こんにちはtorajiroです。
ボクシング元三兄弟世界チャンピオンの亀田三兄弟とJBCの裁判はJBCが1億の賠償を命じられての敗訴という結果になりました。
財務状況の悪化が著しいJBCはこの結果によって解体の可能性が高まってきました。
▶︎JBC解体の危機!?正味財産とボクシング興行数の推移から見た今後
この裁判については早い段階からJBC側の問題が指摘されており、世間の亀田バッシングを追い風にしてJBCがやり過ぎた印象の強い出来事でした。
一方で、同時に進められている亀田史郎氏のセコンドライセンス復活についてはJBC側が慎重にならざるを得なかった事情もありました。
個人としては「亀田史郎氏のセコンドライセンス復活に賛成」ですが、なぜ12年もの間、亀田史郎氏のセコンドライセンスが復活されなかったのかを今一度振り返りたいと思います。
もくじ
亀田史郎氏の実に4度の処分歴
「亀田興毅×亀田大毅の3150チャンネル」の中で亀田興毅氏が史郎氏のライセンス剥奪問題について「2010年にJBCの方に暴言を吐いたことでライセンス停止処分になった」と語る場面がありましたが、亀田史郎氏の処分歴は1度ではありませんでした。
過去4度の処分歴をJBCの事業報告書から引用します。
亀田史郎セコンド(協栄)の厳重注意処分(10月12日付):後楽園ホールにおける乱闘騒動の際、それに加担しようとしたと誤解される言動があった。
引用元:日本ボクシングコミッション 平成18年度事業報告書より
これが1回目の処分。
この騒動の詳細は以下の記事を読むと良く分かります。一言で表現するなら幼稚。
そして次。
亀田史郎(協栄)セコンドライセンスの無期限停止(10月15日付):チーフセコンドとしての第一義として、当該選手に対してスポーツマンシップの理念の教導を誤った責任。
引用元:日本ボクシングコミッション 平成19年度事業報告書より
2.試合開始前のレフェリーの注意に際し、チーフセコンドの亀田史郎が行った恫喝、威嚇行為。
3.当該試合のチーフセコンドとして、亀田大毅選手にルール違反を惹起させる動機を作った責任。
4.2006年10月12日及び2007年4月16日にセコンドとしての不穏当な行動に対して厳重注意を促した経緯があるにもかかわらず、前項の行動を成した責任。
これが2回目と3回目。
2回目の騒動については以下の記事が参考になります。
これも酷かったです。
3回目については有名な内藤大助戦での反則指示ですね。
反則指示自体はある程度はあり得るのかもしれませんが、試合前の相手陣営を威嚇する様子からまともな精神状態には見えませんでした。

試合も序盤から亀田大毅選手がガードを固めて頭からぶつかりにいくような場面が散見され、終盤は有名な反則オンパレード。
この試合が原因で3度目の処分を食らいセコンドライセンスが無期限停止に。
2007年の出来事なので今から14年以上昔の話ですね。
この試合に関しては寛容な僕もさすがに不愉快になりました(史郎さんごめんなさい)。
そしてラストの処分。
亀田史郎(亀田) [処分]セコンドライセンスの取り消し(2010年4月13日付) 五十嵐紀行(亀田/クラブオーナー・プロモーター)
引用元:日本ボクシングコミッション 平成22年度事業報告書より
[処分]クラブオーナーライセンス、プロモーターライセンスの無期限停止 (2010年4月13日付)
[理由] 亀田史郎は過去に2度の厳重注意処分を受け、2007年10月15日付でセコンド ライセンスの無期限停止処分を受けていたにも関わらず、2010年3月27日試合関係者に対して威嚇、恫喝行為を行ったため。
五十嵐紀行は会長としてセコンドライセンス無期限停止中の身にある亀田史郎の行動 を厳しく監督すべき立場にあったにも関わらず、同人と共に執拗な抗議を行い、同人の言動を増長させたため。
最終的に無期限停止処分を受けている中で威嚇、恫喝問題を行なってしまったことでライセンス取り消しとなりました。
最後の恫喝問題は亀田興毅選手がポンサクレック選手に敗れた試合後の暴挙でしたが、判定は妥当なものでした。
やや亀田選手よりとすら思えた順当な判定で暴れてしまった史郎氏について、さすがにこの時はライセンス取り消しにする以外方法はないだろうと僕も思いました。
とにかく酷かったですよ。この当時の史郎さんは。そこは再認識しておきたいです。
再三の注意が無視された現実
ライセンス取り消し後の2013年にも一度ライセンスの再発行申請をするという報道がありましたが、結局この時に再交付の許可は降りなかったようです。
JBCとしては1度ならず2度までも、どころか3度も4度も問題を起こした亀田史郎氏のライセンス再交付を認めることは、大きな責任問題に発展します。
これで再交付を認めて再度亀田史郎氏がトラブルを起こしたら監督能力を問われる問題に発展します。
JBCにとって、3度の忠告を無視した相手に対してライセンスを交付するメリットはなく、再交付は慎重にならざるを得ません。
仮に自分がJBCの関係者だとしても、あの当時の亀田史郎しに対してライセンス再交付を認めるという選択肢はあり得なかったでしょう。
亀田三兄弟の受け入れジムがなかった事実が意味する事
