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ボクオタからプロへ〜河村慎司選手のデビュー戦は4回戦ボクサーの魅力が満載

torajiro

ボクシングファン歴25年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。

こんにちはボクシングブロガーのtorajiroです。

突然ですが自分は4回戦ボクサーの試合が大好きです。

特にデビュー戦から初勝利を上げるまでの選手の、こちらにもドキドキが伝わってくる試合を観ていると胸が熱くなります。

劣勢を挽回しようと必死に攻めているボクサーには感情移入しまくり。

2021年12月19日、この自分のツボをドンピシャで突いた熱い試合がありました。

会場ではなくYouTube配信で視聴した試合でしたが、とても印象に残った選手がいたのでこの試合を例にボクシング4回戦の魅力を紹介させていただきます。

2021年12月19日 河村慎司選手 VS 上野永吉選手

2021年12月19日、GENKOTSU 立川立飛大会 Vol.4のバンタム級第三試合目にて、デビュー戦の河村慎司選手(FLARE山上)1戦1敗の上野永吉選手(ワタナベ)との試合が行われました。

デビュー戦と1戦1敗の選手の良くある組み合わせ。

統計を取ったわけではないですが、このパターンは1敗でも1戦経験している選手の方が有利です(精神的プレッシャーは別にして)。

ヘッドギアなしで初めて8オンスで殴り合う側と、1回でもその経験をしている選手とでは対応能力に大きな差が出ます。

かくいう私もボクサー時代にデビュー戦は1戦1敗の選手相手に距離感が全然掴めず翻弄されてボロ負けしました。

そして2戦目はデビュー戦の選手を相手に1戦経験した強みを活かして白星をゲット。

外から見る以上にこのプロのリングで1戦しているかどうかは大きな影響があります。

話を戻しまして、この試合がデビュー戦だった河村慎司選手のファイトスタイルは胸を打つものがありました。

出典:ボクシングモバイルより

河村慎司選手の概略

僕が心を打たれたボクサー河村慎司選手について、知っている限りの情報で概略を紹介します。

河村慎司選手の略歴

  • 生年月日:1994年10月11日
  • 出身地:山口県萩市
  • ボクシングファンとなり13年。
  • 学生時代は運動音痴のスポーツ嫌い。
  • ずっとボクシングファンをしてきて、どうしてもリングに上がりたくて、安定した将来を捨ててボクシングに挑戦し、ついにデビューを迎えたドリーマー。

「ただのボクシングファンだった男がリングの上で何が残せるか見て欲しい。」

そんな意気込みが紹介されていました。この経歴の時点で心が沸きました。

「社会人になってから諦めきれなかった夢に向かって挑戦する!!」

多くの人が勇気をもらえるシチュエーションではないでしょうか。

河村慎司選手デビュー戦の試合展開

ボクオタ心理をくすぐる河村選手のデビュー戦はサウスポースタイルの河村慎司選手に対し同じくサウスポーの上野永吉選手という一戦。

1ラウンド目

河村選手がデビュー戦ということもあり、案の定距離が遠い。

河村選手無理に詰めようとするが上野選手のバックステップにかわされます。

なかなか距離が合わない。

ハーフタイム過ぎた辺りから距離が縮まり出すが、ラスト1分距離が詰まったところで上野選手の右フックがクリーンヒット。

バランスを崩して下がった河村選手を追いかけ再び上野選手の右フックで河村選手ダウン!

