2022 新人王

2022全日本新人王決定戦の展望勝敗予想・結果〜注目度は東軍も実力者揃いの西軍

torajiro

ボクシングファン歴25年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。

こんにちはtorajiroです。

大いに盛り上がった2022年の新人王トーナメントもいよいよ残すところ決定戦のみ。

今年は東日本に注目選手が多く盛り上がりましたが、実力で見れば西軍代表はかなりの精鋭です。

個人の期待値は排除してガチで各階級の優勝予想をしてみました。

ミニマム級5回戦 石井武志(大橋) VS 池田雅史(原田)

試合の展望・予想

圧倒的な実力で東を制した石井選手と、デビューから3連敗も含む2勝5敗の戦績で2022年の新人王トーナメントにエントリーし、4連勝で西軍を制した池田選手。

対照的な両者の1戦は接近戦の展開が予想されます。

池田選手はスタイル的にも石井選手の強打を潰す上でも、自分から接近戦を仕掛けていくと思います。

近い距離での攻防の中で、一発の威力と回転力では石井選手、手数では池田選手ですが、豊富な手数と頑丈さが売りの池田選手でも石井選手を崩すことは難しいでしょう。

石井選手は接近戦の中でもバランスが全く崩れないので見栄えは良いし、相手の打ち終わりにすぐにパンチを返し、スタミナにも問題なし。

接近戦の中で石井選手が着実にポイントを稼いでいくと予想します。

池田選手の3連敗から這い上がってきたキャリアは魅力的ですが、勝敗予想は石井選手の判定勝ちと見ています。

試合結果

1R 2分59秒石井選手のTKO勝利。

池田選手が先にジャブを出して先手を取るが、石井選手はガードを固めて前進し、強烈な左フックダブルで反撃。

ガッチリガード

これまでの試合同様強烈な左ボディも叩き込んで池田選手を交代させるが、池田選手も中間距離から右をヒット。上下に打ち分けジャブから組み立てる。

しかしハーフタイム付近で池田選手の左が下がっているところに石井選手が右を打ち抜きダウンを先取。

立ち上がった池田選手に今度は左フックで追加のダウンを奪い、最後はロープ際でまとめてレフェリーストップ。

石井選手圧巻のTKO勝利でした。

ガードが固くフィジカルも強くて下半身が全くブレない。

石井選手はすぐに上位ランカーに上がって行くでしょうね。

敗れた池田選手ですが、会場で観戦して気付きましたが思った以上にパンチがありました。

映像ではコツコツ軽いパンチを当てる選手かと思いましたが、結構いい音出していました。

敗れはしましたが映像で見る以上に良い選手で、この先また勝ち上がってくることは間違い無いでしょう。

Lフライ級5回戦 服部凌河(横浜光) VS 松江琉翔(JM加古川)

試合の展望・予想

服部選手は東日本の決勝で堅いガードで前進し、ロープに追い詰めての連打をフルラウンドペースを落とさず完遂。

2R目には池田穂高選手にジャブで距離を作られて右アッパーをもらう場面もありましたが、終始接近戦に持ち込む上手さがありました。

松江選手はまだ18歳と若く見た目の線は細いですが、パンチを殺すのが上手いのか打たれ弱さは感じず、まっすぐのパンチも左フックも上手い選手。

特に西日本の決勝では左ボディ左フックのダブルが冴えまくっていました。

服部選手の前進をいかに止められるかがキーになりそうですが、自分の予想としては服部選手が押し切ると見ています。

これまでの試合で打たれても下がる場面が皆無だった服部選手。

あの前進をまだ肉体的に発展途上の松江選手が止めるのは困難と予想しました。

試合結果

46対49,46対49,45対50の判定で松江選手が勝利。

服部選手が序盤から押し込むと思われた試合はスタートから松江選手のジャブとフットワークが機能。

松江選手が中間距離を支配し、服部選手は時折大きなパンチをヒットさせるが、ラウンド全体を支配しているのは松江選手という展開で進んで行きました。

ラウンドが進むにつれて服部選手の方が失速。

服部選手がパンチを出そうとする前に松江選手が先手を取り、服部選手がジャブから入ろうとすると右を被せ、右ストレートボディから入ろうとするとバックステップに左フック。