亀田裁判の報道では、「JBCが亀田ジム会長とマネジャーのライセンス更新を認めない処分を下したことで、3兄弟は国内での試合を行えなくなった」と被った被害内容について要約されますが、所属ジムがなくなっても移籍すれば活動は続けられます。
何故この時これだけ実績のある選手の移籍先が決まらなかったのでしょう。
水面下で移籍先候補のジムとの話し合いも進んでいたそうですが、最終的に受け入れられなかった決定的な理由は関係者に直接聞いた話によると、亀田史郎氏の存在だったそうです。
「亀田3兄弟は良いけれど、あの親父さんを止められない。」
ボクシングジム関係者がそう判断せざるを得ない程に、当時の亀田史郎氏の行動は目に余るものがあったという事でしょう。
日本中のボクシングジムが危険人物と見做している状況下で、管理責任が伴うJBCがライセンス再交付を認めるはずがありませんね。
亀田史郎氏のセコンドライセンス復活に賛成する理由
と、ここまで散々亀田史郎氏の事を散々批判してしまいましたが、個人的には亀田史郎氏のライセンス復活には実は大賛成です。
その理由を順番に説明します。
当時の問題行動は子供を守るため
過去の亀田史郎氏の問題行動は、全て自分のためではなく我が子を守りたいという親心が招いてしまったものでした。
子供達の将来から他の選択肢を排除して自分が引き込んだボクシングの世界なので、自分にも責任があるという多少の負い目もあったかもしれません。
だからこそ余計に子供達の前に立ちはだかった障害に対して過度に反応してしまったのではないでしょうか。
対戦相手陣営への威嚇も、採点結果に対する抗議も、反則指示も全ては子供達を勝たせたいため、守りたいため、その一心の必死の思いが歪んだ形で表出してしまったと僕は捉えています。
今、史郎氏が子供達のために出来ること
今、亀田興毅氏・大毅氏は会長・副会長として3150ファイトを切り盛りしています。
この状況下で、亀田史郎氏が子供達のために出来ることは一生懸命選手を育て、試合で勝たせることですが、仮に所属選手が負けたとしても我が子の将来が終わるわけではありません。
会長・副会長にとっては選手の勝ち負けも勿論大事ですが、興行として面白い試合を提供できるかどうかの方が重要です。
当時の暴挙は我が子を守るため、そう考えると今亀田史郎氏がセコンドに復帰して問題を起こすということは考えられないです。
問題を起こしたら子供達が築き上げてきたものが一瞬で崩れ去るので、そんな馬鹿な事を今の亀田史郎氏がやる訳がないと見ています。
指導者としての能力の高さ
何と言っても3兄弟全員を世界チャンピオンにしたトレーナーとしての腕前は文句なしです。
3150ファイトクラブで選手達を育成する様子を見ましたが、トレーニング内容も理にかなっていて、3150ファイトの選手達は総じて下半身のバランスが良いです。
ただしんどい練習をしているだけでなく、ちゃんと理にかなった練習をしていないと育てる選手全員があんなにバランスの良いボクサーになることはあり得ません。
本番前の選手のリラックスのさせ方も上手だなぁと思って見ていました。
これだけ腕の立つトレーナーをこのまま排除しておくのはボクシング界にとっても勿体無い事ではないでしょうか。
ボクシング界にもメリットが大きい
亀田史郎氏のセコンドライセンスが復活したら、3150ファイトで強くなりたいという選手は今よりもっと増えて、3150ファイトでプロボクサーをたくさん抱えることになるでしょう。
現在日本のボクシングはプロボクサーが激減し、まともに試合も組めない状況になっています。
どれだけ選手が減っているのかは以下の記事をご覧ください。本当に洒落にならない状況ですので。
▶︎プロボクサー数調査 過去15年の日本人選手の減少数に驚愕!!
ここで亀田のネームでプロを目指す選手が増えれば、ボクシング界にとっても試合枯れが防げるという大きな恩恵をもたらすし、JBCにもライセンス料や試合承認料といったお金が入ってくることになります。
正にWIN-WIN-WINな関係ですね。
まとめ
JBCは今年度末をもってもしかしたら解体するかもしれません。
組織を再編して新たな船出となった時には、以上の事情を考慮の上、亀田史郎氏のセコンド復帰を前向きに検討していただきたいです。
勿論ボクシングファンの中にも好き嫌いはあるかもしれませんが、反対派の人はもし亀田史郎氏が復帰した暁には、3150ファイト所属選手の対戦相手を必死で応援してみてはどうでしょうか。
3150ファイトの選手達はさすがに亀田3兄弟のようには勝ち続けられないので、負ける場面も何度もあるでしょう。
以下の記事で3150ファイトの選手情報をある程度まとめていますので、アンチとなってこの選手達の試合をチェックして見てください。
▶︎3150ファイトクラブメンバー試合結果まとめと注目の選手
ヒロキングなんかアンチも多いでしょうし、試合も盛り上がりそうですね笑。
僕は靴磨きボクサーの高田祈斉選手に注目しているので、叩くのはヒロキングでオナシャス!!
次の3150ファイトの興行は4月を予定しており、その頃までに亀田史郎氏のセコンドライセンスが復活しているとは思いませんが、年内、8月か12月の興行ではもしかしたら!?
復帰の際にはABEMAで見届けたいと思います。