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佐々木尽出場の第44回ファイティング・スピリット・シリーズ観戦記

torajiro

ボクシングファン歴25年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。

こんにちはtorajiroです。

前々から楽しみにしていた佐々木尽出場の第44回ファイティング・スピリット・シリーズの観戦記です。

今回は急遽仕事が入ってしまい、帰宅後にABEMAプレミアムで後から視聴しました。

女子フライ級4回戦 沼倉 真子(石神井S)VS安井 千晶(中野サイトウ)

1R目、沼倉選手はジャブで相手の前進をストップしたいが腰が引けた手打ちのため安井選手に中に入られてしまう。安井選手の左フックがクリーンヒット。パワーでも勝る安井選手がポイントリード。

2R目も沼倉選手は下がらされてしまい、打ち合いの中でインサイドからワンツーを貰ってしまう。

3R目は沼倉選手作戦を変えて前に。これが功を奏して安井選手の有効打が減る。ただポイントは安井選手かな。

4R目も同じ展開でお互い手数を出すが、スピードでもパワーでも安井選手が上回る。

僕の採点はフルマークで安井選手。

ジャッジは39対37が2者と40対36が一者。

沼倉選手ガードは非常に固くて良かったですが、パンチを打つときに腰が置き去りなのでそこを改善する必要があると思いました。

58.0㎏契約4回戦 峯岸洋介(八王子中屋)VS小泉智之(川崎新田)

お互いに有効打を奪い合う採点が非常に難しい試合になりました。

峯岸選手が良いパンチを当てたと思ったら今度は小泉選手がお返し。

どちらが倒れてもおかしくない立ち上がり。

有効打は五分五分ながらダメージが重いのは峯岸選手か。

2R目はお互い有効打が少なくクリンチが多くなる展開。杉山レフェリーの注意する声が良く響いていました。僕もデビュー戦で杉山レフェリーにたくさん注意されました、、

3R目は中盤までは峯岸選手が有効打を当てていくも、ラウンド終盤に小泉選手がワンツーを当てて押し返す。

4R目は峯岸選手疲れて失速、小泉選手の方が積極的でこのラウンドは明確にポイントを取ったか。

難しい採点でしたがレフェリーの採点はドロー。僕の採点も2と3は微妙ながら峯岸選手でしたのでドローでした。

女子フライ級4回戦 長崎 未久(北澤)VS中野 真由美(中野サイトウ)

中野選手はデビュー戦でFLARE山上の鵜川選手と全試合で一番の拍手をもらう好試合をした選手。

▶︎プライズ・リング・ボクシングは会場大拍手の神興行

対する長崎選手は元芸人。

試合は1R目序盤は長崎選手がガンガン手数を出すも中野選手が冷静に見てジャブから上下に打ち分ける展開。有効打の数で中野選手がリード。

2R目になるとはっきりと中野選手優勢。中間距離のジャブも中野選手、距離が近くなっても下から上にパンチをまとめる。

3R目も時折長崎選手が連打をまとめる場面はあるも、有効打の差が明らか、中野選手のパンチで長崎選手は目を大きく腫らす。

4R目も中野選手のペースでしたが、時折見せてきた長崎選手の連打の中の右が当たり中野選手痛恨のダウン。ただダメージはそれほどなさそうで、長崎選手の連打が尽きたところで反撃し、長崎選手を防戦一方の状態に。ここでレフェリーが危険と判断し試合をストップ。

ダウン以外はフルマークの内容だったので、判定になっても中野選手が勝ったでしょうが、ダウン欧州の試合を制する形で初勝利をゲットした中野選手が試合を盛り上げてくれました。

長崎選手はボクシング技術で劣っている部分を希薄でカバーする戦い方。根性は素晴らしかったですがダメージがちょっと心配になりました。

Sバンタム級4回戦 二葉 恒輝(松本ACE)VS上野 永吉(ワタナベ)

上野選手はこれまたFLARE山上ジムの河村慎司選手と激アツな試合をした選手。

▶︎ボクオタからプロへ〜河村慎司選手のデビュー戦は4回戦ボクサーの魅力が満載

1R目、二葉選手は動きにキレがあってフィジカルが強そう。上野選手は前後左右に良く動き、離れた距離から左を当てて、くっついては右アッパーでペースを取る。二葉選手が入ってくるところに左右のボディも良かった。特に右アッパーが再三ヒット。二葉選手も終盤パンチをまとめて見せ場を作る。