服部選手は右ストレートも外されてバランスを崩したところにまとめられてしまう場面も。

服部選手は外から大きなパンチを振り、松江選手はインサイドから的確なパンチを打ち、ボクシング技術の差が出た試合となりました。

松江選手は見た目は線も細く、高校生でまだ体が弱そうに見えますが、耐久力もあって失速もしない、これまた映像で見るよりもかなり良い選手でした。

服部選手は負けはしましたが子供の頃からボクシングをやってきた松江選手とはキャリアが違います。

フィジカルでは負けていませんから、もっと体がボクシングの動きにアジャストしていけば更に上のレベルに進化していくはずです。

フライ級4回戦 長谷川優太(熊谷コサカ) VS 二階堂迅(ディアマンテ)

試合の展望・予想

東軍代表はナイスアフロに地下足袋、この階級ナンバーワンのインパクトを誇る長谷川優太選手。話題性十分な面白い選手です。

西軍代表はアマチュアキャリアがありデビュー時からその実力を高く評価されている二階堂迅選手。

新人王トーナメントも順調に勝ち上がり、西軍代表決定戦では同じくアマチュアキャリアのある中日本の坂井涼選手でしたが、この試合にも2対0の接戦でしたが勝利。

坂井選手は高校アマでは高2でインターハイベスト8。高3の時はコロナ禍で大会はなかったですが、高2でベスト8という時点で相当な実力者だということはお分かりいただけるかと思います。

長谷川選手と二階堂選手のどちらが勝つかと問われれば、この強敵坂井選手に勝っている二階堂選手が有利であることは揺るぎないでしょう。

長谷川選手は圧倒的不利予想と開き直って伸び伸びと自分のボクシングをやれば番狂わせもあるかもしれません。

試合結果

3R 2分 40秒 TKOにて二階堂選手が勝利。

序盤から両ガードしっかり上げてモーションのないジャブを打つ二階堂選手。

このジャブは早いしモーションがないから反応するのが難しい。

長谷川選手は中に入りたいがこのジャブが厄介でした。足を入れ替えたりしながら中に入る場面もありましたが、二階堂選手はセコンドの指示通りにジャブワンツーを打ち抜く。

長谷川選手も頭を外して左ボディで接近戦に持ち込むが、右ストレートをもらいダメージが蓄積し、連打の中でダメージが蓄積したような倒れ方でダウン。

立ち上がるもまとめられて二階堂選手がTKO勝利。

二階堂選手は両ガードしっかり上げて足も良く動き、シャープなジャブとワンツーが良かったです。

長谷川選手も頭を振って懸命に手を出し奮闘しました。

二階堂選手勝利者インタビューでの笑顔が可愛くて好感が持てました。

ボクシングスタイル的に、もっとクールなキャラかと思っていましたがギャップ萌え。

Sフライ級5回戦 五十嵐春輝(湘南龍拳) VS 佐野遥渉(平石)

試合の展望・予想

ことごとく外してきた全日本進出予想の中で想像以上の圧勝で決定戦まで勝ち上がったのが中日本の佐野遥歩選手。

一方の東日本はアマ30戦の技巧派サウスポー五十嵐春輝選手がトーナメントを制しました。

派手な勝ち方で勝ち上がってきた佐野選手と技巧派の五十嵐選手。

五十嵐選手はサウスポーで打ち終わり常に動く技巧派なだけでなく気持ちも強い選手。打ち合いになっても強い気持ちを見せてくれます。

5Rという点も考えると後半になるにつれて五十嵐選手のペースになっていきそうな気もしますが、佐野選手のここまでの圧倒的な勝ち方を見ていると負ける姿は想像が出来ません。

