2023 新人王

東日本最激戦区Sフライ級大橋ジム期待の阿部一力を脅かす猛者達

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torajiro

ボクシングファン歴25年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。

こんにちは。新人王トーナメントが大好きなボクシングブロガーのtorajiroです。

2022年度の新人王Sフライ級はアマチュアキャリアのある西軍代表佐野遥歩選手が圧倒的な強さで優勝しました。

昨年は西軍に敗れましたが2023年度のSフライ級は東軍が熱い!!

東軍からはアマチュアキャリアのある選手が多く参戦。

最激戦区と言っても良い熱さです。

torajiro

優勝候補を1名挙げるとすれば小学生からのキャリアがある大橋ジムの阿部一力選手でしょうが、この階級は猛者が多く、そうはならないんじゃないかと予想しています。

注目している選手達を紹介していきます。

大橋ジム期待の新星阿部一力

”ヤングエスペランサ”というキャッチフレーズで高校在学中にデビューした阿部一力選手。

大橋ボクシングジム公式サイトより

エスペランサ=希望

なので”若き希望”ですか。

期待の若手って感じの解釈で良いのかどうかは分かりませんが、デビュー戦は難なくクリアして新人王トーナメントにエントリー。

シードなので阿部選手は準々決勝から参戦します。

阿部選手はルックスも良くて万能タイプ。

畳み掛ける力もあって人気の出そうな選手です。

おじさん的にはこうした華のある選手が叩き上げゴリゴリ選手に押し込まれる試合が観てみたい。

阿部一力は吉成亮人の鉄壁ガードを崩せず

優勝候補筆頭として挙げた阿部一力選手は準決勝で吉成亮人選手と対戦。

序盤は阿部選手が出入りしながら積極的に攻めて吉成選手を守勢に回すが、吉成選手は阿部選手の殆どのパンチを鉄壁ガード。

バランスも良く、ガードの上からパンチをもらってバランスを崩すこともない。

それでも1R目は阿部選手が左アッパー等を顔面に決めて優勢。

2R目も途中までは阿部選手のペースに見えたが、吉成選手はガードからボディ中心に反撃し、3R目になると疲れてガードが崩れてきた阿部選手に対して吉成選手がボディから右ストレートをヒットさせて攻勢を強めていく。

そして判定は2対0で2者が吉成選手を支持。

攻防両面で高い能力を見せた阿部選手ですが、頑丈で隙のない吉成選手を崩すことは出来ず。

今後はキャリア的に中々対戦相手が決まらないかもしれませんが、来年の新人王を再び目指すことになるのでしょうか。

スピードスター和田大杜 VS 角海老テクニシャン菊田助の再戦に注目!!

FLARE山上ジムの和田大杜選手角海老宝石ジムの菊田助選手は二人共デビュー3戦目で初勝利をゲット。

3戦目で初勝利と聞くと、

「なんだ、そんな強くないのかな、、」

と思う方もいるかもしれませんが、

いやいや、この二人どちらもB級デビューでも行けたんじゃ??

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と思う実力者。

  • 和田選手はアマチュアで8勝5敗。
  • 菊田選手はアマで16勝15敗。

というキャリアがあります。

  • 和田選手の武器はスピードとダイナミックなパンチ。
  • 菊田選手の武器は緻密で綺麗にパンチを合わせるテクニック。

そしてこの両者はデビュー2戦目で対戦。

この試合は後楽園ホールで観戦していましたが、オール4回戦全試合の中で一番レベルの高い試合内容で結果はドロー。

>>DANGANオール4回戦観戦記〜ドロー判定連続!プロボクシングは厳しい世界

有効打で菊田選手がやや上回ったかな?