2R目はお互いフックがクリーンヒット。双方の危ないパンチが当たるも、有効打の数で上野選手が上回る。ただ上野選手は飛ばし過ぎではないかと懸念も。

3R目はお互い手数は出すが有効打は少ない。終盤上野選手が失速し、二葉選手のの攻勢がやや上回ってくる。

4R目、お互い気持ちと気持ちのぶつかり合いに。甲乙つけ難いラウンドとなったが、二葉選手の方がまだ元気で攻勢を印象づけた。上野選手は3R目途中あたりから疲労で動きが悪くなっていた。

僕の採点は38対38でドロー。

ジャッジの判定は1対1のドローも優勢点で二葉。終盤に追い上げた見栄えが良かったのでしょうが、序盤は上野選手の方が明確にポイントを取っていたので自分の優勢点は上野選手でした。

上野選手は花形ジムにいた大平選手のようにフットワークを使って左で飛び込むボクシングに右アッパーが良かったのですが、ジャブがもう少し使えると更に良くなると思いました。

二葉選手は技術もあってフィジカルも強くて良い選手ですね。オーソドックス同士だと更に良さが出てくるのでしょうね。

Sバンタム級4回戦 川本 響生(鉄拳8)VS中林 稜太郎(ワタナベ)

1R目、川本選手は離れた距離のジャブが良い。中林選手は頭を振って中に入るが、川本選手はボディワーク、ヘッドスリップでパンチをかわして魅せる。ポイントは川本選手。

2R目は中林選手が強引に詰めて連打をまとめる。川本選手はジャブで止められなくなってきた。相変わらずボディワークは良いが入られる場面が増えてやや手数が少なかったのでポイントは中林選手か。

3R目川本選手ジャブは良いのだが右が打てない。接近戦に持ち込まれる場面が増え、中林選手の右フックもヒット。明確にポイントを取った。川本選手は右ストレートのモーションが大きく中々打てない。

4R目中林選手がどんどん前に出てうち終わりに良い右を被せる。最終ラウンドは川本選手も足を止めて打ち合いに行く場面も。打ち合いの中で中林選手の左右フックがクリーンヒット。このラウンドも中林選手。

僕の判定は39対37で中林。

ジャッジの判定は1対0のドロー。優勢点で中林選手が新人王の次戦へ。

川本選手は前戦でも気になった右ストレートが課題。ジャブとボディワークはとても良いのだが、モーションの大きい外から打つ右ストレートだけでなく、インサイドをつくコンパクトな右も打てるともっと良くなると思いました。

Sフェザー級4回戦 池上いつ己(八王子中屋)VS五十嵐友弘(ワールドS)

池上選手はバランスの良いボクサー。五十嵐選手は大分体が分厚い。

1R目、池上選手がミドルレンジで戦い五十嵐選手が相打ちを狙う展開。池上選手の左フックやコンビネーションが上回る。

2R目も同じ展開。ポイントは池上選手だがもう少しジャブがあっても良いかもしれない。段々と池上選手の元気がなくなってきているように見える。

3R目は接近戦が増えてきた。有効打は少ないが五十嵐選手の被せる右が何度か池上選手をとらえる。流れが五十嵐選手に傾いているか?

4R目池上選手が自分から前に出る。スタミナが切れてきて自分から前に出る作戦に切り替えたのだろう。足を使う事に使うスタミナを全部手数に持っていき逆に五十嵐選手を下がらせる。お互いクリーンヒットはなかったので手数で上回った池上選手のポイント。

僕の採点は39対37で池上選手。

ジャッジは三者ともにフルマークで池上選手を支持。

3R目が池上選手だったのは少し意外でした。

Sライト級4回戦 中島海二(八王子中屋)VS大橋 侑太(B水戸)

やや間伸びしていた興行を中島選手が右一発の秒殺で盛り上げた試合。

1R開始早々に中島選手の右が当たり、そこから一気にフルスイングで攻める。一旦落ち着いた後、再度ブンブンと打ちに行き、最後は右一発でKO。

全てのパンチに体重が乗っていてこの選手は強い。ガードは低いので今後打ち終わりを狙われたら危ないけれど、素質満点。将来が楽しみなボクサーが出てきました。

大橋選手は良いところを出せずに終わってしまったのが残念。笑顔を見せてリラックスしようと自分に言い聞かせているところで試合が終わってしまいました。また次頑張りましょう!!

