こんにちはボクシングブロガーのtorajiroです。
2023年11月30日(木)に開催されたDANGAN261の観戦記です。
この日の興行の面白かった点はこんな感じ↓
- デビュー戦ボクサーのドキドキ
- 定年引退ボクサー2選手の復帰
- 三輪珠輝選手の肩越しの右
- 濱口大樹選手脅威の追い上げ
- 亀山大輝選手のパワフルな右フック
- リーマンボクサー安藤教祐選手の右ストレート
- 後楽園ホールの名物おじさん騒ぎやジローさんの隣で観戦
後楽園ホールの名物おじさんの素敵なエピソードも聞きながらの中々濃い1日となりました。
では観戦記に入ります!
女子アトム級4回戦 松岡瑞稀(ワタナベ) VS 川口まな(パンチアウト)
ワタナベジムの松岡瑞稀選手は初勝利を上げた試合も現地観戦していました。
初勝利を上げた試合と同様にこの日もオーバーハンドの右が冴える。
クリーンヒットは松岡選手だが単発。
一方の川口選手は見栄えの良いパンチはないが中間距離で手数では勝る。
典型的などっちを取るかという展開に。
結果はイメージ通り3者3様のドロー。
僕は有効打で39対37で松岡選手を支持していました。
松岡選手は単発の右が当たったところから少しでもまとめることが出来ていれば。
川口選手はリーチ差を活かした中間距離の戦いがもっと出来ていれば。
お互いに悔いが残る試合だったかも。
Sフェザー級4回戦 橋口芳樹(輪島S) VS 野口貴彦(金田)
輪島スポーツのサウスポー橋口芳樹選手はフットワークもあってセンスの良い動きをする。
右アッパーを綺麗に決める場面もありポテンシャルの高さを感じた橋口選手ですが、バックステップする時にもっと右手を伸ばしながら下がった方が良いのではと感じました。
あの足があって、相手が前に出てきたら右手を伸ばして距離を保てればもっと良いボクサーになるのではなかろうか。
一方の野口選手は2勝11敗と大きく負け越している選手ですが、中に入れれば強い選手。
全体的に印象が良いのは橋口選手ですが、野口選手も距離に入ればパンチをまとめてポイントを取る。
判定は橋口選手だろうがドローのジャッジもいるかもしれない。
と話していたら2-0の判定で橋口選手の勝利でした。
僕の採点は39対37で橋口選手でした。
58.0kg契約4回戦 中村亮介(ワタナベ) VS 山邉博勝(花形)
前戦は井上尚弥選手VSフルトン選手のアンダーカードに出場していた中村亮介選手。
大橋ジム期待の山川健太選手には2RTKO負けでしたが元々パンチのある選手。
対する花形ジムの山邉博勝選手は38歳。
JBCの定年制度改正によって復活を遂げました。
2022年にラストファイトを行った選手達もこれから徐々に復活してくるでしょうか。
試合はスタートから山邉選手が積極的に前に出てボディから攻める。
しかしパワーの差があり、距離ができると中村選手の右が山邉選手をとらえる。
花形ジムの木村トレーナーの「頭を左に持って行こうか!」というアドバイスはとても的確でしたがラウンドを重ねるにつれて力の差が出て来ました。
それでも最終ラウンドは山邉選手もグイグイと攻めましたが、序盤から低かった頭が当たって減点。
試合は中村選手が1者がフルマークの内容で勝利。
56.0kg契約4回戦 尾川裕ニ郎(EBISU) VS 市野正人(東拳)
フリフリした感じのトランクスで華のあるボクシングをする尾川選手。
華麗に舞いながら右から左フックをヒットさせる尾川選手と対照的に市野選手はサウスポースタイルでどっしり構えてジリジリと距離を詰める。
この市野選手もまた38歳で定年制度の改正によって復帰したボクサー。
ドッシリした構えは悪くないのですが、距離に入れず終始尾川選手が動いて右から左フックをヒットさせてポイントを取っていきました。
判定は三者フルマークで尾川選手の勝利。
尾川選手は最後出来ればもっと攻めて倒しに行く姿勢を見せたかったか。
勝ったけれど試合後反省会があったのでは。
Sライト級4回戦 河原祐斗(ハッピーBOX) VS 齊藤裕大(KG大和)
1勝5敗4KO負けの齊藤選手はデビュー戦の河原選手と対戦。
齊藤選手は長身のサウスポーだが1勝5敗1分で5敗のうち4つがKO負け。
打たれ弱いのだろう。
デビュー戦の河原選手はバランスの良い体で開始早々の動きを見た感じはガードもしっかりしていて悪くない。
しかし河原選手はこの日がデビュー。
距離が合わず中々パンチが当たる距離に入れず、長身サウスポー齊藤選手が前の手を使って自分の距離から左を上下に打ち分ける。
2Rに齊藤選手の左が見事に入り河原選手ダウン。
ここで一気に齊藤選手がまとめてレフェリーストップ。
齊藤選手は新人王トーナメントでの敗戦からの嬉しい再起。