特に西軍代表決定戦で戦った森大悟選手は身体能力も高くて良い選手でしたが、佐野選手はあの強い森選手を1分53秒で仕留めてしまいました。

ここ数戦の充実ぶりを見ると佐野選手が有利かなという予想です。

試合結果

46対49,45対50,45対50のほぼフルマークのジャッジで佐野選手が勝利。

佐野選手は向かい合うと体がデカく、アマチュアで30戦して20勝もしているサウスポーの五十嵐選手に右ストレートを序盤から効果的にヒット。

普段はサイドに動きながら豊富な手数で攻める五十嵐選手ですが、序盤は距離が遠くパンチもある佐野選手に中々手が出ない。

佐野選手の動きは水が流れるように柔らかく自然体で、サッカーのジダン選手のような脱力加減でした。リラックスした状態から突然強打が飛んでくるので五十嵐選手も反応出来ず。

五十嵐選手は前に出て接近戦で手数を出すが、接近戦でも佐野選手は打ち負けず、距離が出来れば佐野選手の右が飛んでくる。

最後までマスボクシングをしているような、まるで日常生活を送っているようなリラックス加減で表情も変わらない佐野選手でした。

ラストは両者足を止めて打ち合い大きな拍手に包まれて試合終了。

凄い選手が出てきました。

結果が判定だったので3賞には選ばれませんでしたが、今回の全日本新人王決定戦で一番衝撃を覚えた選手はこの佐野遥歩選手でした。

バンタム級4回戦 熊谷祐哉(M.T) VS 松本海聖(VADY)

試合の展望・予想

東日本最激戦区のバンタム級を制した熊谷選手とキッズからのキャリア豊富な西軍代表松本選手。

東日本の決勝で見せた熊谷選手の長いリーチから放たれるパンチにはセレスジムの岩佐選手を彷彿させるスケールのデカさを感じました。

総合力で言えば松本選手が一枚上でしょうが、波乱の予感も感じさせる一戦です。

勝敗予想としては松本選手が判定で勝利としますが、ポテンシャル、将来性という面では熊谷選手の方が上だと思っています。

全日本を制するのは松本選手だとしても、将来的にタイトル戦線に食い込んでいくのはポテンシャルの高い熊谷選手の方ではないかと感じています。

試合結果

4R 1分 38秒 TKOで松本選手が勝利。

松本選手が早いワンツーで先制。左ボディジャブが良い。

熊谷選手は松本選手の早いスピードに合わせるために前戦のようなダイナミックな動きが出来ず。

2Rには松本選手のワンツーフックで熊谷選手が後退。

松本選手の返しが早いので熊谷選手は手が出しにくい印象。

3Rになると力の差が明白になり、熊谷選手が打ち込まれる場面が目立つ。終盤にまとめられ、バランスを崩してロープを掴んだところで珍しいロープダウンが宣告。

4Rも熊谷選手はかなり打ち込まれましたがダウンを拒否し、最後の力を振り絞って強打を振るう。

これを凌いだ松本選手が右を打ち抜き、倒れた熊谷選手を見てレフェリーが試合をストップ。

松本選手の実力は想定通りでしたが、それでも熊谷選手がスケールのデカいボクシングを展開するかもという一抹の期待も寄せていた試合でした。

小一からボクシングをやっており、母親もスポーツ栄養士の資格を取って家族ぐるみでサポートされている松本選手。

既に完成度の高いボクサーですが、ここからどこまで飛躍して行くのか注目です。

敗れた熊谷選手も終盤に見せた攻撃力はやはり凄かった。

手足も長く、右と左の違いはあれどセレスジムの岩佐選手のようなスケールのデカいボクサーになる可能性を秘めた選手です。

Sバンタム級5回戦 星野凌(JBS) VS 安村綺麗(ディアマンテ)