Sフライ級4回戦 齋藤哲平(M.T)VS和田大杜(FLARE山上)

1R目開始から和田選手が速い!!

1.3倍速になってないか確認してしまった程。やや動きの硬さもあるが。

和田選手の速さに齋藤選手はやや後手に回っていたが、終盤齋藤選手も動きに慣れてきて左フックを当てる。トータルで見れば和田選手のラウンドも、やや力みが感じられるのでそこが心配。

2R目になると動きを見切った齋藤選手が左フックで和田選手をぐらつかせ、その後に右でダウンを奪ったように見えたがこれはスリップ扱い。和田選手は勢い余って相手を見ていない場面があるのでそこにパンチを食らってしまったら危ない。

3R目も疲労とダメージで動きが落ちた和田選手を齋藤選手が追っていく展開。和田選手はパンチをもらうと大きくバランスを崩すので見栄えがかなり悪い。

4R目も疲れて頭が下がる和田選手を齋藤選手が冷静に攻める。和田選手はバランスがかなり悪い。自分が打ってももらってもどちらでもフラフラするのでやはり見栄えが悪い。有効打は少なかったが齋藤選手のラウンドとしました。和田選手も疲れてバランスを崩しながらも懸命に手数を出していました。

僕の判定は39対37で齋藤選手。

ジャッジは1対0でドロー。齋藤選手にとっては不運な結果。絶対勝ったと思ったでしょうね。

和田選手はポテンシャルは非常に高かったですが、動きがガチガチだったのと、飛び込んだ後相手を見ていないのであそこでパンチをもらったらかなり危ない。膝も固かったので一発もらうと効いてしまう。あと何よりバランスが悪かったです。

しかし1R目に見せた異次元のスピードはそのままに無駄な動きを省いていけたらめちゃくちゃ良いボクサーになりそうです。和田選手も今回がデビュー戦。しかも相手の齋藤選手は7戦4勝。厳しいマッチメイクで負けなかったのはプラスになると思います。

齋藤選手は冷静で淡々と、バランスも良かった。もう少しボディが打てても良かったかもしれないが、今回の判定は不運だったとしか言いようがないです。

ミニマム級8回戦 伊佐春輔(川崎新田)VS高田勇仁(ライオンズ)

伊佐選手保育士目指しているとのこと。素敵ですね。僕は資格持っているけど現場経験がありません。。

伊佐選手テンポ良く良い立ち上がり。コンパクトなワンツーを浅いながら当てて先手を取ったかに見えたところ、高田の左フックがドンピシャで当たり伊佐選手ゆっくりとダウン。ダメージがかなり深くそのまま立ち上がれず1Rで高田選手のKO勝利。

試合速報だけ見ると高田選手の圧勝みたいになりますが、伊佐選手の方が総合力的には高そうに見えた試合でした。

日本ユースSフェザー級王座決定戦 谷口彪賀(八王子中屋)VS福田星河(エディT)

1R目、福田選手がジャブから右ボディで積極的に仕掛ける。

福田選手が浅く右を当て一気に接近戦に持ち込んだが、少し空間が出来たところで谷口選手の左がカウンターで当たりダウンを先取。

福田選手はダメージがあるのか再開後も前に出て自分からクリンチに。ラウンド終盤にも谷口選手の左がテンプルに当たり再びダウン。

2R目も谷口選手の左が福田選手の顔面を再三捉える。福田選手は対サウスポーのセオリー通り左回りをしながらジャブをつくが、サウスポーからしたら慣れた戦い方なのでやり易い。リーチはあるんだからもっと右から入っても良いと思うのだけど。

3R目、福田選手は愚直にジャブを打ちながら前足外を取ろうとするが、外取る事を意識し過ぎて体が正面向いてしまって谷口選手に左を合わされる。福田選手はジャブから右ボディを打って接近戦に持ち込むが、ここでも打ち終わりに谷口選手の左をもらってしまう。

