きながら前に出る眞木選手。徳永選手は足を使って眞木選手を入らせず、距離を作ってワンツーを打ち込む。

3R目、眞木選手の接近戦の右で徳永選手は腰を落とす。このラウンドはそのまま眞木選手が接近戦に持ち込む。

4R目、徳永選手はスタート中間距離で戦おうとするが、眞木選手が中に入り接近戦へ。

両者接近戦で必死に手を出すが、手数では徳永選手が優勢か。

僕の採点は39対37で徳永選手。

ジャッジは3者ともにドロー。3人揃ってドローは珍しい。

64.5kg契約4回戦 駒井健太(神拳阪神) VS 大峯優真(真正)

駒井選手は現在36歳。9月2日に誕生日を迎えるのでこの試合が引退試合。

対する大峯選手は日大ボクシング部出身のB級デビューながらプロでは4戦4敗。

駒井選手が有終の美を飾るか、大峯選手が初勝利を手にするか注目の一戦。

1R目、ジャブの差し合いの中、大峯選手が先に右につなげる。大峯選手の右からの左フックで駒井選手は鼻血。

大峯選手やや優勢の中、ラウンド終盤に駒井選手のショートの右がヒットして大峯選手ダウン。

2R目、大峯選手は冷静に立て直す。両者有効打は少ないが大峯選手が下から上にパンチをまとめ積極的。

3R目、大峯選手が上下に打ち分けてペースを取る。駒井選手は手数が減った。ダメージがありそう。

インターバル中に駒井選手に対し「最後の試合や!」という言葉がセコンドから。

4R目、大峯選手が下から上にパンチを打ち込み優勢。左フックで駒井選手の顎を跳ね上げる。

大峯選手ワンツーもクリーンヒットを奪う。

駒井選手も声を出しながら最後は必死で手を出してダウンを拒んだ。

ポイントは大峯選手が逆転したか。

判定は38対37で大峯選手。ダウンポイントを挽回して涙の初勝利。

駒井選手もラストファイトで見せ場を作りました。まだまだパンチも切れていて年齢を感じないファイトでした。

Sフライ級6回戦 ジョナタン アルマセン(比) VS 小田切駿平(RST)

アマチュアで37戦している小田切選手のB級デビュー戦。

小田切選手は芦屋大学ボクシング部で主将を務め、2021年には全日本選手権で準優勝している実力者。

1R目、アルマセン選手パワーがある。スピードも。

小田切選手はサウスポースタイルから徐々にペースを取り、回転の速いボディ打ちを披露。

小田切選手のワンツーでアルマセン選手バランスを崩しロープ側まで吹っ飛ぶ。

2R目、完全に小田切選手のペースに。

何度もロープ側、コーナーに詰めて左ストレートを打ち込むがアルマセン選手もガード固くクリーンヒットは回避。

終盤にアルマセン選手も右スイングを当てにいったがスウェーで回避。

3R目、序盤はアルマセン選手から仕掛けに行くが徐々に小田切選手ペースに。このラウンドも何度かコーナーに詰めて左ストレートを打ち込んだがいずれも単発。クリーンヒットも奪えずやや盛り上がりに欠ける展開に。

4R目、小田切選手の左ストレートでアルマセン選手やや腰を落とす。その後も冷静に慎重に単発のパンチを打つ。

5R目、小田切選手が右で距離を測ってワンツーを打つ展開が続く。小田切選手パンチのキレは素晴らしいがワンツーから先に繋げられない。

6R目、小田切選手は倒しに行き前に出る。アルマセン選手はヒッティングで左目尻をカット。

これで試合終了で小田切選手TKO勝利。

小田切選手パンチのキレは素晴らしかった。

バンタム級8回戦 穴口一輝(真正) VS ラネリオ クイーゾ(比)