試合の展望・予想

リアル幕之内一歩こと星野凌選手はごりごりの叩き上げで不利予想を覆しながら東日本を制した叩き上げ。

対する西軍代表の安村綺麗選手はアマチュアで30戦以上のキャリアを誇る選手。

プロでも直近3戦は苦戦しながらギリギリここまで勝ち上がってきました。

安村選手は決して圧倒的な強さを誇ってきた訳ではありませんが、接戦で勝ち切る上手さ、強さを持っています。

星野選手は東の決勝で二葉選手に勝つには勝ちましたが2Rまでは接近戦でアッパーを貰い劣勢でした。

総合的に見て、序盤は安村選手の上手さが星野選手を上回ると予想していますが、中盤以降は星野選手が追い上げるでしょう。

4Rであれば安村選手が逃げ切ると予想しますが、5Rとなると微妙。

全階級を通して最も予想が難しい試合ですが、この試合が6回戦なら最終的に星野選手がまだ見せていないデンプシーロールで安村選手を捕まえるが、5Rまでなら安村選手が2対1のスプリットデシジョンで勝利。そう予想してみました。なんか外しそうだなぁ。

試合結果

47対48,46対49,46対49で安村選手が判定勝利。

勝敗予想は安村選手も、星野選手に期待もしていた試合でした。

試合は安村選手のリーチと機動力に星野選手は中に入れず、ガードの上からパンチをもらいポイントを失う展開となりました。

星野選手はガードを固めてジリジリと前に出て、左ボディから右フックを被せる作戦。

1R目の終盤にはこの右フック(ドラゴンフィッシュブロー!!)が炸裂し、安村選手がフラつく場面も。

しかし試合全体は安村選手が支配しており、このドラゴンフィッシュブローに右カウンターを合わせる場面も。

ポイント不利な中、最終ラウンドにも星野選手の右が炸裂し安村選手がクリンチで逃げる場面もありました。

星野選手は一発で見せ場を作りましたが手数で圧倒的に負けており、ガードの上からパンチをもらいすぎました。

アマチュアキャリアも豊富な安村選手が一枚上手な結果とはなりましたが、リアル幕之内一歩なのにドラゴンフィッシュブローな星野選手も可能性を見せた試合でした。

西軍代表決定戦で安村選手に敗れた進心輝選手はボディワークとフリッカージャブが素晴らしい選手でしたが、星野選手とこの進選手が対戦したら面白い試合になりそうです。

この2人の試合を出来れば3150FIGHTで観てみたい。

安村選手は既に完成度が高過ぎて、この先が気にはなりましたが、どんな選手にも対応出来る万能型のボクサーでした。

フェザー級4回戦 廣瀬祐也(協栄) VS 岡本恭佑(HKスポーツ)