4R目になると福田選手が前に出てくるところに谷口選手は左アッパーも合わせるようになる。

5R目も福田選手は同じボクシングで谷口選手に完全に動きを読まれる。このラウンドは谷口選手が打ってはサイドに回って全くパンチをもらわず。

6R目、福田選手は手数も減ってガードを固めて前に出てそこに谷口選手がパンチを合わせる展開。

福田選手はノーモーションの右を一度も打っていない気がする。セオリー通りが通用しないのだからもっと右から入って相手の足を止めて左左で外取って右ボディから接近戦に持っていくとか、いきなりワンツーで入るとか、何か変えようとしないとこのまま最後まで進んでしまう。

7R目、福田選手はガードを固めて全身し、それを谷口選手が捌く展開。

福田選手右出せば当たってるのに。。

8R目もずーっと同じ展開。福田選手最後はふらふらで前に出続けた。

判定は文句なしのフルマークでしょう。

福田選手はもっと良い試合が出来たはずで、作戦が悪かったように感じました。

リーチもあるんだし踏み込みもあるから勿体無いなぁと思いながら見ていました。

谷口選手は安全運転でしたね。逆転KO負けの失敗があったので慎重になったのでしょう。

64.5㎏契約6回戦 佐々木尽(八王子中屋)VS関根幸太朗(ワタナベ)

1R目、関根選手がテンポ良く重たいジャブをつき良い立ち上がり。佐々木選手はガードを固めて効いてないアピールをするいつもの展開。五分五分ながらやや関根選手のジャブが優勢かと思ったラウンド終盤、やや距離が開いたところに佐々木選手が左フックを打ち込み強烈なダウンを奪う。試合終了かと思ったらここで関根選手立ち上がる。

2R目、まだダメージの残る関根選手をを佐々木選手が強引に攻める。関根選手も要所要所強烈なパンチを返すが佐々木選手優勢のままこのラウンドは進む。

3R目、ダメージが回復した関根選手が手数で上回る。このまま関根選手のラウンドかと思った終盤に佐々木選手の右で関根選手がぐらつく。ポイントは微妙。

4R目も関根選手が左ジャブから丁寧なボクシング。ただ佐々木選手も打たれては打ち返すのでポイントは割れたかも。自分のポイントは関根選手。

5R目も関根選手がジャブで組み立て、更にラウンド終盤に相打ちの左で佐々木選手を倒す。これでポイントは関根選手がリードか!?

最終ラウンドは佐々木選手が気迫で前に出てパンチを振る。前のラウンドまでは一発狙いで手数で負けていた佐々木選手がこのラウンドは手数でも迫力でも押し切った印象。

これで判定はドローかな。

ジャッジは1者が佐々木選手を支持し、2者がドローでした。妥当な採点だと思います。

関根選手は淡々とつくジャブも重く威力があり、佐々木選手のイケイケに巻き込まれず淡々とジャブから組み立てていれば勝てたかもしれません。

まだこれで4戦ですが上位ランカークラスの実力があることは証明出来たと思います。内山高志さんのようなジャブでした。

まだ24歳ですし、引き分けに気落ちせず焦らずキャリアを積み重ねていけばすぐに上位ランカー、日本チャンピオンになれると思います。

佐々木選手は良いところも悪いところも出た試合でした。

離れた距離でジャブをつける時はダウンを取れますが、今回は3ラウンド目以降は頭をくっつけての打ち合いに終始していたので倒し切れませんでしたね。

お互い何戦か挟んでからの再戦を見てみたいカードでした。

まとめ

事前の期待値の高かった今回の興行。微妙な判定決着が多く間伸びした印象もあり、神興行とまではいきませんでした。

ただ、女子の中野選手や中島海二選手、和田大杜選手のようなポテンシャルの非常に高い選手の試合もあって見応えは十分でした。

オープニングのセレモニーがあったり、舞妓さんが踊ったり、選手の入場にダンサーが付いたり、派手な入場演出をしたり、ボクシングの興行では滅多に見ることのない演出をたくさん味わえたかな。

ABEMAの中継もあり、4回戦中心ながら派手な冒険心のある興行だったと思います。

ABEMAプレミアムならこうした試合を後からでも視聴出来ますし、PPVの場合も安くチケット買えますし、プレミアムのみ配信の試合もありますのでボクシングファンの方は加入をお勧めします。

月額960円なのでランチ一回我慢すれば払えるレベルです(我慢しないけど)。

ABEMA(旧:AbemaTV)
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