アマチュアで76戦、高校2冠の穴口選手はプロでは2戦2勝2KOのパーフェクトレコードでB級をクリアしA級ボクサーへ。

近いうちにランカーになるであろう選手です。

1R目、穴口選手サウスポースタイルからリラックスしてパンチを打つ。クイーゾ選手もスピードがあって良い選手。

2R目、穴口選手の左フックでクイーゾ選手ダウン。

穴口選手は左ストレートからの右を狙う。ロープ側に詰めて一気に連打でまとめるがここはクイーゾエスケープ。

3R目、穴口選手は相手が入って来ればバックステップからカウンターを合わせ、相手が来なければ自分から。動きもしなやかでリズムも良い。

4R目、穴口選手はジャブから組み立て相手が入ってきたところにワンツーをカウンター。

終始穴口選手のペースで左ストレートがクリーンヒット。終盤にも連打をまとめるがダウンは奪えず。

5R目、穴口選手ペースであることは変わらないが、クイーゾ選手もまだまだ元気。このラウンドはイマイチ噛み合わなかった。

6R目もクリーンヒットは少ないものの穴口選手がペースを取ったままラウンド終了。

7R目、穴口選手はカウンターに細かいパンチも当てて終始優勢。

8R目、穴口選手ワンサイドの展開ながら疲労の色も伺える。

判定は3対0で穴口選手。

判定が続いて会場のお客さんはちょっと疲れたかな?

Sフライ級8回戦 ジュン ブラゾ(比) VS 田井宜広(RST)

日本ランカーの田井選手は日本ユースタイトル戦に敗れてからの再起戦。

田井選手も元芦屋大学ボクシング部主将で全日本のベスト8まで進んだアマチュアエリートです。

1R目、田井選手は長いリーチを活かしてスイッチしながら距離を取るが、ブラゾ選手も中に入って強いパンチを打ち込む互角の展開。

2R目、田井選手はスイッチしながら中間距離から有効打を当てに行くが、ブラゾ選手も接近したらパンチをまとめ、田井選手がやや有利ながら大きな差のない展開。

3R目、両者激しく打ち合う中、徐々に田井選手の有効打が目立ち、左ボディでブラゾ選手からダウンを奪う。このボディでブラゾ選手は立てず10カウント。

50.0kg契約10回戦 山中竜也(真正) VS ジョナサン タコニン(比)

硬膜下血腫から特例で復帰した山中選手の復帰2戦目は世界タイトル挑戦の経験を持つ世界ランカーのジョナサン タコニン選手。

山中選手の現在の実力を測るにはうってつけの相手との一戦。

1R目、サウスポーのタコニン選手に対して山中選手は前の手の使い方で負けず。タコニン選手の強打も空を切らせ、右ストレートを何発か当てる。

2R目、タコニン選手が強引に前に出て山中選手は下がらされる。強引に入るタコニン選手に山中選手はカウンターを合わせていく。

3R目、このラウンドもタコニン選手が強引に入り山中選手が要所要所でカウンターを合わせる。前に出るタコニン選手を支持するか、山中選手のカウンターを支持するか。

4R目、タコニン選手の前進力がやや落ちてくる。山中選手は上手く捌いてジャブを当て、フットワークでパンチを外して右を当てていく。

5R目、山中選手のボディワークが非常に良い。マタドールのようにタコニン選手の前身をいなしていく。山中選手もはっきりとポイントを取れているとまでは言えないか。

6R目、山中選手はフットワークとジャブで距離をキープし、距離が詰まると右を当てていく。タコニン選手が強引に入ってもパンチはもらわない。ただはっきりポイントを取っているとまでは言えない。

7R目、山中選手のジャブが冴える。距離が詰まれば右。右ボディも良い。タコニン選手の動きのキレも落ちて来ているので余計に山中選手はパンチをもらわない。

8R目、最終ラウンドなのでやや山中選手も攻勢を強め、右ストレートでタコニン選手をグラつかせる。タコニン選手もすぐに立て直しダウンは奪えなかったが明確にポイントを取った。

判定はフルマークで山中選手でしたが、圧倒したラウンドはなく、ポイント差程の実力差はありませんでした。

まとめ

ガチコ選手は応援していましたが残念な結果となってしまいました。

でも前戦で悪かった面を改善し、ガードも良かったしジャブから攻めて連打に繋げていたし、下を向いてアッパーをもらう場面もなかったし、僅かな期間での成長を感じました。

体もキレていたし、まだまだプロでやれるというか、成長過程だと思いました。

駒井選手もこの試合が勝っても負けても定年引退試合でしたが、1R目にダウンを奪う良い試合を見せました。

競技人口も減っているし、今後も人口減で増えるよりは減る可能性が高いし、慎重な議論は必要ですが定年延長についてはランカーという点だけでなく、特別に実技審査をする等の方法で緩和できないものかと考えてしまいました。

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