試合の展望・予想

3度目の新人王トーナメントで東を制した新生協栄ジムの廣瀬祐也選手はとにかく穴がない。

サウスポースタイルでガードもしっかりした基本に忠実なボクシングは崩すのが容易ではない。

西軍代表の岡本恭佑選手も同じく穴のないボクサーですが、どこか勝ち切る力があと一歩足りない印象のある選手。

この試合に関してはかなり自信を持って廣瀬選手が勝つと予想します。

岡本選手は化けたら恐い選手ですが、現在地で見ると廣瀬選手が攻撃力の差で完勝すると予想します。

試合結果

37対39,37対39,38対38の2対0の判定で岡本選手が勝利。

勝敗予想は廣瀬選手としつつも、北九州ボクサーの岡本選手を心の中で応援していた試合でした。

北九州はtorajiroの母方の実家で毎年遊びに帰っていた第二の故郷でして。

自信を持って廣瀬選手が勝つと予想した試合ですが、始まってみると岡本選手の懐が想像以上に深く廣瀬選手は距離が合わない。

岡本選手はノーモーションの右を当ててポイントでリード。

2Rも岡本選手の右が当たっていましたが、徐々に廣瀬選手も距離があってきた。振り分けが難しいラウンド。

3R目は廣瀬選手も距離を掴んで多彩な上下のパンチでイーブンな展開にしていきましたが、4R目は両者共に良いパンチを当てて振り分けが難しいラウンドに。

torajiroの採点はイーブンでしたがジャッジ2者は岡本選手を支持。

岡本選手の方が右を当てていたので妥当な結果だとは思います。

第二の故郷北九州から新人王が誕生して嬉しかったです。

余談ですが、岡本選手サイドのセコンドから「みえとー!みえとー!」と北九弁で声援を送る声を聞いて、子供の頃に従兄弟と風呂に入った際に僕のお股を見た従兄弟が「にーちゃん○○毛はえとー!はえとー!」とはしゃいでいた過去を思い出して試合に集中出来なくなりました(笑)。

廣瀬選手は後半に追い上げていたのでこの試合が6Rだったら違う結果になっていた気がしました。

Sフェザー級5回戦 岩本星弥(JBS) VS 大谷新星(真正)

試合の展望・予想

ここまでの僕の各階級の勝敗予想はボクシングモバイルの勝敗予想とほぼ同じなのですが、Sフェザー級に関しては違う予想をしています。

ボクシングモバイルの投票では7割近くが西軍代表の大谷選手の勝利と予想していますが、僕は東軍代表の岩本選手が勝つと予想しています。

大谷選手の体の強さ、パワーは魅力的ですが、岩本選手もフィジカルが強くフットワークがあり、何より無尽蔵のスタミナを持っています。

大谷選手は過去の試合において4R目には疲れて動きが落ちていましたが、岩本選手は全くペースが落ちません。

東日本決勝のように岩本選手が打ち合いを挑むのなら大谷選手にも勝機はありますが、岩本選手が機動力を活かしたテンポの速いボクシングで挑んだ場合、スピード面でやや課題のある大谷選手が後手に回る展開になると予想しています。

5Rというラウンド数も考慮すると、岩本選手は自分のボクシングをすれば勝てると予想します。

試合結果

47対48,47対48,46対49の判定で大谷選手が勝利。

大谷選手のパワーがあることは分かっていましたが、実際試合を観るとそのパワーが想像以上でした。

大谷選手がスタートからパワーパンチで仕掛けるが、岩本選手が右カウンターをヒットさせて接近戦に突入。

2R目以降も接近戦の展開が増えるが、大谷選手の要所要所の強いパンチの印象が強い。

ただ、大谷選手は徐々に疲れてきたのか、岩本選手がグイグイ前に押して接近戦で大谷選手をロープに詰める場面が目立つ。

・・・のですが、それでも大谷選手が時折見せる強いパンチは音が凄くてガードの上からでもポイントに影響しそう。

4R目に大谷選手はスタートから仕掛け、岩本選手も押し返すものの右をもらい腰が落ちる。

最終ラウンドも岩本選手が手数で押し切りましたが、大谷選手のパンチの音もヤバかった。

JBスポーツジム側から見たら岩本選手が勝ったと思ったかもしれない一戦。しかし大谷選手のあのパンチ音は相当なインパクトがありました。

ライト級5回戦 川口高良(協栄) VS 船橋真道(KWORLD3)

試合の展望・予想

東日本の優勝候補だった大橋ジムの長沼蒼大選手を追い回し、ダウンを奪って完勝した川口高良選手。

西軍代表のKWORLD3ジム所属ふなっしーこと船橋真道選手はサイドのフットワークと豊富な手数が魅力の選手。

ボクシングモバイルの勝敗予想では川口選手の勝利予想が6割近いですが、この階級はふなっしーが動き回りながらポイントアウトすると予想しています。 

パンチ力はあるけれど一発狙いの傾向があった長沼選手と違い、ふなっしーは打っては動いて手数も豊富なので、動きながら要所要所で川口選手を迎え撃ち、ポイントを手繰り寄せていくと予想します。

