2024年の東日本新人王トーナメントSバンタム級は優勝候補の阿部一力選手がまさかの体重超過。
優勝はトーナメントで覚醒した感のあった花形ジムの矢野円来選手という結果に。
どっしりした下半身からぶん投げる左右のパンチは華があった。
2025年のSバンタム級は今大会最多20名のエントリーで最激戦区。
オールドルーキー、若手のホープ、未知数の外国人ボクサーと役者が揃ったSバンタム級の魅力をお届けします。
倒し屋オールドルーキー八谷洋平

オールドルーキーとしてこのブログでも再三取り上げている選手がRK蒲田ジムの八谷洋平選手。
強靭な下半身を持ち左右のパンチはどちらも殺傷能力が高い。
2024年の新人王トーナメントでは敗れはしたものの優勝候補の阿部一力選手から痛烈なダウンを奪う場面も見せた。
6戦4勝(3KO)2敗の戦績でダウンを奪えなかった試合は僅か1試合のみのトンデモないオールドルーキーです。
キャリアを重ねてパンチ力はそのままに無駄な動きが減ってきた。
RK蒲田ジムは一撃の切れ味で倒すタイプの選手が何故か多い。
柳光会長の「たた−ん!」の掛け声が良いのかもしれない。


あわせて読みたい
八谷洋平トーナメント初戦TKOで好発進
八谷選手の新人王トーナメント初戦は宮田ジムの高橋秀卓選手と対戦。
デビュー時と比べると無駄な動きが減った八谷選手は見るからにパンチのありそうな高橋選手に的確に左ストレート右フックをヒットさせて3R TKO勝利。
ノッシノシと歩きながら筋肉任せなパンチを振る高橋選手のボクシングも魅力的だったが、前に出るところに左を突き刺しダメージを与えていった。
ペース配分も掴めてボクシングが安定してきた八谷選手。
これはひょっとすると優勝もあり得るか!?
八谷洋平がトーナメント2戦目も倒す!
八谷洋平選手のトーナメント2戦目はFLARE山上ジムの関瑞規選手。
足のあるサウスポーで好選手です。
接戦が予想された1戦は2Rまでは互角の展開。
落ち着いた展開の中で2,3Rはやや関選手かも?と思った3R後半に八谷選手の左ストレートがジャストミート。
この一撃で関選手はダウン。
なんとか立ち上がり猛追する関選手に左ストレートと右フックを決め、もつれて倒れた関選手にレフェリーはダウンを宣告。
関選手は立ち上がったものの足元がフラつき試合はストップ。
八谷選手、この日の出来なら優勝あるんじゃないか。

角海老期待のホープ佐藤誠市のジャブに注目

昨年のトーナメントでも優勝候補の1人として名前を挙げた佐藤誠市選手はバンタム級から1階級上げてエントリー。
正確無比なジャブを持ち、リング上ではポーカーフェイス。
対戦相手からしたら感情が読めない嫌なタイプの選手。
相手が入ってくればジャブでストップ。
入ってこなければ自分から圧をかけてジャブ。
ジャブから自分のボクシングに持っていく安定感のある選手。
バンタム級時代はやや線の細さも感じたがSバンタム級に上げて力強さも上がっている。
優勝候補を1人挙げるとすればこの佐藤誠市選手をチョイスします。
佐藤誠市準決勝へ
佐藤誠市選手は順調に勝ち上がり準決勝へ。
ただ、まだパンチにパワーが足りないのか、紺野大戦ではそこまでジャブが機能せず、接近戦になる場面も多かった。
もっとジャブで突き放せると思っていた試合が思わぬ接近戦にはなりましたが、クリーンヒットの差で上回り、最終ラウンド終盤はパンチをまとめてもう一歩でダウンというところまで紺野選手を追い詰めました。
判定は1者がフルマークの2者が39-37と差はつきましたが、佐藤選手はもっとやれるんじゃないかという気がしている。
1R KOデビューのネパール人ボクサースレスタ ニクソン

輪島ジムから2025年4月にデビューしたネパール人ボクサーのスレスタ ニクソン選手はガード良し、バランス良し、スピード良し。
しかもまだ18歳!!
素材が良いし変な癖もないからこの選手は続けたら強くなります。
まだ試合は1Rしか見ていないので現在の実力は未知数ながら素材良しです。
ニクソン選手はトーナメント初戦でプロ9戦目のミルザド マハディ選手に僅差の判定負け。
キャリアの差は大きかったか。
アマ35戦の布元寿弥はスタミナが鍵となるか
アマチュアで35戦のキャリアを持つ布元寿弥選手がMRジムから角海老宝石ジムに移籍してトーナメントにエントリー。
直近の試合は個人的にお気に入りのとよはしジムの鈴木蒼平選手から1Rにダウンを奪い判定勝利。
布元選手のパンチはジャブもストレートも伸びがある。
中間距離で戦えば強いが鈴木戦では前に出てしつこく手を出すボクシングにやや手を焼き、終盤はかなり疲れているように見えた。
中に入ってのガチャガチャに巻き込まれなければ強い選手です。
トーナメントエントリー時点で3戦2勝1敗の戦績。
この1敗はアマ50戦以上の藤崎美樹選手から喫したものだがダウンがなければどっこいどっこいの試合だった。
やや気になるのはサウスポーの割に左がオーバーハンド気味に出ているところか。
右を合わされやすそうな印象が。
同じ角海老の佐藤選手と勝ち上がって決勝で同門対決も十分有り得る。
布元寿弥準決勝へ
布元選手はトーナメント初戦で愛甲隼士選手をフルマークの判定で破り次戦で尾川裕ニ郎選手も撃破。
尾川戦は勢いよく飛び込む尾川選手と頭が当たる場面が多く、カットが心配されましたが傷を負うことなく3対0の判定で勝利。
やや噛み合わない試合展開ではありましたが上下に打ち分け要所要所で左ストレートを決めた布元選手がクリーンヒットで上回りました。
次戦はサウスポーのハードパンチャー八谷洋平選手と。
3度目の挑戦のミルザド マハディが準決勝へ

3度目のトーナメントエントリーのミルザド マハディ選手が盤石なボクシングで準決勝に進出。
ネパール人ボクサースレスタ ニクソンを退け、変則トリッキーな難波正樹選手も寄せ付けず。
難波戦では両ガードを下げた変則スタイルの難波選手にボディストレートを中心に組み立て完勝。
難波選手はカットで血が目に入りやや集中力が切れていたか。
あれだけ目に血が入ってしまったら見えないし集中出来ないとは思いますが。
まとめ:混戦が予想されるSバンタム級の頂点は誰だ!?
以上、20名の中なら4選手をピックアップしましたが、FLARE山上の関瑞規選手や本多ジムのミルザド マハディ選手も好選手。
トリッキーな難波正樹選手も面白いしフラッシュ赤羽の川島丈選手もパンチある。
と名前を挙げればキリがない、話題の尽きないSバンタム級の頂点に立つのは果たして誰でしょうか。