河原選手はデビュー戦で7戦のキャリアがある長身サウスポーというのはやや酷だったか。
Sフェザー級4回戦 大野侑弥(ワタナベ) VS 柳川 隼人(花形)
大野選手は試合開始早々から相打ち覚悟の猛突進。
柳川選手も応戦するが、やや飲まれたから後手に回ってしまいパンチをまとめられダウン。
そこまでのダメージに感じなかったがレフェリーが試合を止めてタンカで退場。
後でボクシングモバイルを確認したところ、打ち合いの中で左腕を負傷していたようでした。
大野選手は嬉しいデビュー戦勝利。
柳川選手はやりたいことが出来なかったと思うので怪我を治して戻ってきてください。
70.0kg契約4回戦 三井大賀(Reason押上) VS 笠松紘太朗(北澤)
次郎さんが三井選手のボクシングを見ながら構えが昔の赤井英和さんみたいだなと。
確かに似てるかもと思って観戦していました。
三井選手はスタートはジャブからストレートに繋げて先制していたが、ガードが低く打ち終わりを狙われると見栄えが悪い。
対照的に笠松選手はガードがしっかり。
やや手数は少ないものの三井選手のパンチをしっかりガードして打ち終わりにアッパーフックと合わせて有効打を奪う。
三井選手が手数を増やす場面もあったものの、ポイントを付けるなら微妙ながら笠松選手。
判定はドローもあるかなと思いましたが三者共に39対37で笠松選手の勝利。
58.0kg契約8回戦 濱口大樹(ワタナベ) VS 三輪珠輝(名古屋大橋)
前半のラウンドは三輪選手の肩越しの右が冴え渡り、パワーでも勝る三輪選手がこのままどこかで倒すか大差判定決着だなと思いつつ観戦。
3R,4Rには三輪選手が濱口選手をダウン寸前まで追い込む。
しかしここから濱口選手が怒涛の追い上げで会場のボルテージも上がる上がる。
近くで観戦している後楽園ホールの名物おじさんの声援にも熱が入る。
濱口選手はボディから上に繋げてポイントを取る。
三輪選手も負けてはおらず、この試合で何度もヒットさせている右ストレートを決める。
判定は三者共にドロー。
三輪選手は3Rか4Rどちらかでダウンを奪えていれば、悔いが残る試合でしょう。
4回戦の試合だったら4Rに濱口選手の膝が揺れていた場面でレフェリーが止めたかもしれない。
それほどのダメージを負ったところから追い上げた濱口選手の粘りはお見事。
ハートが強く、普段からめちゃくちゃ練習しているからリカバリー出来たのだと思います。
日本Lフライ級最強挑戦者決定8回戦 亀山大輝(ワタナベ) VS 安藤教祐(KG大和)
タイトル挑戦権がかかった大事な一戦。
安藤教祐選手はリーマンボクサーとしても注目している選手です。
1R目スタートは安藤選手がコツコツとジャブから軽い右をヒットさせるが、亀山選手が徐々にペースを上げて右フックをヒットさせる。
このパンチが迫力あり、スピードもある亀山選手、この試合は亀山選手がものにするだろうと思いながら観戦していました。
2Rも中盤まで亀山選手ペースでしたが、終盤に安藤選手が腰を落として胸元辺りを狙ったストレートが重心の低い亀山選手の顔面を2度打ち抜く。
ジャブの印象が強かった安藤選手ですが、こんな見事なストレートが打てるとは。
しかし3R,4Rは完全に亀山選手ペース。
一発一発のパンチの迫力も違うし、4Rにはフックで安藤選手の腰を落とし、もう少しで倒せそうな展開。
インターバル中には後楽園ホールの名物ジローさんも「次のラウンドで終わるかもしれないからラウンドガールの名前を呼んであげてくださーい!!」と観客に呼びかける。
そうして迎えた5R、安藤選手は吹っ切れたようにパンチを振り抜く。
思い切り突き上げた右アッパーが亀山選手のアゴをかすめ、右を上下に打ち分け、距離を詰めようと飛び込んだ亀山選手に右ストレートがジャストミート!
形勢逆転のダウンをゲット。
このチャンスを逃さずパンチをまとめてストップを呼び込んだ安藤選手でした。
セミに続いて素晴らしい試合でした。
まとめ
4回戦中心の興行でしたので、観戦前は判定決着も多くなるだろうし、メインもLフライ級なのでKO決着はまずないだろうと予想していました。
最後まで観て帰れるかな?
そんな心配をしていましたが、蓋を開けてみたら大盛り上がり、大当たりな興行でした。
YouTubeチャンネル「エリザベスの放課後ボクシング部」にも現地観戦レポがアップされていますので是非ご覧ください。
予想どおりの展開にならない試合の多かった今回の興行。
判定が続く中で興行の流れを変えたのはKG大和ジム齊藤裕大選手の左ストレートだったと感じています。
あそこからテンションが徐々に上がっていき、セミで爆発してメインへ。
良い流れを作ってくれた齊藤裕大選手に拍手。