試合結果

48対46,49対45,49対45で川口選手が勝利。

試合は予想通りふなっしーが左右によく動き、ワンツーに右から飛び込んでの左フックとリズム良く戦う。

2Rもその状態が続いていたが、ガードの低いふなっしーの顔面に川口選手の右が炸裂。更に右アッパーもヒットしてふなっしー大ピンチに。

3Rはまた元にふなっしーが動く展開も、再び終盤にパンチをもらい腰を落とすと4Rには右アッパーに右カウンターを合わされふなっしーがひっくり返る。

川口選手は手数は少ないものの的中率が高く、その一発一発が骨に響くような破壊力を持っていました。

最終ラウンドは手数でふなっしーが押し切りましたが判定はダウンを取った川口選手に。

この試合、ふなっしーはとても良いトップアスリートの表情をしていました。

しかし試合を通じて飛び込んで打ちに行って空振りした腕で巻き込むホールドで注意される場面が非常に多く、上を目指すための改善点も見えた試合でした。

機動力でガードの低さをカバーしてきたこれまでから戦い方を少し修正する必要があると感じました。

川口選手は骨からして強いボクシングという感じで、かつてウェルター級で活躍したハードパンチャー大曲輝斎氏を彷彿とさせるボクシングでした。

叩き上げ枠でとっても魅力的な選手が出てきました。

Sライト級4回戦 スコーピオン金太郎(三谷大和) VS 野口海音(ハラダ)

試合の展望・予想

Sライト級は全階級を通して最も熱い試合かもしれません。

トカちゃんの秘蔵っ子でYouTubeでも度々紹介されて注目されていた石井竜虎選手を倒して東軍を制したのは三谷大和ジムのスコーピオン金太郎選手。今ノリに乗った選手です。

一方の西軍代表野口海音選手は新人王トーナメントにエントリーするも、対戦相手が不在という事態に陥り、その間に3150FIGHTのリングに上がったところ、韓国人選手にまさかのダウンを奪われて判定負け。

直近の試合は1RTKOで勝利しましたが、勢いで見れば完全にスコーピオン金太郎選手。

ただ、スコーピオン金太郎選手は石井選手との東日本決勝で、普段のようなフットワークが使えておらず、サウスポー同士での試合運びに一抹の不安を抱かせました。

この試合はパワーでは劣るものの、上手さでは石井選手を凌駕する野口選手が長いリーチを活かして先手を取り、スコーピオン金太郎選手を左ストレートを打ち抜くのではないかと予想します。

試合結果

3R 1分 0秒 TKOでスコーピオン金太郎選手が勝利。

両者が向き合うと野口選手がめちゃくちゃデカい。

更に野口選手の一発一発のパンチは破壊力十分。ただ、野口選手は会場で観戦すると打ち終わりのバランスがあまり良くない事にも気づきました。

一発のパンチは野口選手ですが、パンチの繋ぎとバランスはスコーピオン金太郎選手の方が良く、後半になるにつれて流れが傾くと思った矢先の2R、物凄い左カウンターが入り野口選手がダウン。

ここは立ち上がるも足元がふらついており勝負ありな印象。

スコーピオン金太郎選手は3R目にもインサイドから左ストレートを打ち抜いて再度ダウンを奪い、ここでまとめてTKO勝利。

三谷大和ジムがかつてのゴタゴタから復活し、2年連続の全日本新人王を輩出。

>>斉藤司が遂に復帰!三谷大和ジムの現在と移籍・引退した選手達のその後

歴史を感じます。感慨深いです。

歴史を繰り返さず、ここからあの時の続きを見せてください!!