出典:ボクシングモバイルより

ダメージは残っていそうですが残りの時間積極的に前に出て手数を出しました。

2ラウンド目

1ラウンド目と違いスタートから距離が合ってきている。

距離は合い始めたが逆転するには手数が少ない。

そう思った矢先、2分を切ったところから河村選手怒涛のラッシュが始まります。

手数が止まらない止まらない。

上野選手もたまらずクリンチで立て直そうとしますが河村選手は止まりません(上野選手ちょっと効いたかな?)。

ワンツーワンツー。

距離があいても歩いて詰めてワンツーワンツー。

ガンガン手数を出して2ラウンド目が終了。

河村選手の左ストレートがよく当たっていました。

3ラウンド目

流れを戻そうと上野選手が前に出る。

パンチをもらいやや河村選手は後ろに下がる。

そしてまた残り2分を切ったところから河村選手の手数が出始め、左がヒット。

上野選手は自分からクリンチに行ってしまう場面が多い。

終盤は河村選手がまとめて終了したが、序盤の上野選手の攻勢、有効打を取るか後半の河村選手の手数を取るかでポイントは分かれそうなラウンド。

4ラウンド目

このラウンドも再び1分近く経過したところから河村選手の手数が止まりません。

上野選手もカウンターを合わせたいが、前に出る河村選手にバランスを崩され思うようにパンチが出ない。河村選手以上に疲れているように見える。

上野選手クリンチに行く場面が多いが、それを振り解いて河村選手は手数を出す。

ラスト1分は河村選手の怒涛の無呼吸連打で試合終了。

デビュー戦は緊張で普段の何倍も疲れるからスタミナと根性が凄すぎました。

試合終了直後に対戦相手の上野選手と抱き合い、すぐさま観客席にお礼をする姿にもボクシング愛を感じて感動しました。

試合の感想

河村慎司選手 VS 上野永吉選手の試合を見終えた感想は、

こういう試合が見たかった(涙)!!

torajiro

この一言に尽きます。

上野選手はデビュー戦は敗れたとはいえ、デビューの相手がいきなりプロで7戦して4勝3敗のキャリアの持ち主でした。

新人王トーナメントで初戦の相手が棄権した結果、シードの4勝している選手と当たってしまったようですが、ジム側が棄権させるという選択肢もあり得たであろうキャリアの差。

プロボクサーが減って試合が出来る機会も少なくなってしまったので挑まざるを得なかった面もあるでしょうが、それでも勝てるという自信があったのだと思います。

事実、上野選手は河村戦でも序盤はアマチュアキャリアがあるのかな?

と思うくらいに綺麗なボクシングをしていましたが、そんな選手を河村選手が手数と前進で徐々に潰していきました。

判定は2対1で上野選手の勝利。

あと一歩でしたが、河村選手は敗れた事で逆に次への期待値も上がったし、ファンも増えたんじゃないか、そう感じさせる1戦でした。

世界戦じゃなくたって、4回戦でも良い試合は良い。人生賭けた戦いにはドラマがあります。

torajiro

よろしければ以下の動画の44分くらいから河村選手の試合がありますのでご覧になってみてください。

4回戦ボクサーの魅力

僕が特に4回戦ボクサーに魅力を感じる点ですが、

  • まだまだ完成されていない
  • 将来が楽しみ
  • 緊張が伝わってくる
  • ボクサーになった背景が様々
  • 4ラウンドなので試合展開が早くて飽きない
  • 気持ち、根性が分かりやすく伝わってくる
  • 自分も頑張れば!と勇気がもらえる
  • 等々

といった具合で、感覚的に表現するとドキドキワクワク。

これが4回戦にはあります。

トップクラスの選手になってしまうと次元が違いすぎて遠くに感じてしまいますが、4回戦ボクサー達の試合は「自分も頑張れば!」という気持ちにさせてくれるし、ボクサーになるまでのドラマがあったり、将来性があったり、世界戦とはまた違った魅力が詰まっています。

河村慎司選手のその後

河村慎司選手はその後2022年4月26日の試合で2R KOにて初勝利。

得意の手数と圧力を活かしたボクシングで持ち味を存分に発揮しました。

続くプロ3戦目は新人王トーナメントにて熊谷祐哉選手に遠い間合いからのリーチ差とスピード差を活かした飛び込んでの一発でKO負け。

再起してのプロ4戦目は有効打で勝ったかな?という試合内容でしたがパンチをもらった時の見栄えの悪さが影響してかドロー。

泥臭いボクシングだけでなく上手さも見せて今後への期待を抱かせる試合内容でした。

まとめ

こうして4回戦ボクサーから面白い選手が出てくるとワクワクしますね。

以前、対人恐怖症でYouTuberという異色の経歴のボクサーRYO選手(記事はこちら)を紹介しましたが、河村選手やRYO選手のような個性豊かな選手がどんどん出てくれると嬉しいです。

こうした選手がいずれアマチュアキャリア豊富な選手と戦ったりするとボクシングが盛り上がるし、勇気をもらって「自分もボクシングをやってみよう!」と思ってくれる人も現れるのではないでしょうか。

もし皆様の身近にプロボクサーとなってリングに上がる方がいたら是非是非試合会場で応援してみてください。

普段と全然違う姿にびっくりして興奮、感動する事間違いなしです。

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