と感じた1戦でしたが果たして再戦の結果はどうでしょうか。

個人的にはもっと上の舞台でこの両者の試合は見たかった。。

そしてこの試合の勝者が阿部一力選手と対戦。

濃密な試合を経てリングに上がる選手と、プロはわずか1戦の阿部選手。

勝つのはどっちかと自分が予想するなら、和田選手と菊田選手の勝者が阿部選手に勝つのではないかと予想しています。

菊田助選手は棄権

注目していた和田選手と菊田選手の再戦は菊田選手の棄権によってなくなりました。

正直残念な気持ちよりホッとした気持ちの方が大きいです。

どちらにもここで負けて欲しくはなかったので。

これによって和田選手が阿部一力選手と試合をすることになりました。

和田大杜選手も棄権、、

阿部一力選手との対戦を楽しみにしていた和田選手ですが、残念ながら棄権により対戦は実現ならず。

これで楽しみにしていたスピードスター和田大杜選手も角海老テクニシャン菊田助選手もトーナメントから姿を消しました。

うーん無念。

2度目の挑戦伸び代半端ない高橋秀太

新人王トーナメントは2度目の挑戦の角海老宝石ジム高橋秀太選手の魅力はパワーと伸び代。

試合の度に目に見えて強くなっていくところが高橋選手の見どころの一つ。

5戦3勝(3KO)1敗(1KO)1分という戦績が示す通りハードパンチも魅力的です。

>>2022新人王Sフライ級は中日本の佐野遥渉か?東日本の高橋秀太は急成長中

前戦は新人王トーナメントで引き分け敗者扱いとなった高橋選手。

2度目の挑戦では果たしてどんな成長を見せてくれるでしょうか。

しなやかな筋肉の強打者窪田怜司

Sフライ級でエントリーしている選手達の中で身体能力的にはNO.1じゃないかと思っているのが金子ジムの窪田怜司選手。

ボクシングモバイルより

しなやかな筋肉と綺麗な姿勢からは運動神経の良さを感じます。

窪田選手はアマで6戦6勝4KO。

プロでも2戦2勝2KO。

このうちの1勝は先に紹介した高橋秀太選手をKOしての1勝になります。

前回の試合から1年以上経過している点が気がかりではありますが、この期間をどう過ごしていたのかはリングの上で分かるでしょう。

この窪田選手は自分の中ではダークホース的な位置付けです。

窪田選手が倒しまくって優勝するというストーリーもなきにしもあらずです。

窪田怜司をライオンズジムの吉成亮人がTKO

ダークホースと期待していた窪田選手はライオンズジムの吉成亮人選手に敗北。

序盤は強弱織り交ぜた攻撃で窪田選手が積極的に仕掛けますが、吉成選手は鉄壁のガード。

手数では劣るものの窪田選手の打ち終わりに的確にパンチをヒットさせていく。

1R終了後のインターバル中の両者の表情も息の上がる窪田選手に対し、呼吸も乱れず笑みも見せる吉成選手。

BOXING RAISEより

2Rになると打ち終わりに左ボディを突き刺して吉成選手が明確にリードを広げ始める。

左ボディで右ガードが下がり出した窪田選手の顔面を吉成選手の左フックがとらえる。

3R目には吉成選手が左ボディ3連発を見せて下への攻撃を印象付け、そこから左フックでダメージを与え、左右とパンチをまとめたところでレフェリーが試合をストップ。

BOXING RAISEより

吉成選手のガードの硬さは脅威。

窪田選手の強打にもバランス崩さず即座に打ち終わりにパンチを合わせていました。

練習量半端じゃないのでは?

敗れた窪田選手は今回スタートから随分と腰を落として背中も以前よりやや丸まっていました。

デビューした頃はもっと背筋が伸びていて、あの頃の方が下半身の力が拳に伝わっていたように感じました。

吉成亮人圧巻の強さで勝ち上がる!!

この記事を書いた時点では試合を観たことのなかったライオンズジムの吉成亮人選手は強敵を次々と破る快進撃。

吉成選手の注目ポイントは鉄壁のガードからの打ち終わりへのアタック。

ラウンドが進み疲れてくるとガードが下がったり動きが落ちたりするものですが、吉成選手はラウンドを重ねても全くペースを落とさず、相手のパンチをもらってバランスを崩すこともない。

対戦相手からしたらこんなに嫌な相手はいないでしょう。

準決勝で優勝候補筆頭の阿部一力を撃破

準々決勝で窪田選手の強打にもバランスを崩さなかった吉成選手は、準決勝での阿部一力選手との試合でも鉄壁のガード。

序盤こそ機動力を活かした阿部選手の攻撃が目立つも、徐々に打ち終わりボディで反撃し、3Rには疲れが見えてきた阿部選手に対してボディからストレートの強打をヒットさせていく。

最終ラウンドも阿部選手の攻撃をしっかりブロックしながら有効打を返していき、大声援に後押しされた吉成選手のペースで終了。

判定は2対0で吉成選手。

ドローもあり得るかな?と思いましたが、仮にドローでも優勢点は後半をものにした吉成選手だったでしょう。

(あ、伊吹吾郎さんこんなに早くから観戦してたんだ、、)

佐藤祐の驚異的なスタミナ

吉成選手同様にトーナメント前はノーマークだったのが三迫ジムの佐藤祐選手。

これまでKO勝利はないものの5戦5勝で東日本の決勝まで勝ち上がってきました。

佐藤祐の何が凄いかというとガード、バランスの良さと驚異的なスタミナ。

手数の多い選手は往々にしてパンチをもらってバランスを崩す場面も多いものですが、佐藤選手は最終ラウンドまでずっとバランスを保ってペースも落ちない。

対戦相手の心を折るような選手。

B級、A級と上がっていけばこのスタミナはもっともっと武器になっていくでしょう。

しかもまだ19歳。

末恐ろしい。。

まとめ

東日本のSフライ級は好カード多しと期待しておりましたが、棄権が続いてやや残念な面もありました。

Sフライ級は西軍も良い選手が多いので全日本決定戦も注目が集まる階級になるでしょう。

中日本もレベルが高く、西日本のモリモこと森本竜馬選手も強敵。

>>中日本新人王トーナメント佐野遥渉に続く優勝候補は誰だ!?

>>3150ファイト大量参戦に令和の虎の長岡嶺!話題性ある西日本新人王

  • ヤングエスペランサ阿部一力→吉成亮人選手のガードを崩せず
  • スピードスター和田大杜→棄権
  • 角海老テクニシャン菊田助→棄権
  • 伸び代満載高橋秀太→佐藤祐選手に2対1の判定で敗北
  • 身体能力No.1窪田怜司→吉成亮人選手に敗北

とまぁ、(例の如く?)注目していた選手は全員決勝には進めず。。

個人的にはスタイルが対照的な角海老ボクサー菊田助選手と高橋秀太選手が勝ち上がったら面白いなと思っていましたが、菊田選手は早々に棄権。

和田選手も棄権し、窪田選手も敗北。

残念ではありますが、吉成亮人選手のような良い選手が出てきたのは収穫でした。

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