ウェルター級4回戦 松野晃汰(神奈川渥美) VS 松岡陸(浜松堀内)

長身でスピーディーなソリッドパンチャーという共通点のある両者ですが、松岡選手が棄権したためこの階級は松野選手が優勝。

圧倒的優勝候補だった山本諒真選手、そして輪島の孫として注目度ナンバーワンだった磯谷大心選手を破った松野選手の今後の活躍に期待しましょう。

松岡選手は将来性のある選手で棄権は残念でしたが、年齢はまだ20歳。西軍代表決定戦ではアマチュアキャリアがあり4勝4KOだった矢野翔斗選手から見事ダウンを奪っての判定勝利でした。

仮に決定戦で両者が戦った場合、松岡選手のポテンシャルは非常に高いですが、現段階では松野選手が判定でもKOでも勝っていただろうと予想します。

リング上で今後への抱負を語った松野選手。

ウェルター級は選手が少ないのですぐにトップ戦線に仲間入りするでしょう。

今年は豊作だったウェルター級。

途中で敗れた選手達の2023年の活躍も期待しています。

ミドル級4回戦 時吉樹(横浜光) VS 大島光容(尼崎亀谷)

試合の展望・予想

赤井英和さんの息子英五郎選手にK-1からきた左右田選手らタレントが揃った東日本を確かな実力で制覇した時吉選手。

一方の西軍代表は1戦1敗の端山征一郎選手に勝利して決定前に進んだ大島光容選手。

大島選手は一時引退から8年の時を経ての復帰から全日本に進みました。

一時引退していたのは首のヘルニアがあったからだそうですが、そこからの復帰はかなりの勇気が必要だったでしょう。

実力、実績で見れば時吉選手が圧倒的に有利ですが、大島選手も長い時を経て復帰した意地を見せてくれるでしょう。

勝敗予想としては時吉選手が4R以内に大島選手をKOすると見ています。

試合結果

39対37,39対37,40対36で時吉選手が勝利。

時吉選手が圧倒すると思いつつ、首のヘルニアから復帰した大島選手に期待していた一戦。

試合は時吉選手が力強いジャブでリード。

しかしジャブの戻りが低い時吉選手の左ガードの甘さをついて大島選手が右をヒット。

後で映像を見返すとそこまで感じませんでしたが、会場で観ているとこの大島選手の右が結構効いているように見えました。

ジャブから丁寧に組み立てる時吉選手ペースではあるが、3Rにも大島選手の良い右が入り、ドロー判定もあり得るのではと思うような接戦になりました。

自分がやや大島選手寄りで観ていた感も否めませんが。

時吉選手は右を被される場面が度々あり、今後ランカーとして戦っていく上での課題が浮き彫りになった一戦でした。

まとめ

全日本新人王決定戦、全階級の勝敗予想は偶然にも6勝6敗のイーブンとなりました。

毎度の事ながら果たして自分の予想はどれだけ外れてしまうのやらとドキドキしていましたが、当たった試合は6試合。

見事に5試合も外し、ボクシングの難しさを痛感した次第です。

今回大会で優勝した選手達がA級ボクサーとして上の舞台でどういった活躍をするのか。

厚い壁に跳ね返される選手もいれば、一気にタイトル挑戦まで駆け上がって行く選手も出てくるでしょう。

西軍の幼少期からボクシングに親しんできた精鋭達もここから先はそのアドバンテージのない中で戦う事になります。

敗れた叩き上げのボクサー達の中には伸び代が半端ない、大きな可能性を秘めた選手もいました。

今後それぞれの選手達がどんな道を歩むのか今から楽しみです。

今大会予選も通して最も印象に残った選手はSフライ級の佐野遥歩選手。

あの脱力は選ばれたトップアスリートした出来ない動き。まさにダイヤの原石です。

静岡から世界を本気で目指せると思います。

敗れはしましたがJBスポーツジムの星野・岩本両選手も印象に残りました。

この両選手はハートが強くスタミナもあって体も強い。努力出来る強い精神力と肉体を持っている両選手の今後に注目しています。

脳の怪我でトーナメント途中で引退したバンタム級の水島楓選手も良いボクサーでした。

まだまだ書きたいことはありますが、キリがなくなってしまうのでここいらで一旦締めたいと思います。

トーナメント関連記事、全体的に少し読みづらかったかなと自身も反省しつつ、来年に向けて改善して行きたいと思います。

拙い文章を読んでくださった方は本当にどうもありがとうございました。

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